投稿者「肩こりラボ」のアーカイブ

【健康寿命を左右するかもしれないBML(Bone Marrow Lesion=骨髄病変) をご存知ですか?】

関節が痛くて整形外科を受診し、レントゲンを撮って「軟骨がすり減っていますね」「骨と骨の隙間が狭くなっていますね」と言われることは少なくないでしょう。

この説明を受けて、確かに「軟骨がすり減っている」「骨と骨の隙間が狭くなっている(=レントゲンでは軟骨は描出されないので隙間が減っていることで軟骨が減少していることを推定する)」というように、本来あるべきものが減っているから痛いのだという説明は、なんとなく雰囲気的にはそれっぽく聞こえ、わからなくはないのですが、知識がある方からすると「軟骨には神経がないのに何で痛むのか?」という疑問が生じるかもしれません。

その疑問の答えの一つとなるのが、BML(Bone Marrow Lesion=骨髄病変)という病態の存在です。BMLは、変形性関節症の痛みの原因として深く関わっているとされています。

軟骨がすり減っているということ自体が痛みを生んでいる訳ではなく、軟骨がすり減ることで本来あるべきクッション材が少なくなり、骨にダメージが与えられ、骨の内部に炎症が生じてしまっているのです。

軟骨はクッション材なので、それがすり減ることで骨へのダメージが増すことは容易に想像できますし、継続的に負荷がかかっている生活習慣があるから軟骨がすり減っていくということもなります。

当記事では、専門家には身近だけれども、一般の方には馴染みが薄いけれども、皆さんがかかえる関節に痛みに深く関わるBMLという病態について解説します。

BML(Bone Marrow Lesion=骨髄病変) とは?

BMLは、簡単にいうと「骨のSOSサイン」です。

骨の中で炎症やダメージが起きている状態を指します。特に膝や股関節などの関節部分でよく見られ、MRI検査をすると骨の内部が白く映ることで、BMLが生じていると診断されます。

骨は普段、血流によって栄養や酸素を受け取って修復を繰り返しています。しかし、過度な負担やケガ、病気によって骨の中がダメージを受けると、BMLが発生します。

例えば、、

◼︎変形性関節症(膝、股関節、足首、肩などの関節軟骨のすりへりや構造の変形)

◼︎スポーツや仕事での反復継続的な負担(疲労骨折の前兆)

◼︎関節リウマチ(自己免疫疾患)

◼︎骨粗しょう症(骨が弱くなる病気)

これらの原因によって、骨に直接的に負担がかかり、骨の内部が炎症を起こし、痛みの原因や骨折につながることがあるのです。

皆さんにとって大切なのは「BMLはどんな影響があるのか知ること」「どのように予防・対処すればいいのか」という点だと思います。

誰でもできる、BMLの予防と対策

日常生活で気をつけるべきポイントは以下の通りです。

体重管理をする

BMLは、膝、股関節、足首、肩などで生じやすいです。

つまり、BMLは、荷重の影響を受ける関節部で生じやすいのです。

そのため、体重が重いと、物理的に膝や股関節の負担が増え、BMLのリスクが高まります。

まず、適正体重をキープすることが関節を守る重要なポイントです。

過体重から減量するためには、摂取エネルギーよりも消費エネルギーを増やす必要があります。

現状よりも、摂取エネルギーを増やすか、消費エネルギーを減らすか、あるいはその両方を行う必要になります。

筋トレで代謝を増やしてダイエットと謳われることがありますが、これには注意が必要です。

例えば、1時間パーソナルトレーニングを受けた時の消費エネルギーは、以下が目安になります。

体重(kg)軽めの筋トレ(kcal)普通の筋トレ(kcal)
高強度トレーニング(kcal)
50kg約150 kcal 約200 kcal約400 kcal
60kg約180 kcal約240 kcal 約480 kcal
70kg約210 kcal約280 kcal 約560 kcal
80kg約240 kcal約320 kcal約640 kcal


体重1kgを減らすためには、約7,200kcalを消費する必要がありますので、筋トレだけで減量を行うのは非常にたいへんなことであることがわかります。

決意して運動を開始したものの、体が耐えられず、怪我をしてしまいせっかくはじめた運動を断念せざるを得ないというのはしばしば聞く話しです。

大前提としとして運動習慣を取り入れることはとても大切なことではありますが、ダイエットは、運動だけで行おうとせず、食事管理と組み合わせることが重要です。

一方で、体重自体は適正範囲内あるいは痩せ型だからといっても油断はできません。隠れ肥満はご存知でしょうか。

隠れ肥満とは、見た目はスリムでも、体脂肪率が高い状態を指します。

一般的に、BMI(体格指数)が正常範囲内でも、体脂肪率が基準値を超えている場合に「隠れ肥満」とされます。

体重自体は重くなくても、それを支えるだけの筋力が不足していたり、普段がかかるような使い方をしていると、BMLのリスクは高い状態といえます。

いわゆる「痩せ型」の方は、体重オーバーではないからと安心するのではなく、体組成(体脂肪率や筋肉量)に着目してみましょう。

筋力トレーニングを行う

前述しましたように、BMLは荷重の影響を受ける下肢にて生じやすく、特に、膝が多いです。

たとえば膝ですと、太もも(大腿四頭筋やハムストリングス)の筋力を鍛えると膝の負担が減ります。

ならばスクワットが良いだろうと闇雲に行うと、かえって悪化してしまうことは少なくありません。

筋力トレーニングは、誰でも自宅でできるのですが、自分の身体に適したメニューや負荷設定、動かし方の要点をおさえて実施しないと、かえって悪化させてしまうことも少なくありません。

ちなみに膝に不調がある場合には、太ももの筋肉をを鍛えることは重要なのですが、いきなり体重をかけたスクワット等を行うと悪化のリスクがあるので、荷重をかけず、かつ関節の可動範囲を限定させてのエクササイズが推奨されます。

一口に筋トレといっても、非常に奥深いものです。

闇雲に無理な運動は控えるようにしましょう。

昨今では、YouTube等インターネットで、解説動画が多数発信されており、実際素晴らしいコンテンツが多いです。

誰でも情報を得られること自体良いとは思います。

ただ、見様見真似で実施することにより、悪化させてしまうリスクもあることは認識しておきましょう。

また、筋トレを指導者は「トレーナー」と称されますが、その中身は様々で、専門範疇もそれぞれです。

ボディビルなどのコンテストを目指すためのトレーニング、スポーツ競技を行うためのトレーニング、身体機能の改善させるためのトレーニング、ダイエット専門のトレーニング、、等様々あります。

これらは、本質的には共通している部分は多いのですが、実態としては”似て非なるもの”と認識した方が良いでしょう。

一口に医者といっても、医療には整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科、、、等たくさんの専門分野がありますが、それと同じとお考えください。

皮膚のトラブルがあった場合、整形外科医に診てもらうよりも、皮膚科医に診てもらうのがベターなのは言うまでもありませんね。

筋トレも、それぞれの目的にマッチした専門家のアドバイスを受けて実施するようにしましょう。

栄養バランスの良い食事をとる

骨のコンディションを良好にするためには、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、マグネシウム、たんぱく質 などの栄養素をバランスよく摂取することが大切です。

以下のような食品を意識して食べると良いでしょう。

①カルシウム(骨の主成分)

