投稿者「肩こりラボ」のアーカイブ

体のひねり(胸椎回旋)を高めるために知っておきたい胸椎の回旋と側屈の関係性について

以前の記事では、脊柱の曲げ伸ばし(屈曲と伸展)についてお話ししました。

今回はその続きとして、脊柱の回旋と側屈についてお伝えしていきます。

今回は特に、胸椎の「ひねる動き(回旋)」と「横に倒れる動き(側屈)」に焦点を当てていきます。

胸椎の下に位置する腰椎は、構造的な特徴から側屈や回旋の可動域が限られており、これらの動きは主に胸椎が担っています。

また、脊柱の動きには「カップリングモーション」と呼ばれる特徴があり、回旋と側屈は体の構造上、同時に起こりやすい関係にあります。

そのため今回は、細かな角度の話というよりも、「回旋と側屈がどのように連動しているのか?」ということを中心にお話ししていきます。

回旋動作は、日常生活の中でも多く使われますが、特にスポーツ動作では頻繁に求められます。

「ひねりの左右差」を感じている方や、「体のひねりにくさ」を感じている方にとって、体の考え方を見直すヒントになれば幸いです。

脊柱のカップリングモーションとは〜 胸椎の回旋と側屈が同時に起こる理由 〜

脊柱の動きには、「カップリングモーション」と呼ばれる特徴があります。

少し難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言うと  「体をある方向に動かそうとすると、別の動きも自然と一緒に起こる」という体の仕組みのことです。

胸椎では特に、

  • ・ひねる動き(回旋)
  • ・横に倒れる動き(側屈)

がセットになって起こりやすいという特徴があります。

たとえば、体を右にひねろうとしたとき、胸椎では

  • ・右への回旋
  • ・右への側屈

がセットで生じやすくなります。

これは「癖」や「使い方の問題」ではなく、「胸椎の関節の向きや肋骨との連結といった構造上の理由」によるものです。

そのため、胸椎の回旋を考える際には、側屈も頭に入れて考えておくとスムーズな胸椎の回旋につながりやすいです。

なぜ胸椎が「ひねり」の主役になるのか〜腰椎との構造的な違い〜

体をひねる動きというと、「腰でひねっている」イメージを持つ方も多いかもしれません。

しかし実際には、ひねり動作の主役は胸椎です。

腰椎は、体を前後に動かすことは得意ですが、ひねる動きはあまり大きく行えない構造になっています。

一方で胸椎は、背骨の形や肋骨とのつながりの影響で、ひねりや側屈が行いやすい作りになっています。

つまり、腰を守るためにも、ひねり動作は「腰ではなく胸椎で行われる」ことがとても大切なのです。

胸椎回旋が制限されている人に多い体の使い方〜側屈の可動性が少ない胸椎〜

「体がひねりにくい」「左右差を感じる」という方々を見ていくと、胸椎の回旋そのものが硬いことと合わせて、側屈がうまく出ていないことがあります。

本来、胸椎では「ひねる動き」と「同じ方向への側屈」が自然にセットで起こります。

しかし、首や肩に力が入りやすかったり、腰や首だけで無理にひねろうとすると、この自然な動きの組み合わせが失われてしまいます。

そのため、胸椎本来の動きの組み合わせを取り戻していく必要があります。

胸椎回旋の可動域を高めるために大切な考え方〜「同方向への側屈」というヒント〜

胸椎の回旋を高めたいとき、「体をひねる動き」だけを一生懸命行おうとしても、思うように動かないことがあります。


その背景には、「回旋とセットで起こるはずの側屈が使われていない」というケースが少なくありません。

ここで、日常生活の動きをひとつ例に挙げてみます。

たとえば、「少し後ろに置いてある物を取ろうとする場面」を想像してみてください。

右後ろにある物を取る時は、体を右にひねると同時に、体が少し右側に倒れることで自然と手を伸ばすことができます。

このとき体の中では、「右にひねる動き(回旋)」と「右に倒れる動き(側屈)」が、無意識のうちに同時に起こっています。

もし仮に、立った時点、座った時点ですでに体が左に倒れていたとしたらどうでしょうか?

右に倒れる余白が少ないため、右後ろへ体をひねる動きも、どこか窮屈になりやすいです。

回旋したい方向に、自然に側屈できる「動ける余白」があることが、しなやかな回旋にはとても大切になります。

そのため、胸椎の回旋を改善したい場合でも、「ひねる動き」だけに注目するのではなく、

同じ方向へ体を倒せるかどうかという視点を持つことで、回旋がスムーズに出てくることがあります。

回旋と側屈をセットで捉えることで、胸椎の動きの感覚は大きく変わってきます。

まとめ

今回は、背骨の動きの特徴である「カップリングモーション」に注目し、特に胸椎の回旋(ひねり)と側屈(横に倒れる動き)の関係についてお伝えしてきました。

胸の背骨(胸椎)は、体をひねるときに、ひねる方向と同じ方向へ自然に少し倒れながら動くという特徴があります。

そのため、「体がひねりにくい」と感じている場合でも、ひねる動きだけを頑張るのではなく、横への動きが一緒に使えているかという視点が、とても大切になってきます。

姿勢が崩れやすい方や、肩こり・背中の張りを感じやすい方では、この横への動きとひねりの連動がうまく使えず、動きがぎこちなくなっていることがあります。

その結果、本来は胸の背骨が担当するはずの動きを、首や腰が代わりに頑張ってしまい、負担がかかりやすくなってしまいます。

次回は、こうした胸椎の動きが、首や腰、肩の不調とどのようにつながっていくのかについて、もう少し具体的にお話ししていく予定です。


執筆者:進藤 孝大
Takahiro Shindo

湘南医療福祉専門学校 アスレティックトレーナー科卒業
東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
A-Yoga Movement coach

