2019年国民生活基礎調査でみる「肩こり」

2019年国民生活基礎調査でみる「肩こり」

皆さんの多くは「現代人には肩こりに悩む方が多い」という話を耳にしたことがあるのではないでしょうか。この話を裏付けるデータは、様々な統計で確認することができます。

そのひとつが、国民の健康や生活状況などを把握するために国が実施している国民生活基礎調査です。国民生活基礎調査は国民の健康状態が数値で分かることから、健康に関する仕事をしている職業であれば、データを目にする機会が少なからずある調査ではないでしょうか。

そこで今回は2019年に行われた国民生活基礎調査のデータを、肩こりに注目しながら見ていきましょう。

参考: 2019年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

 

国民生活基礎調査とは

調査のために記入をしたことがあっても、データがどのように使用されているか把握していない方もいるでしょう。まずは、国民生活基礎調査についてご紹介します。

目的

実施する目的は「保健・医療・福祉・年金・所得など国民生活の基礎となる事項を調査し、厚生労働行政の企画および立案に必要な基礎資料を得ること」です。

昭和61年(1986)年から3年ごとに「大規模調査』、中間の年は「簡単な調査」を実施しています。直近では2019年が大規模調査です。国民生活基礎調査は世帯ごとに実施するため、家族の誰かがアンケートに答えていることもあります。

 

調査対象

日本に国籍がある世帯とその世帯員が対象です。さらに、票によって調査対象が決まっています。

■世帯票/健康票
2015年実施の国勢調査区の中で、後置番号「1」と「8」より層化無作為抽出を行った5530地区内すべての世帯と世帯員(約30万世帯と約72万人の世帯員)
※「後置番号」は国勢調査区の種類を表します。一般調査区が「1」、単身者およそ50人以上が居住する寄宿舎・寮などがある区域は「8」です。■介護票
世帯票と健康票と同じく5530地区内から層化無作為抽出をした2500地区内の、介護保険法における要介護者と約7千人の要支援者■所得票/貯蓄票
世帯票と健康票と同じ5530地区に設定した単位区の中で、後置番号の「1」より層化無作為抽出をした2000単位地区内のすべての世帯である約3万世帯と約8万人の世帯員ただし、以下の条件に当てはまる方は対象外です。
1.世帯票/健康票/介護票の対象外
<以下の状況で世帯に不在の方>
単身赴任の方、出稼ぎの方、おおむね3か月以上の長期出張中の方、遊学中の方、社会福祉施設に入所中の方、病院に住民登録をしている長期入院中の方、預けられている里子、収監されている、その他の別居中の方2.所得票/貯蓄票の対象外
1.の世帯票に当てはまる方、世帯票調査日以降に転出入した世帯と世帯員、住み込みやまかない付きの寮・寄宿舎に住む単独世帯

調査日

調査日は調査対象の分類ごとに決まっています。

2019年国民生活基礎調査でいうと、世帯票・健康票・介護票は2019(令和元)年6月6日、所得票・貯蓄票は2019(令和元)年7月11日が調査日でした。

 

調査する内容

対象ごとに調査する内容が決まっています。

■世帯票
単独世帯の状況や5月中の家計支出総額、世帯主との続柄、性、出生年月、配偶者の有無、療保険の加入状況、公的年金・恩給の受給状況、公的年金の加入状況、就業状況など■健康票
自覚症状、通院、日常生活への影響、健康意識、悩みやストレスの状況、こころの状態、健康診断などの受診状況など■介護票
介護が必要な方の性別と出生年月、要介護度の状況、介護が必要となった原因、介護サービスの利用状況、主に介護する方の介護時間、家族などと事業者による主な介護内容など■所得票
前年の年間所得の種類別金額・課税などの状況、生活意識の状況など■貯蓄票
貯蓄現在高、借入金残高など

 

2019年国民生活基礎調査の結果

国民生活基礎調査をすることで、国民のさまざまな状況を数値で把握することができます。各項目について見ていきましょう。

 

世帯数と世帯人員の状況

結果は「単独世帯」が全世帯の 28.8%と一番多く、世帯類型でみると「高齢者世帯」が全世帯の 28.7%と一番多いという結果が出ました。このように世帯を構成している人数や年齢層などが把握できます。

 

