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硬ければ重症なの?コリのメカニズムを神経生理学の観点より解説

その肩コリは気のせいかもしれません

親子、夫婦、恋人同士の間で「肩もみ」「マッサージ」をする、される、のはごくありふれたこと、日常のいち風景でしょう。海外ではどうかわかりませんが、日本人にとって肩たたきは親孝行の代名詞(のはず)。

街中に整体・リラクセーションマッサージ店がたくさんあります。本当に多いです。ですがお店でマッサージを受けたことがない方でも、美容院でシャンプーのあとに「マッサージしてもよろしいですか?」と声をかけられたことがない方は恐らくいないでしょう。

「肩、凝ってますね〜」

とりあえず、凝っていると言われませんか?世の中の女性の半分以上が肩こりを抱えていると言われていますが、別に凝ってないのに凝っていると言われたことがある方はきっと少なくないはずです。

そして、整形外科、鍼灸院、整体、整骨院などで以下のように言われたことはありませんか?

「体がカタイですね。」

「筋肉がカタくなっていますね。」

体が硬い、筋肉が凝り固まっている、と言われたら『硬い=重症』と思うのは当然です

実は筋肉が硬い=重症であるという認識は大きな誤りです。

トップアスリート、一流のスポーツ選手の体は柔らかい、筋肉が柔らかい、ということを耳にしたことがある、そう信じていらっしゃる方は少なくないはずです。

 

このブログ記事では、これら通説について、正しい知識を身につけていただきたいという強い思いを込めて解説いたします。

筋肉の正常な機能とは?

骨格筋(内臓以外の筋肉)の作用は収縮と弛緩をスムーズに繰り返すことです。

つまり、“伸び”“縮み”を円滑に行うことが主な仕事となります。厳密には一定の緊張(トーヌス)を保ち続けるという働きや体温調節作用・血液循環補助作用・外的刺激からの内臓防御作用も重要ですが、これらは適切な“伸び”“縮み”が行われることによって機能します。

凝った筋肉とは、具体的にどのような状態なのか?

 

筋肉が凝っている状態は、筋肉の一部分が“縮み続けてしまっている状態”を意味します。

筋肉が縮み続けてしまっていると言われても、いまいちピンとこないと思います。

まず、ご理解いただきたいポイント、それはこの筋肉が収縮し続けている原因は血流が悪いからではないという点です。血行不良だけの単一原因ではなく神経生理学上の複雑な不具合が絡み合っているのです。

脳や脊髄などの中枢神経や代謝の異常が無い健常人において、筋肉は通常単独では伸び縮みすることができません。中枢神経(命令の出発地点)から発せられた信号が抹消神経(命令の通路)を伝わり、それが対象となる筋肉に到達して収縮が起こります。(実際は電気信号が伝わってから顕微鏡的な化学物質のやり取りが行われ反応が起こりますがここでは割愛します。)

そして、その命令が途絶えると筋肉は収縮するのを止めます。つまり、能動的に筋肉に作用するスイッチは“縮め”という命令しか無いのです。

一方、“伸び=弛緩”は受動的に起こります。“縮め”の命令が出ていない場合か、表の筋肉が収縮している時は裏の筋肉は弛緩します。例えば太ももの前(大腿四頭筋)が収縮した時は後面(ハムストリングス)が弛緩します。これを相反性抑制(=反回抑制=Ia抑制)と言い円滑な動作を行うために重要な反射機構です。

また、筋肉は両端部分のスジが引き伸ばされても反射的に弛緩します。これをIb抑制と言い、筋肉の収縮や外力によって急激に引き伸ばされスジが断裂するのを防ぐための防御機能です。この反射を応用したものがスタティックストレッチ(ゆっくり引き伸ばして行うストレッチ)となります。

特に急激に筋肉が引き伸ばされた時は伸長反射(脚気の検査で行う膝のお皿の下をたたくと膝が伸びる反射です)が起こり、引き伸ばされた筋肉が収縮します。これは関節が過剰に動き破壊されてしまうのを防ぐためです。伸長反射によって急激に収縮すると、収縮した筋肉のスジが強く引っ張られます。ここでIb抑制が働き、正常な状態に戻すのです。

実際の動きの中では裏表で明確に収縮と弛緩が分けられてはおらず、同時収縮や収縮しながら伸びるといったことが連続的におこります。上記の説明はあくまでも動きをあくまでも簡略化した場合です。

要するに、筋肉の仕事は収縮と弛緩のみであり、そのうち自発的な命令は“収縮”のみ。実際には無意識下での反射機構が複雑に組み合わさり動作を円滑に行わせる、ということなのです。

話が少し脱線しましたが、ここでお伝えしたいのは“筋肉”単体だけではダメで、神経が命令を出して・伝えて、初めて仕事を行うことができるということです。

 

これらをふまえて“コリができる=筋肉が固まってしまう”状態には3段階あります。

 

持続的に一定部位の筋を収縮し続けざるを得ない状態となっている

不良姿勢や不合理な動きを続けることにより、限られた筋肉が収縮し続けます。ここまでは筋疲労です。

例えば猫背でデスクワークを続けていると重い頭(体重の約10%)を支えるために首や胴体の後面の筋肉が収縮します。良好な姿勢でも重力に抗するために後面の筋肉は収縮しますが、猫背であるとテコのアームが伸びることとなり只でさえ重い頭部の重量が数倍となり背面の筋肉がそれを支えることとなるのです。

体重60kgの方の頭部重量は約6kg。2リットルのペットボトル3本をずっと片手に持っていたら腕が猛烈に疲れますが同様のことが首や肩周囲の筋肉で起こるので、疲労するのもうなずけます。

 

本来備わる反射機構が円滑に行われない(筋肉の状態をキャッチするセンサーの不具合)

筋肉の緊張を調整する反射がスムーズに行われるためには、その伸び縮みをキャッチするセンサーが働かなければなりません。人間には様々なセンサーが存在しますが、それらは生体に変化が生じた瞬間を情報としてとらえます。

例えば血圧が高いとそれをキャッチするセンサーがありますが、慢性的に高血圧の方はそのセンサーが鈍ってしまい“血圧を下げる”という反応が起こりにくくなります。筋肉内のセンサーであれば引き伸ばされたり縮んだりする瞬間をキャッチして反応を起こします。ところが、持続的に一定の状態にあり続けるとセンサー鈍くなり、情報をキャッチできなくなります。

不良姿勢等により一定部位の筋肉が常に収縮しているとスジの伸びをキャッチするゴルジ腱器官というセンサーが鈍ってしまい、筋肉を弛緩させるための反射(Ib抑制)が起こりにくくなります。この段階になると、マッサージやストレッチを行ってもなかなか筋肉が弛緩してくれなくなります。(ゴルジ腱器官以外のセンサーも関わりますがここでは話を単純化するために割愛します)

この筋肉の緊張を調節する反射機構が鈍った状態が“つらいコリ”となるのです。この段階になるとちょっとやそっとのことでは筋肉は反応してくれず、マッサージや整体、ストレッチなどの施術を受けても1週間が良い所となります。こうなると生活の中で“つらい”時間が増えてきます。つらい時間が増えると常につらい部分を気にするようになり、首を動かしたり、ポキポキならしたり、いじったりするようになります。

 

筋肉への命令系統の不具合(常に“収縮しろ”という命令が出続けてしまう)

人間の運動調節機能のひとつに「γ環γ(ガンマ)ループ」というものがあります。筋肉を動かすための神経はγ運動神経α運動神経に分けられ、2つを合わせて運動神経と言います。αは動かそうと思った時の命令を伝える神経で、γはαを補足して微妙な動きの調節をするための命令を伝える神経です。

直接対象となる筋肉を動かそうとしなくても、γ運動神経を介した動きは“その部位に意識を向けると自然と筋肉の緊張が増す”という普段意識しない部分での運動調節なのです。例えば筋トレの時に鏡で鍛えたい部分を見て、意識を集中させたほうがより効果的となるのはこの作用を応用です。

筋肉の状態をキャッチするセンサーの不具合が長期化すると常につらい部分に意識が向きます。つらい箇所を頻繁に触ったり、首を動かすことでγ環の活動を促してしまうのです。これは、常に“収縮しろ”という命令が出続けてしまうわけで、かえって緊張が増加してしまうのです。

緊張をときたいのに緊張をするように筋肉へ無意識に命令してしまう、命令系統のバグが生じてしまっているこの第3段階までくると「24時間つらい」「発作的に急激につらくなる」「どんな解消方法を行っても3日以内に完全に元通り」という酷い肩こり・首こり状態です。筋肉がほぐれなくて心底お悩みの方はこの状態にあるのです。

たかがコリなのにそんな大げさなと、コリでお悩みでない方は誰もが思うことでしょう。このような酷いコリは自律神経を乱しさらなる緊張を生むと共に、精神症状へとつながります。さらに全身症状へと移行します。これは事実です。そして特に首こり患者さんに多い傾向があります

筋肉が硬ければ硬いほど重症なのか?

