長時間の座り姿勢による肩や腰、腕の慢性的な負担やこりが改善したケース|ケースレポート

概要

H様/東京都在住/30歳/女性/会社員

症状

背中・腰・肩・腕・手にかけての慢性的な筋緊張とこり

状態

仕事柄座り時間が長く、日常でも背中を丸めてスマートフォンを使っている。

レントゲン上での問題はなし。

お身体をみていくと

・胸椎伸展制限

・ヒップヒンジ機能の低下(腰椎過伸展)

・骨盤後傾位

・体幹筋群の弱化(腹横筋、臀筋、腸腰筋)および動作時にうまく働かない

といった状態だった。

見立て

体幹筋群(腹横筋・腸腰筋・臀筋)の弱化により、骨盤が後傾し、胸椎伸展機能も低下している。

また股関節可動制限のため、立ち座り・前屈動作を腰椎で代償。

その結果姿勢保持をうまくできず、首・肩・腕・腰などに過剰な負担がかかり、慢性的なこりにつながったと考えられる。

器質的異常はなく、体幹安定性と股関節・胸椎の可動域を高めることで改善が見込める状態であると考えた。

治療

まずは自覚症状の緩和を第一にマッサージ中心の治療を行った。

刺激に対しては敏感であるため、鍼や強圧は避け、徒手で首・肩・腰を中心に丁寧にほぐしていった。

運動では、胸椎や股関節の柔軟性向上を目的にストレッチを行い、骨盤の動き(前後傾)を体に覚えさせながら、座り姿勢の改善を図った。

可動域の改善ととともに、腸腰筋・腹横筋・大臀筋といった体幹筋のトレーニングを開始。

それに伴い、立ち上がりやスクワットなども導入し、下肢の安定性も高めていった。

治療を重ねる中で身体の反応が良くなり、マッサージの時間は徐々に短縮。

その分トレーニングに充てる時間を増やし、身体の機能的な改善をより深めていく流れをつくることができた。

継続的な治療と運動指導により、姿勢が安定し、日常生活での負担も軽減。

「安定した姿勢を無理なく保てる」ことをゴールとし、改善が見られた。

コメント

日常生活で何が身体に負担をかけているのかを一緒に見つけ、その原因に丁寧にアプローチしていくことが何より大切だと感じています。

こりは単なる筋肉の硬さだけでなく、職業や生活習慣、趣味、気候など、さまざまな要素が複雑に関係して生じています。

筋肉を緩める、関節の動きを良くする

それも大切ですが、なぜそうなってしまったのかという背景に目を向けることが、根本的な改善につながります。

一時的な対処ではなく、体と生活全体を見据えたサポートをこれからも大切にしていきたいと考えています。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。