投稿者「肩こりラボ」のアーカイブ

デスクワーク姿勢が原因の肩こりが解消されたケース|ケースレポート

概要

K様/東京都在住/30歳/女性/会社員(プログラマー)

症状

肩こり

状態

以前(学生時代)から肩こりはあったが、任される仕事量の増加によって悪化。

PCに向かっている時間は1日8時間程度。

辛い箇所は僧帽筋上部で、重だるい感じがする。

治療院に行くこと、鍼マッサージを受けるのも初めて。

運動は得意ではない。

見立て

長期休暇で仕事がお休みの時は症状が落ち着いており、忙しさとともに自覚症状も強くなっていることから長時間のデスクワークでの不良姿勢が肩こりの主な原因と考えた。

お体を見ても、

・骨盤が後傾し、上体が前に崩れやすい

・胸椎の硬さが強く、胸が開きにくい

・首の前弯がやや強く、反らすと背中が丸まってしまう

・骨盤を前傾させる動きができず、体幹の安定性も弱い

・頭が垂れてしまい正しい姿勢がとれない

といった状態だった。

これらの要素により、首や肩周囲の筋緊張が強まり、特に僧帽筋上部のこりを引き起こしているものと考えた。

まずはマッサージと鍼で筋緊張を緩めることからスタート。

そのうえで、骨盤前傾や胸椎伸展、体幹・肩甲骨周囲筋の姿勢保持機能を高める運動を導入していく。

運動があまり得意ではないという点を考慮し、日常生活の中で無理なく取り入れられる動きからアプローチを進め、根本的な改善を目指す。

治療

初期治療(1〜5回)

週に1回のペースで治療。

マッサージとこりの強い僧帽筋には鍼を併用し、筋緊張を緩和。

運動は負担の少ないストレッチからスタート。(タオルストレッチ・ブックオープニング)

5回目の治療で1週間間隔が空いてもこりを感じない状態になった。

中期治療(6~15回)

2週に1回のペースで治療。

仕事中の姿勢を確認し、正しい座り姿勢と腹横筋の意識づけを行う。

徐々に姿勢が安定し、「良い姿勢をつくる」感覚が定着。

「体が楽になった」と実感が出てきたことで、運動へのモチベーションも前向きに。

後期治療(21~27回)

背筋を使う「グッドモーニング」や骨盤・下肢の安定性を高める「ヒップリフト」といった姿勢保持のためのトレーニングを導入。

骨盤の後傾姿勢が改善し、正しい姿勢を長時間保つことが可能に。

最後は1ヶ月間隔でも症状の再発なし。

安定維持できているため、治療はゴール。

コメント

こりを根本から改善するには、運動は欠かせない要素の一つです。

でも「運動が苦手」、「やりたくない」と感じる方も多くいらっしゃいます。

辛さがある中で、苦手なことに取り組むのは大きなストレスです。

だからこそ重要なのは、“その人にとって無理のない運動”から始めることだと考えています。

どの動きなら取り組めそうか?

どうすれば日常生活に自然と取り入れられるか?

このような視点を大切にしながらご提案をしていくことが、継続と改善の鍵になるのだと改めて実感したケースでした。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。


整形外科での治療やリハビリで治らなかった肩関節の痛みと可動域制限が、3回の治療で挙上180°まで可動域が改善してゴールに至ったケース|ケースレポート

概要

Y様 / 東京都在住 / 56歳 / 女性 / 大学職員

症状

右肘外側の痛み

左肩関節の痛み、90°以上挙げられない

状態

右肘

2025年1月ごろから痛み出現。きっかけはなく気がついたら痛みが出ており、日常生活で手を使うたびに痛みが出ている。(お箸を使う動作でも出現)

痛みの数値(NRS)⑧⑨

※NRS(Numeric Rating Scale):患者さんの痛みの強さを0-10で表した数値。0は痛み無し、10は過去最大の痛み

左肩関節

2025年3月ごろから痛み出現。こちらもきっかけはなく気がついたら肩が挙がらなく、無理に挙げようとすると激痛が出る状態。

痛みの数値(NRS)⑨⑩

※NRS(Numeric Rating Scale):患者さんの痛みの強さを0-10で表した数値。0は痛み無し、10は過去最大の痛み

※屈曲90°(前の動き)で痛み

※肩甲骨面100°(斜め前の動き)で痛み

※外転90°(横の動き)で痛み

どちらも整形外科にて治療、リハビリも行っていたが症状が変わらず、当院を受診。

レントゲンでは異常なし。

見立て

右肘

肩のインナーマッスルのテストで力が入りずらいことや、肩甲骨の安定性も低下。

くわえて上腕の力も筋力テストで低下気味。

また触診にて前腕の筋肉の筋緊張もとても強いことがわかった。

これらの情報から肩よりも「肘に関与する筋肉」を優位に使ってしまい肘の痛みを出現させてしまっていると考えた。

必要なこと

→肩甲骨の機能改善、背中の柔軟性改善、前腕や上腕の筋スパズム解消

左肩

肩のインナーマッスルのテストで力が入りずらいことや、肩の動作時に肩甲骨や背骨の動きが悪いこと、これらを踏まえて肩関節インナーマッスルの低下、肩甲骨の機能低下により腕を上げた際の痛み、可動域制限が出現していると考えた。

※肩甲骨の動きや腕の骨の動きが本来の動きになっておらず、無理やり肩を動かしている状況。

また肩関節の他動運動で腕は180°まで挙がるため、関節拘縮は生じていない可能性が高いと判断。

必要なこと

→肩のインナーマッスル強化、肩甲骨の機能改善、背中の柔軟性改善

治療

1回目

治療内容

トレーニング45分

・肩インナーマッスルトレーニング(棘下筋、棘上筋、肩甲下筋)

・肩甲帯トレーニング(僧帽筋下部)

・ストレッチポールを使用した肩甲骨を動かす体操(※ベーシックセブン)

マッサージ45分

・筋緊張緩和、筋疲労解消目的

(背中、肩甲骨周囲、脇、胸筋、上腕、前腕、手)

初回の治療ということもあり、患部を積極的に動かすことは避けた。(肩や肘の痛みはとてもデリケートで、動かしすぎることで痛みが悪化する可能性があるため)

肩の関節や肘への負担に大きく関与する肩甲骨のコンディションを良くするため、ストレッチポールを使用した肩甲骨のストレッチを入念に行った。

また、マッサージでは痛みの防御反応で硬くなった筋肉を優先的にほぐし、疲労解消も行った。

※左肩は治療後、3方向全て90°→120°まで挙がるようになったが、120°まで挙げると痛み出現

2回目

右肘:NRS⑥→改善傾向。

たまに痛むが日常生活がしやすくなった。

左肩:NRS⑨⑩→変化なし。

まだ日常生活に支障が出ている。

※屈曲90°(前の動き)で痛み

※肩甲骨面100°(斜め前の動き)で痛み

※外転90°(横の動き)で痛み

治療内容

トレーニング45分

・体幹トレーニング(腹筋、臀筋、背筋)