 

重症化するにつれて変化するのは“筋肉の硬さ”ではなく“神経の問題がどれだけあるのか?”という点です。つまり「筋肉の硬さを調整する機能がどれだけ鈍ってしまっているかどうか」が問題です。

その機能が侵されていればいるほど、頑固なコリ=ほぐれないコリ=すぐ元に戻るコリ なのです。

よって、触って硬い・硬くないは重症度とは必ずしも関係があるわけではなく「与えた刺激に対してどれだけ反応性があるかどうか」が重症度を判定する指標となります。  重症であるほど、筋肉だけに留まらず、神経系の異常へ移行していくのです。

トップアスリート、プロスポーツ選手の筋肉は一般人の筋肉と何が違うのか?

 

一般的に、一流アスリートの筋肉は柔らかいと認知されていますがこれは間違いです。上記に説明してきましたように筋肉の硬さはその質を図る上でたいして意味をなしません。関節の可動域は筋肉の硬度以外の要素が大きく関係していますし、関節が柔らかいと返って問題も生じます。関節は柔らかければよいということではありません。関節は硬い方が弾性を利用することができ、かえって有利に働く場合もあります。

ハードトレーニングをして、カチカチになった筋肉はそれだけ収縮力があるということなので、高いパフォーマンスがあることを示しています。重要なのは筋肉を動かす機能がどれだけ鋭敏に反応するかどうかです。言い換えると、神経と筋肉の反応がどれだけ充実しているかどうか、が一番の論点となります。

つまり、ハードトレーニングをしてカチカチになった筋肉が短時間・弱刺激でほぐれるほど、質の良い筋肉と言えるのです。往々にして一流アスリートの筋肉はどんなにカチカチになっていても短時間・弱刺激でほぐれて回復させることが可能なのです。

一般常識とされていることもいつかは非常識になることはたくさんあると思います。

一般常識として浸透している知識にも、よく考えてみると辻褄が合わないことがたくさんあります。一見気軽に感じる“コリ”においても心底苦しんでいらっしゃる方が実際にいます。生活に支障が出ている方々が実際にいます、本当に苦しんでいらっしゃる方々の参考になれば幸いです。 「〇〇と言われている」ではなく、医学的根拠のある知識を得て自身の体に何が起こっているのかを知る必要があるのではと思います。

肩こり・首こりとはどのようなものなのか??その、おおまかな全体像をとらえたい方は下の記事をご覧ください。

ひどい肩こりを何とかしたい!病院いけば治る?そもそも病院で診てもらう必要は?

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございます。

もし当記事が、少しでもあなたのお役に立てたようでしたら、他の方にシェア頂ければ幸いです。

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


鍼灸マッサージの嘘と本当

簡単に治る・・・そんな魔法のような方法は“ありません”!!

「鍼灸」「マッサージ」ときいてどのようなイメージを持ちますか?

一般的には胡散臭いイメージ、古臭いイメージかもしれません。

小顔効果の美容鍼のイメージから「凄いテクニック」、凄腕整体師やゴッドハンドのメディア出演から「何にでも効果がある魔法のようなもの」のように錯覚されがちでもあります。ちなみに整体師というのは鍼灸師・あんま指圧マッサージ師ではございません。

人は、どうしても、楽なもの、便利なもの、コストがかからないもの、無料・・・に惹かれがちです。

美味しいもの、好きなものを我慢せず食べていれば、肥満になりますが、痩せることはとても大変なことです。その大変なことを、最後までやりぬくことができるのは意志がとても強い人。そんな強い人はごく一部の人たちです。多くの人は簡単な方法、魔法のような方法が大好きで流行に流されやすいですし、飽きっぽいものです。そんな世の中に出ては消えていく消費されるものこそが大きなビジネスを産みます。私たちは消費者です。

ですが、医療は、そうしたビジネス上にあるべきではない、と思うのです。

病院にいく時、自分は客だと思いますか?

思いませんよね。

医者というと、ほとんどの人が「お金持ち」というイメージを抱くと思います。

お金のために医師になった人ももちろんいると思いますが、そうでない医師だってたくさんいます。

肩こりラボで働くスタッフは、肩こりや首こり、腰痛などで悩まれている方を本気で救いたい気持ちを持った人しかいません。医療に携わる端くれとして、初心や理想は、一生忘れず、追求していくことが使命であるべきです。自らを戒めることも必要でしょう。このようなブログを書き続けていくことには、その意味もあります。

前置きが長くなりましたが、肩こり・腰痛からはじまり各種スポーツ障害はもちろん花粉症やアトピーなどのアレルギー疾患、胃痛や便秘などの内臓疾患、はたまたリフトアップやシワとりの美容鍼やダイエット目的の鍼など効能としてうたわれるものは本当に多岐にわたります。

でもこれらは「本当」なのでしょうか?

「本当のことが知りたい」

真実・事実だけが全てではありません。人生を楽しむ上では不要だという人もいらっしゃるはずです。

今回は本当のことを知りたいと思う方のための記事です。首肩腰の諸症状で悩まれている方、現在通っている治療院に疑問をお持ちの方だけでなく、セラピストを目指している方にも読んでいただきたいと思います。

鍼灸・マッサージはあくまで物理療法の中の手段でしかありません。

以下の解説は医療(西洋医学)の観点からのみの解釈となります。客観的な裏付けという意味でご覧ください。

例えば病院。ひどい下痢でいらっしゃった患者さんに医師が行う治療は

①下痢止めを処方して下痢を止める

②あえて薬で下痢を止めない

ということを行います。

①は、下痢により脱水が生じ二次的な問題が生じることを防ぐため

②は、下痢は異物除去のための正しい生体反応なので無理に止めるとかえって長引いてしまう

という意味があります。

これらは各医師独自の方法であっても医学的根拠に基づき実施されます。

では、鍼灸師・あんま指圧マッサージ師はどうでしょう?

ほとんどの鍼灸師・あんま指圧マッサージ師は患者さんが下痢だと訴えたら「下痢に効くツボにお灸(鍼)をしましょう」と言うでしょう・・・。この場合は上記①②のような根拠に基づいておりません。鍼灸が下痢に効くか効かないかは別として、何にでも鍼灸を適用させてしまいます。

鍼灸師・あんま指圧マッサージ師は独自の理論「自分がこう考えたから」「経験的に」「直観で」、そして著名・高名な人の方法論に則り「〇〇と言われているから」に頼る傾向があります。

なんでもかんでも鍼灸で治るかのような都合のいい勝手な考え方をする鍼灸師が多い理由

それは「東洋医学」という逃げ道があるからです。もし医療関係者に問われたとしても独自の東洋医学に逃げることができてしまうのです。ここがそもそもの問題点です。

東洋医学は伝統医学、経験医学と言われ昔からの言い伝えや慣習を元に構築されています。言い換えると「何故かわからないけれど、こうやると良くなると言われているから行う」ということです。そして東洋医学独特の「気」や「経絡」といった考え方がありますがこれらはあくまで考え方、思想であり理論ではありません。

東洋医学による診断方法で脈や舌を診て状態を判断する方法がありますがこれにも疑問が残ります。脈診は施術者が手で触れて腕の動脈の拍動を感知して行いますが、手の触れる圧力や触覚は人により異なり、感じ方は千差万別のはずです。舌を診る場合は、舌苔(ぜったい)や色や形を診て状態を判断しますが、それだけで体の状態が本当にわかるのでしょうか?