乳製品:牛乳、チーズ、ヨーグルト

小魚:しらす、いわし、ししゃも

大豆製品:豆腐、納豆、高野豆腐

野菜:小松菜、チンゲンサイ、モロヘイヤ

ナッツ:アーモンド、ゴマ

②ビタミンD(カルシウムの吸収を助ける)

魚:サケ、サンマ、マグロ、いわし

キノコ類:しいたけ、まいたけ、きくらげ

卵(特に黄身)

※ビタミンDは、日光を浴びることでも体内で合成されます

③ビタミンK(骨の形成を促進)

納豆(特に豊富)

葉物野菜:ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ

海藻類:わかめ、ひじき

④マグネシウム(カルシウムの代謝を助ける)

ナッツ類:アーモンド、カシューナッツ

海藻:ひじき、ワカメ

豆類:大豆、枝豆

⑤たんぱく質(骨のコラーゲンの材料)

肉・魚・卵

大豆製品(納豆、豆腐、味噌)

乳製品

おすすめの食事例

朝食:ヨーグルト+ナッツ、納豆ご飯+味噌汁(わかめ入り)

昼食:焼き魚(サバ・サケなど)+小松菜のおひたし+ひじき煮

夕食:豆腐と野菜の炒め物+チーズ入りオムレツ+ブロッコリーのサラダ

塩分の摂りすぎや過剰なカフェイン・アルコールはカルシウムの排出を促してしまうため、控えめにするのが理想です。

早めに痛みをケアする

関節が痛いと感じたら、鍼灸院、整骨院、整体院などではなく、まずは整形外科専門医に診てもらいましょう。

自分の信頼しているセラピストやトレーナーがいたとしても、専門医による診断を受けることがまず重要になります。

BMLはMRIを撮らないとわからないことが多いですが、熟練した専門医はエコーによりその場で状態を評価をすることもできます。

その上で、改善のための具体的な手立てにおいては、自分の信頼しているセラピストやトレーナーに相談しましょう。対処するにも何をするにも、まずはきちんとした診断ありきだからです。

場合によっては、活動時にはサポーターの着用も有効です。

まとめ

◼︎BMLは「骨の異常のサイン」であり、放置すると関節症や骨折につながる可能性がある。


◼︎膝の痛みや関節の不調がある人は、早めに運動を調整し、整形外科専門医に相談することが大切。

◼︎体重管理、適切な運動による筋力強化、バランスの良い食事がBMLの予防や改善に重要

「骨に異常は無いと言われたけれど強い痛みが続いている」「変形性関節症と診断された」「関節の痛みに困っている」などの症状がある人は、BMLが生じているかもしれません。

BMLを知り、日常のちょっとした意識と対策をすることで、骨と関節を守りましょう。


執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


慢性的な肩こりが下半身強化によって解消したケース|ケースレポート

概要

F様/神奈川県在住/60歳/男性/会社員

症状

首肩こり

背中のこり

状態

慢性的な肩こりで辛さが限界になったら整骨院に行き、ほぐしてもらう。

数日効くが、その後元に戻ってしまう。

仕事中に姿勢が悪い自覚あり。

鍼は受けたことがない。

スポーツジムに通っており、定期的な運動習慣あり。(10年くらい)

見立て

長時間デスクワークで座り続けていることから、もも裏の緊張が強い。

上半身の筋肉に比べて、下半身(お尻やもも裏)の筋力が弱く、上半身(主に肩)で体を支えている。

また股関節の屈曲可動域が低く、ヒップヒンジ(股関節を折りたたむ)機能がなかった。

そのため、座位時に骨盤が後傾してしまっていた。

後傾していることで胸椎も伸展させられず、円背になり、頭部が前方に出て、首肩の後面の筋肉に過負荷が生じていた。

まずはマッサージで緊張している筋肉(僧帽筋、頭半棘筋、頭板状筋) をほぐし、ヒップヒンジ機能を高め、下半身(お尻、もも裏)の筋力強化していくことで、根本的なこりの原因を改善できると考えた。

治療

マッサージにて自覚的に辛い部分(僧帽筋、頭半棘筋、頭板状筋、肩甲挙筋)や長時間同じ姿勢でいることで固まっている部分(大臀筋、中臀筋、ハムストリングス)を入念にほぐした。

下半身から体を安定させるための大臀筋やハムストリングスのトレーニングおよび股関節の可動域改善を行った。

またそれに加えて胸椎の可動期改善も行い、正しい姿勢での座り方、正しい体の使い方を出来るようにしていった。

行ったメニューは週2、3回通われているジムでも継続的に意識して行っていただいた。

正しい体の使い方が体に染み付き、こりの自覚も1ヶ月以上ないためゴールとなった。

コメント

運動習慣があっても日常の動作に結びついていないと、正しい体の使い方が出来ずこりにもつながります。

また、トレーニングをより効果的に行う上でも体を正しく使うことが重要です。

F様の場合ですと、下半身と上半身が連動しておらず上半身(特に肩)に力が入りやすい状態でした。

人間の関節は「モビリティ関節(動く)」と 「スタビリティ関節(固定する) 」が交互に積み重なっているという概念(Joint by Joint)があります。

股関節はモビリティ関節で可動性が必要で、特に「ヒップヒンジ」、股関節を折りたたむ動作(ヒンジは蝶番を意味します)が重要になります。

土台が安定していないとどんなに体を安定させようとしても姿勢は崩れてしまいます。

股関節が正しく動くことで上半身も無理なく(肩や腰を過剰に使わず)動き、安定させることができるのです。

今後もトレーニングを続けながら、今までで1番良い状態のお体を作れるよう努めてまいります。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。


慢性的な首肩こりが運動療法とマッサージで改善したケース|ケースレポート

概要

K様/東京都在住/48歳/男性/会社員

症状

首肩こり
頭痛
首を鳴らしたくなる

状態

もともと肩こりは慢性的にあったが、30代半ばからより辛くなった。

ここ1ヶ月で仕事が忙しくなり、朝から夜まで長時間デスクワークをしている。

その影響か頭痛も出るようになった。

鍼やマッサージを受けに行ったことはない。

床屋さんの強いマッサージは苦手。

Youtubeの動画を見て自宅で10分運動している。体を動かすことは好き。

見立て

首肩の筋肉(僧帽筋や頭半棘筋、頭板状筋)の緊張が強い状態。

頭痛は医療機関で異常がないことが確認されており、筋緊張から緊張型頭痛の可能性が高いと考えられる。

問診や検査から首肩こりを引き起こしている主な原因は、座位や立位時に背中が丸まって首が前に出てしまっていること、日常生活での「姿勢」にあるのではないかと考えた。

この丸まった姿勢の原因をさらに調べると、胸椎の可動性が低いことで、丸まった背中を伸ばせない状態であることがわかった。

そこで胸椎について掘り下げて調べてみると、固まっているだけではなく、腹横筋を中心とした腹筋群や、上背部の脊柱起立筋や多裂筋が弱いことで背中を伸ばす機能が低下してしいた。

そのため、意識や努力だけでは良い姿勢をとることができない状態であった。

また、腹部に力を入れようとしても首・肩周りを力ませるような使い方になってしまっており、お腹に力を入れて姿勢を正しても、かえって首肩を力ませてしまい、負担が軽減されない状態であった。