・肩インナーマッスルトレーニング(棘下筋、棘上筋、肩甲下筋)

・肩甲骨パッキング(僧帽筋下部、前鋸筋、大菱形筋、小菱形筋)

マッサージ45分

・筋緊張緩和、筋疲労解消目的

(背中、肩甲骨周囲、脇、胸筋、上腕、前腕、手、腰、臀筋群)

前回の治療にて、右肘は改善がみられたが左肩は改善がみられなかったため、左肩のみの機能ではなく、肩甲骨の動きや体幹機能強化に着目し、トレーニング介入部位を増やした。

右肘は改善がみられたので、前回同様の処置を行った。

今回は肩甲骨の動きが良くなっており、「肩甲骨をいい位置に固定する」肩甲骨パッキングの体操も行えた。

トレーニング後、左腕は175°まで上がった。

まだ痛みは出るものの、どうしようもない痛みではなく、運動療法のみで改善。

運動後は変化があるものの、持続できていないことが大きな問題と捉えた。

痛みの期間が長かった分、肩を動かすことを忘れてしまっている状況だったので、少しでも肩を動かして「動作を思い出す」ことが課題であった。

3回目

右肘:NRS③→改善傾向。

ほぼ気にならなくなった。

左肩:NRS⑤→改善した。

痛む回数は少なくなったが、まだ痛むことはある。

※屈曲90°(前の動き)で痛み

※肩甲骨面100°(斜め前の動き)で痛み

※外転90°(横の動き)で痛み

治療内容

トレーニング45分

・体幹トレーニング(腹筋、臀筋、背筋)

・肩インナーマッスルトレーニング(棘下筋、棘上筋、肩甲下筋)

・肩甲骨パッキング(僧帽筋下部、前鋸筋、大菱形筋、小菱形筋)

・立位で腕を挙げる動作確認

マッサージ45分

・筋緊張緩和、筋疲労解消目的

(背中、肩甲骨周囲、脇、胸筋、上腕、前腕、手、腰、臀筋群)

肘は前回同様改善傾向。このまま治療を進めれば問題なしと判断。

左肩においては、治療後は改善するが1週間経つと動かし方を忘れてしまう傾向がある。

そのため、今回から「立位で腕を挙げる動作確認」を入念に行い、普段の状況に近い環境で運動療法を行った。

運動療法後には痛みなく3方向全部180°挙がった。

コメント

今回のケースは「ほぐし」だけでは改善せず、「運動」が必須の状況でした。

肩や肘の痛みは、多くの場合が「ほぐし」だけでは改善することが難しく、「運動」を行うことで改善傾向となります。

しかし、「運動」をしていても自己流になっていたり、必要な筋肉のトレーニング、正しい動きのための運動ができておらず、なかなか結果が出ないという方は少なくありません。

「体の痛み=運動が必要」という認識はされてきておりますが、本当に必要な運動ができているか、自分自身で確認することは難しいのが現実です。

そのため、Yさまが正しいホームケアを実施してくださったことも、症状改善の大きなポイントだったかと存じます。

また、もう一つのポイントは、2回目の治療段階で変化がない症状(左肩関節)に対して、より広い眼でみて「体幹」を強化したことを大きかったのではないかと考えます。

1度動かせるようになれば、それを繰り返して体に染み込ませることができます。

そのきっかけになったのが「体幹」です。※特に背中と臀筋です。

一見、肩や肘だけの問題に見えますが、それは結果に過ぎません。

原因は離れた部位にもあります。その部分をきちんと改善させたことで「肩関節」や「肘」の痛みが改善することができました。


執筆者:鴻崎 国臣
Kuniomi Kouzaki

早稲田速記医療福祉専門学校 鍼灸医療科卒業
東京女子医科大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修
ハワイ大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師
ストレッチナビ公認ストレッチ専門家コラムニスト

私は小学生のころから肩こり、首こり、頭痛に悩まされてました。
患者さんの症状と似ているので、辛さがとてもよくわかります。
自分自身が辛かったからこそ、「早く治したい」と思いますし、治療で何が必要かも身をもって体感しております。
「予防のための運動、姿勢改善」をして、カラダを変えていきましょう。


猫背と反り腰による慢性的な首肩こり・腰痛にお悩みのケース|ケースレポート

概要

猫背と反り腰による慢性的な首肩こり・腰痛にお悩みのケース

N様/東京都在住/25歳/男性/会社員

症状

・首肩こり

・腰痛

状態

・スウェイバック姿勢(頭が前に出て背中が丸まっている、反り腰、骨盤後傾、ハムストリングス過緊張)