個人的な感性で自分の状態を決定されてしまい、あなたは不安ではありませんか?

足の裏や背中、お腹を触って内臓の良し悪しを判断する場合もありますが、これにもまったくもって客観的根拠はありません。

たしかに胃が痛い時は背中が痛くなったり反応が出ることはありますが、背中が痛いから胃が悪いわけではありません。足の裏と各内臓との関連経路は解剖学的に全く存在しません。

有名とされる鍼灸師・あんま指圧マッサージ師は脈や舌、触診等で内臓から体質・性格まで患者さんの全てを把握しますが、それは単なるパフォーマンスです。100年に一人くらいは第6感を持っていて直観で全てがわかるかもしれませんがそんな人はいないも同然です。現在毎年4000名程の国家資格取得者が輩出されていますが、それらがみんな第6感を持っている、または修行により養われるとは到底考えられません。

また、有名になればなるほど神秘的なイメージを演出するようになり、メディアを通して根拠のない独自の理論を大々的に叫ぶため、この業種が占い師や呪術師と変わりない印象を受けて与えてしまい、現代医療からますます隔離してしまっています。少なくとも筆者はこのような鍼灸師・あんま指圧マッサージ師像、現状に納得しておりません。若き鍼灸師・あんま指圧マッサージ師がカリスマを目標としてみんながみんな“100年に一人の逸材”を目指しているのはもはや滑稽な話です。

ですから、一般的な医療従事者は、東洋医学というだけで偏見をもったり相手にもしない人が少なくありません。悲しいことに鍼灸・マッサージ自体がイコール東洋医学と決めつけられてしまいがちです。

ここまでの話を以下にまとめます。

東洋医学の現状におけるネガティブな部分

  • 鍼灸・マッサージが万能治療と考え何にでも適応しようとする
  • 説明や会話の中で、つじつまが合わなくなったり、理解があやふやになると最後は「東洋医学的には・・・」というくくりで片づける施術者が多い
  • 根拠があやふやなものでも「良いと言われている」「良いのではないか」というレベルで患者さんに施術を行ってしまう
  • コンプレックスを持っており、開業すると高確率で「医師のまねごと」をするようになる
  • 施術に対する厳格な評価から逃げ、結果リラクセーションと同じになる

ということです。

このような現状が患者さんの期待を裏切り続けて我々鍼灸師・あんま指圧マッサージ師の信頼が失われつつあります。もはや失われてしまっているのかもしれません・・・

一応ポジティブな部分もあります。

病院は定められた検査項目が陽性とならなければ診断とならず治療対象とならないが、実際は検査値に現れない症状(肩こり・首こり・自律神経失調症などの不定愁訴)に悩まれている方が非常に多く、そういった方々には鍼灸・マッサージは適している → 緩和医療には適している

ということです。

これを読み「あれ、ポジティブな部分が少ないぞ」と思われた方が多いのではないでしょうか。

そうです。

鍼灸・マッサージは魔法ではありません。万能療法でもありません。あくまでも物理療法の一つでしかなく、適用範囲が限られています。

物理療法とは温熱や寒冷、電気、触覚といった外的刺激を与えて生体反応を起こさせる治療方法です。鍼は異物を挿入するという機械的刺激。灸は温熱刺激。マッサージは触圧覚を利用した機械的刺激。

そのため、鍼灸・マッサージを行うことによっておこる生体反応は決まっています。これにより鍼灸・マッサージの限界も同時に存在します。実は鍼灸・マッサージの適用範囲とは非常に狭いが本当なのです。

限界を知っていれば、鍼灸・マッサージの効果を最大限発揮する適応範囲が自ずと決まります。

あらゆる病に効果的だと思わせる・堂々と効果があるというのは、嘘か思い込みのいずれかです

「美容」「ダイエット鍼」「体質改善鍼」「冷えムクミ改善」「アレルギー改善」「神経痛改善」「うつ病克服」「自律神経失調症改善」「不妊治療」・・・・・などの鍼灸・マッサージを受けた方は心から満足いく結果は感じられましたか?

おそらくないと思います。

実はこれらには大きな嘘が潜んでいます。

これらを行う治療者に問います。

『100人の患者さん相手に説明をし、全員がその治療の内容とメカニズムをきちんと理解することは可能でしょうか?』

『他の現代医療従事者に治療の内容と作用機序を納得してもらえるように説明することができるでしょうか?』

おそらく、医学的根拠のない「言葉」「理論」による、一般人には理解できない閉鎖的な別世界の話として説明されるか、一人でも治った人がいるという事実だけを根拠にして治らないケースは患者さんのせいにすることでしょう。

今回は長くなりましたので解説はまた次回にさせていただきます。最後までお読み頂きましてありがとうございます。

 

肩こり・首こりとは具体的にどのようなものなのか、解消するためにはどうすればよいのかについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

ひどい肩こりを何とかしたい!病院いけば治る?そもそも病院で診てもらう必要は?

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


肩こり・首こりの根本解消に有効なエクササイズとは(運動学・バイオメカニクスの観点から)

【問題】以下4つの中から肩こり・首こり改善に最も効果的なエクササイズはどれでしょう?   答えは一つです。

  1. “力こぶ”の筋トレ [バイセップスカール、アームカール等]
  2. “腹筋”の筋トレ [一般的腹筋運動、シットアップ、ツイスト等]
  3. “お尻”の筋トレ [スクワット・デッドリフト等]
  4. “胸”の筋トレ [ベンチプレス・バタフライマシン等]
 

“力こぶ”の筋トレ

女性は二の腕の引き締めのために、男性はたくましい腕にするために  よくトレーニングが行われる部分です。力こぶの筋肉(=上腕二頭筋・烏口腕筋)を筋トレし続けると、肩甲骨が上・外方向に移動してきます。すると、いわゆるこる部分や首と肩甲骨をつなぐ部分の筋肉が引き伸ばされます。引き伸ばされた筋肉は縮まる性質があるため(=伸長反射)つらい部分の筋肉はどんどん固くなります。腕の筋トレを行うことによって首こり・肩こりはどんどん頑固になってしまいます。

“腹筋”の筋トレ

姿勢が悪いのは腹筋が無いからだと考え六つに割れた腹筋を目指していわゆる腹筋運動(仰向けになって膝を曲げて状態を引き起こす動作、仰向けに寝てツイストしながら状態や足を持ち上げる動作など)を繰り返し行うと腹直筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腸腰筋・大腿筋膜張筋・大腿直筋 が負荷を受け硬化していきます。すると・・・姿勢を良くするための筋トレなのに、どんどん丸まっていき猫背を悪化させます。姿勢が悪い方が足りない腹筋はお腹のインナーマッスルである”腹横筋”です。腹横筋はいわゆる腹筋運動では鍛えることができません。

“胸”の筋トレ

女性はバストアップ、男性は厚い胸板のために高い頻度でトレーニングされる部分です。しかしこの部分の筋トレをやり続けると大胸筋だけでなく小胸筋・前鋸筋が硬化します。この3つが硬くなると、肩甲骨がこれも上・外方向に移動し①と同様の状態となります。加えて背骨も丸まりますし、肋骨の動きが悪くなるので呼吸も浅くなり肩こり・首こりだけでなく疲れやすい体と化してしまします。

正解について

正解は③の“お尻”の筋トレです。

二足歩行をすることにおいて猿と人間の差、赤子と大人の差は臀部の筋力です。つまり臀部の筋肉(大臀筋・中臀筋・小殿筋)や股関節をとりまく6つのインナーマッスル(梨状筋・大腿方形筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・上双子筋・下双子筋)が発達し機能しているため二本足で立ち、安定した歩行が可能となります。

また、人間の重心は骨盤内に収まるため、いかに骨盤を安定させられるかどうかが重心を安定させることになり良い姿勢かどうかを決定づけます。

現代人はデスクワークによる座位姿勢を続けることが多いため、臀部の筋肉が衰えやすいです。立ち仕事の方は極端に立位時間が長いため臀部の筋肉は疲労しきってしまい、いつのまにかあまり使わないようになってしまいます。このような事から現代人は①臀筋が不足している ②臀筋はあるがうまく機能していない 状態の方が大多数です。