まずはマッサージで緊張している筋肉(僧帽筋、頭半棘筋、頭板状筋) をほぐして症状を緩和すること。

そして、胸椎の可動性を改善することが必要と考えた。

胸椎の可動性改善のために、胸椎のストレッチだけでなく、可動させるために必要な筋肉の強化をしていくことで、根本的な原因を改善できると考えた。

治療

初期治療

強い刺激が苦手であることからゆっくり奥に届くような押圧でマッサージを行い、筋緊張を緩めていった。

初期治療では7~10日のペースで治療を行い、間隔を空けないようにした。

また、運動では頭痛体操や首肩に負担のかかりくい座り方を行っていき、セルフケアとしてご自宅でも行っていただいた。

中期治療

ペースは2週間〜3週間。

首肩こりの辛さが減り、首を鳴らしたくなる回数も減った。

また、頭痛も気にならなくなった。

トレーニングの時間をより増やし、胸椎の可動域改善や姿勢保持筋(腹横筋、脊柱起立筋)の筋力、持久力強化を行った。

セルフケアもより強度を上げていきながら、朝晩で行っていただいた。

後期治療

ペースは中期治療と変わらず2週間に1度。

運動療法は毎回行いながら、マッサージの頻度は1ヶ月に1度に。

首肩こりの辛さはなくなり、セルフケアも継続して良い状態を維持できているためゴール。

今後はこの状態を維持、よりプラスにしていけるよう継続してトレーニングを行っていく。

ゴールまでの総治療回数は15回。

コメント

K様は仕事中に姿勢が悪くなっている自覚がありましたが、自分で良い姿勢に戻すのは難しい状態でした。

良い姿勢を取る上で胸椎の柔軟性が重要になります。

胸椎の柔軟性が低下している状態で良い姿勢を取ろうとすると首や腰の過伸展が起き、凝りにもつながります。

そのためまずは胸椎の可動域を上げていくこと、その上で良い姿勢を知り、意識しなくても良い姿勢を取れるよう反復することが重要でした。

K様は初期治療からセルフケアを毎日行ってくださったこともあり、胸椎の可動域改善や正しい座り方の体得までが早い段階で達成できました。

そこからはその姿勢を維持するための持久力をつけるトレーニングを行い、少しずつ良い姿勢を取れる時間が増えていきました。

よって、45~60分の治療を15回、所要期間約6ヶ月でゴールまで至ることが出来たかと思います。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。


骨盤後傾位は悪なのか?骨盤後傾位の重要性を解説いたします。

前回までのブログでは、日常生活を快適に送るためには骨盤前傾位での大殿筋の活動が大切であることをお伝えしました。

前回のブログはこちら
美尻を目指すためにはヒップスラストを行った方が良い?!SNSで注目されたヒップスラストとスクワットの違いを解説いたします

前々回のブログはこちら
たくさんあるお尻のトレーニング! 一体、私は何をやったら良いの?そして、どんな効果があるの?

骨盤前傾位にスポットを当ててお伝えしましたので、「骨盤後傾位は良くないの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

また、「骨盤後傾位は姿勢が悪くなるから良くない」と感じている方も多いと思いますので、骨盤後傾位が作れることのメリットを今回はお伝えしていきます。

骨盤後傾位とは?

「骨盤後傾位」の基準を明確にしたいので、定義をお伝えしていきます。


左右の上前腸骨棘(骨盤の前側にある出っ張った骨)と恥骨(2つの上前腸骨棘を結んで股下まで下がった所にある骨の出っ張り部分)が作り出す三角形(写真1)の傾きが骨盤前後傾を確認する際の指標となります。

写真1

「骨盤中間位」は三角形が床と垂直に位置する状態、「骨盤後傾位」は三角形が斜め上を向いた状態、「骨盤前傾位」は三角形が斜め下を向いた状態になります(写真2〜4)

写真2
写真3
写真4

以前は上前腸骨棘と上後腸骨棘(骨盤の後ろの出っ張り部分)の高さの差を基準にしていましたが、骨の個体差があるため正確な測定は難しいと言われており、現在は三角形を基準に骨盤の前後傾を評価することがスタンダードになっております。

骨盤後傾位が取れることでのメリット

人の体は活動量の低下や緊張状態が長期に続くと、骨盤前傾位での反り腰となることが多く、腰背部が硬くなったり、太ももの前側が疲れやすくなります。

前回までのブログでは骨盤前傾位が作れることの重要性をお伝えしましたので、混乱してしまう方がいらっしゃるかもしれませんが、骨盤前傾位が作れることと意図せずに骨盤前傾位になってしまうことは意味合いが異なります。

意図しない骨盤前傾位の方は、意図的に骨盤を後傾させることが難しいです。

そのため、今回の骨盤前傾位は日頃から腰背部の張り感、もも前に疲れが出やすい方へ、特に届けたいメッセージとなります。

骨盤後傾位が作れることで得られるメリットは主に以下の2つです。

腰まわりの筋肉、股関節の前側の筋肉のリラクゼーション、ストレッチ

 骨盤後傾位により腰の筋肉と股関節の前側の筋肉を引き伸ばした状態にすることができます。

腰の硬さ、股関節前側の硬さを感じている人は、うまく後傾位が取れるとスッキリ感を感じられるはずです。

下部腹筋、ハムストリングスの活性化

骨盤後傾位により下部腹筋とハムストリングスは収縮された状態になります。

腹筋の中でもおへそ周囲の下部腹筋は、骨盤をコントロールする上で大切になります。

腰まわりの筋肉、股関節前側の筋肉の硬さは痛みにつながることが多々ありますので、いつでも伸ばせる状況を作っておきたいです。

下部腹筋、ハムストリングスは現代の生活習慣では、弱くなりやすい筋肉です。

そのため、トレーニングではしっかりと鍛えていくことが大切です。

この2つの筋肉を鍛えることで、結果的に骨盤後傾位の誘導がしやすくなり、腰まわりの筋肉、股関節前側の筋肉を伸ばしていける状況になります。

実際のエクササイズ方法

以下に骨盤後傾位を誘導しやすいエクササイズを2つご紹介いたします。

ペルビックチルト

①膝を立てて仰向けになります。

②骨盤を手前に転がすイメージで、腰の下の隙間を潰すように骨盤を持ち上げます。

キャット&ドッグ

①四つ這いになります。

②坐骨を膝に近づけるイメージで骨盤を天井に持ち上げます。

上記2つのエクササイズは器具を必要としないため、ご自宅で行うことが可能です。

ぜひ一度、試しに行ってみてください。

日常生活動作での骨盤後傾位(中間位)

 ここで取り上げる骨盤後傾位は、骨盤前傾位を基準とした際の後傾位(中間位)と捉えていただきたいと思います。

基本は前傾しすぎでもなく、後傾しすぎでもなく、中間位(真ん中)に居続けられ、必要に応じて前傾と後傾のどちらにもいけるという形が理想です。

体幹の安定性の部分から考えると、過度な骨盤前傾位は横隔膜と骨盤底筋の平行状態が崩れます。

この平行状態が崩れると体幹の安定性を得ることが難しくなります。

そのため、反り腰でお腹に力が入りにくい方は骨盤をやや後傾位に誘導して、横隔膜と骨盤底筋を平行にする必要があります。

腰痛や股関節の痛みで悩んでいる方は、骨盤後傾位の誘導が難しくなっていることが多いと日々感じております。

このような方々にとっては、トレーニング中に骨盤後傾位を作れることが症状解決の糸口になる可能性があります。

まとめ

今回は骨盤後傾位の重要性について説明させていただきました。

「前傾位の方が良い」「後傾位の方が良い」という絶対的なものはなく、その局面によって求められる動作は変わります。

また、どちらかだけに固定され続けた姿勢も良くありません。

固定された姿勢は、局面ごとに求められる効率的な動きに適応できなくなるからです。

どちらも必要な時に自然と行えることが理想です。

そのためにはまずは簡単な動作での骨盤コントロールを練習して、徐々に複雑な運動に変えても同じようにコントロールできることを目指します。

一つずつ階段を登っていくようにトレーニングを積み上げて行くことが大切です。

次回は骨盤と連動して動く腰椎(腰の骨)について解説していきます。

前回の記事はこちら

前々回の記事はこちら


執筆者:進藤 孝大
Takahiro Shindo

湘南医療福祉専門学校 アスレティックトレーナー科卒業
東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
A-Yoga Movement coach

