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首肩の痛みに効く!!肩こり解消ストレッチ〜正しいストレッチ方法を解説

肩、首の痛み、寝違え、ぎっくり腰・・・といった急に現れる体の痛み。

悪天候や寒さの影響、そして疲労が溜まると決まって現れる「いつもの」痛み・・・憂鬱な気分になり頭痛も出てくる長引く首こり、肩こり、腰痛。慢性痛。

テレビでは、簡単かつ効果抜群と言われる体操やストレッチ方法がよく紹介されているけど・・・効果がない。沢山ありすぎてどれが正解なのか分からない!!そもそも動かすことに恐怖を感じる・・・

誰もが経験する急な痛みと慢性的なツラい症状を解消するための正しい対処方法を、肩こり・腰痛の専門コースを行っている専門家の立場から責任を持ってキッチリお教えします。

肩こり外来の受診を検討している方、楽になる場所を探し求め日々お悩みの方、まずはご自身で行うことのできる方法で少しでも楽になりましょう!!

今回ご紹介するのは、「今」つらくてお困りの方が、ご自身で行える効果抜群の「肩甲骨ストレッチ」と「セルフケアで押さえておくべきポイント」です。

肩こり対策から急な痛み対策、そして肩こり予防のために、正しい知識を是非とも身につけてください!!

肩こりが簡単に治ってしまう運動・体操・ストレッチは、存在しません!!

肩こりが一発で治るように思わせる情報がたくさんございます。本当にそんな方法があるのなら、世の中から肩こりで悩む人はいなくなります。湿布やピップエレキバンも売れません。

たびたび話題になる肩こり解消方法は、どれも一時的な緩和・解消法

応急処置・対症療法は必要です。頭痛薬や風邪薬が欠かせないように、一時的な解消方法は必要です。

一時的ではなく、きちんと肩こりを根本的に解決するには「原因」にアプローチしなくてはいけません。

痛み・辛い症状の一時的な緩和はまず最初に行う応急処置の一つですが、これらは「原因」ではなく「結果」へのアプローチです。

この記事で紹介するストレッチ方法は「結果」だけでなく「原因」に対するアプローチもしっかり含まれています。セルフケア方法は、肩こり・首こりに限らず、体のどこかを傷めた時にも使える方法です!!生きていく上で必ず役に立つ情報です。ぜひ身の回りの方にも教えてあげてください。

 

近くに救急外来の病院がない!!

祝日、日曜日は医療機関が休みなことが多いので、急に痛くなってしまった時は、ついつい近所のクイックマッサージや整体にいってみようと思われるかもしれません。

もちろんコリをほぐしてもらうという応急処置としてはよいかもしれないが、一時的な緩和ですので、それを繰り返しても決して症状が治まることはありません。

まずはご自身でできる、当ページで紹介のセルフケアを行ってみてください。

正しいセルフケア方法を行えば、十分症状は軽減されます!!

肩こり専門院が行なっているストレッチ

世の中には、肩こり解消を謳ったストレッチの方法がたくさん溢れかえっています。

もちろん効果を期待できるものもありますが、見よう見まねでやってみると、効果が出ないばかりか却って肩こりが悪化してしまうこともあります。

「プロにやってもらう」「プロに正しい方法を教わる」のが正解ですが、今回は誰もが簡単に、そして確実にできる方法をご紹介します。

このストレッチ方法は、患者さんがご自宅で無理なく実践でき、かつ効果のある方法として、試行錯誤を重ねて考えだしたkatakori LABSオリジナルの肩甲骨ストレッチです。肩こりを治すための鍼灸・マッサージにおいても活用しているストレッチですから効果は保証します◎。

katakori LABSオリジナル肩甲骨ストレッチの特徴

  • 誰でも簡単に行えます。
  • 所要時間、わずか1分!!
  • 確実に効果あります。

健康のコツは肩甲骨、というキャッチフレーズをリラクセーションのお店の立て看板でよく見かけますが、その肩甲骨が今回のストレッチの要です。体操よりも気軽にできます。すべての人に自信をもってオススメしたい肩甲骨ストレッチ!!ご自宅だけでなくオフィスでも行えます。

肩甲骨ストレッチの具体的な方法のご紹介の前に、まず、痛みと熱についての豆知識から解説いたします。

痛くなったら冷やすべき?温めるべき?

セルフケアの基本は、患部を温める、もしくは冷やす、というものです。これを間違えてしまうと逆効果、せっかくのストレッチも活きません。

痛みには冷やすべき痛みと温めるべき痛みがある

現場で特に多く受ける質問のひとつです。

痛みを緩和するために、冷やすべきか、温めるべきか、これは沢山の方が判断に迷う問題です。

古くより「首や腰は冷やしてはいけない」という言い伝えがありますが、サッカーや野球などで選手が負傷した時、応急処置としてスプレーで冷やしているのを見たことがありませんか?
湿布には、冷感湿布と温感湿布の2種類あるので、こういったことも混乱する原因の一つだと思います。

また、やり方によっては、冷やすことで血流の改善も可能なのです。
ですので、「首だから冷やしてはいけない」「腰だから冷やしてはいけない」と部位によってではなく、患部の状態によって、温めと冷却を使い分けることが大切です。

急な痛みは冷やし、慢性的な痛みは温める。

処置の方法として、「温める」「冷やす」この2パターンと考えられることが多いですが、「冷やしてから温める」というパターンも含め、基本的には3パターンあります。ただ、温めるべきなのに温めても改善がみられないという場合は「冷やしてみる」という方法もございます。これらについては、それぞれの症状に応じて、後に詳しく解説いたします。

まず、最初に覚えておいていただきたいのは以下の2つです。

  • 急に痛み出した場合は冷やす
  • 慢性的な痛みは温める

先に冷やしてから温める、またその逆の場合でも、最初にとるべき方法はこの2つの方法のどちらかです!!

肩や腰の急な痛みに効くセルフケア方法

寝違え・ギックリ腰など急に傷めた場合、まず冷やすことが大切です。

急な痛みの場合、炎症が生じていることが考えられますので、ストレッチやマッサージなど無理に動かしたり、温めを行ったりするとかえって逆効果となります。

急性の痛みに対しては基本的には冷却(アイシング)と安静が必要です。

市販の湿布の真実

知りたくなかった!!と思われるかもしれませんが、どのご家庭にもある湿布、ヒヤッとはしますが冷却効果はありません。あくまで冷感、文字通り冷たく感じるだけです。

冷感だけでなく温感湿布もございますが、いずれにせよ冷感湿布も温感湿布も効果に差はありません。

冷たく感じる成分、暖かく感じる成分の違いなだけで、冷やされているわけでも温めているわけでもありません。

ただし温感・冷感どちらの湿布にも血流を増加させる効果はあります。ですので寝ちがえやギックリ腰、打撲、捻挫などの急性の痛みの時には不適切であるばかりか、炎症が助長される可能性もあります。

急性の痛みの時には、氷のうで15−20分間のアイシングが有効です。

保冷剤や氷で直接冷やすと凍傷となる恐れがあるので、その点だけは気をつけてください。繰り返しになりますが、冷湿布には急性の痛みに対するアイシング作用はありません。

鎮痛効果という意味では、医師の処方箋が必要なモーラステープやロキソニンテープといった調剤薬局・薬剤師のいる薬局で購入できる湿布は有効です。塗るタイプも同様です。

効果的なアイシング方法と注意点

アイシングには昔からある氷嚢(アイスバッグ)がとても効果的です。

氷のう

お持ちでない場合、アマゾンなどはもちろん、お近くのドラッグストア・薬局に必ず置いてありますので、是非ご用意ください。

  1. 氷嚢で約20分間、患部を冷やします。
  2. 氷嚢を外して、患部の肌温度が元に戻るまで待ちます。
  3. 再び、氷嚢で約20分間冷やします。

このサイクルをできるだけ多く繰り返し、2−3日続けてください。安静を保つことも忘れずに!!

