デスクワーク姿勢が原因の肩こりが解消されたケース|ケースレポート

概要

K様/東京都在住/30歳/女性/会社員(プログラマー)

症状

肩こり

状態

以前(学生時代)から肩こりはあったが、任される仕事量の増加によって悪化。

PCに向かっている時間は1日8時間程度。

辛い箇所は僧帽筋上部で、重だるい感じがする。

治療院に行くこと、鍼マッサージを受けるのも初めて。

運動は得意ではない。

見立て

長期休暇で仕事がお休みの時は症状が落ち着いており、忙しさとともに自覚症状も強くなっていることから長時間のデスクワークでの不良姿勢が肩こりの主な原因と考えた。

お体を見ても、

・骨盤が後傾し、上体が前に崩れやすい

・胸椎の硬さが強く、胸が開きにくい

・首の前弯がやや強く、反らすと背中が丸まってしまう

・骨盤を前傾させる動きができず、体幹の安定性も弱い

・頭が垂れてしまい正しい姿勢がとれない

といった状態だった。

これらの要素により、首や肩周囲の筋緊張が強まり、特に僧帽筋上部のこりを引き起こしているものと考えた。

まずはマッサージと鍼で筋緊張を緩めることからスタート。

そのうえで、骨盤前傾や胸椎伸展、体幹・肩甲骨周囲筋の姿勢保持機能を高める運動を導入していく。

運動があまり得意ではないという点を考慮し、日常生活の中で無理なく取り入れられる動きからアプローチを進め、根本的な改善を目指す。

治療

初期治療(1〜5回)

週に1回のペースで治療。

マッサージとこりの強い僧帽筋には鍼を併用し、筋緊張を緩和。

運動は負担の少ないストレッチからスタート。(タオルストレッチ・ブックオープニング)

5回目の治療で1週間間隔が空いてもこりを感じない状態になった。

中期治療(6~15回)

2週に1回のペースで治療。

仕事中の姿勢を確認し、正しい座り姿勢と腹横筋の意識づけを行う。

徐々に姿勢が安定し、「良い姿勢をつくる」感覚が定着。

「体が楽になった」と実感が出てきたことで、運動へのモチベーションも前向きに。

後期治療(21~27回)

背筋を使う「グッドモーニング」や骨盤・下肢の安定性を高める「ヒップリフト」といった姿勢保持のためのトレーニングを導入。

骨盤の後傾姿勢が改善し、正しい姿勢を長時間保つことが可能に。

最後は1ヶ月間隔でも症状の再発なし。

安定維持できているため、治療はゴール。

コメント

こりを根本から改善するには、運動は欠かせない要素の一つです。

でも「運動が苦手」、「やりたくない」と感じる方も多くいらっしゃいます。

辛さがある中で、苦手なことに取り組むのは大きなストレスです。

だからこそ重要なのは、“その人にとって無理のない運動”から始めることだと考えています。

どの動きなら取り組めそうか?

どうすれば日常生活に自然と取り入れられるか?

このような視点を大切にしながらご提案をしていくことが、継続と改善の鍵になるのだと改めて実感したケースでした。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。