肩こりを解消したいなら、まずは毎日の暮らしを見直そう

「こり」というのは筋肉の緊張や血行不良、末梢神経が受けたダメージによるものであることが多いです。そして人間の体の構造上、首や肩周辺は「こり」の症状が出やすくなっています。

一般的には肩周辺の筋肉の腫れが関係していることも多いです。筋肉は高い密度で集まっている組織ですが、それらが入っている膜の内側で腫れてしまうことは珍しくありません。その状態になると「こっている」と感じやすくなります。症状が悪化していくと肩だけでなく背中や腰など広範囲に影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

 

 

肩こりが発生する理由としては肩周辺を動かさずに同じ姿勢を取り続けることや、現代人ならではの慢性的な運動不足などが考えられるでしょう。

特にデスクワークや長時間のスマートフォンを操作するといった場合は、長時間姿勢が変わらないことが多く、肩への負担も大きくなるものです。運動不足が肩こりの悪化に拍車を掛けることもあります。十分に肩を動かさない状況で冷やすことになれば、血行不良がひどくなることも。ストレスによる緊張も症状を悪化させる原因となることがあります。

一般的に肩こりを解消するには、ストレッチや運動によって改善を図る方法、市販薬やビタミン剤の服用によって改善を図る方法、温めて血行を促進することにより改善を図る方法などが挙げられます。ここではいくつかピックアップしてご紹介しましょう。

 

 

日常の姿勢の見直し・ストレッチ

デスクワーク中心の生活を送っている方の中には肩こりで悩む方も多いはずです。長時間同じ姿勢をとることで筋肉へ疲労が蓄積したり血行が悪くなったりするだけでなく、パソコンやスマホを見続けて目を酷使することが「こり」に繋がる可能性もあります。

 

とはいえデスクに向かう時間を短くするのはなかなかに難しいもの。そこで重要になるのは、肩の筋肉をできる限りリラックスした状態に保つことです。これにより血行不良や腫れが発生しにくくなります。

 

まずは日常の姿勢を見直してみましょう。いくら楽だからと言って、足を組んだり、肘をついたりしていませんか?

姿勢によっては肩こりだけでなく、骨盤の歪みや腰痛に繋がる可能性もあります。視力が悪いと無意識に顔を画面に近づけやすくなりますが、その姿勢も首と肩のバランスが崩れた状態になりがちのため、注意が必要かもしれません。

 

また同じ姿勢でいると、首から肩にかけて筋肉に大きな負荷がかかり続けてしまいます。そうなると腫れるリスクが高まってしまうため、デスクワークをするときは定期的に肩や首を動かすのが望ましいです。人にもよりますが30分か1時間に1度体を動かすようにするのが理想でしょう。

 

運動

パソコンやスマホが普及した現代では、1日の何割かは、座りっぱなしだという人は多いのではないでしょうか。そんな方は意識的に運動を取り入れてみてください。

まずは運動により緊張してしまった筋肉をほぐし、肩の血流を良くすること。長期的には筋肉を鍛え、体の状態を変えていくことで根本からの改善が期待できます。

 

しかし今まで動かさなかった筋肉に急激に刺激を与えると肩こりをさらに悪化させてしまう可能性や、身体に負担もかけてしまう可能性があります。

負担を軽減するには運動前に入念にストレッチを行うことが重要です。ストレッチで体を温めたりほぐしたりすることで、筋肉が柔軟になり怪我の危険が減るでしょう。

 

また自分にあった方法を選ぶことも大切です。体の状態には個人差がありますし、その日の体調によっても変わってきます。激しい運動をしたからといって即座に改善するわけではありませんから、決して無理をしないようにしてください。

室内にいると、ちょっと外に出る、という行為すら億劫になってしまいますよね。まずは「その場で首をゆっくり回す」等の今すぐ簡単にできる運動から始めてもよいかもしれません。次は「ちょっとそこのお店に。その次は……」と、少しずつ慣らしながら長期的にコツコツと継続していくことが望ましいです。

肩こりの改善には有酸素運動も効果的です。ウォーキング、ヨガ、水泳をはじめ様々な種類がありますから、状況に応じて試してみるのもよいでしょう。

 

揉む・マッサージ

肩こりが筋肉の血行障害や疲労から来ている場合、マッサージや肩揉みでその原因を解消できれば症状の緩和や改善に繋がる可能性があります。

ですが肩こりの原因はケースにより様々であり、血行不良だけとは限りませんし、必ずしも温めたからといって確実に改善するとは限りません。場合によっては原因を根本的に解決しない限り症状の改善は見込めないかもしれません。

 

またマッサージで筋肉を叩いたり揉んだりする力が強すぎた場合、末梢神経を傷つけてしまうなどの理由で逆効果になることもあります。やり方を間違えて悪化するのは避けたいところでしょう。

確実に改善したい場合、我慢できない辛さを感じた場合は専門家への相談を検討しましょう。

 

温める

温感療法では、揉む、マッサージと同様に血流改善効果が期待できます。筋肉収縮の緩和によって痛みがやわらぐ可能性もあるでしょう。温めにはリラックス効果も期待できることから、1日の終わりに頑張った自分の体を労わる意味でも有効です。

手軽に体を温められる方法は、入浴です。十分に湯につかると、全身の血流の改善にもつながります。さらに疲れもとることができるので1日の終わりはシャワーだけで済ませず、湯船に入るようにするとよいでしょう。

またカイロを患部に当てるのも有効かもしれません。その場合は低温やけどに注意し肌に直接カイロを当てないようにしましょう。詳しくは各製品によって異なりますので、記載された用法を確認してください。

 

ここで注意したいのは、肩こりは必ずしも温めることだけが改善方法ではないということ。ケースによっては温めが悪化に繋がる可能性があります。

患部の温めが有効なのは、慢性的な肩こりにお悩みの場合が多いです。

そして突発的な肩こりや、こっている肩が赤くなっている場合は、患部が炎症を起こしている可能性があります。その時は患部を冷やしたほうがよいかもしれません。そうすることにより痛みを抑え、突発的な肩こりの解決に繋がる可能性があります。

 

ストレス解消

実は肩こりはストレスも原因になりやすいです。

ストレスというのは、何らかの刺激を受けた際に生じる緊張状態の事をさしています。ストレスを感じると自律神経の中の交感神経が優位になり、体内の血管が収縮しやすい状態となります。これにより血行が悪化した場合、肩こりをはじめ様々な症状が現れることがあります。

上記でご紹介していたストレッチ、マッサージ、軽い運動、入浴等の改善方法は、実践の仕方によっては体を労わることで疲れをとったり、気分転換になったりできるでしょう。これによりリラックス効果が生まれれば、ストレス解消にもつながる可能性があります。

 

他にも疲労回復ができる方法はいくつもあります。まずは睡眠をとること。または、自分の想いを誰かに話す、書き物に綴ることも大切です。単純作業を無心になってやることがストレス解消につながる人もいます。好きな音楽や映画を見るのもよいでしょう。

ただし過度な飲酒や食事等はかえって重いストレスに変わってしまう可能性や健康を害してしまう可能性もあるため、あまりおすすめできません。

ストレス解消の方法はそれぞれです。自分に合った方法を見つけましょう。

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。