注意点は、凍傷となる恐れがあるため、保冷剤や氷で直接冷やしてはいけないということです。アイシングとはいえ0℃以下で冷やしてはいけないのです。

 

アイシングのしすぎに気をつけてください。

アイシングのしすぎにも注意が必要です。常に冷やす事によって、却って血流が悪くなり痛みを引き起こしてしまう恐れがあるため、行う時間に注意をしていただきまして、繰り返す場合は皮膚の温度が完全に元通りになってから行うようにしてください。(上記の慢性症状の際にもアイシングを行う場合がありますが、その時とは目的が異なるためアイシング施行時間が異なります)

急に痛くなった時のストレッチやマッサージは禁物です。できるだけに安静に!!

無理なストレッチやマッサージ(整体や骨盤矯正含む)は控えて頂き、痛くない姿勢で安静を保ってください。

どうしても動かなければならない時は、コルセットやネックカラーを着用してください。寝違えやムチ打ちの場合で、ネックカラーが無い場合、簡易的な対処としてバスタオルをマフラーのように首に巻くと負担が軽減されます。

初期の処置をしっかり行えば、24~72時間で炎症が鎮静化しますので、初めの処置が肝心です。

アイシングはあくまで応急処置です。アイシング後は可能な限り早く医療機関を受診し、医師の診察を受け処置を行うことをおすすめします。

腕、足に痺れを感じたら、必ず整形外科へ!!

傷めた後から、手足(肘や膝より末端部分)にシビレ感がある場合は、必ず整形外科を受診し医師の診断を受けるようにしてください。

しびれなどの神経症状が無いようであれば、当院で対応できます。2~3回の施術で日常生活が問題なく送れるようになります。

慢性的な肩こりに効果抜群の肩甲骨ストレッチ!!

症状が慢性的で肩こり・首こりが徐々に痛く、つらくなった場合のセルフケア方法は、以下の手順になります。

  1. ストレッチ
  2. 温める
  3. 状況に応じて冷却する

超簡単かつ即効性の高い肩甲骨ストレッチ

肩こり解消に良いとされるストレッチや体操があらゆる所で沢山紹介されています。肩甲骨ダイエット(※ 肩甲骨ダイエットの嘘・ホント)も巷でよく話題に上がります。肩甲骨ダイエットには、残念ながらダイエット効果はないのですが、肩甲骨を動かしストレッチを行うことは大変意味のあることです。

お待たせいたしました。それでは肩こり解消ストレッチではベストな方法だと自負しております肩甲骨ストレッチをご紹介いたします。

所要時間は約1分です。

「肩こり」にお心当たりがある方は騙されたと思って1回試してみましょう。

Point
肩こり・首こりがつらい時は、肩甲骨の動きや位置が正しくない状態です。つらい部分にのみ目を向けるのではなく、その部分に負担をかけている原因、つまり肩甲骨の動きを改善するということが大切です。

step.1

ストレッチその1
肩をグーッと上にすぼめて力を入れて・・・(この時に顎を引かず、やや遠くを見るように少しだけ上を向くようにしましょう)
ストレッチその2
一気に脱力します。

 

これを2~3回行います。

step.2

ストレッチその3
グーッと背伸びをして手をなるべく上に伸ばすように力を込めます。この時もやや上を向く意識を持ちます。両腕を耳の後ろにつけるように力を込めると同時に肩甲骨の外側を伸ばしていきましょう。(肩関節が痛い場合は無理をしないでください。)
ストレッチその4
その後、両肘を後下方に寄せていき、左右の肩甲骨を近づけるように力をいれます。

 

これを2~3回程繰り返します。

step.3

ストレッチその5
脇の下から背中にかけての筋肉(図の赤い部分)をストレッチします。
back-stretch
四つ這いになって腕を頭上にあげていきます。この時も肩甲骨を中心に寄せるように意識します。腕の付け根と胸が伸びるのを感じてください。10秒を2~3セット程。
lat-stretch
デスクでは左の写真のように応用することもできます。ご家庭はもちろん、オフィスでのデスクワークの合間にお試しください。

 

この体勢はご存知の方、よくされている方も多いかもしれませんね

step.4

最後に腕を大きく回します。

前回し後ろ回し5回ずつです。この時も下向かず、やや上を向くくらいの意識で行ってください。

この時に、気をつけるべき大切なポイントがあります!!

  • 両腕同時に行う。
  • 肘を耳の高さまであげる。

この2点を抑えないと効果が期待できませんので注意してくださいね!!書籍や動画、テレビなどで紹介される様々な方法を見よう見まねで試しても効果がない場合は、抑えるべきポイントを抑えられていない、そしてそもそも説明されていないことが多いです。

  • この4つのメニューを行い、肩甲骨の周囲や背中がスッキリした感じがあればOKです。
  • このストレッチは、1日に何回行っても大丈夫な、メリットしかないストレッチです。

どうでしょう?少し楽になりましたか?

このストレッチ方法は以下のYouTube動画でもご紹介していますので、ご覧ください。

 

肩こり治療で行うストレッチ

 

ご紹介した肩甲骨ストレッチの目的と、肩こり解消ストレッチとして機能する理由を解説します。

首や肩のこり固まった筋肉をいくらストレッチしても、伸びませんし楽になりません。肩こりでつらくなる筋肉は頚椎と肩甲骨をつなぐ筋肉です。そのため、以下の図のように肩甲骨をあらゆる方向に動かすことが大切です。

ShoulderMvmnt

肩甲骨ストレッチが肩こり解消ストレッチとして効果的な理由

今回ご紹介したストレッチ方法は、首肩の筋肉への負担を減らしつつ肩甲骨を動かすことを目的としたストレッチなのです。これが、肩こり解消に効くのです!!

ストレッチには種類があります!!一般的なストレッチは静的ストレッチ

皆様がご存知のストレッチと呼ばれているものは、じっくりと筋肉を引き伸ばして行うストレッチ方法です。これは、ストレッチの中でも静的ストレッチ(=static stretch)と呼ばれているものです。

ストレッチには大きく分けて

  • 静的ストレッチ
  • 動的ストレッチ
  • PNFストレッチ

の3種類があります。

一般的なストレッチは静的ストレッチ、今回ご紹介したストレッチ方法は、動的ストレッチ(=dynamic stretch)+PNFストレッチになります。

動的ストレッチが効く理由

セラピストとしての経験から、動的ストレッチによる肩甲骨ストレッチを自信をもってオススメしています。実際に試して頂ければ効果を実感していただけるはずなのですが、本当に効果あるの?と試されていない方のために、動的ストレッチの有効性を示唆した論文を見つけてきました。

〜筋ストレッチング法の違いが筋血液量に与える影響〜

酸素化ヘモグロビン(新鮮な酸素が含まれたもの)変化量(安静時値とストレッチング後の値との差)は,ダイナミックストレッチではスタティックストレッチと比較して有意な増加を認めた。しかし,脱酸素化ヘモグロビン(酸素が含まれてないもの)の変化および頚部側屈可動域,筋硬度には有意な差を認めなかった。

筋ストレッチング法の違いが筋血液量に与える影響 公益社団法人 日本理学療法士協会

簡単にまとめると、じっくりと引き伸ばすストレッチ(スタティックストレッチ)と動きを伴ったストレッチ(ダイナミックストレッチ)を比べた所、筋肉の硬さや首の可動域には差が生じなかったが、動きを伴った方が「血流改善効果」が高かった、ということです。

肩こりでつらいその部分におきましては、筋肉が硬くなり血流が悪くなってしまっている状態です。よって・・・「今つらい!!」コリの症状に対処するためであれば、ゆっくり静かに伸ばすストレッチよりも、動きを伴ったもの方が効果的となるわけです。

動的ストレッチだけでなくPNFストレッチの要素も盛り込んだ肩甲骨ストレッチ

katakori LABSが実践・推奨している肩甲骨ストレッチは、動的ストレッチに加えPNFストレッチの要素を取り入れています。その理由は即効性を高めるためです。

PNFストレッチの要素を加えることでなぜ即効性が高まるのか?そもそもPNFとは何なのか?