目の前にいる人の体のお悩み解決に全力を尽くす。
その想いだけで活動してまいりました。
スポーツトレーナーとして培ってきたノウハウと経験を活かして、
運動療法と鍼灸マッサージを組み合わせた治療を提案。
ご自身に合った適切なケア方法等、皆様のお悩み解決に向けて徹底サポートを行います。


【2025〜2026年】年末年始休診のお知らせ

日頃より肩こりラボをご利用いただきありがとうございます。

肩こりラボでは、年末年始の休業の期間を以下の通りとさせていただきます。
ご不便をお掛けいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

■年末年始休業期間

2025年12月30日(火)から2026年1月3日(土)まで
2026年1月4日(日)10:00より通常営業とさせていただきます。

年末年始休暇期間中にいただきましたお問い合わせにつきましては、2026年1月4日(日)より順次ご連絡させていただきます。

来年も肩こりラボをどうぞよろしくお願いたします。

【力を抜きたくても抜けない人必読!】人はなぜ、無意識に力んでしまうのか?その原因を深掘りします。力みを減らすだけで、体はもっと楽に動けます。

以前のブログで、「力み」が生まれる仕組みとしてアウターマッスル優位・インナーが働きにくい状態について触れていきました。



しかし、力みの問題はそれだけではありません。

力みは、

  • ・心の緊張や不安
  • ・日常の動きの癖
  • ・「力を抜く方法を知らない」まま頑張ること

など、さまざまな要因が複雑に絡み合って生まれます。

たとえば、集中すると肩が上がる、緊張すると呼吸が浅くなる、忙しいと体が固まっている。

「力を抜いた方が良い」と頭で分かっていても、いざ動くと勝手に力が入ってしまう…。

これは誰にでも起こり得る、いわば「脳の防御反応」です。

そして厄介なのは、この力みが「無意識の習慣」として体に染みつき、気づかないうちに「常にどこかに余計な力が入っている状態」になってしまうこと。

そこで本記事では、以前の内容を踏まえながら、

  • なぜ人は力んでしまうのか?
  • 力みが身体や動作にどんな悪影響を与えるのか?
  • 今日からできる、力みを減らすための改善ポイント

を「心理・習慣・脳の働き」という視点から深掘りしていきます。

力みとは何か? — ただの「がんばり」ではない

多くの方が「力み=がんばりすぎ」というイメージを持っています。

しかし実際には、力みはもっと複雑で、体が持っている 「防御反応」が関わっています。

人間の体は、危険を感じたり不安を抱いたりすると、自動的に筋肉を固めて身を守ろうとする「防御反応」が備わっています。

これは生命を守るために必要な反応ですが、現代ではこの防御反応がストレス、緊張、人間関係のプレッシャー、姿勢不良などによって過剰に働き、体を必要以上に固めてしまうことがあります。

また、日常の動きの癖や、長年の姿勢習慣によって、特定の筋肉が常に働きすぎている人もいます。

このような状態が積み重なることで、本人の自覚とは関係なく 「いつもどこかに余計な力が入っている」 状態が作られるのです。

なぜ人は力んでしまうのか? その代表的な理由

不安・緊張などの心理的要因

誰しもが一度や二度は、不安や緊張を感じたことがあるのではないでしょうか?

その時の体の状態を振り返ってみると、歯を食いしばっていたり、手足の指がグッと握ってしまっていたりするのではないでしょうか?

この背景には 「脳が安心・安全を確保しようとする働き」 が強く関わっています。

脳は常に、「いま体に危険が及んでいないか」を監視し続けています。

そのため「不安、緊張、慣れない状況、痛みの記憶など」を感知すると、脳は体を守るために筋肉を固めて動かないようにしようとします。

これは本能的な防御反応で、原始的な生存戦略とも言えます。

このとき起こっているのは、「危険かもしれない → とりあえず固めて守ろう」という脳の判断です。

つまり、力みとは「脳が安心・安全を感じていない状態のサイン」でもあります。

動きの癖・習慣によるもの

力みには「癖」が深く関係しています。

脳は生存戦略として、「過去に何度も使った動き方を安全だと認識する」性質があります。

たとえ、その動きが効率的でなくても、体に負担があっても、脳にとっては 「見慣れた動き=安心」 なのです。

そのため、

  • • 腰を反らせて立つ
  • • 肩をすくめて、頭を前に出して作業をする
  • • 背中を丸めて目線を下げて歩く
  • • お尻を締め続けて立つ

こういった癖が染みついていると、脳はその動きを「正しいもの」として採用し続けます。

しかし、その癖が身体の一部に負担をかけていたり、本来の動き方とズレていたりすると、

身体が「不自然さ」を補うために余計な力を入れる=力む動作 が生まれます。

アウターマッスルの過剰使用

アウターマッスルが過剰に働く背景にも、「脳の安全確保」が関係しています。

脳は、「大きくて強い筋肉を使った方が安定する」と判断しやすい傾向があります。

そのため、細かい調整を行うインナーマッスルが弱かったり、感覚が鈍くなっていたりすると、「ひとまず強い筋肉で固める」という選択をとります。

これを例えるなら、

ビスが緩んで蝶番がガタついている扉を、本来はビスを締め直して直すべきなのに、扉そのものを強く押さえつけて無理やり固定しようとしている状態に近いものです。

一時的には止まっているように見えますが、根本のビスの調整ができていないため、扉の開閉がスムーズにいかなったり、衝突してしまう部分が出てきて、ある特定の箇所に負担が集中したりします。