肩こり・首こりを根本的に改善するためには、局部をほぐしたり血行を良くするよりも、良好な姿勢を獲得すること何よりも重要です。多くの方は“良好な姿勢とはどのような姿勢なのか知らない”、または“とりたくてもとれない”状況にあります。それを打開するためのひとつの手段として臀部の筋力を活性化させることが有効です。

巷には様々な方法論が出回り体幹の重要性が示唆されておりますが、『体幹=腹筋』という間違った解釈が浸透してしまっています。筋トレにおいて最も肝心なのは「人体にとって“最少負荷となる姿勢”“合理的な動きができる姿勢”を維持するために不足している筋力を補う」ということです。前後・左右・上下で無理なく平衡がとれるようにすることが大切です。“体幹トレーニング”そのものが重要なわけではありませんし、腹筋が割れれば体幹の状態が良くなるわけではありません。アスリートは最低限これが充実した上で、パフォーマンスアップのためのトレーニングがありますが、大多数はこれに到達できていない状況です。だから、トレーニングをしてもいっこうにパフォーマンスが向上しない「見せかけの筋肉」となってしまうのです。

まとめると、①②④で対象となった筋肉と、相反する作用をする部分との相対的なバランスを整えることが成功する効果的な筋トレなのです。

【重要】   腕・胸・腹は自らの目に見える部分なのでつい強調したくなりますが、本当に大切なのは側面や後面からみたあなたの姿を美しくすることなのです。

肩こり・首こりとはどのようなものなのか、おおまかな全体像をとらえたい方はこちらをご覧ください。

ひどい肩こりを何とかしたい!病院いけば治る?そもそも病院で診てもらう必要は?

硬ければ重症なの?コリのメカニズムを神経生理学の観点より解説

 

 

 


執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


肩こりと首こりの決定的な違い(解剖学・生理学の視点から徹底解説)

首すじのコリで悩んでいらっしゃる方は大変多いのですが、「首こり」という言葉は、「肩こり」ほど一般的ではありません。

そんな「首こり」ですが、「肩こり」は同じようなものと思われがちです。

医学的にも「そもそも肩こりとは厳密には首こりである」と説明する医師も多くいらっしゃいます。

その根拠は、肩こりの原因が、首の筋肉にあるケースが多いためです。

ですから首こりと肩こりが混同されるのは、仕方ありません。

はっきりと結論から申し上げます。

「肩こり」と「首こり」には大きな違いがあります。

ほとんど肩こりと同じような首こりが多いのは事実です。

首こりにあって肩こりにはないもの、これが一般的に知られていないために、首こりで悩まされている人が救われない原因といえるでしょう。

 

肩こりと首こりを別物として捉える医師が少ないという現実

医療の専門家(整形外科医)の多くが、肩こりとは首こりであるという認識であり、違うものとして捉えている医師が少ないのです。病院にいっても肩こりが治らない、そして首こり肩こりを専門に扱っているような病院でも治らないケースが多いという残念な状況を作り出している理由のひとつだと思います。

そもそも、肩こり・首こりで悩まれている方で、病院を探す人自体少ないでしょう。近所の整体に行ってみる人、とりあえずピップエレキバン・マグネループ・湿布に頼ってみる、痛みがある場合でも、湿布や塗り薬に頼る人がほとんど。最初から、肩がこらないようにするには?という発想がないのです。

そして、四十肩・五十肩といった肩関節周囲炎にも言えることですが病院では「原因が分かりません」「痛みの原因はたぶん○○」と曖昧な回答をされた経験をお持ちの方は多いでしょう。様子をみましょうということで、症状の緩和のための痛み止めの薬・ブロック注射をされるというのが、典型的なパターンです。

風邪を引いたらクスリなどでつらい症状を緩和している間に自分自身の体が回復していきます。クスリはあくまでつらい症状の緩和、つまり対症療法です。

風邪とちがって、慢性的な首肩こり・四十肩・五十肩は、自己回復できないのです。自己回復できない状態にまでなってしまった=慢性化です。

対症療法の効果がない場合、それらを引き起こしている原因を解決しないといけません。正常であれば原因は自己解決できます。自己解決できなくなってしまった場合は、原因療法が必要になります。

首こりと肩こりは違います!!

首こりは、「首すじのこり」「首すじの痛み」といった表現をされることのほうが多いと思います。

首すじは漢字で書くと「首筋」または「頸筋」です。字の通り、首の筋肉を意味ですが、首すじというと、首の後ろの部分、いわゆる、くびねっこ・うなじを指します。

うなじって首ですか?それとも肩ですか?

首と答える方が多いと思いますが、肩と認識されている方も一定数いらっしゃるはずです。

ここで、本題に戻ります。

肩こりと首こりの違い、それは首と肩という筋肉の部位が違いでしょ?と誰もがお思いになるはずですが、違います。

ここで問題です。

首の筋肉が原因で肩が凝る、これは首こりですか?それとも肩こりですか?

正解は、肩こりです。

ツラい症状を感じる場所で、首こりと肩こりと言葉を分けるのが適切です。

症状を感じる場所が違う以外にも、肩こりと首こりとでは明確な違いがあります。肩こりと首こりの決定的な違い、それは神経症状として出るか出ないかです。

首こりは神経症状が出るのです。

「首こり」は神経に症状が出てしまう

首こりによる感覚神経の症状

首にはたくさんの神経が集中しています。

誰もが経験する頭痛。この頭痛は首と関係しているケースが多く「緊張性頭痛」という言葉はご存じの方も多いのではないでしょうか?

緊張性頭痛とは?

頭部の感覚は、大後頭だいこうとう神経、大耳介だいじかい神経、小耳介しょうじかい神経等といった神経が感じます。これらの頭部の感覚を担う神経は、首の骨の内側にある脊髄から出ているのです。 首がこると首の神経を圧迫し、後頭部・側頭部・頭頂部の痛みを誘発します。これがいわゆる緊張性頭痛です。(もちろん後頭筋や側頭筋などといった頭部の筋肉のコリが直接神経を圧迫する場合もあります。)

頭だけでなく肩・腕の神経の問題も首がポイント

肩~腕~手の動きや感覚を担う神経、および血管も首に由来します。神経は頚椎から出るのでイメージがつきやすいのですが「心臓から出た血管が腕に行く前になぜ首へ?」と疑問をもたれる方は少なくありません。解剖学を紐解くことで、その疑問は解決します。

心臓をスタートとする血管は一度鎖骨の高さまで上に上ってからまた腕の方へ降ります。その首の前側の鎖骨近辺で、首の筋肉である斜角筋しゃかくきんを貫くため、首こりによってシビレや血流障害による冷えなどが生じます。正確には斜角筋しゃかくきんはその位置によって前・中・後の三つに分かれ、前と中の間を斜角筋隙しゃかくきんげきという狭い隙間があります。この隙間に神経(腕神経叢=腕を支配する神経群)と血管(鎖骨下動脈・鎖骨下静脈)があるのです。首こりで斜角筋しゃかくきんが硬くなるとこの隙間を圧迫するのです。

ですが、これらはレントゲンに写りません。ですから病院でレントゲン検査をしても異常なし、となります。

これが、肩こり・首こりの重症の方が、腕や肩甲骨周囲に放散する不快な症状を自覚して、病院で検査しても異常なしとされる理由です。首が原因による腕の症状のうち、病院で原因不明、異常なしとされてしまう例として「手の冷え」があります。手が冷えるのは血流が悪いためです。なぜ血流が悪くなるかといいますと、首のコリにより血管が元詮をされている状態だからです。つまり冷えてしまっている末端を温めても温めても改善はしません。元栓がしまっている以上、血行がよくならないのです。

この症状は、正式な病名として胸郭出口きょうかくでぐち症候群の一つともいえます。ただ、胸郭出口きょうかくでぐち症候群は、肩こり・首こりだけが原因ではありません。

胸郭出口きょうかくでぐち症候群かも?と思われたら・・・

胸郭出口きょうかくでぐち症候群が疑わしい場合は、まずは整形外科にて骨や内臓の問題(特に頚椎の状態ですね)をチェックしていただき、異常がないということの確認が必須です。というのも、シビレや冷えなどは神経系・循環器系の病気が隠れている可能性があるため、決して軽視はできないからです。