以下に、ストレッチなのに力を込めるの?という疑問をお持ちの方への回答と合わせてPNFについて簡単にですが、まとめました。理論にご興味がある方はご覧ください。

 

筋肉が凝っている状態とは、筋肉が収縮したまま緩まない状態

人体に本来備わっている機能として、筋肉は力を入れる(収縮)とゆるむ(弛緩)の2つの性質があります。これは人体が円滑に動く上で必要不可欠な機能です。生理学用語でⅠb抑制(イチビー)といい、反射のひとつで意志とは関係なく生じます。時間がたっても戻らないひどい凝りとは、何らかの理由で筋肉が持続的に収縮してしまっていて、弛緩することができない状態にあります。つまり、こっている部分は本来備わっている正しい機能が失われてしまっているのです。

収縮して硬くなった筋肉を伸ばしても効果は期待できません。

肩こり・首こりに良いとされるストレッチは僧帽筋や肩甲挙筋など硬くなっている筋肉を伸ばそうとします。読者のみなさんはもうおわかりだと思いますが、こってつらくなっている部分をいくらストレッチしようとしても伸びないですし楽にならないのです。

その理由は、肩こりで硬くなっている筋肉は、疲労の機序が一般的な筋疲労(階段を上って足が疲労するなど)と異なるからです。具体的には、肩こりでつらくなる筋肉は能動的に収縮を行い疲労したのではなく、不良姿勢などで持続的に引き伸ばされる(ストレッチされ続けて)事によって、負荷を与えられているからなのです。

肩こり・首こりに効果的なストレッチとは?

Ⅰb抑制は筋肉のスジが引き伸ばされた時に生じます。ストレッチはⅠb抑制という反射を意図的に生じさせ、筋肉が弛緩することを望みます。しかし、肩こりでつらくなる筋肉は、引き伸ばされ続けてしまっている事から疲労が生じているため、Ⅰb抑制が生じにくくなっています。「引きのばされる」という刺激に慣れてしまっているのです。だから、慢性的に患っていらっしゃる方は、つらい部分を伸ばす肩こりに良いとされるストレッチをいくら行ってもほぐれないし楽にならないのです。

そこで、肩こり・首こりに対しては単なるストレッチではなく、一工夫したストレッチを行う必要があります。

Ⅰb抑制は筋肉が強く収縮した時にも生じます。そのため、『筋肉は最大収縮後に最大弛緩する』と格言のように言われることもあります。つまり、つらくこってしまっている筋肉をあえて収縮を促します。そうすることによってⅠb抑制を効果的に喚起して筋肉を弛めるのです。これを専門用語ではPNFストレッチと言います。

一人でもできるPNFストレッチを応用したセルフストレッチ

PNFはProprioceptive Neuromuscular Facilitationの略で、日本語では固有受容性神経筋促通法となります。 ・・・難しいですね。簡単に言うと、全身各所にあるセンサーを刺激して体の機能を改善するリハビリの手段です。とても専門的で難しい技術・理論なのですが、PNFストレッチとはその理論をストレッチに適用したものです。PNFストレッチは関節の可動域を大幅に改善することができるため、プロアスリートなど結果を求める方に対してしばしば行われる技術です。基本的には専門家がマンツーマンにて行う技なのですが、一般の方でも要点をおさえて行えば、自分自身で行ったとしても今まで以上の効果が期待できます。つまり、ご紹介させていただいたストレッチ方法はPNFストレッチを応用したものなのです。だからこそ従来のストレッチと比較して効果が期待できるのです。

当院推奨の肩甲骨ストレッチが、他のストレッチと比べて効果がある理由をまとめますと・・・

違い①
首ではなく肩甲骨を動かす事→ 安全。何回行ってもOK!
違い②
動きを伴ったストレッチ→ ゆっくり伸ばすストレッチよりも血流改善効果有り=症状解消に効果的
違い③
PNF理論を導入→ 単なるストレッチでは効かない方へも効果的

という3点が巷に広まっている方法と大きく異なる点であり、当記事の肩甲骨ストレッチが効果的である理由です。

辛くなった時にだけ試すのではなく、気分転換に行うなどと習慣にしていただくと肩こり対策にもなります。日々、肩甲骨を動かす、という意識を持ってください。

肩甲骨剥がしをセルフで行うのはNG!!なんちゃって肩甲骨剥がしは逆効果の可能性も・・・

肩甲骨を動かしたいけど痛くて動かせない場合に有効なのが「肩甲骨剥がし」です。一時期話題にもなりましたし、名前のインパクトが大きいのでご存知の方も多いと思いますが、実際どういうものかとなると、間違った認識が蔓延しているようです。

もともとは、肩甲骨の下に手を入れて剥がすと気持ちいい、ということから流行りました。当然、人にやってもらう方法です。

肩甲骨はがしところが“肩甲骨剥がし=肩甲骨ストレッチ”のように紹介されているホームページが多々ございます。専門知識のない方が、いろいろな情報をまとめたもの、その中には自称・専門家による情報もあります。

肩甲骨剥がしはセルフでできることではございません!!

人間の体は、自分自身で動かせる動作と、動かせない動作がございます。動かせない動作を無理に行おうとすれば、筋肉や筋を痛める可能性が高いです。それでは逆効果ですので、肩甲骨はがしをやってみようとお思いの方は、治療院にご相談ください。

なお、なお、肩甲骨はがしだけで行っても根本的な解決にはなりません。繰り返しで恐縮ですが、とても大切なポイントですので、ご留意ください。

全体的につらくて重だるい・慢性的な痛みのある方 → 温めてください

体を温める方法は多々あります。今回ご紹介する方法は、自宅で簡単にでき、ホッカイロや電気機器よりも確実に効果が高い方法です。

  1. 自作の簡易ホットパックを作ります。

    タオルを濡らしてビニール袋にいれ、レンジでチンをすると簡易ホットパックができます。(触れる際には火傷にご注意ください)

  2. ホットパックをさらにもう一枚タオルでくるみ、患部を数分温めます。
  3. 患部の皮膚の温度が元に戻ったら再度行います。

    低温火傷の可能性があるため行う際は皮膚の状態を常に観察し、くれぐれも注意を払って行ってください。

患部だけではなく、手足の冷えに対してもオススメです★

ホッカイロなどの懐炉の常用は避けましょう。

冷えを気にされて、使い捨てカイロ等を常に貼り付けている方がいらっしゃいますが、これには注意が必要です。良くも悪くも人体の感覚には慣れが生じます。常時カイロで温めていると、温熱刺激に慣れてしまい、温まらなくなってしまうばかりか、温度に体が慣れてしまい体を温める機能が低下してしまいます。つまり、常に温めているとそれに慣れてしまうため、自ら温める機能が低下して冷えを助長させてしまう可能性があります。そのため常にカイロで温めていないといられないという状態となってしまいます。常に温めるのではなく、メリハリをつけて行うことが良いです。

