ひどい肩こりや首こりが整骨院・整体に通い続けても一向に改善しない方は「東洋医学と西洋医学の違い」を知りましょう

西洋医学と東洋医学のちがい

「リンパが詰まっているのが原因です。」

「痛みの原因は、老廃物がたまっているからです。

「骨が歪んでいますね。これを直せば楽になります。」

「背骨が歪んでいますので直します。」

このように自信満々に言われ、言われるがまま施術を受けられる方が多いと思います。実際に良くなられている方はよいのですが、そうでない方、疑問をお持ちの方が今このページをご覧になられていると思います。

この記事が、悩みや今抱えていらっしゃる疑問を解決するヒントになれば幸いです。

当記事での東洋医学とは鍼・灸・マッサージを指すこととさせていただきます。漢方は含みません。

医学的根拠は皆無なのに東洋医学的には正しいという謎

 

冒頭に上げた例は、街中に溢れている整体、カイロ、足つぼマッサージなどのお店や整骨院等でよく使われる言葉です。本当によく使われています。

結論から申し上げますが、医学的根拠は皆無です。

東洋医学的に・・・という説明をするところもあることでしょう。(西洋)医学的に説明できないことだけど、東洋医学的には正しい、効果がある、こんな風に言われたら、よく分からないけど信じてみるのは無理もありません。

ひどい肩こりで痛くてつらいと、痛みをすぐにでもなんとかしてほしいわけですから、説明とかはいいから!!となってしまうのが普通です。

分からないから不安になる。その不安を「知識」で解消しましょう。

もし、ご自身またはご家族が大きな手術をする、となった時、それが緊急事態ならやむを得ませんが、時間に余裕がある場合「とりあえずお願いします」となりますか?

きっと説明をよく聞くと思います。それが大切な人の場合でしたら自分の場合よりも理解しようとするはずです。ひとりだと不安だから誰かを同伴してお話をきく場合もあるでしょう。

肩こり・首こり・腰痛の場合は、どうしても大きな怪我・大病と比べれば緊急性が低い上に我慢もできてしまいます。ですから、正しい情報を一生懸命求めるよりも、どうしても受け身になりがちです。テレビでみた、雑誌で目にした、友達がいってた、といった情報、その情報の中でも「楽そう」「簡単そう」な情報に流されてしまいます。

すごく効くよって聞いて東洋医学系の施術を受けてみたものの一向に良くならない、それどころか悪化した・・・何ヶ月も予約でいっぱい、全国から訪れる評判のところにいったけど全然よくならない・・・このような方はかなりいらっしゃるはずです。

「わからない」「先が見えない」これは不安です。とてつもないストレスです。

不安やストレスを少しでも減らためには、正しい知識を身につけることです。仕組みや意味がわかるだけでストレスや悩みはぐっと減るはずです。

今、あなたは、このページ自体信用できるの?と思われたかもしれません。

少しだけお時間ください。読んでご判断ください。

鍼(はり)・お灸(きゅう)・マッサージといった東洋医学として世間一般で認識されている方法が、どのような考えをもとに行われているのか?それが西洋医学的な根拠に基づいた方法とどう違うのか?という点にフォーカスしていきます。

西洋医学と東洋医学のちがい

東洋医学という言葉を耳にして連想されるのはどのようなイメージでしょうか?

 

東洋医学というと、まず連想されるのが、中国4000年(最近では5000年に延長されています)の歴史、ツボ、気(気功)、ハリ、漢方・・・だと思います。漢方はさておき、肩こりに代表される体の不調を治す東洋医学のイメージは鍼や灸でツボ(経穴)を刺激し、気や経絡を整え、血流を改善することで自然治癒力を高め、体質改善を行うといった内容を想像されるのではないでしょうか。

上記に挙げた東洋医学らしい文言の中で、医学的根拠(EBM)に基づいているのは「血流を改善する」という部分のみです。

● 西洋医学では不可能とされた病でも東洋医学なら可能。

● 不治の病、難病を治した。

などといった宣伝文句をしばしば目の当たりにします。世の中には科学的に説明できないこともまだまだ多いですし、不思議なことだらけですから、東洋医学に不思議な力があると信じてしまう人もいれば、胡散臭く思う人もいることでしょう。