特に目立った異常が見当たらない、ということであれば胸郭出口きょうかくでぐち症候群への理学療法が適応できます。胸郭出口きょうかくでぐち症候群は単にマッサージや鍼灸、電気・温熱療法だけでは、その場しのぎ止まりで、改善は困難です。

その場しのぎとはいえ、まず、緊張が高まっている斜角筋しゃかくきんを中心とした首の筋肉を弛める必要があります。筋肉を緩めた後、首に負担のかからないようにする筋力を強化しなくてはいけません。筋力強化が胸郭出口きょうかくでぐち症候群に対して必要なのです。

胸郭出口きょうかくでぐち症候群に対して行う筋力トレーニング

胸郭出口きょうかくでぐち症候群になりやすいのは、痩せ形・なで肩の女性です。女性はどうしても筋力が弱いため、首周囲へ負担が強いられてしまうという背景があります。ですから、筋力強化はもちろん必要なのですが、その筋力強化とは単にダンベルや重りをもって筋肉を肥大させる運動ではございません。強化すべき筋肉は体幹とインナーマッスルなのです。体幹とよばれる胴体部分の筋肉とインナーマッスルを活性化させると、体を効率よく負担がするないように動かすことができるようになります。ここで強化ではなく「活性化」と表現したのは、強化というとどうしても単に筋肉をつけて「マッチョ」になることと思われるためです。そうではなく、あくまでも負担なく合理的に体を動かせるようになることが目的で、そのための筋力トレーニングは筋力の強化ではなく活性化なのです。イメージとしては、女性でいうと痩せすぎていない「健康美」、男性でいうと「細マッチョ」です。胸郭出口きょうかくでぐち症候群に対して行う筋力トレーニングは、これを目指した体造りを行っていきます。

繰り返しとなりますが、ここでいう筋力強化は、重量物を歯を喰いしばって持ち上げるようなハードなトレーニングの必要はまったくございません。

まずは整形外科で診てもらうましょう!

胸郭出口きょうかくでぐち症候群になりやすい方を上記であげましたが、あくまでそれは「教科書的になりやすい」例にすぎません。

たとえ体重が多くても、筋肉量が多いとは限りません。個人的には発症しやすい例として「痩せ形」と表現することに疑問をもっています。痩せている女性やなで肩の女性に多いとはいえ、デスクワーク中心の男性にも実際多く見られます。

話が少しそれましたが、そのため「首肩こり」「(常にではないけどたまに)手にがしびれる」「手が冷えやすい」ということに心当たりがある方は、本当に症状が重篤になる前に一度整形外科にて診ていただき、MRIやCTといった検査を受けてください。ヘルニアや頚椎症の可能性があります。ヘルニアというと腰のイメージが強いですが、腰も首も背骨という意味では同じです。首のヘルニアは、頚椎椎間板ヘルニアといいます。

整形外科での検査で異常が無いようでしたら、整形外科の範疇ではないということになります。問題は、骨ではなく筋肉です。是非、軽症のうちに治してしまいましょう。胸郭出口きょうかくでぐち症候群は、解剖学に基づいた筋肉、そして、その動作に対する施術が必要となります。基本的には肩こり・首こりへの対処と同じなのです。

整形外科に行って異常なしとされ、次にどうすればよいか分からなくてお困りの方は以下の記事をご覧ください。

首肩腰でお悩みの方を迷わせない!病院・鍼灸院・整骨院・サロン選びのコツ

 

首こりによる自律神経の症状

首には上神経節・中神経節、星状神経節という自律神経(交感神経)のツボのような要所が存在します。

これらが首こりによって、圧迫刺激されることによりバランスを乱し、偏頭痛や吐き気、めまい、睡眠障害といった自律神経失調症状が引き起こされます。

この神経のツボ(交感神経節)は左右一対あり、数珠のように首から腰まで背骨の際を一つながりになり、交感神経幹という組織を形成します。そのため、それらが不調となると肩甲骨や背中の不快感にもつながります。

さらには自律神経への影響として血圧の変動といった循環器・各内臓機能も不安定となり、イライラや情緒不安定などの精神症状にもつながります。

また、迷走神経という副交感神経も脳から出て首の筋肉間を通って内臓へと下降していくため首こりにより不要な刺激を受けることでバランスを乱し、内臓諸機関の機能を乱します。

首肩こりと自律神経の関係を検索して調べていくと、自律神経が乱れるという所までは同じだが、つきつめると交感神経に着目してる説と副交感神経に着目している説があり、とてもわかりにくいと思います。

実はこれらは表裏一体でシーソーのように均衡を保っており、一概にどちらか一方のみといういいきれないというのが実情なのです。

首肩こりにお悩みの方は元々精神的ストレスを抱えていらっしゃる方もいますし、首肩がつらくてストレスとなってしまっている方もいます。天候など気圧の影響を受けやすい方も自律神経は乱れやすい体質といえます。

このような方々は自律神経のシーソーのバランスがとりにくく、片方へ傾いたら戻れなくなってしまったり、戻ろうとしたら戻りすぎてかえって反対に傾いてしまったりとしてしまうわけです。これがいわゆる「自律神経が乱れた状態」です。

つまり、自律神経を考える場合、対をなす交感神経と副交感神経がどちらか一方が働いてもう一方が働かなくなるいうように絶対的に変化するのではなく、あくまでも相対的なものなのであるとうことを頭にいれていただきまして、どちらか一方に着目するのではなく、ある事象が起きることによって双方に影響が出ることがあり、それは個人差があるということをご理解いただきたいと存じます。

そのため当記事でも首こりによって交感神経・副交感神経療法への影響をご紹介させていただきました。

このように首こりは悪化・長期化すると自律神経系の異常をきたし全身症状へと移行していきます。 (交感神経と副交感神経を合わせて自律神経といいます)

肩こりは主にその局所のつらさに留まる一方、首こりは高い頻度で全身症状へ移行してしまうため、首こりのほうがつらいと感じる方が多い傾向にあるようです。

病状は

  • 肩こりから首こりに移行するパターン
  • 首こりの症状として肩こりを感じるパターン

の2パターンあります。

肩こりを放置して首こりへ移行してしまわないようにするには、悪化しないためのケアを行うか、できるだけ早く治してしまえば問題ありません。

首こりの方はのんびりしているとどんどん悪化していってしまうので早急に集中的な対処を推奨します。

これは多くの肩こり・首こりの患者さんを診てきたセラピストとしての経験的なものですが、「施術をしてもすぐに元通り」という方は、肩こりではなく「首こりが原因」の方が多いです。

「首こり」と「肩こり」は似て非なるもの、この見極めはとても重要です。

肩こり・首こりと聞くと気軽に感じるかもしれませんが、それらは体からの悲鳴です。

肩こりや首こりを根本的に改善するということは、つらい症状を引き起こしている原因をひとつひとつ解決することです。つらい部分の症状を緩和しても再発するだけで、薬、お店、病院に通い続けることになるだけです。時間やお金がかかるだけでなく、厄介なことに徐々に悪化していきます。

ですから、どこで診てもらうか?どこに通うか?がとても重要になります。

どこに行けば肩こりは治るの?