腰痛改善本などの情報は鵜呑みにしないでください。

腰痛改善本で大抵紹介されている体操にマッケンジー体操があります。これは“うつ伏せに寝て過度に体を反らせる運動”なのですが、マッケンジー体操を自己判断で行いますと却って悪化する可能性があります。同様に、あおむけに寝て膝を曲げて状態を起こす“腹筋運動=ウィリアムズ体操”もケースバイケースです。割れる腹筋(腹直筋・腹斜筋)を鍛えても腰痛は改善しません!むしろ首へも負担がかかります。

お体の状況は千差万別であり、形だけをまねるエクササイズを行っても効果が出ないばかりか、却って逆効果ともなりかねません。体造りをして根本的な改善をお考えの場合は専門家へご相談ください。プロのスポーツ選手に専属のトレーナーがつくように、あなたの体を専門家がみることが改善への近道なのです。

サポーターやコルセットの常時着用は避けましょう。

サポーター等を常時着用するのは避けましょう。例えば、慢性腰痛の場合のコルセット。コルセットを四六時中毎日着用していますと筋力低下を招きます。そうなるとコルセットが手放せない体となってしまい、さらに難治性となり慢性化させてしまうのです。サポーターなどは、どうしても必要な時のみ、ご使用ください。

慢性的なコリや痛みの原因は1つではないということ←重要

慢性的なコリ・痛みの原因は“骨盤・骨格のゆがみ”、“数センチの足の長さの違い”、“リンパ・血液の滞り”が根本原因ではありません。ひとつの原因だということで納得してしまいたい気持ちはわかります。シンプルな方が気持ちが楽です。しかし、痛みやコリなど慢性的な症状の原因は非常に複雑です。それによる不合理な動きや姿勢の及ぼす悪い影響が集約された結果なのです。そのため根本的に改善するためには、まずはしっかりと複数ある原因を見極めた上でひとつひとつ解消していく「原因療法」が必要です。その部分だけではなく全身の筋力・動作などを改める「体造り」も行わなければなりません。根本改善のためには根気はいりますが、きちんとした専門家と共に行えば必ず体は良くなります。

どうしてもつらいポイントがあり、いてもたってもいられない、強い力でグリグリ押したい感覚のある方(温めを行っても改善しない方) → 冷やしてください

押してダメなら引いてみよ、と同じで温めてダメなら冷やしてみようということなのですが、これは実はとても大事なことなのです。一般的に「コリは温めるべき」という認識されています。とにかくコリは温める、そう信じて疑うことすらしない施術者が大半なのです。

  • 温めて改善しない場合には冷やすことで効果が出ることが多い。

これは私の実体験・臨床経験から強く主張したいことです。今まで温めて効果が出なかった方は、先入観を一度お忘れていただき、ぜひとも冷やしてみてください。

冷やし方の手順

氷のう(ビニール袋に氷と水を入れた簡易的なものでも良いです)にて患部へ、10分程度アイシングを行ってください。冷湿布ではなく、氷のうを用いるのがポイントです。冷湿布は冷たく感じますが実際の冷却効果はほとんどないのです。アイシングを行って症状が改善しない場合は、アイシング後にさらに上述しました②の温めを行ってください。これにより血流改善効果が補足され、より効果的となります。

  1. 氷嚢で約10分間、患部を冷やします。
  2. 氷嚢を外して、患部の肌温度が元に戻るまで待ちます。
  3. 再び、氷嚢で約10分間冷やします。
  4. この繰り返しで改善すればOKですが、改善しない場合は、ホットパックを使って温めてみてください。

 

保冷剤や氷を直接肌につけないでください。

アイシングといえど0℃以下で冷やしてはいけないのです。またアイシングのしすぎにも注意が必要です。常に冷やす事によって、却って血流が悪くなり痛みを引き起こしてしまう恐れがあるため、行う時間に注意をしてください。(凍傷の生じ方は個人差がありますので、当記事にてご推奨しております時間内だとしても皮膚の状態を確認しながらくれぐれもご注意のうえ行うようにしてください。下記の急性症状の際にもアイシングを行いますが、その時とは目的が異なるためアイシング施行時間が異なることをご留意ください。)

あなたに肩こり専門家としてお伝えしたいこと

ご自宅などで、簡単にできるセルフケア方法は、多くの方が興味をお持ちのことだと思います。コンビニや書店には、そのような類の書籍、雑誌がたくさん販売されています。テレビやインターネットでも、○○体操がすごい!!と取り上げられることもしばしばです。しかし、それで治った方は、どれだけいるでしょうか?

簡単で楽なものに人はどうしても頼りがちです。しかし、生活が便利になったことによる代償は、最終的には少なからずとも体、健康にくると思います。

身近にあることをいくつか具体例としてあげ、問題点をまとめておきます。

クイックマッサージ・整体・カイロプラクティックについて

肩こりとなると多くの方がまず足を運ぶのはクイックマッサージ・整体・カイロプラクティックなどです。

つらい部分をグイグイ押して揉みほぐすのは、その時は気持ちが良いのですが、それは一時しのぎです。一時しのぎはそれはそれで必要ですが、注意しなければならないのは、人間の体は刺激に慣れていってしまうように出来ているという点です。

強い刺激に慣れてしまいますと、一層ほぐれにくくなり、慢性化してしまいます。そしてさらに強い刺激をもとめ・・・と悪循環が生まれてきてしまいます。これは、受ける側の問題というよりは行う側に問題があります。

首の関節をむやみに鳴らさないでください。

また、首をボキっとならすのは一時的には爽快感があり楽になったように感じますが、外から力を加えても骨を矯正する事はできませんし、反対に背骨を傷めたり、却って周囲の筋肉の緊張を増すことにもつながりかねません。首ボキ施術を受けて頚椎を傷めてしてしまい、当院に駆け込んでいらっしゃる方が本当に後を絶たないのです。なので「首ボキ施術」を受けるのだけは絶対にやめていただきたいと、これだけは強く主張させていただきます。整体やカイロプラクティックではしばしば気軽に背骨をボキっと鳴らしますが、患者さんからもそれを避けてもらうようお願いしても良いと思います。それに対して意味の分からない説明をされたら、通うのは止めるのが賢明な判断です。施術をうける側が理解できないことを話す施術者を信用できますか?