同じように体でも、インナーマッスル(=ビスを微調整する役目)が働かないと、アウターマッスル(=強く押さえつける力)が必要以上に頑張ることになります。

その結果、

  • ・二関節筋(首肩の付け根、腰、太ももの前、ふくらはぎ)に負担が集中
  • ・動きが「しなやかさを失い、力任せ」になりやすい

という「力みのループ」に入ってしまいます。

そもそも「力を抜く方法」を知らない

多くの人は、力を「入れる」練習はしてきましたが、

力を「抜く」練習をしたことがありません。

部活動・体育・仕事…

どれも「がんばる」「力を入れる」ことを求められる場面ばかりで、脱力を高める教育はほとんどされていません。

さらに現代は、

  • • スマートフォン、パソコン作業で姿勢が固まりやすい
  • • 長時間の座位姿勢
  • • ストレス社会
  • • ブルーライトにさらされることが多いため、脳への刺激が多い

といった背景から、脳が「警戒モード」になりやすく、脱力の経験自体がありません。

そのため、力を抜こうとしても、どうして良いかがわからない人がほとんどです。

力みが招くデメリット

力むことは「頑張っている証拠」のように感じますが、実際には体の動作効率的を低下させ、痛みや不調の原因になることが少なくありません。

ここでは、力みが引き起こす3つの代表的なデメリットについて解説します。

身体が硬くなる

力みがある状態では筋肉が常に収縮し続けてしまい、本来あるべき 「収縮-弛緩のリズム」 が失われます。

弛緩の時間がなくなることで、筋肉は徐々に縮こまり、伸びにくい状態になります。

その結果、ストレッチなどで体を伸ばそうとしても十分に伸ばすことができず、「ほぐしているのに、すぐ元に戻ってしまう」「硬いまま変わらない」という感覚につながります。

これは柔軟性の問題というより、力みが抜けていない状態が続いていることによって起こるものです。

疲れやすい/パフォーマンスが落ちる

無意識の力みは、常にエネルギーを消費します。

立っているだけ、座っているだけの場面でも筋肉が働き続けるため、体は休む時間を失い、疲労が溜まりやすくなります。

その結果、

  • • 動きが重くなる
  • • 集中力が続かない
  • • 作業や運動の質が落ちる

といった状態が起こりやすくなり、スポーツだけでなく仕事や日常生活のパフォーマンスも低下していきます。

結果として、「頑張っているのになかなか成果が出にくい」状態に陥ってしまいます。

慢性的な痛みやケガのリスクが高まる

力みがあると、身体への負担は一部分に集中します。

本来、動作中の負荷は全身で分散されるべきですが、力んだ状態ではそれがうまく行えず、同じ場所にストレスがかかり続けます。

この状態が続くことで、

  • • 首や肩、腰などの慢性的な痛み
  • • 動作中の違和感
  • • 思わぬタイミングでのケガ

につながりやすくなります。

力みを減らすための改善のヒント

力みが出る多くの場合は、脳と体が 「安全を確保しようとした結果」 で起こる反応です。

だからこそ、無理に「力を抜こう」とするのではなく、体が自然と力を抜ける条件を整えてあげることが大切になります。

ここでは、日常生活の中で実践しやすい改善のヒントをお伝えします。

呼吸を整える

呼吸は、力みと深く関係しています。

力んでいる時ほど呼吸は浅くなり、息が吐けなくなってきます。

その結果、交感神経が優位になり、体はさらに緊張し、力みが抜けにくい負のスパイラルに陥ってしまいます。

そのため、まず意識したいのは、「吸うこと」よりも「しっかりと吐くこと」です。

息を吐き切れるようになると、体内のガス交換がスムーズになり、脳への酸素供給も安定します。

その結果、身体は自然とリラックスモードへ切り替わり、余計な力みが入りにくい状態が作られていきます。

インナーマッスルが働くポジションを作る

力みやすい人ほど、姿勢を「頑張って保とう」とする傾向にあります。

しかし本来、安定した姿勢とは、意識的に頑張らなくても必要最小限の力で保てる状態です。

例えば、

  • ・骨で支えられている感覚がある
  • ・余計な力を入れなくても、立つ・座ることができる
  • ・呼吸が楽に深く行える

こうした感覚が出てくると、アウターマッスルに過剰に頼らなくても、体は安定しやすくなります。

「正しい姿勢を意図的に作る」よりも、「楽に安定できる位置を見つける」という視点が、力みを減らす大きなポイントになります。

力まない感覚(脱力)を覚える練習

体の不調を訴えている方の多くは、力みがあることに気がついていないことが多いです。

そのため、「力を抜こう」としても、体はどうしていいのか分からず、結果的にまた力んでしまいます。

おすすめなのは、「自分の体を俯瞰的に観察し、動きを言語化してみること」です。

「体がどこにあり、どのように動いたのか」を認識できなければ、脳は安心・安全を感じることができません。

たとえば、

床に横になり、

  • ・体と床が触れている部分
  • ・左右の差
  • ・呼吸のしやすさ
  • ・手足の先までの感覚

こうした情報を丁寧に感じ取るだけでも、脳は「いまの体は大丈夫だ」と理解し始めます。

小さな動きで構いません。

自分の体を理解できるようになることで、自然と無駄な力は抜けていきます。

視線・重心など、力みを生む環境を整える

力みは、体の内側だけでなく、環境の影響でも生じます。

たとえば、

  • ・スマートフォンを見る時間が長く、視線が常に下を向いている
  • ・座るとき、いつも同じ側の足を組んでいる
  • ・ヒールやハイカットの靴を履く機会が多い