・胸椎伸展制限

・股関節モビリティ不足

・ヒップヒンジ機能の欠如

見立て

日常的にカメラ作業やPC業務が多く、立ちっぱなし・座りっぱなしの時間が長いため、ハムストリングスの筋緊張が強く、骨盤が後傾した姿勢になっていると考えられる。

骨盤の後傾により、胸椎の伸展が制限され、背中が丸まりやすく、さらに頭部が前方へ突き出た姿勢となっている。

この結果、僧帽筋・頭半棘筋・頭板状筋など、首や肩の後面の筋肉に持続的な負担がかかり、慢性的なこりを引き起こしている。

また、ヒップヒンジの機能を使えておらず、座位や日常動作において本来骨盤・股関節で支えるべき重心を、上半身(特に首・肩)で代償している可能性が高い。

これが腰への負担も増やし、腰痛の一因となっていると考えられる。

まずはこりの強い筋肉(僧帽筋、頭半棘筋、頭板状筋、腰部多裂筋)に対してマッサージでしっかりほぐして筋緊張を緩和。

あわせて胸椎と股関節のモビリティ改善を目的としたストレッチや正しいヒップヒンジを体得するためのトレーニングを行う。

動作の体得とともにハムストリングスや臀部の筋力強化も行うことで、骨盤の安定性を高め、根本的なこりの原因を改善できると考えた。

治療

治療のペースは10日~2週間に1回の頻度で、マッサージによる筋緊張の緩和と機能改善のためのトレーニングを併用して進めた。

まずは、強いこりが見られた僧帽筋・頭半棘筋・頭板状筋・腰部多裂筋などの筋肉に対して、マッサージでアプローチし、過緊張を和らげた。

運動面では、体の硬さによって姿勢が崩れ、正しい動きが出せない状態だったため、初期段階では股関節周囲や胸椎の伸展を促すストレッチからスタート。

さらに、胸を開くエクササイズを取り入れることで、短縮していた前面の筋群をゆるめ、猫背姿勢の改善を図った。

股関節の可動性を高めると同時に、ヒップヒンジ動作の習得にも取り組んだ。

それに伴い、スクワットやヒップリフトなどの下半身強化エクササイズを段階的に導入し、臀部やハムストリングスの筋力強化を目指した。

継続的なトレーニングの結果、股関節や胸椎の可動域が改善され、ヒップヒンジ動作も習得。

骨盤の後傾姿勢が改善されるとともに、正しい姿勢を作れるようになった。

その結果として、首・肩周りへの過剰な負担が軽減され、慢性的なこりの症状も大きく緩和。

姿勢の改善により、仕事中の疲労感の軽減にもつながっている。

コメント

N様のように、姿勢の乱れが原因で肩や腰に不調が出ている場合、マッサージなどで一時的に楽になることはあっても、それだけでは根本的な改善にはつながらないことが多いです。

治療を行う上で、モビリティ(可動性)を回復することを最も重視しました。

正しい姿勢を取ろうとしても、体が固くて動けなければ、そもそも正しい姿勢自体ができません。

まずはその土台を整えることが大切です。

そのために、

• 固くなった筋肉をゆるめる

• 動きが少なくなっている関節の柔軟性を取り戻す

• 使えていない筋肉を目覚めさせて、支える力をつける


といった多角的なアプローチを行いました。

また、普段の座り方や立ち方、歩き方など、何気ない日常のクセが想像以上に体へ負担をかけていることも少なくありません。

「ちょっとした意識の変化」や「正しい身体の使い方」を取り入れるだけでも、慢性的な不調が大きく改善に向かう可能性があります。

姿勢改善は一朝一夕にはいきませんが、正しく動ける体づくりを土台にした継続的な取り組みが、最も確実な近道です。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。


日常生活が億劫になるほど筋力・体力が落ちていた方が、トレーニングを経て大学の部活動(運動部)で活躍できるまでに改善したケース|ケースレポート

概要

日常生活が億劫になるほど筋力・体力が落ちていた方が、トレーニングを経て大学の部活動(運動部)で活躍できるまでに改善したケース

Y様/東京都在住/20歳/男性/学生

症状

・動くとすぐに息が上がってしまう

・全身的な筋力や体力の低下

・運動への意欲低下

状態

心肺機能・筋力ともに低下しており、日常生活動作をするだけでも疲労感が伴う。

股関節および胸椎の可動域が著しく狭く、全身的な筋緊張が高い。筋力低下により、正しい姿勢が維持できず、すぐに猫背になってしまう。

見立て

普段から運動習慣がなく、1日の運動量も少ないことで基礎的な体力が低下。

また、股関節や胸椎の可動域の制限により柔軟性も低下しており姿勢保持に必要な体幹筋群(腹横筋、大臀筋、脊柱起立筋)の筋力も不足している状態。

まずはストレッチを中心に可動域の改善を図りつつ、体幹部の安定性を向上させるトレーニングを行う。

段階的に全身の筋力強化や有酸素運動を行うことで持久力・機能性の改善を目指す。

治療

股関節および胸椎の可動域の低下が、姿勢不良の一因となっており、トレーニング効果の低下や怪我にもつながると考えられたため、初期アプローチとしてパワープレートを用いたストレッチを中心に行った。

あわせて体幹筋の強化(腹横筋、大臀筋、脊柱起立筋)に注力した。

姿勢の安定性や動作効率の向上だけでなく、心肺機能の改善も期待されることから、ドローインなどを用いて段階的に強化を進めた。

トレーニングのペースは週1回を基本とし、可動域および体幹筋力の向上に伴い、徐々にステップ動作やジャンプ動作といった動的トレーニングも取り入れ、呼吸機能と全身の動的安定性を高めていった。

負荷を上げた運動でも呼吸の乱れが見られず、安定した動作が持続可能な状態に至ったため、当初の目的を達成しゴール。

コメント

現在では、激しい運動でも呼吸や姿勢の安定性に問題が出ることはなくなり、大学の部活動にも元気に参加されています。

トレーニングは継続的に週1回、競技レベルでのパフォーマンス向上を視野に入れたプログラムを行っています。

トレーニングを行う上で特に注意したのは「運動強度の設定」です。

初期段階では、強度を上げすぎると呼吸のしづらさや立ちくらみのような症状が見られることもありました。そのため、身体の反応を見ながら段階的に進めることが非常に重要でした。

現在では、インターネット上でもさまざまなトレーニング情報を手軽に得ることができますが、それが「自分の身体に合った内容かどうか」は別問題です。

同じトレーニングでも、目的や体力レベルによって効果やリスクが大きく異なることを、今回のケースからも強く実感しています。

今後もY様には、目標に合わせたオーダーメイドのトレーニングを通じて、より良い身体づくりをサポートしていきます。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。


「胸を張る=良い姿勢」と思っていませんか? 体の機能を損なわずに胸を張る方法をお伝えします。

姿勢を良くしようとすると、多くの方が「胸を張る」ことを意識します。

確かに見た目はシャキッとしますが、やり方を間違えると腰に余計な負担がかかり、疲れやすくなったり、ひどい場合には腰痛を引き起こすこともあります。

では、体に負担をかけずに「正しく胸を張る」にはどうすればいいのでしょうか?

ここでは、腰を痛めずに正しい姿勢を作るための「胸の張り方」をご紹介します。

良い姿勢とは

「良い姿勢」というと、多くの人が「背筋を伸ばして胸を張る」姿を思い浮かべます。

しかし、その良い姿勢を意識するあまり、反り腰を強くしてしまっている人が多くいらっしゃいます。

腰を必要以上に力ませずに胸を張れることが、良い姿勢を作るために必要なことになります。

また、日常生活を快適に過ごすという点で考えると、良い姿勢は意識し続けて獲得するのではなく、いろいろなエクササイズを行うことで様々な筋肉が動員されて、結果的に胸が張れている姿勢が作れるのが理想です。

