肩こりには、どこの筋肉が関係しているのか

多くの現代人が悩まされているであろう肩こり。スマートフォンやパソコンの普及により体の動きが最小限で済む生活になり、肩こりがひどくなったと思っている方も多いでしょう。

また最近では若い人も肩こりに悩むことが増えています。

 

それでは、肩こりと筋肉にはどのような関係があるかご存じでしょうか。肩こりという症状にはどこの筋肉が影響しているのか、筋肉がどのような状況になると肩こりが発生しやすくなってしまうのかを詳しく知り、正しい方法で肩こりを解消していきましょう。

 

 

肩の筋肉

人間の肩にある筋肉は何に使われているのかご存じでしょうか。

腹筋、ふくらはぎの筋肉等の使っている時に実感しやすい部位とは違い、肩の筋肉が動いている時を感じる人は多くはないかもしれません。人によってはむしろ「肩こりになってから肩の筋肉を意識し始めた」というケースもあるかと思います。

 

実は肩の筋肉というのは、主に人間の腕を吊り下げるために使われています。腕や手など、腕を含む全ての重みが肩により支えられています。つまり肩には常に負荷がかかっている状態なのです。

通常でも負荷がかかる肩の筋肉にさらに重点的に負荷がかかる形で酷使される状態、もしくは筋肉が衰え負荷が増えた状態が、肩こりを招いてしまうことがあります。

 

そもそも人の体というのは、意識的に運動をしないと徐々に筋肉量が減っていきます。転勤や勤務形態の変化をはじめとする通勤・勤務環境の変動等により、運動量が自然に減少するケースもあるでしょう。大人になると学生時代は体育の授業等で行っていた運動もなくなりますし、昔に比べれば運動量が大幅に減った方も多いはずです。

筋肉量が減ると代謝や体力の低下が起こりやすくなり、柔軟性もなくなりがちです。そして筋肉が減少したにも関わらず、それまでと同じような負荷をかけていると緊張状態が長くなります。これも肩こりを招く要因となるでしょう。

 

肩こりになるには主に2つのパターンがあります。

・筋肉の疲労がたまって肩こりになる。
・筋肉が引っ張られることで、血管と神経が筋肉に圧迫されて肩こりになる。

 

もちろん他にも様々な要因がありますが、筋肉は肩こりと非常に密接に関係しているということは間違いないでしょう。ですから日常の生活を見直したり、意識的に運動して筋肉を鍛えたりすることが、肩こりの改善に繋がることも多いのです。

 

 

肩の筋肉を労わるストレッチ

肩こりと筋肉の関係性を理解していただいたところで、実践的な解消方法の例もご紹介しましょう。まずはストレッチにより、肩こりになってしまう原因の筋肉をほぐしていく方法です。

 

肩こりに関係している筋肉は、主に肩甲骨、そして首回りです。そこで、

・肩甲骨を意識した大きな腕回し

をしてみましょう。20回から30回以上が理想です。これは血液の滞りない循環にもつながり、精神的なストレス緩和にもなります。緊張していた筋肉をほぐしてあげてください。

 

もうひとつ、首周りのストレッチの方法をご紹介します。

・首をすくめて10秒ほどキープし、脱力して肩を落とす。
・首をまわす。左右方向、各10回ずつ行う。
・首を左右前後に倒し、10秒キープする。

これを行うことでこりがちな首周りの筋肉の緊張を解いていくことができます。座ったままでも実践することができるので、ちょっとした休憩時間にやってみてください。

 

 

肩こりと筋トレ

「肩こりの対処法に筋トレ?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、ちゃんとした方法で行えば筋トレで肩こり改善を狙うことは十分に可能です。
筋トレで筋肉をつけることで、肩の血流の改善が期待できます。血流が良くなれば自然と肩こりの解消を促せるはずです。

ただし過度な筋トレやストレッチは禁物です。また筋トレ後のケアを怠っても悪化の可能性がありますから、トレーニング中やトレーニング後に体に違和感があればすぐに専門家へ相談する、もしくは専門家の指導のもとでトレーニングを行うことをおすすめします。

 

肩こりと主に関係してくるのは僧帽筋という、簡単に言うと、肩甲骨を動かす筋肉です。背中の肩甲骨のあたりに、首や肩から背中の中央にかかる菱形のような形状で存在しています。

 

自分で出来る僧帽筋トレーニングの例はこちら。

・椅子の上に足をのせ、背中を伸ばして手を床につけて腕立て伏せをする。
・胡坐を組んで床に座り、背中を伸ばす。その状態で両腕を開いて上に伸ばす。手を握り、両腕を懸垂するイメージで胸に引き寄せる。(この時、肩甲骨をよせることも忘れずに。)

他にもジムでダンベルを使う筋トレも効果的です。やりすぎないよう気を付けつつ、適宜自分に合った量の筋トレを意識してくださいね。

 

 

コアと体

最近、トレーニング雑誌や本のなかでコアトレーニングやコアコンディショニングなど「コア」という言葉をよく目にするようになってきているかと思います。ここでは筋トレで効率よく効果を得るために、改めてコアというものを掘り下げていきましょう。

日本語でコアは「中心部」や「体幹」という意味を持ちます。しかし人によってはお腹周りや手足以外の胴体のことを指していたり、また特定のトレーニングをコアとして認識していたりと様々な解釈をされています。特定の筋肉などを指すのではなく体をコントロールするうえで大切な部分と考え、腰椎や骨盤、頚椎にいたるまで、人体の中心となる部分全体をコアと呼ぶことが多いです。

 

このコアのなかで特に大切とされているのが骨盤であり、体の中心に位置する骨盤は手足を含めたすべての動きにおいて重要な役割を持っています。

骨盤周りの状態が体全体へ影響を及ぼすため、肩こりや腰痛をはじめとした様々な不調において、骨盤周りに原因が潜んでいるというケースが多くあります。そのため、骨盤を中心としたコアの状態を良好に保つことが、カラダ全体の状態を良くすることにつながっていきます。鍛えることで基礎代謝がアップすればダイエット効果も期待できるでしょう。

コアを整え、カラダの動きを改善すること、ここにコアトレーニング、コアコンディショニングの大切な役割があるかと思います。

 

 

筋肉をケアする

せっかく筋肉をほぐしたのですから、筋トレの後にはストレッチをして筋肉を労わりましょう。筋肉の疲労による痛みをなくす方法は、やはり運動を習慣付けることなのですが、それ以外にも必要なことがいくつもあります。ここではピックアップして紹介していきましょう。

 

まずは食事。私たちの体は食べた物で作られていますから、トレーニングと合わせて気を付けたいところです。筋肉の疲労回復に繋げるにはバランスのとれた食事が大切です。合わせて

・炭水化物
・タンパク質
・ビタミン
・ミネラル

を重点において摂取していくことがおすすめです。

中でもビタミンB1は炭水化物をエネルギーとして使うときに必要な成分なので意識的に取り入れてみてください。

 

反対にできればトレーニングと合わせて行うのは避けたい、やってはいけないこともあります。特に以下の行動は筋肉に過度な負担をかけてしまいやすいことになるため、気を付けてください。

<筋肉に負担をかけるNG行動例>
・筋肉が疲れているのにも関わらず過度な運動を続ける。
・自分の体力に見合わない運動をする。
・熱すぎるお風呂に入る。
・偏った食事を続ける。
・過度な飲酒

以上のことなどに気を付けつつ、自分の筋肉を鍛え、肩こり解消を目指していきましょう。

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。