肩こり・首こりの方が、首肩の負担を減らすために、寝る時の姿勢で気をつけるべきポイント

肩こりや首こりにお悩みの方の中には、「首や肩が凝り固まりすぎて眠れない」「寝付きが悪い」「睡眠の質が悪い」「寝起きから凝っている」「寝ているだけで首肩が凝ってしまう」という方が少なくないと思います。

そして「就寝時の姿勢や枕が原因なのでは?」そう考えて、たくさんの記事を読まれたり、寝具屋さんに足を運ばれたり・・・オーダーメイドの枕を購入したという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

自分なりの工夫をして改善した方はいらっしゃると思いますが、なかなか改善方法が見出せずお困りの方も多いと思います。

当院にいらっしゃる患者さんからも、寝る時の姿勢や枕の選び方についてたくさんご質問いただきます。

 

そのため、今回は、肩こりや首こりにお悩みの方が、就寝時に気をつけるべきポイントを寝る姿勢ごとにまとめました。

実際には、個々のスタイルを詳しくお伺いして、それぞれにフィットした対策を行っていきますが、今回は一般論として、オススメすることをご紹介させていただきます。

「自分にあってるとされる枕を様々試したけどやっぱり変わらない・・・」そんな方に是非試していただきたい内容です。

さらに、より良い睡眠につなげるために、おすすめのストレッチをご紹介します。

 

本記事の内容を実践していただくことで、より良い睡眠、そして快適な寝起きにつながりましたら幸いです。

 

横向け寝の場合

(1)抱き枕を使用する

抱き枕を使うことで、巻き肩になってしまうことが防げます。巻き肩予防になるということは首肩の力みを軽減することに繋がります。

[方法]

体の横幅(左右の肋骨を結んだ距離)くらいの抱き枕を使用し、体が捻れないようにセッティングしてください。

※抱き枕でなくとも、使用していない掛け布団などでも代用できます。

(2)膝枕を使用する

膝に枕を挟むことで、体幹のねじれを出にくくしてくれます。

[方法]
タオルを折り畳む、もしくは何枚か重ねて10センチくらいの高さがあるクッションを作り、膝を曲げて足の間に挟んでください。

(3)頭、首枕の高さの設定

横向き姿勢は、肩の幅分(半身)頭が持ち上がるので、枕は必須になります。横向きで頭、首枕をしないで寝てしまうと頚椎を捻りやすいので枕は使用していきましょう。

[方法]
仰向けになり、胸の前で両腕をクロスし、股関節と両膝を曲げ、左右に寝返りを行います。首や肩がリラックスした状態で行える高さに設定しましょう。

 

仰向け寝の場合

(1)膝枕を使用する

膝を曲げさせることで股関節にゆとりをつくります。股関節が硬い方は膝が伸びていることにより、骨盤への影響か増えてしまいます。その場合、体が窮屈になり首肩が力みやすくなります。

[方法]
高さ10センチくらいのタオルロールをつくり、両膝下に置いてください。

(2)頭、首枕の位置

枕は高すぎると呼吸しにくくなったり、頭頚部の負担を増やしてしまいます。適切な高さに調整するだけでも首や肩の負担が減ります。

[方法]
首の筋肉首の角度が15°前後となる付近で、呼吸が楽で、後頭部の不快感がなく、首の後ろの筋肉が緩む高さをみつけます。
枕は頭だけではなく、首肩が包まれるように置きましょう。

 

うつ伏せ寝の場合

(1)胸枕を使用する

布団やマットレスのままだと肋骨が押さえつけられる状態になるので呼吸がしにくくなります。そうなると首肩が力みやすくなるため胸枕はご使用くださいませ。

[方法]
柔らかめのクッションや掛け布団を丸めたものを胸枕としてお使いください。

(2)顔枕を使用する

顔にクッションがあった方が寝返りしやすかったり、頸椎の過度な捻り予防になります。

[方法]
クッションやタオルでも良いので、うつ伏せになった時に顔がリラックスできる高さや柔らかさのものを使用しましょう。首の捻りが気にならない状態を作るとなお良いです。

※うつ伏せでは首を捻った状態になるため、寝違えてしまうことがあります。どうしても、うつ伏せでないと寝られない方以外は仰向けや横向きをお試しくださいませ。

 

肩こりラボおすすめのストレッチ

寝る姿勢を工夫するのとあわせまして、ストレッチで身体をほぐすと良いです。

ストレッチは様々なやり方がありますが、おすすめは動的ストレッチです。

一般的に、多くの方がご想像するストレッチは、該当の部位をゆっくりと引き伸ばして、それを数十秒キープする静的ストレッチだと思います。

動的ストレッチもストレッチなので筋肉を引き伸ばすのですが、静的ストレッチと異なるのは、動きの中で行うとい点です。

動きを伴うということは、筋肉の収縮が行われるわけなので、血行改善の効果が高まります。そのため、動的ストレッチをおすすめするのです。

本記事では、肩こり・首こりの方向けなので、肩甲骨まわりや背中をほぐすストレッチをご紹介します。

 

肩甲骨のストレッチ7選

こちらの動画にて、7つのストレッチをご紹介しています。YouTubeで一般公開しており、たいへん多くの方に好評いただいております。

首肩の緊張を緩和するためには、首や肩を直接伸ばすのではなく、肩甲骨を動かして、肩甲骨まわりの筋肉をほぐすのがポイントです。

7つご紹介していますが、全部行うのが難しければ、心地よくできるものや、特に伸びを感じるものを実践していただけたらと思います。

 

 

 

背中のストレッチ(タオルストレッチ)

背中が硬いまま眠ってしまうと、猫背で固定されて眠っているのと同じ状況になってしまいます。そうならないためにも就寝前に背中を伸ばすことを推奨させていただきます。

[方法]

①タオルを折り畳み、丸めてロールを作ります。

 

②両脇を結んだライン上(肩甲骨のあたり)に、横にしたタオルロールが当たるように仰向けになります。(膝は曲げた状態です)

 

③ゆっくり両腕を上に挙げ、バンザイをします。

 

④  “③”の状態のまま、脱力して10〜20秒、もしくは深呼吸4-5回、背中を伸ばしたら、腕を元に戻します。タオルロールの位置を、下図赤線の位置あたりに、ずらしながら、この一連の動きを2〜3回行ってください。

 

背中がほぐれると、首肩や腰の緊張も緩和します。

呼吸も深くなります。

上記の背中のストレッチ(タオルストレッチ)を以下の動画でもご紹介しています。

 

 

背中のストレッチの理論的なことを、こちらの動画でご紹介しています。

 

 

今回は以上になります。

ご参考になりましたら幸いです。

 

 


執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。