このような状態が続くと、関節のセントレーション(関節が無理なく真ん中に収まって動ける状態のこと)が崩れ、無意識のうちに体は緊張を強いられます。

姿勢評価の基準として「解剖学的基本肢位」がありますが、これは常にその姿勢を保つためのものではありません。

このポジションでは前後・左右の筋肉バランスが整いやすく、関節への負担が最小限になるという「基準点」です。

関節には多くの感覚受容器が存在しており、負担がかかる状態が続くと、脳に危険信号が送られます。

その結果、体は防御反応として緊張を高めてしまいます。

まずは視線・重心・生活環境を見直すこと。

それだけでも、力みは確実に減っていきます。

まとめ

力みは、「頑張りすぎ」でも「意識が低いから」でもありません。

多くの場合、これまでの生活習慣や姿勢、体の使い方の中で、無意識のうちに身についた体の反応 です。

しかし、その力みが続くことで、

  • ・身体は硬くなり
  • ・疲れやすくなり
  • ・痛みや不調が起こりやすくなる

という悪循環が生まれてしまいます。

大切なのは、無理に力を抜こうとすることではなく、身体が自然と力を抜ける状態を作ってあげることです。

「力を抜くこと」は、決して手を抜くことではありません。

むしろ、より効率的で、身体にやさしい使い方へ切り替えることです。

もし、

「いつも力が抜けない」

「気がつくと肩や首に力が入っている」

そんな感覚があるなら、

それは改善のサインかもしれません。

今回の記事が、ご自身の身体の使い方を見直すきっかけになれば幸いです。


執筆者:進藤 孝大
Takahiro Shindo

湘南医療福祉専門学校 アスレティックトレーナー科卒業
東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
A-Yoga Movement coach

目の前にいる人の体のお悩み解決に全力を尽くす。
その想いだけで活動してまいりました。
スポーツトレーナーとして培ってきたノウハウと経験を活かして、
運動療法と鍼灸マッサージを組み合わせた治療を提案。
ご自身に合った適切なケア方法等、皆様のお悩み解決に向けて徹底サポートを行います。


「首肩が疲れやすい人」に共通する姿勢、頭部前方位を徹底解説

首がすぐに疲れる、肩がこる、頭痛や眼精疲労を感じやすい。

そんな方に共通してよく見られるのが頭部前方位(Forward Head Posture) です。

「自分は頭が前に出ているかもしれない」と自覚されている方も多く、比較的イメージがしやすい姿勢の一つです。

頭部前方位の基準としては、「耳たぶが肩より前に出ている状態」を指します。

スマートフォンやパソコンの使用が増えた現代人には特に多く、首や肩はもちろんですが、胸・背中・腰、さらには呼吸や自律神経にも影響を与えます。

今回は、体の専門家の視点から、

  • ・頭部前方位による体への影響
  • ・なぜ頭は前に出てしまうのか
  • ・改善するための具体的なアプローチ

について、わかりやすく解説していきます。

頭部前方位とは?

頭部前方位とは、簡単に言うと 「頭が肩より前に出ている姿勢」 です。

頭が前に出ることで、首の自然なカーブ(頚椎の前弯)が減少し、顎が前に突き出たり、肩が丸まったりしやすくなります。

その結果、頚椎全体で頭の重さを支えることができなくなり、頚椎や首肩の筋肉、椎間板などの組織に大きな負荷がかかりやすくなります。

頭の重さはおよそ4.5~5.5kgあります。

これは2リットルのペットボトルを2〜3本持っているのとほぼ同じ重さです。

本来は頚椎の自然なカーブによりこの重さをうまく分散していますが、頭の位置がわずかに前へずれるだけで、負担のかかり方が大きく変わります。

たとえば、5kgのお米を購入し、その袋を腕を伸ばしたまま長時間持っているところを想像してみてください。

最初はそれほど重く感じなくても、時間が経つにつれて腕や肩がどんどん疲れてくるのは想像できるのではないでしょうか。

それと同じで、頭が前に出た姿勢では、首肩にとっては、「重い頭を無理やり支えていること」を強いられることになります。

さらに、頭が 1インチ(約2.5cm)前方へ移動するごとに、首の負荷は約4〜5kg増える とされています。

例として、

  • ・頭が5cm前に出る → 負荷が 8〜10kg増加 → 合計14〜15kgの負荷(頭の重さと合わせて)
  • ・頭が7.5cm前に出る → 負荷が 12〜15kg増加 → 合計17〜20kgの負荷

となり、理想的な姿勢と比べると首肩にかかる負担は 2〜4倍 に増加します。

普段は自分の頭の重さを意識することはありませんが、こうして見ると、少し頭が前に出ているだけで首肩がどれほど頑張っているかがよく分かります。

「なんとなく続く首こりや肩の張り」は、実は小さな姿勢のズレが大きな原因になっていることが多いのです。

頭部前方位が起こる原因

デジタルデバイスの過使用による姿勢不良

現代ではスマートフォンやパソコンを長時間使うことが多くなっています。

長時間見続けることで、どうしても頭が前に出やすくなります。

画面に集中すればするほど背中は丸まりやすく、胸もつぶれ、首にかかる負担はさらに増加していきます。

毎日の習慣が積み重なることで、頭部前方位は「その人の標準姿勢」として定着し、肩こりや慢性的な首の張りも起こりやすくなります。

首(頚椎)周囲の筋力低下

頭が前に出た姿勢では、顎が上がりやすく、首の前後の深層筋である後頭下筋群や椎前筋が十分に働きにくくなります。

これらの筋肉は頭を正しい位置に保つ役割があるため、弱くなると頭を支えることがより難しくなり、頭部前方位をさらに助長します。

背中(胸椎伸展)の可動域低下

頭が前に出ると、背中の中でも特に胸椎上部が丸まりやすくなります。

背中が丸く硬くなると、胸を開いて伸ばす動き(胸椎伸展)が制限されます。

その結果、頭を後ろに戻すことが難しくなります。

「背中が丸い → 頭が前に出る」の悪循環になるため、常に負担がかかり続けてしまうことになります。

体幹の筋力低下による骨盤の後傾位

体幹の筋力が低下すると、骨盤が後傾しやすくなり、結果として背骨全体が丸まり、頭は自然と前へ移動します。

以前のブログで「骨盤後傾位の必要性」に触れた通り、「骨盤後傾は良いことではないの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