それは、最小限の力で体を支えられる状態を指します。つまり、「頑張って作る姿勢」ではなく、「体の機能がうまく働いている状態」なのです。

体幹筋群が安定してこその背筋エクササイズ

胸を張るためには背筋トレーニングは必須になってくるのですが、その前段階の体幹トレーニングをしっかりと行うことで、安全かつ効果的に背筋を鍛えることができます。

体幹が不安定なまま背筋を鍛えようとすると、思うように背筋を使えないだけでなく、

• 腰が疲れやすい

• 首や肩に余計な力が入ってしまう

といった不調につながることもあります。

つまり、本来あまり頑張らなくていい箇所が、体幹の不安定さをカバーしようとして無理に頑張ってしまうのです。

背筋を効果的に鍛え、猫背を根本から改善していくためには、まずは体幹の安定性を高めることがとても重要です。

良い姿勢づくりのために取り入れたいエクササイズプログラム

前項でもお伝えした通り、背筋のトレーニングを効果的に行うには、腹筋の力が抜けていない状態で動作することがとても重要です。

背筋を使うとき、反対側にある腹筋がしっかり働いてくれていれば、体幹が安定し、背筋の力を無駄なく発揮できます。

そのための段階的エクササイズを、以下お伝えしていきます。

①デッドバグ・・・腹筋の伸張感を感じるエクササイズ。腹筋の力が抜けると腰の張り感が出やすくなるので、腹筋の力が抜けないように行うことが重要です。

②バードドッグ・・・デッドバグと同様に手足を伸ばした際に腹筋の力が抜けないこと、反り腰ができないことが重要です。

③ロールバック・・・腹筋の伸張感を感じながら背中を反らしていくエクササイズ。うまく力を抜くことで腹筋の伸張感を感じやすくなります。

④コブラ・・・床を押して腹筋を引き伸ばしながら背中を反らしていきます

⑤スワン・・・床を押して腹筋を引き伸ばしながら背中を反らしていきます。④コブラよりも体の反りが強くなります。

これら①〜⑤を段階的に取り入れることで、腹筋の力が抜けずにより大きな可動範囲で背筋を鍛えることができます。

最終段階であるスワンを行なっても、腰に違和感がなく、自分の体をコントロールできていれば、「背筋のトレーニングを行うと腰が痛い」というよくある問題を回避し、自然と良い姿勢を維持できるようになります。

良い姿勢を作る時に確認したい3つのチェックポイント

 お腹(腹筋)の力が抜けていないか?

立った時に、腰や背中に力が入っていることを感じる場合、お腹の力が抜けているサインかもしれません。

多くの場合、胸が後ろに下がり、反り腰の状態になっています。

この姿勢ではお腹に力が入りにくくなり、腰や背中で姿勢を保とうとします。

そんな時は、息をしっかりと吐きながら、前側の肋骨をおへその方向に引き下げられるように意識することでお腹に力が入りやすくなります。

息を吸った時、胸だけでなく背中や胸の横の膨らみを感じられるか?

 

胸が後ろに下がった姿勢では、息を吸った時に胸の前ばかりが膨らみ、背中や胸の横の膨らみを感じにくくなります。

理想的な呼吸では、胸の前だけでなく、背中側や胸の横にも膨らみを感じることが大切です。

息を吸ったときに、背中が広がる感覚や、胸の横が押し広げられる感覚があるかをチェックしてみてください。

これは、胸郭が制限なく動いている証拠であり、力みなく良い姿勢を支える上で大切な部分になります。

無理なく力が抜けた状態で姿勢維持ができているか?

良い姿勢は、頑張って「良い姿勢を作る」ものではなく、自然に保てる状態であることが理想です。「胸を張ろう」と意識した時に、肩や腰に力みが出たり、呼吸が浅くなる場合、それは力んで姿勢を作っている状態になります。

本来の良い姿勢は、必要最低限の力で、リラックスして保てる必要があります。そうでないと、長時間の姿勢維持は困難ですし、動き出しがスムーズにいかなくなります。

深呼吸をしながら、無理なく力が抜けた状態であるかをチェックしてみてください。

まとめ

「胸を張る=良い姿勢」となってしまうと、反り腰や体の力みなど、かえって体に負担をかける姿勢になりやすいです。

良い姿勢は、体の機能がしっかりと獲得されれば、自然とできてくるものです。

姿勢は作るものではなく、作られるものという認識でいると、無理な姿勢を取りにくくなります。

そのためには運動によって、適切に段階的に鍛えていくことが重要になります。

腹筋と背筋が協調して働くことで、体の前後左右から体幹を安定させることが可能になります。

そうすることで胸を頑張って反らせる必要がなくなります。

あなたもぜひ、「頑張らない胸の張り方」を実践して、快適で負担の少ない良い姿勢を手に入れてください。

前回の記事はこちら

執筆者:進藤 孝大
Takahiro Shindo

湘南医療福祉専門学校 アスレティックトレーナー科卒業
東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
A-Yoga Movement coach

目の前にいる人の体のお悩み解決に全力を尽くす。
その想いだけで活動してまいりました。
スポーツトレーナーとして培ってきたノウハウと経験を活かして、
運動療法と鍼灸マッサージを組み合わせた治療を提案。
ご自身に合った適切なケア方法等、皆様のお悩み解決に向けて徹底サポートを行います。


反り腰は腰に負担をかけるのか?構造的に反っている腰の捉え方についてお伝えしていきます。

前回までは骨盤の前傾、後傾についてご紹介いたしました。


今回は骨盤と連動して動く腰椎(腰の骨)についてお伝えしていきます。

「反り腰だから腰が痛いんですよ」「反り腰を改善させないと腰痛は治りません」

腰痛になった方でしたら、こんな言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか?

元々、腰は反っている構造なのに、なぜ反り腰は悪者扱いをされることが多いのでしょうか?

その疑問にお答えできたらと思います。

腰椎と骨盤の構造

写真のように、腰椎は5つの骨が連なり、お腹側に向かって自然なカーブ(前弯)をしています。腰椎の下には仙骨があり、その仙骨と左右の骨盤(寛骨)と仙腸関節を介してつながっています。

仙腸関節は靭帯で強く結合されているため、仙腸関節の可動性の有無についてはさまざまな見解があります。

仙骨だけが極端に前傾している方もいるので、仙腸関節もある程度の動きはあるものとして考えられます。

そのため、仙腸関節周囲が硬くなることで、腰椎や股関節に負担がかかりやすくなるため注意をする必要があります。

腰椎骨盤リズムとは

 腰椎骨盤リズムとは、腰椎と骨盤が連動して動くパターンのことです。

効率良く体を動かすためには、このリズムがとても大切になります。

腰椎骨盤リズムの代表例として、立位での前屈・後屈を以下にご紹介いたします。

<立位前屈時>

骨盤前傾+腰椎屈曲(骨盤は前に傾き、腰椎は前に丸く曲がる)

<立位後屈時>

骨盤後傾+腰椎伸展(骨盤は後ろに傾き、腰椎は反る)

