慢性的な肩こりが下半身強化によって解消したケース|ケースレポート

概要

F様/神奈川県在住/60歳/男性/会社員

症状

首肩こり

背中のこり

状態

慢性的な肩こりで辛さが限界になったら整骨院に行き、ほぐしてもらう。

数日効くが、その後元に戻ってしまう。

仕事中に姿勢が悪い自覚あり。

鍼は受けたことがない。

スポーツジムに通っており、定期的な運動習慣あり。(10年くらい)

見立て

長時間デスクワークで座り続けていることから、もも裏の緊張が強い。

上半身の筋肉に比べて、下半身(お尻やもも裏)の筋力が弱く、上半身(主に肩)で体を支えている。

また股関節の屈曲可動域が低く、ヒップヒンジ(股関節を折りたたむ)機能がなかった。

そのため、座位時に骨盤が後傾してしまっていた。

後傾していることで胸椎も伸展させられず、円背になり、頭部が前方に出て、首肩の後面の筋肉に過負荷が生じていた。

まずはマッサージで緊張している筋肉(僧帽筋、頭半棘筋、頭板状筋) をほぐし、ヒップヒンジ機能を高め、下半身(お尻、もも裏)の筋力強化していくことで、根本的なこりの原因を改善できると考えた。

治療

マッサージにて自覚的に辛い部分(僧帽筋、頭半棘筋、頭板状筋、肩甲挙筋)や長時間同じ姿勢でいることで固まっている部分(大臀筋、中臀筋、ハムストリングス)を入念にほぐした。

下半身から体を安定させるための大臀筋やハムストリングスのトレーニングおよび股関節の可動域改善を行った。

またそれに加えて胸椎の可動期改善も行い、正しい姿勢での座り方、正しい体の使い方を出来るようにしていった。

行ったメニューは週2、3回通われているジムでも継続的に意識して行っていただいた。

正しい体の使い方が体に染み付き、こりの自覚も1ヶ月以上ないためゴールとなった。

コメント

運動習慣があっても日常の動作に結びついていないと、正しい体の使い方が出来ずこりにもつながります。

また、トレーニングをより効果的に行う上でも体を正しく使うことが重要です。

F様の場合ですと、下半身と上半身が連動しておらず上半身(特に肩)に力が入りやすい状態でした。

人間の関節は「モビリティ関節(動く)」と 「スタビリティ関節(固定する) 」が交互に積み重なっているという概念(Joint by Joint)があります。

股関節はモビリティ関節で可動性が必要で、特に「ヒップヒンジ」、股関節を折りたたむ動作(ヒンジは蝶番を意味します)が重要になります。

土台が安定していないとどんなに体を安定させようとしても姿勢は崩れてしまいます。

股関節が正しく動くことで上半身も無理なく(肩や腰を過剰に使わず)動き、安定させることができるのです。

今後もトレーニングを続けながら、今までで1番良い状態のお体を作れるよう努めてまいります。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。