以前のブログはこちら

日常生活で無意識に出てしまう骨盤後傾は、姿勢を維持できない代償的な状態であり、改善が必要です。

トレーニング中に意図的に骨盤後傾をコントロールする場合とは、意味が異なります。

座位・立位といった日常姿勢では、骨盤はニュートラル〜前傾位の方が楽に姿勢をキープでき、効率良く体を使うことができます。

そのための姿勢保持に必要な体幹の深層筋群の働きは欠かせません。

頭部前方位の改善のアプローチ

前項で出てきた首周囲の筋力強化、背中の可動域獲得、体幹筋力の獲得を含めてのアプローチ方法をご紹介していきます。

エクササイズの順番としては、首の筋力強化は後半に持ってきた方が良いと考えています。首より下の部分をある程度整えてからの方が、首のトレーニングが効果的になりやすいです。

チェストオープナー

横向きになり、上側の胸を開いて胸の筋肉を伸ばしていきます。

胸が開きにくい場合は腰の反りが出やすいので、股関節をしっかり曲げておくことで腰の反りを減らすことができます。

リバースプランク

後ろに手を当てて、膝を立てた状態で座ります。

腕に体重を乗せるイメージで、胸を張りながら持ち上げていきます。

胸のストレッチ感、肩甲骨内側の筋肉の収縮感を感じます。

顎引きエクササイズ

壁にお尻、背中、頭を付けてあぐらをかいて座ります。

後頭部で軽く壁を押しながら、顎を引いていきます。

強い力で行うと首の外側の胸鎖乳突筋の疲労感を感じますので、その疲労感が感じないように行ってください。

まとめ

現代では頭部前方位の姿勢の方が非常に多く、頭が前に出るだけで首肩へ想像以上の負担がかかっています。

症状が出てはじめて気づくことがほとんどですが、具体的な数字で見るとその影響の大きさがとても分かりやすいかと思います。

デジタルデバイスを使う時間が長い現代だからこそ、症状改善だけでなく、予防の観点からも日々の運動習慣は重要です。「頭が前に出ている気がする」

「背中が硬い」

「骨盤が後傾してしまう」

このような心当たりがある方は、ぜひ今回のエクササイズを試してみてください。

何をしたら良いかわからない場合や、自分の状態を一度しっかり見てもらいたい方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。


執筆者:進藤 孝大
Takahiro Shindo

湘南医療福祉専門学校 アスレティックトレーナー科卒業
東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
A-Yoga Movement coach

目の前にいる人の体のお悩み解決に全力を尽くす。
その想いだけで活動してまいりました。
スポーツトレーナーとして培ってきたノウハウと経験を活かして、
運動療法と鍼灸マッサージを組み合わせた治療を提案。
ご自身に合った適切なケア方法等、皆様のお悩み解決に向けて徹底サポートを行います。


気合いや根性はいりません!肩こり・首こり改善の本質は“力を抜ける身体”を取り戻すこと。筋力アップより先に必要なのは“力を抜く技術”です。

体の慢性的な不調を抱える方でしたら、「力を抜いてください」という言われた経験が一度はあるのではないでしょうか?

「自分では力を入れているつもりはないのに…」そのように感じる方は意外と多いように感じています。

実際、慢性的な首肩こりや腰痛、不良姿勢に悩まされている方の多くは、気がつかないうちに常にどこかに力が入っている状態で生活をしています。

たとえば、肩をすくめたまま仕事をしていたり、立っているだけでお尻や太もも、ふくらはぎに余計な力が入っていたりするなど、無意識の「力み」が習慣化してしまっているのです。

この無意識の力みがある状態でトレーニングをしても、力みがある箇所を強化することにつながることもあるため、場合によっては力を抜いてからトレーニングをしていく方が良いこともあります。

「トレーニングを頑張っているのに症状が改善しない」という方は、必要以上に力んで動こうとしてしまっている習慣が影響しているかもしれません。

そのために今回は「力を抜く=リラックス」の必要性についてお伝えしていきます。

力を抜くとは

 力を抜くと言われても、自分自身に力が入っているかどうかに気がついていない方が圧倒的に多いです。

日常生活での偏った体の使い方により、体にアンバランスが生じ、それが日常化されることで力んでいる状態が「普通」になってしまっています。

「力を抜く」ための第一歩は、“自分が力んでいること”に気がつくこと

力みの多くは無意識に起こっているため、まずは「自分は今、どこに力が入っているだろう?」と意識を向けることが大切です。

たとえば、こんな場面を思い出してみてください:

• 電車の中で立っているとき、足に力が入りすぎていないか?
吊り革をつかんでる腕や肩、指先に力みが出ていないか?

• パソコン作業中、肩がすくんでいたり、腕に無駄な力が入っていないか?

• 座っているとき、腰や太ももを必要以上に緊張させていないか?