各種世帯の所得等の状況

前年の1月1日から12月31日までの所得、貯蓄・借入金は2019年6月末日の現在高及び残高です。年次別の所得では「全世帯」で552万3千円、所得の分布状況では「200~300万円未満」が13.6%などの結果が出ました。また、この項目では世帯主の年齢別の所得や主な所得の種類なども調査しています。

 

介護状況

自宅で介護をしている家族構成は「核家族世帯」が 40.3%と高いことが分かりました。昔は三世代世帯が一般的でしたが、現在は核家族世帯が上昇しています。

また、同居している配偶者が主な介護者という結果などが出ました。介護される年齢は男性では「80~84歳」、女性では「90歳以上」が最も多いということが分かりました。

 

世帯員の健康状態の特徴

自覚症状の状況では、病気やけがなどの自覚症状がある方(有訴者率)の人数を調査しています。まず、性別でみると有訴者率は女性のほうが高く、年齢が高くなるにつれて人数が増加するという結果を得ました。

具体的にどのような症状を訴えているかですが、男性は腰痛・肩こり・鼻がつまるまたは鼻汁が出るという順。女性では肩こりが最も高く、腰痛・手足の関節が痛むという結果でした。また悩みやストレスの状況をみると男性より女性のほうが、割合が高くなっています。

 

有訴者率の上位症状(2019年国民生活基礎調査)

男性 1位、腰痛 2位、肩こり 3位、鼻が詰まる・鼻汁が出る 4位、せきやたんが出る 5位、手足の関節が痛む

女性 1位、肩こり 2位、腰痛 3位、手足の関節が痛む 4位、体がだるい 5位、頭痛

 

2019年国民生活基礎調査に見る肩こり

2019年の国民生活基礎調査では、男女問わず肩こりに悩む方が多いとの調査結果が出ました。またあわせて特に「肩こりを訴えるのは女性が多い」という結果も見られます。

ここで注目したいのは、ストレスを感じている割合も女性のほうが多く出ているという点です。肩こりの原因の一つにストレスがあります。

また筋肉量は男性より女性のほうが少なく、5~6kgもある重い頭を支えたり筋肉が弱いことで姿勢が悪くなりやすかったりするためではないかとの見方もできます。さらに、男性より女性のほうが冷えやすいため血行不良になりやすい、運動不足なども関係しているでしょう。

肩こりがあると頭痛になったり、痛みでやる気が出なかったりと日常生活に影響することもあります。慢性的になると痛みが続くため、一つひとつの作業が億劫になることもあるでしょう。症状を放置せず、何らかの対策をとることが必要です。

 

まとめ

2019年の国民生活基礎調査から、肩こりが自覚症状として持つ人が多く、中でも男性よりも女性のほうが多いということがわかりました。

肩こりの対策において大切なことは、まず原因を考えることです。肩こりに悩む場合、何かしらの原因があります。ストレスや筋肉量だけではなく、緊張・運動不足・姿勢が悪いなど原因の種類はさまざまです。

根本となっている原因を把握したら、それに応じて対策をしていきます。たとえば運動不足が原因であれば、日常生活に少しずつでも運動を取り入れてみましょう。正しく適切な運動を習慣にできれば、お悩みを解決できるかもしれません。

まとまった時間を確保できない場合は、就寝前や仕事の休憩中などにストレッチをしたり、意識して正しい姿勢を保持したりすることが対策になる場合もあります。

参考:肩こりの原因(1)
参考:肩こりを解消したいなら、まずは毎日の暮らしを見直そう

そしてできることなら、早めに医療機関をはじめとする専門家に相談しましょう。肩こりの原因は人それぞれです。場合によっては「良かれ」と思って行った対策が逆効果になることもあるでしょう。特に慢性化した肩こり、悪化したと感じる肩こりは専門家への相談を強くおすすめします。

 

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記事監修
丸山太地

肩こりラボ鍼灸マッサージ院代表。日本大学文理学部体育学科にてスポーツ医学を学び、在学中よりトレーナーとして活動。東京医療専門学校にて国家資格を取得。上海中医薬大学へ留学、解剖学実習修了。人体の構造を理解するために、日本大学医学部、千葉大学医学部の解剖学教室にて人体解剖について学ぶ。 <資格>鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師/厚労省認定臨床実習指導者/NSCA-CSCS/日本体育協会認定 スポーツリーダー/中学・高校保健体育教員免許/パワープレート認定トレーナー