しかし、ここで注意しなければならないことがあります。

東洋医学の世界では

  • 症例数に関わらず、1人でも改善すれば効果有り
    • 有効率の検討がなされておらず施術者の主観をよりどころとされている
  • 良いことしかアピールされない
    • 施術者から発信される情報にバイアス(偏り)がかかっている、施術者自身が信者となっている
  • 効果の判定が定量化されていない
    • 客観化数値化されていない、する努力をしない、あえてしない
  • 東洋医学的療法(鍼・灸・マッサージ等)を行ったから効果があったのか、たまたまだったのかの比較検討がなされていない
    • 二重設盲検法(Double Blind Test)、ランダム化比較試験(RCT::Randomized Controlled Tria)、がなされていない
  • 東洋医学の文献の大部分が筆者に都合の良い結論付けとなっている場合が多い
    • プール解析メタ分析(メタアナリシス)がなされていない

二重盲検法

二重盲検法(にじゅうもうけんほう、英: Double blind test)とは、特に医学の試験・研究で、実施している薬や治療法などの性質を、医師(観察者)からも患者からも不明にして行う方法である。プラセボ効果や観察者バイアスの影響を防ぐ意味がある。この考え方は一般的な科学的方法としても重要であり、人間を対象とする心理学、社会科学や法医学などにも応用されている。

行為の性質を対象である人間(患者)から見て不明にして行う試験・研究の方法を、単盲検法という。これにより真の薬効をプラセボ効果(偽薬であってもそれを薬として期待することで効果が現れる)と区別することを期待する。しかしこの方法では観察者(医師)には区別がつくので、観察者が無意識であっても薬効を実際より高くまたは低く評価する可能性(観察者バイアス)や、患者に薬効があるかどうかのヒントを無意識的に与えてしまう可能性が排除できない。そこでこれをも防ぐために、観察者からもその性質を不明にする方法が二重盲検法である。

ランダム化比較試験

ランダム化比較試験(ランダムかひかくしけん、RCT:Randomized Controlled Trial)とは、評価のバイアス(偏り)を避け、客観的に治療効果を評価することを目的とした研究試験の方法である。従って根拠に基づく医療において、このランダム化比較試験を複数集め解析したメタアナリシスに次ぐ、根拠の質の高い研究手法である。主に医療分野で用いられる。略称はRCTである。

メタアナリシス

メタアナリシス(meta-analysis)とは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことである。メタ分析、メタ解析とも言う。ランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスは、根拠に基づく医療において、最も質の高い根拠とされる。

出典:Wikipedia

このように非常に曖昧な要素が根幹を成してしまっています。

ここで、読者の方にご確認しておいてほしいことがございます。これを書いている著者自身ははり師・灸師・あんま指圧マッサージ師の資格をもっております。これら3つの資格は国家資格であり、資格取得のためには東洋医学を最低3年間勉強し国家試験を受けて合格しなければなりません。

私自身、鍼灸師として仕事をはじめた最初の数年間は、東洋医学的な考え・方法を実践しました。西洋医学的な解釈からすれば無茶苦茶な理論でも結果は出るのかもしれないという期待はありました。しかし結局、自信をもってプラセボ以上といえる効果はあげるには至りませんでした。これは私自身の経験不足・知識不足のせいかもしれません。

確かなことは、特別な感性・才能をもったセラピストでなければ、東洋医学で効果をあげることは困難=再現性が低いのは間違いないと思います。

そして、私は過敏性腸症候群を患っていたことから、ゴッドハンドと呼ばれる有名な東洋医学的施術者のところへ通いました。今このブログをご覧のあなたと同じく、治療方法が解明されていない・病院で治らないなら、可能性があるとされる方法を信じたい、すがりたい気持ちは・・・きっと同じだったと思います。ですが、私自身は残念ながら東洋医学の神秘にふれることはできませんでした。

東洋医学をモットーとする施術者に「何を根拠に行っているのか?」とお尋ねすると「自分の感覚では・・・」「私は〇〇と考える」「何千年も前から伝えられている経験医学だ」などと答えます。よりどころとするのは経験であり、何千年も前に書かれた書物とのことです。

東洋医学関連の文献は数多く出典されてはいますが、その試験方法、解析方法に穴があり、症例報告の域を出ることがなく、信頼度の高いものが少ないという状況なのです。