セルフケアは日常生活を送る上でよいことですが、応急処置でもあります。

ご紹介させていただきましたセルフケアは日頃のケアとして行っていただくのはとても良いストレッチ方法です。肩こり解消に効果的ですが、あくまでも応急処置の範疇です。

注意していただきたいのは、セルフケアに限界があるという点です。

症状や体の状態は千差万別ですし、肩こりの原因はとても複雑です。そのため全員が肩こりを自分で治すことはできないという事はご理解いただきたいと思います。

このストレッチ方法で改善されない場合は、残念ながらセルフケアで状況を変えるのは難しい、つまり原因に対する自己解決が難しいので、理学療法が必要といえます。

肩こり・首こりは直近で生活が危機となるものではないため、どうしようもなくつらくなるまで後回しとされがちですが、「心底困っているわけではない」という軽症の方ほど簡単な処置やセルフケアで治すことが可能です。

たくさん通ってもらうための施設があふれていますが・・・

実際、対症療法を繰り返すというとにかく通ってもらうことを目的とした治療や、慢性化し難治性となってから回数多く治療を行ったほうが、ビジネス上に限れば良いです。

外食産業やリラクセーション・旅行といったビジネスでは、たくさん利用してもらうことは絶対に必要です。

医療はそうであってはいけないはずです。

重症化してしまうと完全に治す事自体が難しくなりますし、患者さんの費用面や治療に費やす時間面の負担も大きくなります。

重症化を防ぐ、そして軽症のうちに治してしまうという意味も含めて、さほど悩ましくない初期のうちに根本治療を始めていただくのがベストであり、私たちセラピストが望むべきことです。そうすれば、少ない回数の治療とセルフケアのみで改善可能です。

肩こり解消や体幹トレーニングの目的でヨガ教室に通われている方も多いと思いますが、まず肩こりを治してからヨガ教室に行ってください。

効果が感じられなかったり、逆に疲れて体調が悪い、そんな悩みを抱えていらっしゃいませんか?

はっきり申し上げますが、ヨガ教室で慢性的な肩こりはよくなりません。ヨガを本気でやっている人・理解している人はそもそも肩が凝らなくなるなんてことは決して言いません。

ヨガは、健康な人が、より健康的な生活を送る上では効果があるのです。

予防対策の方法は、できるだけ専門家に相談しましょう。耳障りのよい安易な情報は鵜呑みは禁物!!

いま現在、症状の自覚がなくても、猫背・姿勢の悪さ、体の硬さ、ポッコリお腹に心あたりが有る方は肩こり予備軍です。

肩こりを発症する筋肉・骨格の条件だけは整っていることになります。

肩こりというのは自覚症状ですから、症状が出る前に一度はお体のチェックをしていただくことが、発症を未然に防ぐ、肩こり予防という意味で大切です。

要点をきちんとおさえたセルフケアなら、軽症であれば十分改善します。

無理なくできる範囲で行ってください。

お体のチェックや細かい部分の修正、体造りのための個々の状態に適したセルフケア方法など一歩進んだことをお求めの場合は専門家に相談しましょう。

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中~重症の方は、どうしてもご自身で治すということに限界があるのも現実問題あります。そのため、「つらくなっては一時しのぎのマッサージでその時をやり過ごす」というのを繰り返すのではなく、根本原因をつきとめて対処する『治療』を行うことをご検討いただけたら幸いです。

もちろん、できる限りご自身でケアを行っていただく事は大切です。

慢性的な症状の根本的解決にはどうしても時間がかかってしまいます。ただ、原因に対する処置を行い、体を変えれば、現在のつらい状態から解放できる!!ということは覚えておいてください。

通ってもらうための施設を選ばない!!

いくら時間と費用をかけてマッサージに通ってもすぐに元通り・・・次第に悪化・・・という負のスパイラルから脱却するためには根本原因の解明と適切な処置が必要です。

一度、いつまで通い続ければいいんだろう?と冷静になってみましょう。

もし、あなたが心底肩こりに悩まされているのでしたら、まずはこちらで紹介したセルフケアを行ってみてください。それで効果が感じられない場合、お電話やメールでお問い合わせください。わかる範囲内で、できる限りのご対応をさせていただきます。

肩こり ラボは、通ってもらうための施設ではなく「通う必要のないカラダになる」ことを目的とした代替医療機関です。

当記事がひとつのきっかけとなりましたら幸いです。

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


歯ぎしりが肩こり原因?咬み合わせが悪いと肩や首が凝るって本当?

むし歯がないのに歯が痛い!!

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肩こり・首こりが歯痛の原因?

噛み合わせを治せば、肩こりが治る?

肩こりと歯痛、そして咬み合わせや歯ぎしりといった咬合異常と肩こり・首こりは関係があるということはきっと聞いたことがあるはずです。

なぜか、その根拠は明確にされていません。

つまり噛み合わせと首肩こりの関連性の根拠が示されていないのです。

鍼灸・マッサージの現場においても「なんとなくみんなが言っているからそうなんだろう」という考えで発言している施術者ばかりです。

今回は論文・文献を基に、その関連性を探っていきます。また、ガムの噛みすぎの問題点、首や肩への影響、正しいガムの噛み方についても触れていますので、是非お読みください。

正しいガムの噛み方
 

記事内容において一部専門用語が入っておりますのではじめに解説させていただきます。



しゃく
口で物を噛むことです。摂取した食物を歯で咬み粉砕することです。

咀嚼
そしゃく
噛むのに顎を動かすための筋肉です。咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋の4つをいいます。機能上、舌骨上筋群を含める場合もあります。

咀嚼
そしゃく
運動
モノを噛む動きのこと。

こう
ごう
上の歯と下の歯とのかみ合わせのこと。

モノを噛む時には首に力学的負荷がかかります

頚椎は高機能

動物実験ではありますが、意識とは関係なく、噛み合わせ・咬合時には頚椎(けいつい)に負荷がかかることがわかっています。頚椎というのは首の骨です。人間の頚椎は7つの骨で構成されていますが、哺乳類の頚椎は大体みんな7つあります。首の長いキリンも頚椎は7つです。

キリンも人間も首の骨は七つ

噛む力はとても強いということ

噛む力というのはとても大きく、例えば肉を噛む時は、1平方センチ当たり約10~14キロもあります。ですから歯の表面が人体でもっとも固いエナメル質で覆われているんですね。モノを噛むと頚椎に負荷がかかると申し上げましたが、これも大きなカであることは何となくご理解いただけると思います。

頚椎人間の体は上手くできていまして、大きな力による負荷をうまく分散させる構造になっています。人間の頭の重さは大体5kg。頭を上手く支える為に頚椎はまっすぐではなく緩やかにカーブしていて、7つの骨がスプリングのような構造をとっています。

これは、脳がきちんと働くようにするためです。つまり、どんな体勢でも脳がきちんと機能するように、体は頭をなるべく平衡に保とうとするのです。そして、モノを噛む時にかかる負荷も分散・吸収するようになっています。

具体的にどのように頚椎に負荷がかかるのか?

  • 片側で噛んだ場合、噛んでいない側に負担がかかる。つまり、右側の歯で噛んだ時は頚椎の左側へ負担がかかり、反対も然りとなる。
  • 片側で噛んだ場合、噛んでいない側に頭部を傾ける力が作用する事となる。
  • 噛んでいない側では、第3および第7頚椎は頭部が片側に傾斜するのを防ぐ支点となる。
  • 噛んでいる側では、犬歯で木片を噛ませたときには第2頚椎が、第1大臼歯で噛ませたときは第4頚椎が、片側に傾斜するのを防ぐ支点として働く。
  • 咀嚼運動において、頚椎にかかる力学的負荷は第6頚椎に最も集中する。

ちょっと複雑ですね。

もっと簡単で、わかりやすく説明します。

食事の際、両側同時や同じ配分でモノを噛む方はとても少ないと思います。ほとんどの方が左右どちらかの歯で噛むと思います。左右どちらかで噛むと いうことは、首が傾くような力が無意識に加わっているということです。それにも関わらず首が動かず直立を保っていることができるのは、首周囲の筋肉が働き、その動きを制御しているという事なのです。

