慢性的な腰痛にお悩みのケース|ケースレポート

概要

S様/東京都在住/45歳/男性/会社員(エンジニア)

症状

・腰痛

状態

もともと慢性的に腰の張り感はあったが、直近3日で急激に悪化。

特にベッドから起き上がる動作が辛い状況。

ただし、しびれや放散痛はなく、歩行も可能。

仕事ではパソコンを使うデスクワークが中心で、長時間座っていることが多く、深夜まで作業が及ぶ日もある。

また、身長が高く体格も大きいため、職場の低いデスクが身体に合っておらず環境的なストレスとなっている。

見立て

腰の張りを訴える部分と一致して、最長筋・腸肋筋に顕著な緊張が確認された。

放散痛やしびれ、感覚異常はみられず、器質的な異常の可能性は低く、筋スパズムによる痛みと考えられる。

姿勢が崩れている要因として、以下の点が挙げられる。

•胸椎と股関節の柔軟性不足

•ハムストリングスの過緊張による骨盤の後傾


これらが相まって、腰部に慢性的なストレスがかかる姿勢が定着したと考えられる。

今後は、

•鍼やマッサージによる筋緊張の緩和

•胸椎・股関節の柔軟性改善

•環境に適した座り姿勢の体得


といったアプローチによって改善を図る。

治療

初回は、過緊張した筋肉を緩めることを最優先し、鍼とマッサージにて治療。

低いデスク環境により骨盤が後傾しやすくなり、その影響でハムストリングスが緊張し、姿勢不良を助長している状態だったため、

•胸椎と股関節の柔軟性を高めるエクササイズ

•骨盤を立てた正しい座位姿勢の感覚づくり


も同時進行で行い、体の使い方を再学習していった。

治療は1週間〜10日に1回のペースで継続。

5回目には腰痛の自覚症状はゼロに。

その後は、元々気になっていた首・肩の不調へのアプローチに治療の主軸を移行。

以降も腰痛が再発することはなく、良い状態を維持できているため、腰に対する治療はゴールとなった。

コメント

「骨盤を立てて、良い姿勢を保ちましょう」

簡単に聞こえるかもしれませんが、いざやってみると

「取りたくても取れない」「どうすればいいかわからない」「何が正解?」と、

頭に?マークが浮かぶ方も多いのではないしょうか。

長年染みついた体の使い方や癖は、頭で分かっていても身体がついてこないことも少なくありません。

姿勢改善に必要なのは、自分の体がどう動いているかを知り、正しい動かし方と、それを感じられる感覚を身につけることだと考えています。

それがわかれば、力で無理やりキープするのではなく、力みなく心地よく保てる姿勢へと変わっていきます。

体の使い方を一緒にひも解き、日常の動きの中で自然に実践できるよう、自分の体と会話するように整えていくお手伝いができればと思います。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。