前屈、後屈での腰椎骨盤リズムは、動きの評価時に確認しています。

骨盤と腰椎がうまく連動することで、腰に負担をかけず動けるようになります。

反対に、体に不調がある場合は、骨盤前傾+腰椎伸展パターン(過剰な反り腰)になっていることが多いです。

お腹の力が抜けて腰が痛む場合は、腰椎骨盤リズムが正しくできているかをチェックしてみてください。

理想的な反り腰とは

 人間の背骨はもともと生理的な弯曲(S字カーブ)となっているいるため、立った状態では自然な「反り腰」になります。

つまり、反り腰そのものが悪いわけではないのです。

「理想的な反り腰」を考えた場合は、どこにも負担がかからないことが重要ですが、「腰が疲れる」「太ももの前が張ってくる」という方は意外と多いです。

そんな方々は、骨盤後傾位のエクササイズを行ってから骨盤前傾・腰椎前弯の形を作り直していくと、理想的な反り腰を獲得しやすくなります。

理想的な反り腰を作る段階的プログラム

 まずは腰や太ももの前の力を抜くためにも骨盤を後傾させる運動から開始していくことをオススメします。

骨盤を後傾させることで腹筋・ハムストリングスへの活性化にもなるため、骨盤が安定しやすくなります。

・ペルビックチルトI

 仰向けで骨盤を後傾させます

・キャット&ドッグ

 四つばいで背骨全体を丸めながら骨盤を後傾させます

・ペルビックチルトII(バレル使用)

ペルビックチルトIに比べると骨盤を前傾位でコントロールすることが必要です。

そのため、腹筋・ハムストリングスを引き伸ばされながら使う遠心性収縮が大切になってきます。

腹筋・ハムストリングスの力が抜けてしまうと腰の力が入りやすくなりますので、注意してください。

骨盤前傾位になった状態で、一番避けたいことは「腰が疲れる」ことです。

腰が疲れるということは、腰の筋肉が過度に頑張った状態で体を支えており、腹筋の力が抜けていることが多いです。

理想は腹筋の力が抜けずに骨盤前傾位を取れることです。

この状態をどんな姿勢であっても作れるようにしていきたいです。

そのためには上記のような段階的なトレーニングプログラムを進めていくことが大切です。

まとめ

 腰や太ももの前の力が抜けずに骨盤前傾位が持続されると、お腹には力が入りにくい状況となり、結果的に腰へ負担をかけ続ける状況となってしまいます。

この状況は理想的な反り腰とは言えません。

理想的な反り腰とは、腹筋群がしっかりと働き、腰や太もも前の力が抜けてリラックスしている自然な状態です。

今回ご紹介しましたように、段階的にトレーニングを進めていくことで、腰痛の人にも安全に行え、そして確実に改善へと繋がります。

「背骨や骨盤の動きを自由自在にコントロールできる」そんな理想的な体を手に入れて、自分のやりたいことに思いきりチャレンジしていきましょう。

お悩みの方は是非、当院へご相談ください。

前回の記事はこちら
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執筆者:進藤 孝大
Takahiro Shindo

湘南医療福祉専門学校 アスレティックトレーナー科卒業
東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
A-Yoga Movement coach

目の前にいる人の体のお悩み解決に全力を尽くす。
その想いだけで活動してまいりました。
スポーツトレーナーとして培ってきたノウハウと経験を活かして、
運動療法と鍼灸マッサージを組み合わせた治療を提案。
ご自身に合った適切なケア方法等、皆様のお悩み解決に向けて徹底サポートを行います。


【健康寿命を左右するかもしれないBML(Bone Marrow Lesion=骨髄病変) をご存知ですか?】

関節が痛くて整形外科を受診し、レントゲンを撮って「軟骨がすり減っていますね」「骨と骨の隙間が狭くなっていますね」と言われることは少なくないでしょう。

この説明を受けて、確かに「軟骨がすり減っている」「骨と骨の隙間が狭くなっている(=レントゲンでは軟骨は描出されないので隙間が減っていることで軟骨が減少していることを推定する)」というように、本来あるべきものが減っているから痛いのだという説明は、なんとなく雰囲気的にはそれっぽく聞こえ、わからなくはないのですが、知識がある方からすると「軟骨には神経がないのに何で痛むのか?」という疑問が生じるかもしれません。

その疑問の答えの一つとなるのが、BML(Bone Marrow Lesion=骨髄病変)という病態の存在です。BMLは、変形性関節症の痛みの原因として深く関わっているとされています。

軟骨がすり減っているということ自体が痛みを生んでいる訳ではなく、軟骨がすり減ることで本来あるべきクッション材が少なくなり、骨にダメージが与えられ、骨の内部に炎症が生じてしまっているのです。

軟骨はクッション材なので、それがすり減ることで骨へのダメージが増すことは容易に想像できますし、継続的に負荷がかかっている生活習慣があるから軟骨がすり減っていくということもなります。

当記事では、専門家には身近だけれども、一般の方には馴染みが薄いけれども、皆さんがかかえる関節に痛みに深く関わるBMLという病態について解説します。

BML(Bone Marrow Lesion=骨髄病変) とは?

BMLは、簡単にいうと「骨のSOSサイン」です。

骨の中で炎症やダメージが起きている状態を指します。特に膝や股関節などの関節部分でよく見られ、MRI検査をすると骨の内部が白く映ることで、BMLが生じていると診断されます。

骨は普段、血流によって栄養や酸素を受け取って修復を繰り返しています。しかし、過度な負担やケガ、病気によって骨の中がダメージを受けると、BMLが発生します。

例えば、、

◼︎変形性関節症(膝、股関節、足首、肩などの関節軟骨のすりへりや構造の変形)

◼︎スポーツや仕事での反復継続的な負担(疲労骨折の前兆)

◼︎関節リウマチ(自己免疫疾患)

◼︎骨粗しょう症(骨が弱くなる病気)

これらの原因によって、骨に直接的に負担がかかり、骨の内部が炎症を起こし、痛みの原因や骨折につながることがあるのです。

皆さんにとって大切なのは「BMLはどんな影響があるのか知ること」「どのように予防・対処すればいいのか」という点だと思います。

誰でもできる、BMLの予防と対策

日常生活で気をつけるべきポイントは以下の通りです。

体重管理をする

BMLは、膝、股関節、足首、肩などで生じやすいです。

つまり、BMLは、荷重の影響を受ける関節部で生じやすいのです。

そのため、体重が重いと、物理的に膝や股関節の負担が増え、BMLのリスクが高まります。

まず、適正体重をキープすることが関節を守る重要なポイントです。

過体重から減量するためには、摂取エネルギーよりも消費エネルギーを増やす必要があります。

現状よりも、摂取エネルギーを増やすか、消費エネルギーを減らすか、あるいはその両方を行う必要になります。

筋トレで代謝を増やしてダイエットと謳われることがありますが、これには注意が必要です。

例えば、1時間パーソナルトレーニングを受けた時の消費エネルギーは、以下が目安になります。

体重(kg)軽めの筋トレ(kcal)普通の筋トレ(kcal)
高強度トレーニング(kcal)
50kg約150 kcal 約200 kcal約400 kcal
60kg約180 kcal約240 kcal 約480 kcal
70kg約210 kcal約280 kcal 約560 kcal
80kg約240 kcal約320 kcal約640 kcal