つまり、癖や口の中の痛みなどでどちらか一方のみでモノを噛み続けると、頚椎や頚部の筋肉の一定部位にも継続的に負担がかかることとなります。

[参考文献1] 咬合力に対するサル頚椎の力学的反応 http://ci.nii.ac.jp/naid/110001723670/

噛む時だけではなく、口を開ける時にも首に負担がかかります

モノを食べている時の骨と筋肉の動きに着目してみると、一見、顎の関節のみが動いているように感じます。しかし、詳細に分析をしてみますと、その力学的運動軸は顎関節ではなく、7つある頚椎の骨の上から2番目に位置する第二頚椎の歯突起部にある、ということがわかっています。1番目と2番目の頚椎は以下の頭のようになっています。

第一頚椎と第二頚椎

第二頚椎は、このように特徴ある形状で軸椎とも言います。この歯突起というのは 「のど仏」(火葬場で拾うお骨の方です。喉にある膨らみも喉仏といいますが、あれは軟骨です。)です。その部位は本来、矢状面(体を横から見た面)上を回転するための構造はしておらず、顎の動きと同様に動く関節としての機能はもちあわせていませんが、回転する力が作用します。

あくびをする時など自然と顔面は上を向きますし、むちうち症などで頚椎を損傷すると口の開け閉めだけで頚部に痛みを感じることから、開閉口運動に上部頚椎が関与していることは間違いありません。

噛み合わせは閉口動作ばかりが着目されがちですが、実は開口動作も重要です。だらんと力を抜けば重力に引っ張られて口があくため、口を開くのに負担はないように思えますが、開口動作にも筋肉がしっかりと働いています。首に対する力学的負荷は、口の開け閉めともに考えなければなりません。

開口閉口

開口時、外側翼突筋・舌骨上筋群が働きますが、それに伴い頭が前方へ引っ張られることとなります。しかし、モノをたべている時に頭が前後に動いている方はいませんよね。これは、物理の法則上、力が作用しているのに関わらず動きが出現しないということは、それと同じ強さの力が相反する方向に作用していることを意味します。つまり、口を開ける時、頭が前方にいくのを後方へ引っ張る力が見えない所で作用しているということです。これを担っているのが、首の深部に存在する後頭下筋群です。後頭下筋群は、しばしば頭痛をまねく頑固な首こりの原因となる筋肉です。

 

後頭下筋郡

首の筋肉は、意識のない所で姿勢を保つために作用しているため、異常な状態でなくとも負担のかかりやすい部分なのです。すごく大雑把な言い方ですが、肩こりの原因は、この首の筋肉の問題であることが多いのです。

[参考文献2] 顎関節症 –生理的咬合の判定基準– (歯科ブックレットシリーズ35) 著者:藤田和也 出版元:株式会社デンタルフォーラム社

顎関節症持ちは姿勢も悪い?

顎関節症と姿勢の関連性について調査した結果、顎関節症の方が健常者と比べて、前のめり(猫背)の姿勢になっている傾向があることがわかりました。

猫背になれば、当然頭部を支えるために首肩の筋肉は必要以上に疲労する事となります。つまり、肩こり・首こりとなりやすいといえます。

猫背となる原因が顎関節症とはいえませんが、顎関節症を患っていると同時に首こりを自覚する方が多いという事のひとつの理由になるのではないでしょうか。

[参考文献3] The relationship between forward head posture and temporomandibular disorders. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7488986

ものを咬む筋肉と首には深い関係があります

咀嚼筋が緊張すると首の筋肉も緊張する

顎関節症の患者さんは顎を動かす咀嚼筋の硬化や痛みと同時に首こりや痛みを自覚することが多いため、咀嚼筋と首の筋肉の関連性を調べた所、咀嚼筋が 硬い人は僧帽筋と胸鎖乳突筋も同時に硬くなっていることがわかりました。

また、咀嚼筋を動かすと、同時に胸鎖乳突筋、舌骨上筋群、舌骨下筋群、頭半棘筋、頚半棘筋、多裂筋が共同的に収縮を起こすことがわかっています。

顎関節を動かす咀嚼筋と、肩こり・首こりにお悩みの方が硬くなっている頚部の筋肉は密接な関係にあるようです。

[参考文献4]Influence of masticatory muscle pain on electromyographic activities of cervical muscles in patients with myogenous temporomandibular disorders http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1365-2842.2004.01266.x/abstract?deniedAccessCustomisedMessage=&userIsAuthenticated=false

[参考文献5]Anterior and posterior neck muscle activation during a variety of biting tasks http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1600-0722.2012.00969.x/abstract?deniedAccessCustomisedMessage=&userIsAuthenticated=false

咀嚼筋は一般的な筋肉の中でも特殊な存在だった!?

北海道大学 大学院歯学研究科 北川 善政教授の研究では、顎を動かす働きをする咀嚼筋の特殊な性質を示しています。

咀嚼筋は骨格筋に分類されますが、特にヒトの咬筋は、手足の筋肉ではみられない心筋(心臓の筋肉)と同じ細胞の特徴を持っており、さらに咀嚼筋の興奮性には交感神経系の調節が関与していることがわかっています。

咀嚼筋

発生学上、咀嚼筋は鰓弓(さいきゅう)から分化するため、鰓弓筋ともいわれます。鰓弓筋は、他に呼吸や嚥下(えんげ:食物を飲み込むこと)に関わる筋肉、つ まり生命を維持するために重要度が高い部分を構成する筋肉が該当します。例えば呼吸は意識的(随意運動)に行うこともできますが、通常は無意識的 (不随意運動)に行われています。

嚥下も喉元までは舌による随意運動ですが、その先は不随意運動となり胃まで食物を運びます。 考察となりますが、無意識的に歯を喰いしばったり、歯ぎしりをしてしまうのも咀嚼筋が鰓弓由来であり不随意運動を行う要素を持ち合わせているからかもしれません。

そして、肩こり・首こりでつらくなる僧帽筋や胸鎖乳突筋なども鰓弓筋であるため、上記であげさせていただいたように、咀嚼運動と首の筋肉が同時に 興奮するなど密接な関係にあるのではないかと考えられます。鰓弓由来の筋肉は、手足に存在する一般的な骨格筋と分子レベルで構造が異なっていることがわかっています。

咬合異常(噛み合わせ・ブラキシズムなど)と肩こり・首こりが関連づけられるは、単に経験則ではなく解剖学・生理学・運動学の観点から考察すると あながち間違いではなさそうです。

[参考文献6]顎変形症の成因に関する咀嚼筋の筋病理学的研究 http://kaken.nii.ac.jp/d/p/17659621.ja.html

[参考文献7]除神経嚥下筋におけるエネルギー代謝と筋病理学的解析 http://kaken.nii.ac.jp/pdf/2011/seika/C-19/10101/22659361seika.pdf

[参考文献8]鰓弓筋の発育と筋蛋白質の分化 http://kaken.nii.ac.jp/d/p/12771094.ja.html

咀嚼筋を支配している神経も特殊である!