日常生活で無意識的に身についてしまった力みの習慣なので、ご自分では気がつけないことも多いです。

そんな時は他者から気づきの助言をいただけることで、発見しやすくなることもあります。

私たちは運動を通じて、力みの気づきに対してもお伝えさせていただいております。

力み過ぎの代償について

アウターマッスルが優位になる

人間の体は大きな力を発揮させようとするとアウターマッスル(二関節筋)が優位に働きます。

これ自体は自然な反応ですが、日常的にこの状態が長期に続くと、身体の動きは硬くなってしまいます。

今回は脊柱(背骨)を例に取り上げます。

背骨には計24個の骨(頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個)がS字状に連なり、それぞれが細かく動くことでしなやかな動きや楽な姿勢をとることが可能になります。

この細かな動きの実現にあたっては、インナーマッスルがしっかりと機能していることが大切になります。

それでは、アウターマッスルが優位になると背骨はどうなるのでしょうか?

結論として、背骨が「1本の棒」のように動き、一つ一つの骨の動きが小さくなります。

その結果、背中や腰の硬さ・首肩のこり、全身の疲れやすさにつながっていきます。

インナーマッスルが使いにくくなる

アウターマッスルが過剰に働くと、インナーマッスルが機能しにくい状態となります。

インナーマッスルは、関節や背骨を安定させる「支えの筋肉」です。

しかし、表層の筋肉であるアウターマッスルが常に緊張していると、インナーマッスルの働きが相対的に弱くなり、体の安定性や繊細な動きが失われてしまいます。

その結果、「常に力を入れて姿勢を保つ」「楽にゆっくり動かすことが苦手」という状態になります。

力を抜いて、楽に動かすことを意識することで、アウターマッスルの働きを抑えて、インナーマッスルが自然に機能しやすくなります。

そのためには力が抜けることが第一歩となります。

体の燃費が悪くなる

常にどこかに力が入っていると、動作のたびに余計なエネルギーを使ってしまいます。

本来ならもっと楽にできる動きでも、必要以上に力を入れてしまう。

いわば、「エネルギーの無駄遣い=燃費の悪い状態」となります。

このような状態では疲れやすく、呼吸が浅く、回復しにくい状態となります。

特に肩や胸、背中の緊張は呼吸を浅くし、体を常に戦闘モード(交感神経優位)にしてしまいます。

リラックスしたい場面でも力が抜けず、体を固めていることが多くなってしまいます。

当然、首肩こりや腰痛の慢性化との結びつきは強くなってきます。

一方で、しっかりと力を抜けるようになると、必要なときに必要な分だけ力を発揮できる「省エネで動ける体」になります。

力を抜くことは、無理なく効率よく動くために必要不可欠なこととなるのです。

力を抜くために必要なこと

「力を抜きましょう」と言われても、実際にどうすれば良いか分からない方も多いと思います。

ここでは、日常生活やトレーニングの中で実践しやすい3つのポイントを紹介します。

呼吸を整える

力んでいる時ほど、呼吸は浅くて速くなり、息を吐く量が少なくなります。

「5秒で息を吸って、5秒で息を吐き、5秒息を止める」というリズムで呼吸してみましょう。 (1サイクル15秒、1分で4呼吸のゆったりペース)

仰向けで行うと、背中〜腰が少しずつ床に沈むように緩んでいく感覚が出てくるはずです。

床に触れる面積が増えていくのは、力が抜けてきたサインです。

この「緩んでいく感覚」を是非、丁寧に味わってみてください。少しずつ心地よさを感じてくると思います。

自分の体に意識を向ける

力みが強い人ほど、自分の体の状態を感じ取ることが苦手な傾向があります。

まずは「今、自分の体のどこに力が入っているか?」に気がつくことから始めましょう。

立っているとき、足の裏の感覚はどうか?

足の指先の輪郭までイメージできるか?

肩やお腹、太ももなど、どこかに「余分な力み」を感じたら、その部分の力みをなくすイメージを持ちながら、息を吐きながら緩めてみてください。

意識を向けることで、少しずつ「力が抜けた状態」がわかるようになります。

脊柱の分節運動

前述のように、背骨は24個の骨が連なってできています。

1つ1つの骨が順番に動く「分節運動」を意識することで、背骨の硬さを緩め、インナーマッスルを目覚めさせることができます。

キャット&ドッグ、ロールダウンのエクササイズではこの分節運動が意識しやすいです。

① キャット&ドッグ

・四つ這いの状態からお尻→腰→背中と順番に背骨を丸めていきます。

・丸められたら、一度息を吸って、吐きながらお尻→腰→背中と順番に背骨をまっすぐに戻していく。

②ロールダウン

・膝を立てて座り、両手を太もも後ろに置きます。

・お尻→腰→背中と順番に背骨を丸めながら、仰向けの状態になっていきます。

※勢いよく体が倒れてしまう場合は、両手で太もも裏を支えるように軽く把持してスピードをコントロールしながら行います。

どちらのエクササイズも丁寧にゆっくり行うほど、無駄な力が抜け、体が軽く感じられるようになります。

まとめ

「トレーニング=頑張る」「力を入れること=良いこと」と思われがちですが、実際には、過剰な力みが取れることで、体は本来の動かし方ができるようになります。

力を抜くことで、関節はスムーズに動き、体の軸を感じながら安定して楽に動けるようになっていきます。

つまり、脱力とは「悪い」ことではなく、必要な力だけを効率よく使うための準備なのです。

無意識に力を入れてしまう癖は、長年の習慣から生まれています。

「今、どこに力が入っているかな?」と気がつくことから始めるだけでも、体は少しずつ変わっていきます。

力を抜くことを意識できるようになると、

・動きが軽くなる

・姿勢が安定する

・疲れにくくなる

・呼吸が深くなる

といった良い変化が自然に現れます。

慢性的な痛みや不調を改善していく上でも欠かせない変化になります。

トレーニングは「力を入れる練習」だけではなく、「不必要な力を抜いて、最小限の力で動かすこと」も大切です。

まずは一度、深く息を吐き、体の力をふっと抜いて、自分の体の状態を確認してみてください。

それが、「省エネで楽に動ける体」をつくる第一歩です。

前回の記事はこちら

執筆者:進藤 孝大
Takahiro Shindo

湘南医療福祉専門学校 アスレティックトレーナー科卒業
東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
A-Yoga Movement coach