体重1kgを減らすためには、約7,200kcalを消費する必要がありますので、筋トレだけで減量を行うのは非常にたいへんなことであることがわかります。

決意して運動を開始したものの、体が耐えられず、怪我をしてしまいせっかくはじめた運動を断念せざるを得ないというのはしばしば聞く話しです。

大前提としとして運動習慣を取り入れることはとても大切なことではありますが、ダイエットは、運動だけで行おうとせず、食事管理と組み合わせることが重要です。

一方で、体重自体は適正範囲内あるいは痩せ型だからといっても油断はできません。隠れ肥満はご存知でしょうか。

隠れ肥満とは、見た目はスリムでも、体脂肪率が高い状態を指します。

一般的に、BMI(体格指数)が正常範囲内でも、体脂肪率が基準値を超えている場合に「隠れ肥満」とされます。

体重自体は重くなくても、それを支えるだけの筋力が不足していたり、普段がかかるような使い方をしていると、BMLのリスクは高い状態といえます。

いわゆる「痩せ型」の方は、体重オーバーではないからと安心するのではなく、体組成(体脂肪率や筋肉量)に着目してみましょう。

筋力トレーニングを行う

前述しましたように、BMLは荷重の影響を受ける下肢にて生じやすく、特に、膝が多いです。

たとえば膝ですと、太もも(大腿四頭筋やハムストリングス)の筋力を鍛えると膝の負担が減ります。

ならばスクワットが良いだろうと闇雲に行うと、かえって悪化してしまうことは少なくありません。

筋力トレーニングは、誰でも自宅でできるのですが、自分の身体に適したメニューや負荷設定、動かし方の要点をおさえて実施しないと、かえって悪化させてしまうことも少なくありません。

ちなみに膝に不調がある場合には、太ももの筋肉をを鍛えることは重要なのですが、いきなり体重をかけたスクワット等を行うと悪化のリスクがあるので、荷重をかけず、かつ関節の可動範囲を限定させてのエクササイズが推奨されます。

一口に筋トレといっても、非常に奥深いものです。

闇雲に無理な運動は控えるようにしましょう。

昨今では、YouTube等インターネットで、解説動画が多数発信されており、実際素晴らしいコンテンツが多いです。

誰でも情報を得られること自体良いとは思います。

ただ、見様見真似で実施することにより、悪化させてしまうリスクもあることは認識しておきましょう。

また、筋トレを指導者は「トレーナー」と称されますが、その中身は様々で、専門範疇もそれぞれです。

ボディビルなどのコンテストを目指すためのトレーニング、スポーツ競技を行うためのトレーニング、身体機能の改善させるためのトレーニング、ダイエット専門のトレーニング、、等様々あります。

これらは、本質的には共通している部分は多いのですが、実態としては”似て非なるもの”と認識した方が良いでしょう。

一口に医者といっても、医療には整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科、、、等たくさんの専門分野がありますが、それと同じとお考えください。

皮膚のトラブルがあった場合、整形外科医に診てもらうよりも、皮膚科医に診てもらうのがベターなのは言うまでもありませんね。

筋トレも、それぞれの目的にマッチした専門家のアドバイスを受けて実施するようにしましょう。

栄養バランスの良い食事をとる

骨のコンディションを良好にするためには、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、マグネシウム、たんぱく質 などの栄養素をバランスよく摂取することが大切です。

以下のような食品を意識して食べると良いでしょう。

①カルシウム(骨の主成分)

乳製品:牛乳、チーズ、ヨーグルト

小魚:しらす、いわし、ししゃも

大豆製品:豆腐、納豆、高野豆腐

野菜:小松菜、チンゲンサイ、モロヘイヤ

ナッツ:アーモンド、ゴマ

②ビタミンD(カルシウムの吸収を助ける)

魚:サケ、サンマ、マグロ、いわし

キノコ類:しいたけ、まいたけ、きくらげ

卵(特に黄身)

※ビタミンDは、日光を浴びることでも体内で合成されます

③ビタミンK(骨の形成を促進)

納豆(特に豊富)

葉物野菜:ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ

海藻類:わかめ、ひじき

④マグネシウム(カルシウムの代謝を助ける)

ナッツ類:アーモンド、カシューナッツ

海藻:ひじき、ワカメ

豆類:大豆、枝豆

⑤たんぱく質(骨のコラーゲンの材料)

肉・魚・卵

大豆製品(納豆、豆腐、味噌)

乳製品

おすすめの食事例

朝食:ヨーグルト+ナッツ、納豆ご飯+味噌汁(わかめ入り)

昼食:焼き魚(サバ・サケなど)+小松菜のおひたし+ひじき煮

夕食:豆腐と野菜の炒め物+チーズ入りオムレツ+ブロッコリーのサラダ

塩分の摂りすぎや過剰なカフェイン・アルコールはカルシウムの排出を促してしまうため、控えめにするのが理想です。

早めに痛みをケアする

関節が痛いと感じたら、鍼灸院、整骨院、整体院などではなく、まずは整形外科専門医に診てもらいましょう。

自分の信頼しているセラピストやトレーナーがいたとしても、専門医による診断を受けることがまず重要になります。

BMLはMRIを撮らないとわからないことが多いですが、熟練した専門医はエコーによりその場で状態を評価をすることもできます。

その上で、改善のための具体的な手立てにおいては、自分の信頼しているセラピストやトレーナーに相談しましょう。対処するにも何をするにも、まずはきちんとした診断ありきだからです。

場合によっては、活動時にはサポーターの着用も有効です。

まとめ

◼︎BMLは「骨の異常のサイン」であり、放置すると関節症や骨折につながる可能性がある。


◼︎膝の痛みや関節の不調がある人は、早めに運動を調整し、整形外科専門医に相談することが大切。

◼︎体重管理、適切な運動による筋力強化、バランスの良い食事がBMLの予防や改善に重要

「骨に異常は無いと言われたけれど強い痛みが続いている」「変形性関節症と診断された」「関節の痛みに困っている」などの症状がある人は、BMLが生じているかもしれません。

