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肩こりが○○の原因?○○が肩こりの原因?

当ページをご覧の方は、肩こり首こりで心底お悩みの方が多いと思いますが、肩こり“ぐらい”で・・・なんて思ってしまっているであろう多くの方が勘違いしている肩こり情報を、いくつかに分けてQ&A形式で紹介していきます。

肩こりの仕組み編

 
 

顔のむくみも肩こりが原因説

顔のむくみを肩こりが引き起こしてしまうことはあります。

肩こりは首や頭、そして“顔こり”にも直結します。デスクワークやスマホを見ながらの下向きの姿勢は自然と歯を噛みしめるので顔がこり、血の巡りもわるくなってむくみだけでなく、くまやくすみの原因にもなります。ちなみに首の横ジワも肩こりからくる広頚筋の寄りジワです。

顔こりで悩む人は意外と多い

一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、慢性的な肩こりにお悩みの方は首や肩の凝りだけでなく「顔こり」「頭こり」「胸こり」「脇こり」などにお悩みの方もいらっしゃいます。

実際当院にはそのような患者さんが多数ご来院しています。みなさんもご存知のとおり、体は全部つながっています。解剖学的にいえば体は筋膜によって全身がひとつながりになっているのです。ですので一見離れているように思える箇所も実は関連性があるというのはごく自然なことなのです。

頭痛が原因で肩がこる

肩こりから頭痛になることは実際多いので、どちらとも言えませんが、偏頭痛から肩こりになるケースは確かに多いです。緊張性頭痛の症状として感じる人もいます。

慢性的な肩こりが、頭痛や吐き気を招くことも珍しくありません。肩こりは複合的な要因によって発症する不調症状のひとつです。自己判断や軽視せずに治療を受けましょう。

痛みにはペインスパズムサイクルという考え方があります。

ペインスパズムサイクルの説明図

慢性化する痛みは、このような負のスパイラルに陥っているケースがあります。この図にありますように、痛みから筋緊張、凝りへとつながってしまうことは実際にあります。

注意していただきたいのは、痛みというは体から異常事態を知らせるサインだということ。特に頭痛には重大な病気が隠れている可能性があります。いまはロキソニンをはじめ病院へいかなくても第1種の薬が手軽に購入できるようになりましたが、頭痛でお悩みの際はできるだけ医療機関を受診してください。

寒い時期ほどこりやすい説

寒いと前かがみになり肩をすくめがちなので、力が入りやすくなるのは確かです。

ですが、寒さに限りません。季節の変わり目である春や秋、梅雨入りも肩こりシーズンです。自律神経の乱れからくる肩こりもありますから、気圧に変動によって影響を受けやすい時期=こりやすい時期といえます。

夏は薄着で首肩が無防備な状態ですが、そこにエアコンの冷たい風があたり冷えて筋肉が硬直してしまうということがあります。また、患者さんから電車やショッピングモールのエアコンが強くて凍えてしまうという声をしばしば耳にします。夏は外にいたら熱中症、室内では寒すぎてしまうという温度調整の難しさがあり、そこから不調につながってしまいがちです。環境温度の寒暖差が大きいと自律神経の乱れも生じやすくなってしまいます。空調機能が発達した現代ならではともいえるでしょう。

人体は環境の変化に影響を受けやすいのです。気温だけでなく、気圧や湿度の「変化」に体は反応します。日本には四季もあり、外部環境に変化が生じやすいため、こういった観点からも私たち日本人に肩こりが多いのでしょう。

ストレスがたまると肩こりもひどくなる説

「病は気から」といわれるように、カラダに悪影響を及ぼすストレスが肩こりの原因になっているケースは多いです。

ストレスが高いと体は緊張状態になり、常に歯を食いしばるため、首や肩に大きな負担がかかります。ですので気持ちのリフレッシュはとても大切です。

肩こりの原因は3つありますが、それらは独立していない

肩こりの原因として肉体・自律神経・精神の3つがあります。これら3つはそれぞれが独立したものではなく、相互に関連し、影響しあっています。ストレスと肩こりを考えるうえで重要なのが自律神経です。

肉体の状況を絶えず監視して脳に連絡する自律神経は、体の恒常性維持機能としても働いています。肉体的な管理だけでなく、精神の状態を肉体に反映させる働きもあります。ですので、自律神経は肉体と精神を結び付けるはたらきがあるとも考えることができます。健全なる精神は健全なる身体に宿る、心身相関という言葉があるように、肉体の不調が精神の不調につながることはありますし、その逆もあります。

肩こりなんて気のせいであるという説

ストレスが元になっている肩こりは実際にあります。それ故「肩こりは気のせい」といわれることはあります。すべての肩こりが気のせいであるとは絶対に言えません。

精神と肉体はつながっていますから、はじめは精神の不調だったのが肉体の不調に波及してしまうということは多々あるわけです。

例えば、ストレスが元による胃潰瘍。これは精神的不調が肉体の不調として顕在化してしまう例です。

ストレス→胃酸分泌過多(攻撃因子増)・粘膜保護成分分泌低下(防御因子減)→胃粘膜損傷→潰瘍形成・・・という流れです。

さすがに胃潰瘍を「気のせい」とする人はいないでしょう。

胃潰瘍は胃粘膜の形状変化が目視で確認できるためわかりやすいのですが、肩こりはそのような確認が困難です。ですから「気のせい」と片付けられやすいのです。

肩こりは、姿勢や筋バランスといったフィジカル面の問題だけでなく、ストレス元となって生じることは少なくありません。肩こりを解消・予防するためには、ストレッチや体操といった肉体面への対処だけでなく、ストレスへの対処をすることも重要です。現代社会において、ストレスを完全に無くすということは不可能です。ですので、ストレスをため込まないための工夫やリフレッシュ方法の体得も併せて意識するようにしましょう。

肩こりは血行不良が原因?

