近年の健康志向の高まりから、様々な方法で健康づくりを目指す方が増えています。その1つが筋トレ(筋力トレーニング=筋力(筋肉が発揮できる能力)を高めることを目的に行うトレーニング)です。
トレーニングを続けることで手に入れられるのは見た目的な変化だけに限りません。トレーニングにより分泌される成長ホルモンは体内の組織を修復する効果を持っており、免疫力を高めます。
ただしとにかく鍛えればよいというものではありません。体の状況に合わせて行うトレーニングや食事などを調整していく必要があります。
適切に体を鍛えれば、脳や体を活性化できるほか、肩こりだけでなく怪我全般の予防にも繋がりやすくなるでしょう。肩こりというのは、肩のあたりの筋肉の違和感や痛みや圧迫感のことを指しており、主に筋肉の血行不良等や疲労の蓄積等が原因となります。そのためトレーニングにより全身の血行が改善されれば、肩こりの予防や解消を期待できるはずです。血液循環が良くなれば全身に栄養素を行き渡らせることができるため、体にたまった老廃物も回収されやすくなるでしょう。
トレーニングを続けて理想の体を手に入れたり、目に見えて成長を感じたりすることで、自信を持てるようになるかもしれません。自信は精神にも良い方向に働きます。これは心の健康を保つうえでもとても大切なことです。またストレスを感じたときに分泌されやすいコルチゾールという免疫力を低下させるホルモンがあるのですが、このホルモンの発生を抑えることができるとも考えられています。
トレーニングをすることで得られるメリットは数えきれないほどたくさんあります。日々の生活にトレーニングを取り入れて、心もカラダも健康体で過ごせるようにしてみてはいかがでしょうか。
筋トレには休息が必要
「筋トレ」という言葉自体は一般に広く知られるようになりましたが、世間に広まる筋トレに関する情報の中には、必ずしも正しいとは言えないものが少なからず存在します。
その中のひとつに、「筋トレは毎日やらなきゃ意味がない/効果が期待できない」というものがあります。ですが実際には筋トレを毎日行った場合、効果が上がるどころか、逆に効果が下がってしまう場合があります。
まず筋トレとはカラダに刺激を与えその刺激に適応していくことで筋肉を成長させていくものです。筋肉に対して負荷をかけることで刺激を与え、その負荷に対して負けないように筋肉がレベルを上げていくのです。
筋トレを行うとエネルギーの源となる糖が筋肉の中から減少し、エネルギーをつくる過程で乳酸や水素イオンなどの廃棄物が増えます。そして、筋肉が損傷するなどの様々な変化が起こり、筋肉はある程度弱った状態になります。そして弱ったままでトレーニングを続けることが筋肉にとっては良くないので、ここで休息が必要になってくるのです。
つまり、毎日筋トレを行うと、筋肉が十分に回復をしていない状態で新たな刺激を与えてしまうことになります。これでは効果を得るどころか疲労が重なり逆効果になる可能性があったり、怪我へのリスクが高くなってしまったりしてしまいます。
そのため筋トレをした後は、十分に筋肉を休ませ、同時に必要な栄養素を積極的に摂取することで筋肉をより強くすることが大切です。筋肉を休ませ回復させることにより、元の状態よりも成長させることを超回復と呼びます。この超回復にかかる時間は筋肉の部位や体の状態により異なりますが、大まかに48~72時間と言われています。そのため筋肉を休ませる時間を考えると筋トレの回数は週に2~3回が妥当でしょう。
また今現在全く運動をしていない人やこれまで運動経験がほとんどない人は、いきなり筋トレを始めると筋肉痛が強く出てしまうかと思います。そのような場合はまず慣れるまで週に1~2回、軽めのメニューを行うことから始めてみてください。無理のない範囲でトレーニングを進め、慣れてきたら頻度や強度を少しずつ増やしながら様子を見るのがよいでしょう。
トレーニングと食事
「『食事における摂取エネルギー』が『一日の消費エネルギー』を超えるとその分体重は増加し、逆であれば体重は減少する」
この簡単なエネルギーの計算が、私たちの体重の増減を左右しています。
そして筋肉・骨・臓器・脂肪・爪等、私たちの体は全て食べた物をもとに作られています。食物に含まれる水分や栄養素が私たちの血となり肉となり、体をつくりあげる最も大切な源であり、食事の量が足りなければ痩せ、多ければ太ることになります。
摂取のバランスを見直すことで、体脂肪現象をはじめダイエット効果も期待できるでしょう。そしてトレーニングで健康的な体づくりを心掛ける場合、この摂取エネルギーのバランス調整は意識しなければいけない要素の1つとなっています。
ここでは2つ、食事において大切なポイントを説明しましょう。
1つ目のポイントは「朝食を抜かない」ことです。朝起きた時、体内のエネルギーは不足気味になっています。ここで朝食を食べずにいると体が飢餓を感じ、脂肪を溜め込みやすい状態に入ってしまいます。この状態を避けるためにもしっかりと朝食を摂り体温を上げ、活き活きと一日を始めることが大切です。
2つ目のポイントは「就寝前は食べ過ぎない」ことです。寝ている間はエネルギーを消費することがあまりないので、寝る前に食べ過ぎてしまうと体脂肪になりやすいと言われています。なるべく寝る直前には食べないようにすることを心がけ、少なくとも寝る2~3時間前には食事を終え、また炭水化物は気持ち少なめにすることが太りにくくするためのポイントです。かといって減らし過ぎは体にとってあまり良くないので、無理のない範囲で意識していくことが大切です。
食事というのは、3大欲求のなかの1つとされているほど、私たちにとって大切なものです。また日々の生活の中での大きな楽しみとなっている方も多いでしょう。いつまでも美味しい食事を楽しく食べ続けられるよう、この2つのポイントを意識してみてはいかがでしょうか。
筋肉痛
久しぶりの運動や激しいトレーニングを行うと次の日あたりにやってくる筋肉痛。朝目覚めたときに身体が痛くてなかなか起きられないという経験をしたことがある人は少なくないことでしょう。
「筋肉痛」というのは、体を動かし筋肉を使用した際、それに伴い発生する筋肉の痛みのことをさしています。
筋肉痛には大きく分けて2種類があります。
まずは「筋肉痛(即発性筋痛)」。こちらは運動直後もしくは運動中に起こる筋肉痛です。
そして一般的によく耳にするのは「遅発性筋肉痛(遅発性筋痛)」という、痛みがすぐには現れず少し時間が経ってから痛みが出てくるタイプの筋肉痛です。ではなぜ、体を動かした後すぐには現れず、少し遅れてやってくるのでしょうか。
筋肉痛のメカニズムには様々な説があります。中でも現在有力なのは「筋肉痛の痛みは、体を動かしたことで傷ついた筋繊維が修復する際のものである」という説です。
運動を行うと、筋肉は動いた刺激に応じて損傷を負います。日常の運動程度ではこの損傷そのものでは痛みを感じにくいですが、損傷した筋肉を治そうとする時に痛みが発生します。筋肉を修復する際には徹底的な処置を行おうとするため一度損傷した組織を壊しきって、その損傷部の奥深く根本から治そうとします。この時に起こる炎症反応により痛みが発生します。炎症反応が起こるのに少し時間がかかるため、筋肉痛はすぐには起こらず遅れてやってくるという仕組みです。
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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama
日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修
鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許
病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。