BMLを知り、日常のちょっとした意識と対策をすることで、骨と関節を守りましょう。


執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


慢性的な肩こりが下半身強化によって解消したケース|ケースレポート

概要

F様/神奈川県在住/60歳/男性/会社員

症状

首肩こり

背中のこり

状態

慢性的な肩こりで辛さが限界になったら整骨院に行き、ほぐしてもらう。

数日効くが、その後元に戻ってしまう。

仕事中に姿勢が悪い自覚あり。

鍼は受けたことがない。

スポーツジムに通っており、定期的な運動習慣あり。(10年くらい)

見立て

長時間デスクワークで座り続けていることから、もも裏の緊張が強い。

上半身の筋肉に比べて、下半身(お尻やもも裏)の筋力が弱く、上半身(主に肩)で体を支えている。

また股関節の屈曲可動域が低く、ヒップヒンジ(股関節を折りたたむ)機能がなかった。

そのため、座位時に骨盤が後傾してしまっていた。

後傾していることで胸椎も伸展させられず、円背になり、頭部が前方に出て、首肩の後面の筋肉に過負荷が生じていた。

まずはマッサージで緊張している筋肉(僧帽筋、頭半棘筋、頭板状筋) をほぐし、ヒップヒンジ機能を高め、下半身(お尻、もも裏)の筋力強化していくことで、根本的なこりの原因を改善できると考えた。

治療

マッサージにて自覚的に辛い部分(僧帽筋、頭半棘筋、頭板状筋、肩甲挙筋)や長時間同じ姿勢でいることで固まっている部分(大臀筋、中臀筋、ハムストリングス)を入念にほぐした。

下半身から体を安定させるための大臀筋やハムストリングスのトレーニングおよび股関節の可動域改善を行った。

またそれに加えて胸椎の可動期改善も行い、正しい姿勢での座り方、正しい体の使い方を出来るようにしていった。

行ったメニューは週2、3回通われているジムでも継続的に意識して行っていただいた。

正しい体の使い方が体に染み付き、こりの自覚も1ヶ月以上ないためゴールとなった。

コメント

運動習慣があっても日常の動作に結びついていないと、正しい体の使い方が出来ずこりにもつながります。

また、トレーニングをより効果的に行う上でも体を正しく使うことが重要です。

F様の場合ですと、下半身と上半身が連動しておらず上半身(特に肩)に力が入りやすい状態でした。

人間の関節は「モビリティ関節(動く)」と 「スタビリティ関節(固定する) 」が交互に積み重なっているという概念(Joint by Joint)があります。

股関節はモビリティ関節で可動性が必要で、特に「ヒップヒンジ」、股関節を折りたたむ動作(ヒンジは蝶番を意味します)が重要になります。

土台が安定していないとどんなに体を安定させようとしても姿勢は崩れてしまいます。

股関節が正しく動くことで上半身も無理なく(肩や腰を過剰に使わず)動き、安定させることができるのです。

今後もトレーニングを続けながら、今までで1番良い状態のお体を作れるよう努めてまいります。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。


慢性的な首肩こりが運動療法とマッサージで改善したケース|ケースレポート

概要

K様/東京都在住/48歳/男性/会社員

症状

首肩こり
頭痛
首を鳴らしたくなる

状態

もともと肩こりは慢性的にあったが、30代半ばからより辛くなった。

ここ1ヶ月で仕事が忙しくなり、朝から夜まで長時間デスクワークをしている。

その影響か頭痛も出るようになった。

鍼やマッサージを受けに行ったことはない。

床屋さんの強いマッサージは苦手。

Youtubeの動画を見て自宅で10分運動している。体を動かすことは好き。

見立て

首肩の筋肉(僧帽筋や頭半棘筋、頭板状筋)の緊張が強い状態。

頭痛は医療機関で異常がないことが確認されており、筋緊張から緊張型頭痛の可能性が高いと考えられる。

問診や検査から首肩こりを引き起こしている主な原因は、座位や立位時に背中が丸まって首が前に出てしまっていること、日常生活での「姿勢」にあるのではないかと考えた。

この丸まった姿勢の原因をさらに調べると、胸椎の可動性が低いことで、丸まった背中を伸ばせない状態であることがわかった。

そこで胸椎について掘り下げて調べてみると、固まっているだけではなく、腹横筋を中心とした腹筋群や、上背部の脊柱起立筋や多裂筋が弱いことで背中を伸ばす機能が低下してしいた。

そのため、意識や努力だけでは良い姿勢をとることができない状態であった。

また、腹部に力を入れようとしても首・肩周りを力ませるような使い方になってしまっており、お腹に力を入れて姿勢を正しても、かえって首肩を力ませてしまい、負担が軽減されない状態であった。

まずはマッサージで緊張している筋肉(僧帽筋、頭半棘筋、頭板状筋) をほぐして症状を緩和すること。

そして、胸椎の可動性を改善することが必要と考えた。

胸椎の可動性改善のために、胸椎のストレッチだけでなく、可動させるために必要な筋肉の強化をしていくことで、根本的な原因を改善できると考えた。

治療

初期治療

強い刺激が苦手であることからゆっくり奥に届くような押圧でマッサージを行い、筋緊張を緩めていった。

初期治療では7~10日のペースで治療を行い、間隔を空けないようにした。

また、運動では頭痛体操や首肩に負担のかかりくい座り方を行っていき、セルフケアとしてご自宅でも行っていただいた。

中期治療

ペースは2週間〜3週間。

首肩こりの辛さが減り、首を鳴らしたくなる回数も減った。

また、頭痛も気にならなくなった。

トレーニングの時間をより増やし、胸椎の可動域改善や姿勢保持筋(腹横筋、脊柱起立筋)の筋力、持久力強化を行った。

セルフケアもより強度を上げていきながら、朝晩で行っていただいた。

後期治療

ペースは中期治療と変わらず2週間に1度。

運動療法は毎回行いながら、マッサージの頻度は1ヶ月に1度に。

首肩こりの辛さはなくなり、セルフケアも継続して良い状態を維持できているためゴール。

今後はこの状態を維持、よりプラスにしていけるよう継続してトレーニングを行っていく。

ゴールまでの総治療回数は15回。

コメント

K様は仕事中に姿勢が悪くなっている自覚がありましたが、自分で良い姿勢に戻すのは難しい状態でした。

良い姿勢を取る上で胸椎の柔軟性が重要になります。

胸椎の柔軟性が低下している状態で良い姿勢を取ろうとすると首や腰の過伸展が起き、凝りにもつながります。

そのためまずは胸椎の可動域を上げていくこと、その上で良い姿勢を知り、意識しなくても良い姿勢を取れるよう反復することが重要でした。

K様は初期治療からセルフケアを毎日行ってくださったこともあり、胸椎の可動域改善や正しい座り方の体得までが早い段階で達成できました。

そこからはその姿勢を維持するための持久力をつけるトレーニングを行い、少しずつ良い姿勢を取れる時間が増えていきました。

よって、45~60分の治療を15回、所要期間約6ヶ月でゴールまで至ることが出来たかと思います。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。


骨盤後傾位は悪なのか?骨盤後傾位の重要性を解説いたします。

前回までのブログでは、日常生活を快適に送るためには骨盤前傾位での大殿筋の活動が大切であることをお伝えしました。

前回のブログはこちら
美尻を目指すためにはヒップスラストを行った方が良い?!SNSで注目されたヒップスラストとスクワットの違いを解説いたします

前々回のブログはこちら
たくさんあるお尻のトレーニング! 一体、私は何をやったら良いの?そして、どんな効果があるの?