目の前にいる人の体のお悩み解決に全力を尽くす。
その想いだけで活動してまいりました。
スポーツトレーナーとして培ってきたノウハウと経験を活かして、
運動療法と鍼灸マッサージを組み合わせた治療を提案。
ご自身に合った適切なケア方法等、皆様のお悩み解決に向けて徹底サポートを行います。


【腱板断裂と診断されたら手術が必要なのか? 日常生活に支障をきたす肩関節の痛み、腱板断裂について解説します】

腱板断裂とは、文字通り「腱板」という組織が損傷して、構造的連続性が絶たれている(=断裂している)状態となってしまっていることです。

「断裂」という言葉が患者さんに与える印象は強烈で、とても心配になることかと思います。本来あるはずのものが「切れて」しまっている、、ならばそれをつなげて修復させなければ治らない、、、とご想像する方も少なくないでしょう。

結論からいいますと、腱板断裂と診断されて、手術が必要な症例は20〜30%程度です。

以下で詳しく解説しますが、70〜80%の症例は、保存療法(←手術をしない治療のこと)で改善します。

誤解ありませんよう捕捉しますと、注射うっても鍼をうってもPRPをうっても、、、その他の様々な治療をしても、手術で縫合しないかぎり切れた腱板が元通り修復されることはありません。

ただ、腱板が切れた状態だとしても、痛みや不都合がなくなるようになることは可能なのです。実際、無症候性腱板断裂(症状のない腱板断裂)もたくさん存在します。ただ、中には手術が必要なケースもあります。

大切なのは、予後不良のケースを知ること。どういった場合には手術が必要である可能性が高いのかを知ることだと思います。

どのような手術にもリスクや患者さん側の様々な負担はつきものなので、予後が不良ではないのにすぐに手術をする必要はありません。一方で、予後不良なのに、感情的な理由で手術を避け、代替療法や民間療法に期待をするのは、苦しむ期間を長引かせてしまう可能性もあります。

当方は、手術を肯定しませんし、否定もしません。あくまでも手術は治療の一つの手段だと考えております。闇雲にやるべきではないが、必要な場合には必要というスタンスです。なぜならば、患者さんに一日でも早く、苦しい状態から解放され、治っていただきたいからです。

当記事は、腱板断裂と診断された方、腱板断裂かもしれないとご不安な方へ向けて執筆しました。状況改善のための参考となりましたら幸いです。

腱板断裂とは

腱板断裂を理解するために、まずはそもそも腱板とはいったい何なのか?を知りましょう。

※いきなり本題部分を読みたい方は、スクロールして「2.」までお進みください。

腱板とは

腱板(ローテーターカフ、Rotator Cuff)とは、肩関節を安定させ、スムーズな動きを可能にする4つの筋肉と腱の集合体です。

専門的な観点から言うと、肩というのは肩甲上腕関節、肩甲胸郭関節、肩鎖関節、胸鎖関節という5つの関節から構成された複合体のため、肩関節複合体とも呼ばれます。この中で、皆さんが想像するいわゆる「肩」は、肩甲上腕関節(肩甲骨と上腕骨の連結部)になります。

※以下、当記事でいう肩関節とは、肩甲上腕関節のことをさし、肩関節複合体とは肩甲上腕関節、肩甲胸郭関節、肩鎖関節、胸鎖関節という5つの関節群を指します。

今回主役となる腱板は、この肩関節(=肩甲上腕関節)をとりまくインナーマッスルです。

腱板は、上腕骨の先端である上腕骨頭の周りを覆うように位置し、上腕骨と肩骨骨をつないで、人体最大の可動域をもつ肩関節がきちんと機能し、特に腕を上げたり回したりする動作において重要な役割を果たします。

腱板を構成する4つの筋肉とその作用

腱板は、肩甲骨から上腕骨(腕の骨)に付着する4つの筋肉と腱で構成されています。

筋肉名 主な働き

棘上筋(きょくじょうきん) 腕を上げる(挙上)

棘下筋(きょっかきん) 腕を外側に回す(外旋)

小円筋(しょうえんきん) 腕を外側に回す(外旋)

肩甲下筋(けんこうかきん) 腕を内側に回す(内旋)

腱板の働きは、肩関節の安定性を保ち、円滑な動作を行なうこと

肩関節は、丸い形をした上腕骨の先端(骨頭)が、肩甲骨の浅いくぼみ(関節窩)にはまる構造になっています。

肩関節と股関節は、球関節という分類に属し、お皿(関節窩)にボール(骨頭)がはまるという基本構造は共通しています。

なのですが、両者の大きな違いは、お皿(関節窩)の深さの違いです。

股関節は、お茶碗にテニスボールがおさまっている状態。肩関節は、平らな刺しちょこにテニスボールがのっている状態。をご想像ください。

お皿を傾けた場合、どちらほうがボールがお皿からこぼれ落ちてしまうかは、考えるまでもないでしょう。

このようにお皿(関節窩)から、ボール(骨頭)がこぼれ落ちないように留める機能や、お皿の中でもガチャガチャ動かないでお皿の中心部分に保持する機能を「安定性」といいます。

(ちなみに、骨頭が関節窩から完全にこぼれ落ちてしまっている状態を脱臼、一部分だけこぼれ落ちてしまっているのを亜脱臼、一瞬こぼれ落ちそうになったけどこぼれ落ちなかったものを捻挫といいます。)

肩関節は、骨格だけでみると平らな刺しちょこにテニスボールがのっているような状態なので、ちょっと傾ければお皿(関節窩)から、ボール(骨頭)がこぼれ落ちてしいます。

そもそも骨格だけでは支えきれないため構造上不安定といえます。そのため何かがそれを補わなければなりません。そこで登場するのが腱板になります。

肩関節は、股関節のように深い受け皿がないかわりに、腱板がしっかり支えることで、その構造上の不安定さを補っているのです。腱板が協力して働くことで、腕を上げたり回したりする動作がスムーズに行えます。特に棘上筋は、腕を上げる最初の動きをサポートすると言われていることから重要視されがちですが、個人的には、肩甲下筋と棘下筋の二つの機能が、肩のスムーズな動きには非常に重要だと感じます。

そしてもちろん小円筋も大切です。腱板ではないですが、腱板疎部の上を走行し、腱板の脆弱部位を補い、腱板と協調して作用することで肩の安定性に寄与する上腕二頭筋長頭腱もとても重要です。

腱板断裂とは?腱板が損傷するとどうなるか?