まずはご自身の体が”どのような状態”で”何が起こっているのか”を知りましょう。医療機関などでの説明を受け身ではなく、理解する、疑問に思ったら質問して信頼できるかどうか見極めましょう。そのためには、正しい知識・情報が必要です。

重要なことですので、繰り返し申し上げますが、肩こり・首こり・腰痛に対してでもっとも大切なことは、症状の見極め、原因の究明です。これを間違えると、どんなによい腕を持った医師・セラピストでも改善することはできません。

マッサージ業界では、ゴッドハンドと呼ばれる(自称?)人がもてはやされますが、つらい症状を緩和するだけなら、ある意味誰でもできるといえます。

本当の意味で腕のいいセラピストとは、つらい症状の原因を正確に把握して、その人その人にあった適切な処置ができる人である、そう私は思います。そして、そう思っていただくために、セラピストの道を前へ前へと進んでまいります。

体操・ストレッチ・温熱療法など血行改善により肩こり・首こりが解消されない理由 (医学的根拠に基づき神経生理学の観点から解説)

以下の記事では医学的根拠に基づき肩こり・首こりについて解説しています。

鍼灸・マッサージの裏事情(1) 硬ければ重症か?コリのメカニズムを神経生理学の観点より解説

鍼灸・マッサージの裏事情(2) 首ポキ解消法の真相 脳血管障害・死亡率との関連性

鍼灸・マッサージの裏事情(3) 血行改善により肩こり・首こりが解消されない理由 (医学的根拠に基づき神経生理学の観点から解説)

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


競技者のパフォーマンスコントロールに有効なバイオフィードバックとは

アスリートが最高のパフォーマンスを発揮していただくために

アスリートにとって「調子が良い」状態を維持することは非常に大切です。しかしながら様々な要因が絡み合い「調子の波」があることは避けられません。

そこで重要となるのが「調子が良い時をいかに長くして、悪い時をいかに減らすか」ということです。調子が落ち込むことを避けられないならば、その状態を極力短期間にすれば良いのです。

 

その手助けとなるのがバイオフィードバックです。

 

それは、様々な刺激や環境条件の元で自らの体がどのような反応を示すのかということを客観的に認識することです。

主には生体の反応を数値化して自分の現状を視覚的に認識できるようにします。

このようにして、ある一定の刺激に対して自分の体がどのように反応するか、それがプラスなのかマイナスなのか客観的なデータを元に知ることをバイオフィードバックといいます。

調子が悪い時にそれをいち早く回復させるために、調子が良くなる条件を客観的なデータを元に知ることです。

 

例えば、ある音楽や匂いを嗅ぐと血圧や心拍数が優位に減少したとします。この事実をデータとして自身が認識することで、試合直前で緊張してあがってしまいそうな時にそのような刺激を与えることで心身ともにコントロールすることができます。

また、スランプに陥ってしまい体の機能がうまく噛み合わなくなってしまった時にも、調子の良い時にのフォームや関節の動きをデータとして残しておくことで、いち早く軌道修正が可能となります。

国立科学スポーツセンターではトッププロのサポートとして、このように様々なデータ収集が常日頃から行われています。

 

 

バイオフィードバックと単なるジンクスとの違いは、客観性があるかないかです。とはいえ、正確なデータ収集はアマチュアアスリートにとって困難です。

しかし、自分が調子の良い時はどのような心拍数や血圧なのか、はたまたどのような音や匂いを嗅ぐと心身共に安定するのかを知っておくことは重要だと思います。調子の良い時の動きを動画で残し、それを視覚的に確認するだけでも十分効果的です。

人間の脳は視覚からの情報がかなり重要視されるので視覚として認識できる形として記録を残すことが大切です。これらによりパフォーマンスのムラを軽減することや、スランプの早期脱出ができるのではないでしょうか。

 

アスリートにとってのパフォーマンスのコントロール、しいては心身のコントロールは永遠の課題です。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございます。

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか?パフォーマンスアップについてお悩みの方、なんとかしたいとお思いの方、是非、一度ご相談ください。

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

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肩こりラボの鳴海由紀です。

通い続けてもらうことが評価される業界の体質に疑問

今までリラクセーションサロンや治療院で多くの患者さんと関わらせていただいてまいりました。そこでは多くのことを学ばせていただいた反面、「患者さんは治してもらいたくていらっしゃってくださっているけれども、施術者は治したくても治療ができない」「治すよりも通ってもらうことを優先しそれが評価される」という現実を目の当たりにしました。

必要以上に通うことを促したり、治した数よりも施術をした数を評価されるのは何かが違うのではないかと悩み、何のために私はこの仕事をしているのだろう・・・、と自問自答の日々が続きました。

このような修行時代を経たからこそ、最も基本的なことですが、セラピストとして最も肝心であり大切なことに気が付くことができました。

私は、患者さんを治すためにセラピストを志しました。

お悩みの症状が治った時の笑顔を見るのが一番の幸せです。

一つでも多くの笑顔を生めるよう、心を込めて施術いたします。

 

 

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執筆者:鳴海 由紀
Yuki Narumi

東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師


一流アスリートと二流アスリートを隔てる壁〜トレーニング計画の重要性

常に進化し、記録更新やパフォーマンスアップをし続けることができる一流アスリート。

対して、練習をやってもやっても一向に先に進まない、いつまでたっても現状打破できない二流アスリート。

この二者間には、前者からは見えるが後者からは見えない大きな壁が存在します。

 

一流選手と二流選手の決定的な差は何でしょうか?

 

今一度じっくり考えてみましょう。

今、あなたの肉体とパフォーマンスが明らかに右肩上がりに伸びて精神的にも充実していたとします。アスリートとして大成するために今一番大切なのは、この右肩上がりの状態を維持することです。

そこであなたがとるべき行動は何でしょうか?

おそらく大多数の方は心身共に充実している「今」が心地良くてそのままトレーニングを継続するか負荷を増加させていくでしょう。

その先に待っているもの。

はい。そうです。

故障です。

多くの二流アスリートは調子が良いとそのままそれが続くと思い、強弱とケアをおろそかにしてトレーニングをし続けます。そうすると知らぬ間に疲労が蓄積し徐々にパフォーマンスが低下していきます。

ここが分岐点となります。

この分岐点を把握し、コントロールできるか否か、これが一流と二流を分けることになります。

一流アスリートが行っていること

 

一流アスリートは先に述べた「分岐点」を認識しているため、事前に対策を行います。しかし二流アスリートは、スポーツ障害となりトレーニングを中断せざるをえなくなります。するとパフォーマンス低下は加速し、トレーニング前と同レベルかそれ以下に落ち込みます。しばらく療養しケガが治ったらトレーニングを再開しますが、本質がわかっていないためこれをひたすら繰り返してしまいます。

結局、年間単位でみてみると、一年経って全く立ち位置がかわっていないという状況となります。これは大成しない二流アスリートが陥っている典型的パターンなのです。

一流アスリートは、トレーニングよりもケア・治療に時間・お金をかける人が多いのは、ご存じの方も多いはずです。時間やお金をたくさん費やすことが大切なのではなく、かけるべきポイント、先に申し上げた「分岐点」の認識が大切なのです。

 

一流選手になるために必要なこと

 

一流選手になるために具体的に何をすればよいのでしょう?

一流選手のように事前に対処すること、これは今からでも遅くはありません。アスリートは競技力・パフォーマンスを向上させたいからこそ、つらいトレーニングを行っているはずです。誰も故障したくて故障しているわけではありません。誰もが進化を望んでいます。

目の前に落とし穴があり、それをあらかじめわかっていたとしても、避けられるものだとしても突っ込んでいく必要はありません。ですが、そうせざるを得ないことも多々あります。オリンピックやサッカーW杯が4年に1度しかないように、競技・大会・選考のタイミングは時として残酷です。本当に残念な涙をたくさんみてきました。だからこそアスリートはこのパターンにはまってしまうことだけは避けていただきたいと切に願います。

自分を追い込むことに逃げず、計画的に休む

多くの方は筋トレした翌日は超回復のために休んだ方が良いということは知っています。しかし数週間、数ヶ月単位といった長期間にわたるトレーニングセッション、トレーニング処方の組み合わせまで考えている人は極僅かです。そしてその計画の本当の意味まで理解していなければなりません。ストレングスなのかファンクショナルなのかフィットネスなのか、はたまたトリートメントなのか各トレーニング処方の本質的意義を認識する必要があるのですが、なされていないもしくは勘違いしている・思い込んでいるケースが多いです。

筋トレひとつにしても、その内容と目的により休息時間や頻度が異なります。

ここに問題がありました。

アスリートにとってピークパフォーマンスを発揮できるのは本当に短い期間です。そして競技レベルが上がれば上がるほど頻度が減り、年に何回もありません。目標となる大会や記録会とそれを合致させ、良い結果を出すことがトレーニングの最大の目的であるはずです。