骨盤前傾位にスポットを当ててお伝えしましたので、「骨盤後傾位は良くないの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

また、「骨盤後傾位は姿勢が悪くなるから良くない」と感じている方も多いと思いますので、骨盤後傾位が作れることのメリットを今回はお伝えしていきます。

骨盤後傾位とは?

「骨盤後傾位」の基準を明確にしたいので、定義をお伝えしていきます。


左右の上前腸骨棘(骨盤の前側にある出っ張った骨)と恥骨(2つの上前腸骨棘を結んで股下まで下がった所にある骨の出っ張り部分)が作り出す三角形(写真1)の傾きが骨盤前後傾を確認する際の指標となります。

写真1

「骨盤中間位」は三角形が床と垂直に位置する状態、「骨盤後傾位」は三角形が斜め上を向いた状態、「骨盤前傾位」は三角形が斜め下を向いた状態になります(写真2〜4)

写真2
写真3
写真4

以前は上前腸骨棘と上後腸骨棘(骨盤の後ろの出っ張り部分)の高さの差を基準にしていましたが、骨の個体差があるため正確な測定は難しいと言われており、現在は三角形を基準に骨盤の前後傾を評価することがスタンダードになっております。

骨盤後傾位が取れることでのメリット

人の体は活動量の低下や緊張状態が長期に続くと、骨盤前傾位での反り腰となることが多く、腰背部が硬くなったり、太ももの前側が疲れやすくなります。

前回までのブログでは骨盤前傾位が作れることの重要性をお伝えしましたので、混乱してしまう方がいらっしゃるかもしれませんが、骨盤前傾位が作れることと意図せずに骨盤前傾位になってしまうことは意味合いが異なります。

意図しない骨盤前傾位の方は、意図的に骨盤を後傾させることが難しいです。

そのため、今回の骨盤前傾位は日頃から腰背部の張り感、もも前に疲れが出やすい方へ、特に届けたいメッセージとなります。

骨盤後傾位が作れることで得られるメリットは主に以下の2つです。

腰まわりの筋肉、股関節の前側の筋肉のリラクゼーション、ストレッチ

 骨盤後傾位により腰の筋肉と股関節の前側の筋肉を引き伸ばした状態にすることができます。

腰の硬さ、股関節前側の硬さを感じている人は、うまく後傾位が取れるとスッキリ感を感じられるはずです。

下部腹筋、ハムストリングスの活性化

骨盤後傾位により下部腹筋とハムストリングスは収縮された状態になります。

腹筋の中でもおへそ周囲の下部腹筋は、骨盤をコントロールする上で大切になります。

腰まわりの筋肉、股関節前側の筋肉の硬さは痛みにつながることが多々ありますので、いつでも伸ばせる状況を作っておきたいです。

下部腹筋、ハムストリングスは現代の生活習慣では、弱くなりやすい筋肉です。

そのため、トレーニングではしっかりと鍛えていくことが大切です。

この2つの筋肉を鍛えることで、結果的に骨盤後傾位の誘導がしやすくなり、腰まわりの筋肉、股関節前側の筋肉を伸ばしていける状況になります。

実際のエクササイズ方法

以下に骨盤後傾位を誘導しやすいエクササイズを2つご紹介いたします。

ペルビックチルト

①膝を立てて仰向けになります。

②骨盤を手前に転がすイメージで、腰の下の隙間を潰すように骨盤を持ち上げます。

キャット&ドッグ

①四つ這いになります。

②坐骨を膝に近づけるイメージで骨盤を天井に持ち上げます。

上記2つのエクササイズは器具を必要としないため、ご自宅で行うことが可能です。

ぜひ一度、試しに行ってみてください。

日常生活動作での骨盤後傾位(中間位)

 ここで取り上げる骨盤後傾位は、骨盤前傾位を基準とした際の後傾位(中間位)と捉えていただきたいと思います。

基本は前傾しすぎでもなく、後傾しすぎでもなく、中間位(真ん中)に居続けられ、必要に応じて前傾と後傾のどちらにもいけるという形が理想です。

体幹の安定性の部分から考えると、過度な骨盤前傾位は横隔膜と骨盤底筋の平行状態が崩れます。

この平行状態が崩れると体幹の安定性を得ることが難しくなります。

そのため、反り腰でお腹に力が入りにくい方は骨盤をやや後傾位に誘導して、横隔膜と骨盤底筋を平行にする必要があります。

腰痛や股関節の痛みで悩んでいる方は、骨盤後傾位の誘導が難しくなっていることが多いと日々感じております。

このような方々にとっては、トレーニング中に骨盤後傾位を作れることが症状解決の糸口になる可能性があります。

まとめ

今回は骨盤後傾位の重要性について説明させていただきました。

「前傾位の方が良い」「後傾位の方が良い」という絶対的なものはなく、その局面によって求められる動作は変わります。

また、どちらかだけに固定され続けた姿勢も良くありません。

固定された姿勢は、局面ごとに求められる効率的な動きに適応できなくなるからです。

どちらも必要な時に自然と行えることが理想です。

そのためにはまずは簡単な動作での骨盤コントロールを練習して、徐々に複雑な運動に変えても同じようにコントロールできることを目指します。

一つずつ階段を登っていくようにトレーニングを積み上げて行くことが大切です。

次回は骨盤と連動して動く腰椎(腰の骨)について解説していきます。

前回の記事はこちら
次の記事はこちら

執筆者:進藤 孝大
Takahiro Shindo

湘南医療福祉専門学校 アスレティックトレーナー科卒業
東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
A-Yoga Movement coach

目の前にいる人の体のお悩み解決に全力を尽くす。
その想いだけで活動してまいりました。
スポーツトレーナーとして培ってきたノウハウと経験を活かして、
運動療法と鍼灸マッサージを組み合わせた治療を提案。
ご自身に合った適切なケア方法等、皆様のお悩み解決に向けて徹底サポートを行います。