肩関節の安定性と動きを支える「腱板(けんばん)」は、肩甲骨から上腕骨に付着する4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)とその腱で構成されています。

加齢や外傷(突発的な怪我)などによって、この腱板が部分的または完全に切れてしまう状態を「腱板断裂」といいます。

腱板断裂は肩の痛みや可動域の制限を引き起こし、日常生活に支障をきたすことが少なくありません。特に腕を上げる動作や物を持つ動作が困難になることが特徴です。

腱板が傷ついたり断裂したりすると、次のような症状が現れます。

◼︎腕を上げるのが困難になる(力が入らない)

◼︎肩の痛み(特に夜間痛や動作時の痛み)

◼︎肩の動きに引っかかりを感じる

◼︎肩の可動域が狭くなる

腱板が肩が正常に働くために重要であることは上述したとおりです。その腱板が損傷すると、三角筋などの他の筋肉が代償として過剰に働くことで、肩関節の負担が増し、さらなる痛みや可動域の制限につながることがあります。

腱板の損傷が進行すると、肩の機能が低下し、日常生活にも大きな影響を及ぼしてしまいます。

ただ、一方で、腱板が断裂しているのに無症状という方も少なくないのです。無症候性腱板断裂の存在です。

症候性腱板断裂と無症候性腱板断裂

症候性腱板断裂とは、痛みや運動制限などの自覚症状がある腱板断裂のことです。無症候性腱板断裂とは、痛みや運動障害がない腱板断裂のことです。

この無症候性腱板断裂の存在。つまり腱板が切れてしまっているのに自覚症状無し(痛みや運動制限がない)の場合が少なくない、というのが、話を複雑にし、患者さんの混乱要因の一つかと思います。

無症候性腱板断裂(症状のない腱板断裂)は、加齢とともに増加し、高齢者では比較的一般的に見られます。

腱板断裂のうち、無症候性(痛みや自覚症状がないもの)の割合は、年齢によって増減し、約35~65%とされています。

特に、加齢とともに無症候性の腱板断裂の割合は増加し、

2013年に実施された664名を対象とした研究では、

• 50代: 約 20%

• 60代: 約 30-40%

• 70代以上: 約 50-60%

に無症候性の腱板断裂があったと報告されています。

論文:Minagawa, H., Yamamoto, N., Abe, H., et al. (2013). Prevalence of symptomatic and asymptomatic rotator cuff tears in the general population: From mass-screening in one village. Journal of Orthopaedics, 10(1), 8-12.

2010年に実施された683名を対象とした研究では、

• 40代: 約 10%

• 50代: 約 20%

• 60代: 約 30%

• 70代以上: 約 50%

に無症候性の腱板断裂があったと報告されています。

論文: Yamamoto, A., Takagishi, K., Osawa, T., et al. (2010). Prevalence and risk factors of a rotator cuff tear in the general population. Journal of Shoulder and Elbow Surgery, 19(1), 116-120.

上記を踏まえると、

• 40代では約10~20%

• 50代で20~30%

• 60代で30~50%

• 70代以上では50%以上

の割合で無症候性の腱板断裂があると推測されます。

つまり、70歳代以上のでは 2人に1人 の割合で無症候性腱板断裂がある可能性があります。

※個人の生活習慣や職業、スポーツ歴などによっても変わります

無症候性の腱板断裂は、何らかのきっかけ(外傷や使いすぎ)で有症候性(痛みや運動制限を伴う)に移行する可能性があるため、今現在不都合がないから、この先ずっと問題がないというわけでないので、適切なメンテナンスが推奨されます。

ここで大切なのは、腱板が切れていたとしても、無症状の方がこれだけ多くいらっしゃるということです。

腱板が肩の機能において重要なのは間違いないのですが、それだけが絶対的な問題なのではなく、肩関節複合体として、さらには人の身体として全体的なバランス・調和がとれているかどうかが最重要なのです。

いいかえれば、腱板断裂が発覚したとしても、肩関節複合体としての機能や、全身的な機能を改善させることで、日常生活に不都合なく過ごせるようになる可能性もあるのです。

腱板断裂と診断されたら手術が必要なのか?

ここで本題となります。

まず、無症候性腱板断裂の場合は、不都合が生じていないわけですから、手術は不要です。

ですが、今後、症候性腱板断裂に以降してしまう可能性がありますので、その可能性を少しでも減らすためにメンテナンス(首肩や体幹の筋肉の過緊張緩和、可動性改善、筋力向上)を行なっていくことが推奨されます。首こりや肩こりも増悪因子として考えられます。

問題は、症候性腱板断裂の方です。痛みや可動性が低下して日常生活に不都合が生じてしまっている腱板断裂です。

症候性腱板断裂の治療法は、保存療法と手術療法の二つがあります。

◼︎保存療法: 薬(服薬や注射)や理学療法(運動療法&物理療法)による治療法。

◼︎手術療法(外科的治療): 手術を行って病変を取り除いたり、修復したりする治療法。

どのような治療方法を選択するかは、断裂の程度・症状・年齢・生活スタイル によって異なりますが、予後不良なタイプ以外は、原則保存療法での治療がメインとなります。

切れてしまっている腱板は、手術により物理的に縫合しない限り、注射(ステロイド、PRPや幹細胞などを含む)や鍼、お灸、漢方や整体等の代替療法を行なっても、元通りにつながることはありません。

ですが、残存している腱板、肩甲骨や胸郭等の肩関節複合体としての機能を改善することで、70〜80%のケースは保存療法で日常生活で問題ないようなります。

一方で、予後不良なケースも存在し、20~30%では手術が必要になるということも事実です。

腱板断裂で、どのような場合に手術が必要となる可能性が高いのか?

腱板断裂の予後は断裂の部位、範囲、慢性化の有無によって大きく異なります。

特に以下の部位の断裂は予後が不良になりやすいです。

1. 後方三腱(棘上筋・棘下筋・小円筋)の広範囲断裂

※ 広範囲断裂とは、腱板の複数の筋が断裂し、その範囲が3cm以上、または2つ以上の腱が完全に切れている状態を指します。

<予後不良の理由>

• 腱板機能の大部分が損なわれる(肩の安定性が失われる)

• 外旋・挙上の筋力が低下し、腕を上げられなくなる

• 上腕骨頭が上方・後方に偏位し、腱板断裂性関節症に進行しやすい

2. 肩甲下筋断裂(前方不安定性が問題)

<予後不良の理由>

• 内旋筋力の低下により、手を背中に回す動作(結帯動作)が困難になる

• 上腕骨頭の前方不安定性が増し、脱臼のリスクが高くなる• 放置すると上腕二頭筋長頭腱の損傷を伴いやすい

• 慢性化すると修復が困難になり、肩関節の機能回復が難しくなる

なぜこの後方三腱断裂と肩甲下筋断裂の保存療法の予後が悪いかというと、上腕骨頭を保持できなくなってしまうからです。

肩関節は、上腕骨頭というボールが、関節窩という縁が浅くて直径の小さい肩甲骨の窪みにおさまります。でもそれだけですと容易に骨頭が関節窩から外れてしまいますので、この骨格的な構造の不安定さを、腱板が補っています。

腱板の構造と働きは、5本指でボールを握っているのと同様と考えてください。親指が肩甲下筋、人差し指が上腕二頭筋長頭腱、中指が棘上筋、薬指が肩甲下筋、小指が小円筋です。

是非実際にボールを握って試していただけたいのですが、5本指でボールを握っているところから、小指と薬指と中指(後方三腱=棘上筋・棘下筋・小円筋)を離したら、ボールを保持し続けるのが非常に困難になります。