通常、骨格筋(手足など自らの動かすことのできる筋肉)は交感神経の働きによって血流が増加します。

ところが咬む筋肉は副交感神経性血管拡張神経の働きによって血流が支配されているのです。

これはどういうことかといいますと、ストレスがかかっていたり、体が冷えている状況では、顎の筋肉の血流が悪くなります。それが、痛みなどの原因 となる可能性があるということです。

また、咀嚼筋は交感神経が活発に働くと緊張が増すという研究結果もあり、自律神経と密接な関係にあることが示されています。

原因不明の歯痛や難治性の三叉神経痛・顔面神経麻痺、肩こりなどの処置として首肩を温めることが推奨されますが、これは単に局所の血流を良くする ためだけではなく、交感神経の働きを抑え、副交感神経を優位にすることも大きな目的です。ペインクリニックでは、そのような症状に対して星状神経 節ブロック(交感神経の働きを抑える注射)が行われる事もあります。

このような事から、顔・顎・首周辺の痛みやコリに関しても自律神経が非常に密接に関わっていることが考えられます。

[参考文献9]Evidence for parasympathetic vasodilator fibres in the rat masseter muscle http://jp.physoc.org/content/569/2/617.full

[参考文献10]咀嚼筋の分化と痛みに対する交感神経活動の影響 http://kaken.nii.ac.jp/d/p/22592203.ja.html

ただし、これらは医学的根拠であるとは、まだ完全には言い切れません。

これまでは噛み合わせ・咀嚼運動と頚椎・首周囲の筋肉との関連性を示してきましたが、否定的な文献もあります。

[参考文献11]The association between the cervical spine, the stomatognathic system, and craniofacial pain: a critical review.

この文献では、数々の文献をまとめて総合的に評価するメタ分析(メタアナリシス)を行っています。総評として、当領域の各文献のエビデンスレベル が低いことがあげられており、歯科領域と首から上部の痛み・不快感との関連性は現段階の研究では必ずしも確定的とはいえないという結論に至っています。

痛み、症状の感じ方というのは、あくまで自覚症状です。自覚症状は錯覚や思い込みの影響が少なくないために、判定には聴取を行うことがとても大切なのです。信頼性を高めるためにはできるだけ多くのサンプル数が必要になりますが、それには大変な労力がかかります。時間も必要です。だからこそ、患者さんとの向き合う時間は、本当に大切です。

ガムを噛む=健康に良い・・・って思っていませんか?

難しい話が続いてしまいましたので、噛むことと首や肩との関連する話で、身近な話をしたいと思います。

よく噛んで食べなさい!!誰もが子供の頃言われることですが、よく噛んで食ことをすることはとても大切なことです。

最近ではなんと視力にも関係していて、噛む筋力が弱まると眼球の筋肉も弱まり視力が低下するということもわかってきました。

健康のためにガムを噛むということ

仕事中にリラックスや集中など何かしらのメリットを期待して長時間にわたってガムを噛み続けている方は多いと思います。

ところが、体に良いことをしているつもりが知らず知らずのうちにかえって首に負担をかけてしまっている可能性があります。

ガム噛みすぎ

噛むことはとても大切!!健康維持には絶対に必要です。

ガムを噛むことで健康増進に効果があるように宣伝されています。特保マークのついた商品もよく目にします。

一般的に提唱されているガムを噛むメリット

  1. 唾液分泌が増加する

    口臭予防・虫歯予防・免疫力アップ・癌予防

  2. 顎を動かすことによって血流が増加する

    脳の活性化

  3. 嗜好品として楽しむ

    ストレス解消・リラックス

  4. 満腹中枢が刺激される

    ダイエット

などがあげられます。

調査をしてみると、確かに咀嚼運動によって脳内血流が増加することや、自律神経の乱れが整うという文献が存在します。そして、唾液には免疫グロブリンや、殺菌・消毒効果のある酵素が含まれることもわかっています。これを単純に免疫力アップ・癌予防と結びつけるのは一考が必要です。

免疫力アップと聞くと病気にかからなくなるようなイメージを持つかもしれませんが、唾液によるものはあくまで「食物からの感染を防止する」という ことが主な目的となります。血液中の白血球数や免疫グロブリンの量が増え、全身的な免疫力が向上して感染症への耐性が増すのではないのです。

癌予防効果については、唾液に含まれる一部の酵素が発ガン物質の作用を低下させるのではないかと言われていますが、この真相は定かではありません。唾液の作用としてはあくまでも消化の補助と口の中の殺菌・消毒です。また、ガンは非常に複雑なメカニズムによって形成され、発ガン物質があれば必ずしも発症するわけではなく、反対に発ガン物質が体内に入らなくても発症します。ガムを噛み、唾液が分泌され、ガンを予防する効果がどれほどあるのか・・・医学的にはかなりあやふや状態です。

ガムを噛む事によって血流改善や唾液分泌量が増えるのは良い事です。だからといって免疫やガンにまで話が及ぶのは・・・行き過ぎだと思います。

インターネットで調べてみますと、ガムを噛むと良いことしかないといった宣伝広告が目立つので、つい否定的な側面を記してしまいましたが・・・多くの方がガムを噛む目的は「口臭予防」「虫歯予防」「リラックス」と思います。こういった効果は『顎を適度に動かして、なるべく多く唾液を分泌させる』ことによるものです。

噛みすぎは禁物!!頭痛の原因にも・・・

ガムは歯のためだけでなく、口臭予防、禁煙のため、噛む筋肉を鍛えての小顔効果を期待、満腹中枢を刺激して食事量を減らすダイエット目的で噛む人も多いでしょう。目的があると、どうしても必要以上に長時間ガムをかみ続けてしまうと思います。しかし、これは咀嚼筋を疲労させますし、首にも負担をかけることになります。咬みすぎるということは、歯ぎしりや食いしばりにも同じことがいえます。わかりやすい体への弊害としてこめかみ部分の頭痛(いわゆる緊張性頭痛)があります。これは側頭筋が疲労・硬化することに起因することが多いです。

日々、肩こり、首こりでお悩みの患者さんの治療を行っている者としての経験的な考えではありますが、咀嚼筋をほぐすと首の筋肉も緩みます。ですので、首肩こり治療においては、当院では必ず手を加える部分であります。

正しいガムの噛み方

“正しい”は過剰な表現ではありますが、せっかく健康のためにガムを噛むわけですから、長時間噛みつづけて顎や首に負担をかけたくはないはずです。顎や首への負担を抑え効率よく唾液を分泌させるようなガムの噛み方について考えてみました。

ガムを噛み始めて最も唾液が分泌するのは30~60秒で、その後150~180秒ほどで一定となるデータが出ています。「顎を鍛えるために積極的に噛むトレーニングをする必要がある」というのは下顎が成長する可能性のある20代までで、それ以降は必要以上に負担をかけてしまう方が問題点とされることが多いそうです。そのため子供から20代までは顎を鍛えるために積極的に咀嚼運動を促す必要があり、30代以降は長時間ガムを噛み続けて しまうのも注意が必要です。持続的な咀嚼運動に伴い周囲の筋肉が疲労するという点も考慮して、推奨するガムを噛む時間は、一般的なガムの味が無くなる5分間程度が望ましいといえます。しかし、歯科医が薦めるガムの噛む時間は10-20分のようです。

そこで、ここからが重要なポイントです。

味が無くなったガムは噛まずにそのまま口の中に残しておき、奥歯と頬の間に留めておきます。そして、会話をしない時などは、舌の上をコロコロと転がします。唾液は必ずしも咀嚼運動を伴わなくとも分泌されます。噛まずとも口の中ガムを留めておく事で、体がガムを異物と認識し唾液腺を刺激する 事となります。このように体の機能である反射を利用して唾液分泌を促すのです。

これで、筋肉を無駄に疲れさせることなく、効果的に長時間噛むことができます。そして静かに噛めます!!くちゃくちゃと音を立てて噛むことに嫌悪感を覚える方は多いですよね。

ガムの味でも効果の差があるのです。

実は、唾液を分泌させる効果は、味によっても差があります。

弱 ミント系 < フルーツ系 < 柑橘系 強

唾液分泌を促う効果が高いのは柑橘系の味なのです。興味深いのは、口臭予防にはミント系ガムが多いのですが、唾液による殺菌・消毒・自浄作用に着目した場合、柑橘系のガムの方が、口臭予防効果が高い事となります。もちろん、砂糖を使っていないガムのがお口には良いでしょうね。

 

自律神経のバランスを整える効果

シトラスはいわゆる柑橘類です。シトラス系の香りには、交感神経を抑えて副交感神経を優位にする中枢神経調整作用や交感神経鎮静作用があることが知られています。

自律神経には、交感神経系と副交感神経系の2つの神経系があります。自律神経のバランスは一般的によくいわれますが、具体的には2つの神経系のバランスを意味します。

一般的に、ストレスが多いというのは、交感神経過多であるということです。つまり、自律神経が乱れていることになります。

リラックスというのは、高ぶっている交感神経を抑えて、副交感神経とちょうどよいバランスを保つということです。

唾液を多く分泌させるガムの味は、シトラス系であると説明しましたが、リラックス効果も期待できるということです。ガム選びの際の参考にしてみください!!

