呼吸のしづらさや首肩こりが4回の治療で改善したケース|ケースレポート

概要

呼吸のしづらさや首肩こりが4回の治療で改善したケース

Y様 / 東京都在住 / 43歳 / 女性 / 会社員

症状

• 半年前から就寝時の食いしばりと呼吸の浅さ

• 深呼吸しづらく、特に吸うことが難しい

・起床時に強い疲労感あり

• 首肩こり、頭を回すと首に痛みあり

• 頭痛

• 日常生活に支障を感じる状態

NRS:初診時 7

状態

• 咬筋・側頭筋・胸部(大胸筋)・頸部(胸鎖乳突筋、僧帽筋、頭半棘筋) の過緊張

• 胸椎柔軟性不足

• 骨盤後傾・太もも裏の支持不足

・もも裏の柔軟性不足

見立て

就寝時の食いしばりによって首や肩の筋肉(咬筋・側頭筋・胸鎖乳突筋・僧帽筋)に過緊張が生じ、頭痛を助長していると考えられる。

さらに胸椎の柔軟性が不足していることで胸郭の動きが制限され、浅い呼吸や疲労感を強めている。

また、日常生活で骨盤が後傾し、太もも裏の筋肉を十分に使えていないため、座位姿勢では頭部が前方に突き出やすく、首や肩への負担を慢性的に増加させている。

さらに、精神的なストレスと身体的な緊張が互いに影響し合い、頭痛や疲労感、不眠といった症状を助長していると考えた。

まずは呼吸の改善と首肩のこりの緩和を優先し、胸椎の柔軟性を高めるとともに、骨盤と太ももの支持性を取り戻すことで安定した座位姿勢を獲得し、根本的な改善を目指していく。

治療

1回目

もみ返しが出やすいことを考慮し、刺激量を抑えて行いました。

特に咬筋・側頭筋・胸鎖乳突筋・僧帽筋を中心に丁寧にマッサージを行い、さらに背部や下肢も含めて全身を緩めることでリラックスを促しました。

あわせて胸椎と胸部の可動性を高めるストレッチを実施し、セルフケアとしてタオルストレッチやチェストオープナーをお伝えしました。

治療後には「吸いやすくなった」と呼吸の改善を実感されていました。

2回目 

初回から1週間後のご来院。

ご自宅でストレッチを継続されていたこともあり、胸椎の柔軟性は初回よりも高まっていました。

その結果、呼吸のしやすさや首肩の辛さの軽減が見られ、NRSは7から5へと改善。

治療ではもも裏(ハムストリングス)や股関節周り(腸腰筋)を入念にほぐしました。

今回は座位での姿勢確認を行い、もも裏のストレッチを追加で指導しました。

3回目

さらに1週間後のご来院。

治療を重ねることで呼吸が背中に届く感覚を獲得され、頭痛の頻度や全身の疲労感も軽減。

NRSは4まで改善。

座位姿勢も日常から意識できており、安定性も向上。

日常生活における辛さが和らいできていることをご本人も実感されていました。

4回目

約3週間後のご来院。

頭痛はほとんど消失し、就寝時の食いしばりもなくなっていました。

起床時の疲労感もなく、呼吸も楽に行える状態に。

水分不足によって一時的にめまいが生じることはあったものの、日常生活にはほとんど支障をきたさなくなっていました。

総治療回数は4回、治療期間はおよそ1ヶ月で症状の大部分が解消され、治療のゴールに到達しました。

コメント

今回の改善につながった大きな要因は、セルフケアを早い段階から習慣にできたことです。

タオルストレッチやチェストオープナーを就寝前に取り入れたことで呼吸が深まり、首や肩の緊張が自然と和らいでいきました。

継続するうちに姿勢の意識も高まり、椅子に座るときに太もも裏で体重を支える習慣が身につきました。

その結果、首や肩への余計な負担が減り、頭痛や疲労感も和らいでいきました。

症状を改善していく上で大切なのは、特別なことではなく小さな工夫を毎日少しずつ続けることだと考えています。

こうした積み重ねが確実に体を変えていきます。


執筆者:中込 優平
Yuhei Nakagome

帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科 健康スポーツコース卒業
神奈川衛生学園専門学校 東洋医療総合学科卒業

鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師
健康運動実践指導者

私は大学時代、 市営の体育館のトレーニングルームで運動指導をしていましたが、当時の自分にはお客様が肩や腰が痛いと仰っても解決する手立てがありませんでした。
そこから鍼灸あん摩マッサージ指圧師に興味を持ち始め、資格を取得しました。
日常生活の中で肩こりや腰痛などで悩み、 やりたいことができない方やもっと健康で良い生活をしていきたい方、 そんな方々のお力になりたいと考えています。