目の前にいる人の体のお悩み解決に全力を尽くす。
その想いだけで活動してまいりました。
スポーツトレーナーとして培ってきたノウハウと経験を活かして、
運動療法と鍼灸マッサージを組み合わせた治療を提案。
ご自身に合った適切なケア方法等、皆様のお悩み解決に向けて徹底サポートを行います。


Yahoo!ニュース(2025/10/9)にもんでも治らない「肩こり」の原因についての記事が掲載されました。

もんでも治らない「肩こり」の原因に関する取材がYahoo!ニュースに記事として掲載されました。

肩をもんでも治らないことには肩そのものだけでなく、腹筋や股関節も関係している場合があります。

また、肩こりの原因だけでなく、なりやすい方やその対処法についても解説しております。
ご興味のある方は是非ご覧ください。

Yahoo!ニュース

呼吸のしづらさや首肩こりが4回の治療で改善したケース|ケースレポート

概要

呼吸のしづらさや首肩こりが4回の治療で改善したケース

Y様 / 東京都在住 / 43歳 / 女性 / 会社員

症状

• 半年前から就寝時の食いしばりと呼吸の浅さ

• 深呼吸しづらく、特に吸うことが難しい

・起床時に強い疲労感あり

• 首肩こり、頭を回すと首に痛みあり

• 頭痛

• 日常生活に支障を感じる状態

NRS:初診時 7

状態

• 咬筋・側頭筋・胸部(大胸筋)・頸部(胸鎖乳突筋、僧帽筋、頭半棘筋) の過緊張

• 胸椎柔軟性不足

• 骨盤後傾・太もも裏の支持不足

・もも裏の柔軟性不足

見立て

就寝時の食いしばりによって首や肩の筋肉(咬筋・側頭筋・胸鎖乳突筋・僧帽筋)に過緊張が生じ、頭痛を助長していると考えられる。

さらに胸椎の柔軟性が不足していることで胸郭の動きが制限され、浅い呼吸や疲労感を強めている。

また、日常生活で骨盤が後傾し、太もも裏の筋肉を十分に使えていないため、座位姿勢では頭部が前方に突き出やすく、首や肩への負担を慢性的に増加させている。

さらに、精神的なストレスと身体的な緊張が互いに影響し合い、頭痛や疲労感、不眠といった症状を助長していると考えた。

まずは呼吸の改善と首肩のこりの緩和を優先し、胸椎の柔軟性を高めるとともに、骨盤と太ももの支持性を取り戻すことで安定した座位姿勢を獲得し、根本的な改善を目指していく。

治療

1回目

もみ返しが出やすいことを考慮し、刺激量を抑えて行いました。

特に咬筋・側頭筋・胸鎖乳突筋・僧帽筋を中心に丁寧にマッサージを行い、さらに背部や下肢も含めて全身を緩めることでリラックスを促しました。

あわせて胸椎と胸部の可動性を高めるストレッチを実施し、セルフケアとしてタオルストレッチやチェストオープナーをお伝えしました。

治療後には「吸いやすくなった」と呼吸の改善を実感されていました。

2回目 

初回から1週間後のご来院。

ご自宅でストレッチを継続されていたこともあり、胸椎の柔軟性は初回よりも高まっていました。

その結果、呼吸のしやすさや首肩の辛さの軽減が見られ、NRSは7から5へと改善。

治療ではもも裏(ハムストリングス)や股関節周り(腸腰筋)を入念にほぐしました。

今回は座位での姿勢確認を行い、もも裏のストレッチを追加で指導しました。

3回目

さらに1週間後のご来院。

治療を重ねることで呼吸が背中に届く感覚を獲得され、頭痛の頻度や全身の疲労感も軽減。

NRSは4まで改善。

座位姿勢も日常から意識できており、安定性も向上。

日常生活における辛さが和らいできていることをご本人も実感されていました。

4回目

約3週間後のご来院。

頭痛はほとんど消失し、就寝時の食いしばりもなくなっていました。

起床時の疲労感もなく、呼吸も楽に行える状態に。

水分不足によって一時的にめまいが生じることはあったものの、日常生活にはほとんど支障をきたさなくなっていました。

総治療回数は4回、治療期間はおよそ1ヶ月で症状の大部分が解消され、治療のゴールに到達しました。

コメント

今回の改善につながった大きな要因は、セルフケアを早い段階から習慣にできたことです。

タオルストレッチやチェストオープナーを就寝前に取り入れたことで呼吸が深まり、首や肩の緊張が自然と和らいでいきました。

継続するうちに姿勢の意識も高まり、椅子に座るときに太もも裏で体重を支える習慣が身につきました。

その結果、首や肩への余計な負担が減り、頭痛や疲労感も和らいでいきました。

症状を改善していく上で大切なのは、特別なことではなく小さな工夫を毎日少しずつ続けることだと考えています。

こうした積み重ねが確実に体を変えていきます。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。


【テレビ出演のお知らせ】フジテレビ『かのサンド』

このたび、フジテレビ『かのサンド』にて、『肩こりラボ』が紹介されました!

番組では、肩こりラボの院長鴻崎が、狩野英孝さん・サンドウィッチマンさんに、パワープレートを使った運動指導を行う様子が放送されております。

芸能人も驚かれた、当院オリジナルのメニューをご来院の皆さまにもご体験いただけます!