このようにして、「咬む時間」「噛み方」「味」を工夫することによって、負担を適度にとどめながらも最大限唾液を分泌させ、ガムのメリットを引き出 せるのではないでしょうか。最近は長時間にわたって味が持続するミント系のガムがしばしば見られますが・・・健康と結びつけて考えてみると良し悪しが分かれる所です。

オーラルケアや嗜好品としてガムを噛むメリットは十分にあります。では、長時間噛み続けたらそれだけ良い効果が期待できるのかというと必ずしもそうではありません。「過ぎたるはなお及ばざるが如し」という言葉があるように、首こり、肩こりをご自覚している方は、是非とも心に留めておいていただきたいと思います。

[参考文献12]ガムの味の違いが唾液分泌に与える影響 http://ir.tdc.ac.jp/irucaa/bitstream/10130/2272/1/60_22.pdf

[参考文献13]味や香りに対する情動が咀嚼時の循環応答に与える影響 http://kaken.nii.ac.jp/d/p/21791887.en.html

[参考文献14]顎口腔機能の回復が脳血流に及ぼす影響についての研究 http://kaken.nii.ac.jp/d/p/19791433.ja.html

体の不調には全て原因があります。原因はひとつではなく様々です。

「頭が重い」「イライラする」「疲労感が取れない」「よく眠れない」などの、何となく体調が悪いという自覚症状を訴えて検査をしても原因となる病気が見つからない状態(不定愁訴)でお悩みの方は多いです。ですから「〇〇を治せば全て解決」という宣伝文句が溢れています。原因と結果、因果律が混同されてしまっている場合が多い上に、宣伝として利用されてしまっていることが患者さんを混乱させる問題点ではないかと考えております。

鍼灸師やマッサージ師がよく言う「背中がハっているから胃が悪い・・・」「足裏が痛いから内臓が悪い・・・」もその例です。胃が悪いと確かに背中 に反応が出ることがある、というだけにすぎません。足裏はもっとあやふやです。

その他「ふくらはぎを揉めば・・・」「尻を叩けば・・・」などからはじまり、中でも特に多いのが「噛み合わせ」「頚椎」「骨盤」の矯正です。たしかに、この3つは人体を構成するとても重要な部分です。しかし、徒手的な方法で本当に矯正されるかどうかは定かではありません。歯科専門医による噛み合わせ矯正は別ですが、カイロプラクティック・整体でボキッと行ったとしても咬合異常は治りません。肩こりも同じです。治りません。

歯ぎしりをしてしまうのには理由がある。つまり体が歯ぎしりを必要としている。このように考えてみましょう。

寝ている間に歯ぎしりをするということは、体が唾液を必要としているケースは確実にあるはずです。もちろん、それが全てではないでしょう。歯ぎしりの原因には諸説あり断定はできませんが、歯ぎしりと唾液についての関係は逆流性食道炎でもしばしば話題になる話でもあります。

消化器系に問題があって、そのために唾液が必要だから、睡眠中に歯ぎしりをする、となると、いくら歯ぎしりをしないようにしても、意味がありません。根本の原因の解決になっていません。

肩こりも同じことで、凝った肩周辺の筋肉をいくらほぐしても、それは一時的なもの。また、肩はこります。肩こりの原因は、複数あり、人によって様々なのです。

噛みあわせを治した結果、肩こりが治ってしまう場合はあります。

噛み合わせを治せば、肩こり・首こりが治るというのは、ケースバイケースです。肩こりの原因は複数あると申し上げましたが、具体的には大きく三つ(解剖学的な問題・神経生理学的な問題・心理学的な問題)あります。噛み合わせはその中の解剖学的な問題の一つですが、それでしかないのです。

現状、咀嚼筋と首肩の筋肉は関連性があることがわかっておりますが、咬合異常(噛み合わせ・歯ぎしりなど)を治せば首肩こりが治るとは言えないのです。

実際問題、歯科医師曰く、噛み合わせを完璧にしたのにも関わらず肩こりが改善されない方は多数いらっしゃるそうです。そして、鍼灸・マッサージにおいても筋肉・姿勢・動きの問題を解決したのに、肩こりから解放されない方も、もちろんいらっしゃいます。

1対1の分かりやすい原因と結果だけを追い求めてしまいがちです。単純な答えの追求は迷宮。振り回されないようにしましょう。

同じことの繰り返しで恐縮でございますが、原因の特定できない不快な症状(不定愁訴)は数々の要素が複雑に絡み合って生じます。肩こり・首こりも然りです。不定愁訴の治療は原因をひとつに 決めつけるのではなく、体を総合的にとらえて個人個人の状態に適切な治療を行う必要があります。

かといって当院は何でもかんでも行う治療院ではありません。

当院では医学的根拠に基づいて、

  1. 解剖学的要因である筋肉を良好な状態とする事(ゆるめるだけではなく鍛えることも含めて)
  2. 神経生理学的要因である自律神経の乱れを調整する事(体性-自律神経反射を利用して調整)、および運動神経を適切に働かせるように促す事(単なる 筋トレではない特殊な運動療法にて)

また、原因と結果、因果律に反した広告宣伝が氾濫している中、それらをしっかりと整理し、何でもありではなく 「できる事とできない事」を明確化し、患者さんにわかりやすくお伝えすることを常に意識して治療を行わせていただいております。

体に良いとされていることは、たくさんありますが、人によって効果の有無は異なります。ご自身でできることは、日々の生活の中で、適度に試してみましょう。要点をおさえ、正しく行えばセルフケアでも十分に効果が期待できるものはあります。

その正しい方法がわからない!良かれと思って実践したらかえって悪化した!

患者さんからいただく質問で「巷で噂の肩こり解消法は本当に効果があるんですか?」の類が大変多いです。当院では、解剖学・生理学に則って適時ご説明させていただいております。

肩こりや首こりの原因は、本当に様々です。

根本治療には少しお手間と時間がかかるかもしれませんが、原因を一緒に探求し、最適な治療法を決めて実践するという、オーダメイドの治療をするのが、肩こりラボです。

テレビやインターネット上の情報、雑誌、書籍での言われていることを試すのはもちろん自由ですが、様々な方法をいくら実践しても一向に症状が改善されないようでしたら、一度お近くの治療院に相談することをおすすめします(リラクセーションやカイロプラクティックではなく治療院、医院へお願いします!!)。

肩こり・首こりの根本治療を行うにあたっては、噛み合わせや、顎関節に関連する咀嚼筋ついても考える必要があるため、当院では、歯科医を含む医師 等と共同で治療方法の研究に努めております。

痛みなく健康であること・・何よりも大事なことですから。

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。