一方、親指(肩甲下筋)を離しても、同様にボールを保持するのが非常に困難になります。

たとえボールを落とさず保持できたとしても、非常に無理があるのがわかると思います。そのため、後方三腱あるいは肩甲下筋の断裂すると、骨頭を関節窩に保持することが困難になってしまうため、予後が不良となるのです。

ただ、後方三腱あるいは肩甲下筋の断裂だとしても、一律に即手術かというとそうではありません。

断裂の程度(完全断裂か部分断裂かどうか?部分断裂ならばその範囲は?等)によって予後や対処は異なります。それにはMRI検査を元に、肩関節専門の医師による診断が必要です。

予約不良例として代表的なのが、後方三腱あるいは肩甲下筋の断裂ですが、以下のような場合にも手術が検討されます。

・リハビリや注射などの保存療法で日常生活に支障がある状態が改善しない場合。

・長期間放置されて筋萎縮や脂肪変性が見受けられる場合。

・若年者や活動性の高い人(スポーツ選手)で、これから先も肩に負担をかけることが想定されたり、極力の早期の機能回復を目指す場合

まとめ

まずは専門医によるきちんとした診断が必須です。

10〜20%の予後不良例(棘上筋・棘下筋・小円筋の断裂あるいは肩甲下筋の断裂など)においては手術療法が必要となることもあります。

70〜80%のケースは保存療法で改善可能です。

ただし専門的なリハビリが必要となります。

当院では、専門医と連携し、腱板断裂を含めた肩関節痛の保存療法を多数取り扱っています。

痛み止めと湿布で様子をみても改善しない方、病院でのリハビリや体操で改善しない方、鍼灸や整体で改善しない方の症例がほとんどとなります。

お困りの方はお気軽にご相談ください。


執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


美尻を目指すためにはヒップスラストを行った方が良い?!SNSで注目されたヒップスラストとスクワットの違いを解説いたします

前回はお尻のトレーニング方法について書かせていただきました。

前回の記事はこちらをご覧ください。
たくさんあるお尻のトレーニング!一体、私は何をやったら良いの?そして、どんな効果があるの?

お尻のトレーニングで一番有名なトレーニング方法はヒップスラストではないでしょうか?

股関節の前にバーベルを乗せて、お尻を高く持ち上げて最大限にお尻を縮ませる。

ヒップアップを目指す方は、一度は行ったことがあるのではないでしょうか?

また、「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれるスクワットは、どんな目的の運動であっても、メニューに入ってくることが多いです。

今回は、日常生活の動きとトレーニング方法を合わせながら両者の違いを見ていきたいと思います。

特に日常生活を楽に送るために必要となる骨盤前傾位の点から見ていきます。

日常生活で必要な骨盤前傾動作について

立位、座位、歩行など、どの場面においても骨盤が前傾位であることでお尻(大殿筋)の筋肉が引き伸ばされて使われる(遠心性収縮)状況になります。

より楽に、体の痛みなく生活を送るためには写真1〜3のような姿勢を自然と作れるようにしていくことが必要です。

写真1

写真2

写真3

骨盤後傾位になると太ももの前(大腿四頭筋)に疲労が溜まりやすくなります。

普段からももの前が疲れてしまう方は骨盤後傾位での動きになっている可能性が高いです。

「長時間歩くとももの前が疲れる」「階段を歩くとももの前がパンパンになる」…そんなお声を聞くことは多々あります。

もちろん、ももの前(大腿四頭筋)を悪者扱いするわけでなく、過剰に使われることが良くない状況を作り出します。

ヒップスラストとスクワットの特徴

ヒップスラストの特徴

ヒップスラストは背中をベンチ台に当てて股関節を曲げた状態から、お尻を持ち上げる運動です。

バーベルを股関節の真上に置くため、常にお尻に負荷がかかり続ける状況を作り出せます。

股関節の角度に影響されることなく、一定の重さの負荷をかけ続けられるという点がヒップスラストの特徴です。

負荷をかけ続けられることは、筋肉を休ませることなくトレーニングし続けられることになります。

身体機能向上という点で考えると、物理的な負荷を与え続けられるエクササイズはとても重要になります。

スクワットの特徴

立位の状態からお尻の上げ下げを繰り返す運動です。

ヒップスラストと違い、股関節の角度によって、お尻への負荷のかかり方が異なります。

下まで降ろした状態の方が、大殿筋には強く引き伸ばされる負荷がかかります。

前回の記事でもご説明したハンモックのような形です。

この局面では重さをしっかりと受け止める必要があるため、強い遠心性収縮がかかります。

この場面の強化が、日常生活で必要な骨盤前傾位には必要だと考えます。

ヒップスラストとスクワットの違い

トレーニング姿位の違い

ヒップスラストは仰向け、スクワットは立位での運動です。

基本的な考え方は、固定点が多い方が安定した状況でのエクササイズが可能です。

両者の固定点を比較した場合はヒップスラストは「足裏と背中」、スクワットは「足裏のみ」のため、ヒップスラストの方が行いやすいと考えられます。

また、スクワットは体幹部をまっすぐ保持する必要があるため難易度は高くなります。

しかし、ヒップスラストの姿勢は日常生活ではあまり見られませんよね。。。

経験したことのない動作は最初はやりにくいものです。

スクワットは日常生活で言えば、しゃがんで立ち上がる動作のため誰しもが経験したことのある動き。

理論では語れない過去の経験が関与する部分なので、試しに行ってみることがおすすめです。

負荷のかかり方の違い

ヒップスラストは体を仰向けにすることで股関節の前から後ろへ負荷をかけ、スクワットは股関節の上から下に負荷をかけることになります。

両者の違いを写真を使いながら以下に説明していきます。

ヒップスラスト

ヒップスラストは股関節の角度に影響されることなく、大殿筋に負荷をかけ続けることができます。

特に、重さをしっかりと上げきる局面(股関節を伸展させる)で、大殿筋を最大限に収縮できることが可能です。

最大限に収縮できる負荷を与えることができることもヒップスラストの特徴です。

注意点は重量が重くなるほど、股関節の動きだけでなく、腰の動きも出やすくなります。

その際に、腰には剪断力(せんだんりょく)という前後に引き裂かれる力が加わるため、腰に違和感や痛みが出ないように行うことが大切です。

スクワット

大殿筋に最も負荷がかかるのは、お尻を一番深く下げた位置になります。

スクワットは股関節の角度によって、大殿筋への負荷が異なってきます。

考え方はテコの原理と同じです。

股関節を支点、バーベルの位置が作用点、大殿筋を力点とします。

スクワットはまっすぐ立った姿勢では股関節とバーベルの位置が近いため、その姿勢を維持するための大殿筋の出力は多くは求められません。

しかし、深く下げた局面では、股関節とバーベルの距離が離れるため、体が前に倒れすぎないようにするために大殿筋の出力(ハンモックのような形の遠心性収縮)が大切になってきます。

そのため、股関節の角度によって負荷が異なってきます。

注意点は重さが増えると背骨を上から下に圧迫する力が生まれます。

不適切なフォームで背骨が圧迫され続けると、腰の筋肉に過度な緊張を生じさせたり、関節由来の腰痛の原因になることがあります。

特に成長期の子どもたちは腰椎分離症の原因にもなるため、トレーニングフォームには注意が必要です。

ヒップスラストとスクワットをどう使い分ける?