ご興味ある方は、是非お気軽にスタッフまでお問い合わせくださいませ。

右肩の可動域制限にお悩みのケース|ケースレポート

概要

I様/東京都在住/45歳/女性/会社員

症状

• 髪を結ぶ・洗うなどの動作が困難

• 肩を90度以上あげられない

状態

2024年5月、マシンピラティス中に右肩をひねって痛めたのがきっかけ。

それより前から、四十肩のような違和感はあった。

整形外科でのMRI検査にて関節唇損傷が見つかり、薬やリハビリを受けたものの、肩の動きは改善せず、10月に当院を受診。

来院時には強い痛みはなく、肩の可動域制限が一番の悩み。

背中側の筋肉(広背筋・大円筋・僧帽筋上部・肩甲挙筋)の緊張が強い。

また、肩甲骨を正しい位置に安定させた状態「パッキング」ができず、

肩を上げようとすると力ませて肩をすくめる「シュラッグ」が出てしまっていた。

見立て

MRIによる画像診断にて関節唇損傷と診断。

炎症や痛みは落ち着いている。

そのため、可動域の制限は筋緊張・姿勢の崩れ・肩甲骨の使い方が主な原因と考えた。

GHJの安定性の再構築、肩甲帯および体幹との協調性の改善、ローテーターカフの強化を行うことで症状の改善を見込めると考えた。

治療

初期は鍼やマッサージを用いて筋肉の緊張を緩めつつ、肩がすくまないようインナーマッスルエクササイズを行った。

治療のペースは週1回で、自宅でのセルフトレーニングを併用していただいた。

肩を正しく動かすため、肩甲骨と腕の連動(肩甲上腕リズム)や肩甲骨パッキングも練習。

徐々に運動療法をメインに移行し、姿勢を安定させるためにお腹や背中の筋肉にもアプローチ。

肩のインナーマッスルが強くなってきたことで行うトレーニングもより高度なもの(胸より高い高さ)に移行。

以前のようなシュラッグや代償動作も自然と消え、髪を結ぶ・洗うなどの日常動作もスムーズにこなせるようになり、今回の治療はゴールとなった。

コメント

肩のトレーニングは、動きが地味で繊細な分、気づかないうちに自己流になってしまいがちです。

自己流で続けてしまうと、本来働かせたい筋肉がうまく使えず、かえって他の筋肉に負担がかかってしまうケースも多く見られます。

I様は週1回のペースで動きを丁寧に確認し、その都度修正しながら正しい使い方を身につけていかれました。

すぐに修正できる環境が整っていたことが大きな強みだったと思います。

地道な積み重ねが、肩の可動域とスムーズな動作の回復につながりました。

正しい動かし方をコツコツ習得できたことが、今回の回復の一番のポイントだったと感じています。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。


慢性的な腰痛にお悩みのケース|ケースレポート

概要

S様/東京都在住/45歳/男性/会社員(エンジニア)

症状

・腰痛

状態

もともと慢性的に腰の張り感はあったが、直近3日で急激に悪化。

特にベッドから起き上がる動作が辛い状況。

ただし、しびれや放散痛はなく、歩行も可能。

仕事ではパソコンを使うデスクワークが中心で、長時間座っていることが多く、深夜まで作業が及ぶ日もある。

また、身長が高く体格も大きいため、職場の低いデスクが身体に合っておらず環境的なストレスとなっている。

見立て

腰の張りを訴える部分と一致して、最長筋・腸肋筋に顕著な緊張が確認された。

放散痛やしびれ、感覚異常はみられず、器質的な異常の可能性は低く、筋スパズムによる痛みと考えられる。

姿勢が崩れている要因として、以下の点が挙げられる。

•胸椎と股関節の柔軟性不足

•ハムストリングスの過緊張による骨盤の後傾


これらが相まって、腰部に慢性的なストレスがかかる姿勢が定着したと考えられる。

今後は、

•鍼やマッサージによる筋緊張の緩和

•胸椎・股関節の柔軟性改善

•環境に適した座り姿勢の体得


といったアプローチによって改善を図る。

治療

初回は、過緊張した筋肉を緩めることを最優先し、鍼とマッサージにて治療。

低いデスク環境により骨盤が後傾しやすくなり、その影響でハムストリングスが緊張し、姿勢不良を助長している状態だったため、

•胸椎と股関節の柔軟性を高めるエクササイズ

•骨盤を立てた正しい座位姿勢の感覚づくり


も同時進行で行い、体の使い方を再学習していった。

治療は1週間〜10日に1回のペースで継続。

5回目には腰痛の自覚症状はゼロに。

その後は、元々気になっていた首・肩の不調へのアプローチに治療の主軸を移行。

以降も腰痛が再発することはなく、良い状態を維持できているため、腰に対する治療はゴールとなった。

コメント

「骨盤を立てて、良い姿勢を保ちましょう」

簡単に聞こえるかもしれませんが、いざやってみると

「取りたくても取れない」「どうすればいいかわからない」「何が正解?」と、

頭に?マークが浮かぶ方も多いのではないしょうか。

長年染みついた体の使い方や癖は、頭で分かっていても身体がついてこないことも少なくありません。

姿勢改善に必要なのは、自分の体がどう動いているかを知り、正しい動かし方と、それを感じられる感覚を身につけることだと考えています。

それがわかれば、力で無理やりキープするのではなく、力みなく心地よく保てる姿勢へと変わっていきます。

体の使い方を一緒にひも解き、日常の動きの中で自然に実践できるよう、自分の体と会話するように整えていくお手伝いができればと思います。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。