目標が山の頂上にあり、いかにピークパフォーマンスの頂点とマッチさせることを考える必要があります

調子が良くてどんどん向上している「今」だからこそ、スポーツ障害に陥りパフォーマンス低下してしまうリスクも同時に潜んでいるということを忘れてはいけません。

調子が良い「今」だからこそ積極的休養、そしてケアを。

トレーニングをしないと不安だから、、、

とにかく追い込んで体をつくる、、、

休むのが嫌い、、、、

などといった単に自分の感情に任せてのトレーニングをしていては先へは進むことができません。

感情に流されず客観的視点にたってトレーニング計画をたてましょう

つらく苦しいトレーニングを行う目的とそれを行うモチベーションは、最高の結果を求めるからです。トレーニングをして前に進んでいなければ、あなたの今行っていることのどこかに、そもそも計画自体にエラーが生じている何よりもの証拠です。

アスリートに限らず人は、答えや結果ばかり安易に求めてしまいます。トレーニングに対してもより効率的に、効率的なトレーニングだから人の倍行えばさらに・・・と欲に流されがちです。それを自分を追い込むという精神論で美化しようとしてしまいます。ポジティブな思考はとても大切ですが、それ以上にどのような状況でも冷静に考えることができる精神的な強さが必要です。

伸び悩んでいるアスリートは、トレーニングの方法論うんぬんの前に、トレーニング計画の重要性を今一度お考えください。

計画を組み立てるには冷静な思考・判断が大切ですが、きちんとしたトレーニング計画とその意味・意義を理解していれば無理や無茶をせず冷静さを保てるはずです。

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

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マラソン(長距離走)を走ってどこが痛くなりますか?

先日は大賑わいの東京マラソンでした。

中継を観ながらふと思いました。

「もったいない走りをしている方が多いなぁ・・・。ちょっと手を加えればみんなあと10分は速くゴールできるのに・・・。」と。

運動後の筋肉痛の場所によって分かること

さて、運動後あなたは筋肉痛をどこに感じていますか?

もし、太ももの前(大腿四頭筋)が痛いようであればあなたはとってももったいない走りをしてしまっている一人です。クロカンコースでない限り、正しくは太ももの裏(ハムストリングス)と臀部(お尻)が一番に使われなければなりません。 太ももの前を酷使した走りをしているため、長距離走で腰や首が痛くなってしまうのです。

おそらく今朝目覚めて「何でこんな所が筋肉痛なんだ!!?」と思われた方が多いと思います。それは単に運動不足なだけではなく、あなたの身体活動全体が不合理な動きとなってしまっている証拠です。

プロアスリートのトレーナーとして、効果的なストレッチ方法をお教えしましょう。

今日から写真の股関節前を伸ばすストレッチ(良い例)を今日から始めてください。悪い例のように、前のめりや猫背にならないようにすることがポイントです。

2012-02-22 21.49.30

1回15秒×2セットを左右、1日3回2週間まず継続してみてください。

つまり、朝昼晩に各1分ずつ、一日あたりトータル3分間だけ確保してもらえれば、意外な効果を実感していただけると思います。

このストレッチの意味についても説明いたします。

肩こり、腰痛、各種スポーツ障害はその部分だけに問題があるわけではなく、体全体のバランスの乱れが原因となります。現代人の多くは股関節周囲に原因が潜んでいる場合が多いので、その大元を改善することが大切なのです。

つまり、今回ご紹介したストレッチは、何に効くという限定的なものではなく、体のバランスを整えて各種トラブルの原因へ対処するためのストレッチです。

まずは上記の処方をやってみてくださいね。

要点をおさえて行えば、ほんのささいなことをやっただけでも体は変わるものなのです!!

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございます。

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
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肩こりラボが首肩だけでなく足・腰も対象にしている理由

肩こり専門院なのに、腰痛や足も?・・・疑問に思われて当然かもしれません。

幅広く患者さんを集めるため?

追加のオプションサービス?

専門外だけど一応できるという片手間の施術?

いいえ、違います!!

実は、首も肩も腰も足も全て専門分野であり得意分野なのです。

なぜ足腰が得意分野なのか?その理由を説明します。

肩や首のコリの原因を見極めるには体全体を診る必要がある

肩こり・首こりの原因は多岐にわたります。多岐にわたるのですが、以下の3つに大きく分けることができます。

  1. 解剖学的な問題

    筋肉バランス、筋力バランス、姿勢など

  2. 神経学的な問題

    自律神経(交感神経と副交感神経のバランス)、ホルモンバランスなど

  3. 心理学的な問題

    精神的な負荷、ストレスなど

この3つの原因が、肩こり・首こりを引き起こします。

ただし、この3つの原因のどれか1つが原因ではないのです。

程度の差はありますが、3つの原因すべてが複雑に絡み合っています。

現代社会はストレス社会です。どうしても逃れることはできないでしょう。そんなストレスが原因で、しかも複雑に絡み合っていたらどうしようもない、そう思ってしまうはずです。

安心してください。万人に共通している大きな要因があります。

解剖学的な問題」です。

どんな複雑な問題でも、何か一つのことがきっかけで大きく前進することがあります。

確実に解くことのできる問題、少なくとも正解がある問題、それが解剖学的な問題です。

解剖学的な問題の答えを予想するのがカウンセリング・検査です。

その答え合わせが施術・処置です。

採点するのは「あなた」です。

肩こりの根本的解消とは、良い姿勢を保って生活できる身体ができた時

どんな施術にも必ず意味と目的がございます。

施術の目的は、本来は一つです。

施術する側の目的と、受ける側の目的が異なっていることが多いのです。

需要と供給と同じで、施術する側と受ける側の意思が合致していなければなりません。合致してはじめて本来のひとつの目的となります。

肩こり・首こりの根本的な解消を検討される方は、とにかくもうこれ以上首・肩の不調で悩まされたくないからなんとかしたい人もいれば、とにかく今現在のツライ症状だけでもなんとかしてほしい、という人もいます。

治療にはゴールがあるが、ゴールは1つではない。

治療にはゴールがあります。

もちろん根治がひとつのゴールではありますが、今つらい症状がおさまった、これもゴールです。

今現在の症状を抑える、発症しても症状の度合いを抑える・発症の頻度を減らしていく、いつのまにか気にならなくなる・・・ここまでいけば根治です。

つまり、根治という最終目標のまえに、目標を定めてクリアしていく必要があります。

根本的に改善するために必要となるのは、良い姿勢を保持できる体を造ることです。

良い姿勢というと立ち姿をイメージされるでしょう。静止している不動の姿勢にかぎりません。姿勢は、頭部,体幹、四肢の相対的位置関係を意味します。カラダは動くものであり、動かすものです。静止しているよりも動いている時間のが多いわけです。つまり静的姿勢だけでなくスポーツなどによる動的姿勢も含めなければいけません。つまり良い姿勢を体得できれば、良い動きにつながります。

肩こり・首こりを根本的に改善する唯一の方法=合理的に動く体造りなのです。

良い姿勢ってそもそもどんな姿勢?

姿勢に着目する場合、全身を考えなければなりません。

不適切な足の使い方をしているがために不合理な姿勢となっていることもあります。ほんのちょっと足の使い方を変えるだけで、ほんの数ミリ重心を動かすだけで、上部に存在する首肩にかかる負担が大幅に減ることがしばしばあります。

腰・骨盤の筋肉バランスが乱れているがために良い姿勢がとれないこともあります。(単に“ゆがみ“が原因ではありません。ゆがみを原因とするのは安直すぎます。)

写真を撮ると傾いていたり、気がつくと捻れていたり、猫背となってしまうということは筋力バランスの乱れが原因かもしれません。これは一概に筋力低下とは言えず、あくまで前後・左右・対称的なバランスの乱れです。

これらは人体という不安定な構造物を支えるため必要な筋力不足と筋の過緊張、合理的な使い方が原因です。

背筋を伸ばした姿勢は美しい姿勢だが、良い姿勢ではない

良い姿勢というのは、決して背筋をピンと伸ばして力んだ姿勢ではありません。バレエダンサーの姿勢でもありません。良い姿勢とは、最小筋力で体重を能動的に支えることができる姿勢です。つまり、最も疲れない姿勢です。

ここで勘違いされる方が多いのですが、だら〜っと力みのない脱力姿勢ではありません。そのような姿勢は確かに楽です。ただし楽なのは、ごくごく短い間だけです。楽な姿勢を維持しようとすると骨に負荷がかかります。骨への負荷が長期にわたると、変形が生じます。これが加齢によって骨が変形する理由です。