日常生活動作の視点で両者を考えてみる

日常生活動作の多くは体をまっすぐに起こした状態での動きなので、スクワットの方がより近い動きとなります。

座る、立ち上がる、歩くなど、どの動作をみても骨盤前傾位での動きが効率の良い動作を作ります。

ヒップスラストもバーベルを下ろす時には骨盤が前傾するのですが、背中が固定されているという点で日常生活動作とは少し異なると捉えました。

スクワット動作で大殿筋を鍛えていくことは、日常生活動作の質の向上に直結しやすいと考えています。

筋肉への負荷の視点で両者を考えてみる

どちらも大殿筋を鍛えるためにはとても良い種目であることは間違いないのですが、ここではヒップスラストの最大収縮を取り上げてみます。

この最大収縮はスクワットでは得られにくいものです。

最大収縮を求められる場面は日常生活動作では少ないですが、スポーツ動作などでの爆発的な力発揮の際には重要になってきます。

具体的にはダッシュ、ジャンプ、切り返し動作などが挙げられます。

常に負荷を与え続けられる、最大収縮の部分で利点のあるヒップスラストは、アスリートや筋肉を鍛えたいトレーニーの方にはおすすめのメニューです。

まとめ

ヒップスラストとスクワットの違いについて説明していきました。

どちらが良い悪いの問題ではなく、種目の特徴と注意点を理解して、目の前の方に適した種目をご提案できることが重要だと考えます。

ヒップスラストが日常生活動作に似ていないからやらなくて良いというわけではなく、ヒップスラストの恩恵を受けることで、ご自身の体のキャパシティが向上し、日常生活を快適に過ごせることにもつながります。

また、「運動の多様性」という観点を含めて考えると、多種多様な運動を行うことで筋力アップにつながり、体のコントロールがしやすくなります。

その結果として、生活が快適になることが考えられます。

ヒップスラスト、スクワットどちらも試してみてください。

前回の記事はこちら

次の記事はこちら


執筆者:進藤 孝大
Takahiro Shindo

湘南医療福祉専門学校 アスレティックトレーナー科卒業
東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
A-Yoga Movement coach

目の前にいる人の体のお悩み解決に全力を尽くす。
その想いだけで活動してまいりました。
スポーツトレーナーとして培ってきたノウハウと経験を活かして、
運動療法と鍼灸マッサージを組み合わせた治療を提案。
ご自身に合った適切なケア方法等、皆様のお悩み解決に向けて徹底サポートを行います。


たくさんあるお尻のトレーニング! 一体、私は何をやったら良いの?そして、どんな効果があるの?

姿勢改善、痛みの改善、ダイエット・・・いろいろな目的で運動をする時に外せないものになっているのが、「お尻のトレーニング」ではないでしょうか?

「お尻が使えていないから膝が痛む」「腰痛になるのは腹筋とお尻の筋肉で体を支えられていないから」「代謝を良くするためにまずはお尻を鍛えましょう」など、いろんな場面で登場する「お尻」という言葉。

人の体は、その運動方法に適応するように変化していきます。

そのため、日常生活で必要な動きの観点と照らし合わせながら、お尻のトレーニング方法を再度、見つめ直していきます。

「お尻のトレーニングをしたいが、何をやったら良いのかわからない方」

「お尻のトレーニングはしているが、イマイチ効果を感じられない方」
・・・そんな方々に対してのヒントになりましたら幸いです。

お尻の筋肉を鍛えるとは

お尻を鍛えるメリット

①痛みに対してのメリット

人間は誰しもが重力下で生活をしており、ほとんどすべての人が歩行(走るも含めて)という移動手段を使っています。

重力下での生活、歩行を行う上で骨盤が前傾位であることは効率の良い動作を行う上でとても重要となります。

写真1 骨盤後傾位の状態

写真2 骨盤前傾位の状態

実際に写真1、2の状態で30mくらい歩いてみてください。

体感してみると、骨盤前傾位の方が姿勢を保つことも歩くことも楽な感じがするのではないでしょうか?

楽な感覚で立てる、楽な感覚で歩けることは痛みを出さないためにも必要な体の使い方になります。

②美的要素へのメリット

写真1、2からもお分かりだと思いますが、見た目の美しさの観点からも骨盤前傾位の方が綺麗な姿勢だと感じることかと思います。

もちろん、歩く姿勢も綺麗になります。

お尻を鍛えるデメリット

デメリットはないですが、強いてお伝えすると、お尻のトレーニングだけを行うよりは他の運動も一緒に行なっていく方が良いです。

骨盤を下から支える大殿筋だけでなく、前から支える腸腰筋、体幹トレーニングで重要となっている腹横筋、多裂筋、あらゆる方向から骨盤を支えていくことが重要となります。

また、移動という観点で考えると下肢との関係性は低そうに見えますが、上肢の動きも大切になってきます。

下肢の動きと緩衝し合うように動く上肢(歩く時に右足が前に出ると左手が前に出るという動き)と捉えると、全身満遍なく鍛えていけることが理想です。

お尻の筋肉の種類(大殿筋、中殿筋、小殿筋)

①大殿筋

お尻の一番表層にある大きな筋肉です。

この大殿筋は骨盤を前傾させた際に、ハンモックのように骨盤の下から引き伸ばされるような形で収縮し続けてくれます。

筋の収縮様式としては遠心性収縮で、骨盤前傾位保持のためにはとても重要な役割を担ってくれます。

②中殿筋

お尻のエリアの一番外側にある筋肉です。

トレーニングを定期的に実施されている方なら、クラムシェルというエクササイズで鍛えたことがあるのではないでしょうか。

中殿筋の機能として重要なのは、足の裏が地面に接地した状態で同側の骨盤(右足で立っている状態なら右の骨盤)が天井方向に上がりすぎないことです。[トレンデレンブルグ徴候]

足の裏が地面に接した状態での骨盤のコントロールが重要なポイントです。

③小殿筋

お尻の筋肉の一番深部に位置する筋肉です。

骨盤と大腿骨をつなぎ合わせる関節包(関節を包む膜のようなもの)に付着し、大腿骨頚部軸と並走するように位置しているので、関節を安定させるために重要となります。

日常生活動作で必要なお尻の機能とは

骨盤前傾位を作るヒップヒンジ

お尻の筋肉(特に大殿筋)が自動的に使われる姿勢が骨盤前傾位になります。

理由としては、体が前に倒れ過ぎないように支えるためです。重力下で生活をする以上、お尻の筋肉を縮めて使うというよりはハンモックのように引き伸ばしながら使えることが大切になってきます。