骨が変形してしまうと、もはや能動的な姿勢がとれなくなります。そのため首・肩・腰に慢性的に負荷がかかり続けます。

加齢による骨の変形と申し上げましたが、生活環境の変化により、年配の方だけの問題ではないのです。

スマホの使いすぎによるストレートネック(スマホ首)も、骨の変形です。

骨の変形は大げさなことではなく、実はとても身近な問題になってしまっています。

良い姿勢のポイントは腰と足

肩こり治療の目的が良い姿勢を保つための体づくりであるわけですから、肩こり・首こりに関係がないように思える腰や足は、実は非常に重要な意味があるのです。

脳科学上、人間はつらいと感じる部分は基本一か所なので、本当は腰が悪くても自覚がなくて肩こり・首こりの症状が治ることで、腰に症状を感じるようになってしまうこともめずらしいことではありません。足の痛みをかばうことで姿勢が乱れて、結果的に首・肩・腰に負担が蓄積してしまうこともあります。

肩こり・首こりを根本的に改善するためには、体全体、つまり腰や足の十分な知識と技術が必要不可欠です。

肩こり・首こり専門の治療院が腰痛や足の治療を行うのは必要だからではなく必然なのです。

katakori LABSが腰や足の治療を行う理由

最後に蛇を例にお話しします。

蛇は頭から尻尾の先まで骨があります。

シンプルに全部繋がっていますので、尻尾に問題があれば、頭の方にも影響が出ることは容易に想像できるでしょう。

人間の体も同じです。少なくとも人間の背骨は頭蓋骨から骨盤まで繋がっています。首や肩の辛い症状の原因が実は腰だった!!なんてことは、珍しいことでもなんでもありません。

人間は2足歩行しますから、蛇と違って、足は足で独立しているとはいえ、骨格としては繋がっています。形状は違いますが、蛇の頭と尻尾と同じように、人間の足と腰は密接な関係にあるのです。

足や腰に問題が生じますと、日常生活に大きな影響がでます。なんとかしないと困るのでほとんどの人は病院にいくと思います。しかし首や肩の場合は、コリを感じるくらいでしたら、日常生活に支障がでることは少ないでしょう。ですから、そのまま放置し続けることで治療が必要なくらい悪化してしまう人が多いのです。

最終的かつもっとも代表的な症状、そしてわかりやすい言葉が「肩こり」なので、当院は「肩こりラボ」という名前になりました。

肩こりラボ(katakori LABS)は、全身の筋肉の問題に由来するあらゆる症状に対して物理療法を行う鍼灸・マッサージ院なのです。本当は、筋肉ラボが正しいのかもしれませんが、筋肉ラボでしたら確実にスポーツジムと勘違いされますよね。

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


アスリートが競技力・スポーツパフォーマンス向上のために必要なこと

当院では、ランナーの方々の治療を頻繁にやらせていただいております。その中で少し気になったことがあったのでブログ記事としてアップさせていただきます。(ランナーを例にあげさせていただいていますが、どの競技においても共通していえることです)

 

ランナーは疲労や痛みがあっても休まずにジョグでつなごうとしますが、理由を説明できますか?

ランナーの方々は痛みや疲労があるとジョグでつなごうとします。(ジョギングはウォーキングとランニングの中間を意味します。)

問題が生じているならば、普通に考えれば完全オフにするべきではないでしょうか?

どんな競技でも、競技に限らず楽器演奏でも、一日でも休むと鈍ると妄信的に信じられています。

そこで、調べてみた所、2~3日の完全休息で有酸素性代謝能力や持久性筋力が低下する、つまりパフォーマンスが低下するという文献はどこにも見当たりません。

例えば、よくあるシンスプリントやアキレス腱周囲炎、膝蓋靭帯炎、腸脛靭帯炎などといったオーバーユースによるスポーツ障害になってウォークやジョグでつなぐということを聞きますが、これも疑問が残ります。オーバーユース(使いすぎ)ならば完全に休ませなければいつまでたっても治らないし、中途半端に行うのが一番マイナスになると思います。

ウォークやジョグはランよりは低負荷ですが、結局は傷んでいる部分に負荷がかかるため治りは悪くなります。そればかりか、かえって慢性炎症と化し難治性のものへと変化していく可能性も高いです。

体を動かさないことによる不安と、なるべく身体能力を落としたくないがためにそのように「つなぐ」ということを行うのだと思いますが、結局痛みが長引きそれに伴いパフォーマンスは低下してしまいます。良かれと思ってやっていても却ってマイナスとなってしまうのです。

疲労と痛みはイコールではないということ

痛みがなくても疲労は科学的な面からみて、間違いなく蓄積します。そして筋の収縮能力や代謝の低下を招きます。(疲労を感じさせ身体機能を低下させるセロトニン・ブラジギニン・水素イオン・カリウムイオンなどといった化学物質が蓄積していきます)

練習した分だけ競技力が上がるというのは残念ながら正の相関関係にはないのです(スキルやエクスペリエンスは別です)。

各競技によって根拠の無い慣習はつきものですが、「陸上長距離」「武道」「バレエ」においては特に多い印象があります。

筋肉だけがすべてではありません。

勘違いがないようにしていただきたいのが、筋肉だけが重要ではないということです。

靭帯・腱・関節包・滑膜などには身体活動を調整するセンサーがつまっており、これらは一定の物理的刺激に非常にもろいのです。そして損傷した場合、基本的に元通りには戻りません。意識の無い部分が合理的に働いてくれることによって、初めて機能的な身体活動が生まれます。機能的な身体活動があるからこそ、ケガが減り、競技力が向上し、良い結果が生まれます。これは非常に重要なことです。

完全な休息をとることは、トレーニングにおいてとても大切です。

以上により、高強度のトレーニング後や、痛みの初期のうちに短期に完全休息を行うことが何にも増してメリットが高いのでは無いでしょうか。ちなみに、急性炎症というのは生理学上48~72時間、つまり約3日間で落ち着きます。言い換えると早い段階で3日間オフをとれば長引くケガとならずに済んでしまうのです。早い段階で3日間のオフをとる勇気が、一年後のあなたのパフォーマンスを大きく左右するでしょう。ケガを繰り返したり、長引いてしまっている場合は、治療の内容うんぬんの前にまずは練習計画を今一度見直す必要があります。

結論

「心・技・体」をまとめて考えると同時に、別々にも考えなければなりません。特にアスリートならば『慣習=良い』 と安直に考えずに、しっかりと自身が噛み砕いて本質を理解した上で行動しなければならないと思います。痛みの感覚が個人個人によって違うように、刺激に対する感受性も千差万別です。仲間が大丈夫だから・・・、有名選手がやっているから・・・ではなく、あくまでもあなたに適しているかどうかが一番のポイントです。

恐らく現状で「損」をしているアスリートは相当数におよぶでしょう。治療の本質は、単に痛みを取ることではなく、その軌道修正を行い善の循環に乗せることだと考えています。

競技パフォーマンス向上に必要なのはメリハリです。

アスリートが、心身共に充実した調子の良い期間が短いのは、個々のオリジナルのリズムを把握できていないケースが多いと思います。

調子が良いとついつい頑張りすぎてしまう。結果的にオーバーワークになり疲労やケガとなり、逆にパフォーマンスが後退してしまうということを繰り返しは本当に多いです。

短期的ではなく常に長い目でみたビジョンをもつこと

短期的ではなく、長期のビジョンをもって、「目的は何なのか?」「どこに照準をあわせるのか?」を常に問いながら体造りと競技力向上が図ることが大切です。

一度決めたら、かたくなにそれに従うのではなく、柔軟な計画性が肝心です。常に目標・ビジョンは変えていく・アップデートする必要があるのです。

目標や計画を柔軟に変更すること、これは強くするべきところは強くし、弱くするべきところは弱くするというメリハリをつける、に通ずると思います。

競技力向上のキーワードは『メリハリ』です。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございます。

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか?パフォーマンスアップについてお悩みの方、なんとかしたいとお思いの方、是非、一度ご相談ください。

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。