この状態が作れることで、ヒップアップした見た目の美しさにも繋がります

片足立位保持のためのヒップロック

片足立ちをした際に、同じ側の骨盤を地面方向に押して反体側の骨盤を持ち上げるような状態(右足で押すときは右側の骨盤を地面に近づける)になります。

これにより中殿筋の収縮を強く感じることができ、骨盤が上がりすぎることを抑制することができます。

お尻が左右にフリフリと過剰に動く方にとっては大切な動きになってきます。

トレーニング方法

スクワット

左右の股関節できれいなヒップヒンジを作ることが重要になります。

骨盤の後傾や腰が曲がってしまうなどの代償動作が出やすいので注意します。

下に沈み込んでいく際に、お尻の坐骨で筋肉が伸ばされるような感覚を感じられたら良いです。

お尻(大殿筋)が引き伸ばされながら使えているサインです。

スプリットスクワット

スクワットよりも片側のお尻への負荷が上がるため、基本的にはスクワットのレベルアップトレーニングとの位置付けになります。

お尻を使う感覚が出せない方は、最初にスプリットスクワットを行ってみても良いです。

片側のお尻への負荷を高めることで、「お尻を使う」という実感が得られやすいです。

片足ニーアップ

ヒップロックポジションを作ることが大切になります。

鏡を見ながら、足を上げている方の骨盤が高くなるように足を持ち上げてください。

お尻の外側の筋肉の収縮感を強く感じることと思います。

まとめ

お尻の鍛え方はたくさんありますが、日常生活に必要となる動きと合わせながら考えていくと、トレーニングの優先順位は決まっていきます。

今回、取り上げた運動も一度は目にしたことはあるかと思いますが、意識する部分が変わることで効果も変わっていきますので、お尻の感覚を感じながら行ってみてください。

次回はスクワットとヒップスラストの2つの違いを深ぼりして解説させていただきたいと思います。

次の記事はこちら

その次の記事はこちら


執筆者:進藤 孝大
Takahiro Shindo

湘南医療福祉専門学校 アスレティックトレーナー科卒業
東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
A-Yoga Movement coach

目の前にいる人の体のお悩み解決に全力を尽くす。
その想いだけで活動してまいりました。
スポーツトレーナーとして培ってきたノウハウと経験を活かして、
運動療法と鍼灸マッサージを組み合わせた治療を提案。
ご自身に合った適切なケア方法等、皆様のお悩み解決に向けて徹底サポートを行います。


【2024〜2025年】年末年始休診のお知らせ

日頃より肩こりラボをご利用いただきありがとうございます。

肩こりラボでは、年末年始の休業の期間を以下の通りとさせていただきます。
ご不便をお掛けいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

■年末年始休業期間

2024年12月30日(月)から2025年1月3日(金)まで
2025年1月4日(土)10:00より通常営業とさせていただきます。

年末年始休暇期間中にいただきましたお問い合わせにつきましては、2025年1月4日(土)より順次ご連絡させていただきます。

来年も肩こりラボをどうぞよろしくお願いたします。

[ お知らせ ]肩こりラボ アスレティックセンター開業

いつも当院をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

当院は、慢性化した首肩こりの改善を目的とした治療を行う鍼灸院として、2012年に開業しました。以来、皆様に支えられて肩こりラボは今年で12周年となります。

2022年には、頭や顔のこりや緊張型頭痛の改善、偏頭痛発作の予防的治療に特化した『頭こりラボ』をオープンしました。 頭こりラボ公式HP

このたび、当院の一つ上のフロア(学大YSビル4階)にて、新しい事業をスタートいたします。

以下詳細です。

【名称】

肩こりラボ アスレティックセンター

【概要】

運動療法専門の施設です。肩こりラボのスタッフがマンツーマンでトレーニングやリハビリを行います。

当センターでは、「Exercise is medicine」をモットーとしております。

適切なエクササイズは、時には、病院で処方される薬よりも効果的であったり、お薬を飲んでも解決しない問題の改善につながることがあります。

一方で、闇雲に行ったり、不適切な方法で行うことで、かえって状況を悪化させてしまうということも少なくありません。

当センターでは、汗をかいて爽快感を得るためだけではなく、病院では解決し難い個々が抱える悩みや不調・・・

たとえば、

筋力低下、運動不足、首肩こり、腰痛、姿勢不良、筋肉や関節の痛みや不具合・機能低下、繰り返してしまう怪我、治りきらず慢性化した怪我、スポーツ傷害、手術後の不調、肥満、るい痩、ロコモティブシンドローム 等を、

エクササイズを中心とした対処で改善につなげる『問題解決型のパーソナルジム』です。

【適している方】

▪︎  筋力低下や運動の必要性を認識しているが、運動経験が無いため心配な方

▪︎  非常に体力が低下している方

▪︎  過去にジムでの運動で傷めてしまったことがある方

▪︎  運動はしたいが痛みや不調があって心配な方

▪︎  正しいフォームや動かし方、メニューや負荷の設定のやり方を知りたい方

▪︎  現在トレーニングを行っているが、効果がいまいちな方、正しくできているか心配な方

▪︎  怪我や痛みを繰り返してしまう方

▪︎  アスリート、ダンサー、音楽家  等、身体のコンディションとパフォーマンスに関連性がある方

【開業日】

2024年9月5日(木) 10:00

【所在】

肩こりラボの一つ上のフロアです。

152-0004 東京都目黒区鷹番3-6-8 学大ysビル4階

【システム】

▪︎完全予約制

▪︎マンツーマン形式

▪︎費用都度払い(月会費無し)

▪︎運動のみではなくケア(鍼、マッサージ、ストレッチ)との組み合わせも可能

【料金】

料金体系は肩こりラボと同じで15分あたり¥3,300(税込)です。30分のセッションから承ることができます。

60分のセッションがスタンダードです。

運動60分+ケア30分を合わせて90分のセッションなど、運動とケアとを組み合わせてのご利用も可能です。

【営業時間】

10:00〜22:00 ※毎週水曜定休

【ご予約・お問合せ方法】

当LINEまたはお電話にてお問合せください。

☎︎0337137117

【内観】

EVOLGEAR(エヴォルギア)製の3つのウェイトスタックマシーン (レッグエクステンション、プローンレッグカール、ヒップアダクション・ヒップアブダクション) を導入しています。
TUFFSTUFF(タフスタッフ) 製 パワーラック
EVOLGEAR(エヴォルギア)製 カウンターオールインワンラック

内観を、公式Instagram でご紹介しています。

施設見学大歓迎です。お気軽にお問合せくださいませ。


肩こりラボ アスレティックセンターでは、プロのアスリートやダンサー、トレーニーの方々にお応えできる設備をご用意しておりますが、指導にあたるのは治療やリハビリに精通した肩こりラボのスタッフです。

ですので、是非日頃運動に慣れ親しんでいない方や痛みや不調を抱えた方にもご利用いただきたいと考えております。

そして、「問題」の改善だけに留まらず、より良いお身体の状態になり、理想だったことや新たなチャレンジ、自己実現、ひいては人生をより豊かにすることのお役に立つことかできましたら幸いです。

私たちは常に進化し、皆様に、より本質的かつ価値のあるモノを提供することを使命と考えております。

スタッフ一同、より一層のホスピタリティとサービス向上に努め、皆様に貢献し、ご満足いただけるよう精進してまいります。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

[お知らせ]3 x 3プロバスケットボールチーム ”BEEFMAN. EXE”とスポンサー契約(継続)を締結

株式会社肩こり研究所は、3 x 3プロバスケットボールチーム BEEFMAN. EXEと、2024年シーズン ユニフォームスポンサー及びオフィシャルサポート契約(継続)を締結しましたことをお知らせいたします。

2023年シーズンは、オフィシャルサポーターとして、選手の皆様のコンディション調整を行わせていただきました。
今シーズンも引き続き、BEEFMANの選手の皆様のより良いコンディション、パフォーマンスアップの為にしっかりとサポートさせていただく所存です。

株式会社肩こり研究所は、2024年シーズンもBEEFMANを全力でサポート、応援いたします!

BEEFMAN.EXE 公式ホームページ:http://beefman-3×3.com/
公式Facebook:https://www.facebook.com/beefman3x3/
公式Twitter:@BEEFMAN3x3
公式インスタグラム:@beefman3x3