血行不良による肩こりもありますが、最新の医学では、それだけではないことが分かってきました。血行不良を改善すれば治る説はもはや過去の話。常識が変わりつつあります。

これまでは肩こりの病態は血行不良、つまり形態的変化がないのもとされてきていましたが、近年では肩こりの部位に筋膜の形態的異常や異常な毛細血管の増殖が生じてしまっていることがわかってきています。

筋膜の形態的異常はレントゲンや一般的なMRIでは可視化できず、精度の高いエコーや特殊なMRIでないと観察できません。異常な毛細血管は血管造影という整形外科的には一般的用いられない手法によって可視化することができます。血行さえよくすれば肩こりは治るという考えはもう通用しないのです。肩こりを「気のせい」という精神的なものだけでは片づけられないように、肩こりには人によって異なるとはいえ明確な原因があります。それがハッキリすれば治るのです。

 

 

「外人は肩こり知らず?」「肩こりで死んでしまうことがあるって本当?」「肩こりは働き盛りの人特有?」「親が肩こりだから自分も肩こり?遺伝なの?」といった肩こりにまつわる噂や説についてのQ&Aを以下にまとめました。

肩こりのウソ!?ホント??

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


モヤモヤ血管!病院で原因不明とされる身体の痛みの正体

しつこい痛みは血行不良が原因という常識が覆される新事実が発覚!!頑固な肩こり・腰痛にお悩みの方、セラピスト・トレーナーの方は必見です。

原因不明とされてきた慢性的な痛みの原因は「血管」にあった!!

慢性的な頭痛、肩や首の痛み、関節痛、怪我自体は治ったのに時々痛む、古傷がたまに疼く、と「痛み」でお悩みの方はとても多いのです。

痛みに耐えかねて病院にいったものの、整形外科でのレントゲンやMRI検査では異常なしという診断。原因不明ということで湿布や痛み止めを処方され、勧められたリハビリに通うも効果があるのか、ないのか分からない。はっきりしているのは抜本的な解決策が無いということ‥‥痛み止めの注射のためにペインクリニックに通い続ける‥‥そのようなどうしようもない痛みと向き合っている方々にとっては救いとなりうる方法があるのです。

それは「運動器カテーテル治療」です。

カテーテル自体は一般的なものですしご存知の方も多いと思いますが「運動器カテーテル」という言葉を耳にしたことがある方はそう多くはないでしょう。「運動器カテーテル治療」は横浜のOkuno Clinic院長の奥野祐次医師が第一人者として行っている治療方法です。海外からも大変注目されています。

長引く痛みの原因は血管が9割

奥野先生は次のように述べられています。

従来、血流は多ければ多いほど良い、血管はたくさんあった方がいいとされてきました。なぜなら血管は組織に栄養を届けてくれる良いものとしか考えられていなかったからです。しかし、第2章で紹介したように、血管はすべて役に立つわけではなく、正常な血管と病的な血管があります。モヤモヤ血管は役に立たない病的な血管です。役に立たないどころか、モヤモヤ血管そのものが組織の栄養を奪ってしまい、機能を障害します。このため、この病的な血管を減らすことができれば、病気の改善につながるのです。さらに血管周りには常に神経が寄り添って伸びる性質があり、この血管とその周りの神経が痛みの原因だとすると、異常な血管を減らすことは痛みを治療することにもつながります。

出典:「長引く痛みの原因は、血管が9割(奥野祐次氏著)」

「モヤモヤ血管(新生血管)」が最重要キーワード

モヤモヤ血管(新生血管)は、耳慣れない言葉だと思いますが、特定疾患である「もやもや病」は耳にされたことがある方もいらっしゃると思います。モヤモヤ血管(新生血管)はもやもや病とも関係があります。モヤモヤ血管(新生血管)が、具体的にどのような血管なのかについては、後ほど説明します。

まず押さえておいていただきたいポイントは、今まで原因不明とされてきた慢性的な痛みの原因が、モヤモヤ血管(新生血管)という血管の存在にある!!ことです。

もちろんモヤモヤ血管(新生血管)が100%の原因ではないでしょう。奥野先生の著書のタイトルにある「長引く痛みの原因は、血管が9割」とあるように、原因不明とされてきた痛みの原因の90%はモヤモヤ血管(新生血管)である、は人類にとって大変大きな価値ある発見であると思います。90%という数字は書籍を売るためのマーケティング的な数値でしかないかもしれませんが、原因不明の痛みの多くはモヤモヤ血管に由来しているケースが多いということだけは事実だと思います。

鍼灸師・あんま指圧マッサージ師誰もが抱えてきた疑問に対する一つの回答

鍼灸師・あんま指圧マッサージ師として臨床で疑問に感じてきたことの一つが、定説とされていることは本当に正しいのか?ということでした。

これまでの臨床経験を踏まえ、様々な試行錯誤を経て「肩こり」の専門院を開設したのは施術方法を確立できたからです。ですが、その裏付けとなる医学的な根拠の一部が世の中に存在しないという葛藤がありました。それが、奥野先生の著書、執筆論文を読み氷解したのです。

首の骨と椎骨動脈解離の正しい知識。自分の体は自分で守りましょう。

動脈解離という言葉は耳にしたことがある、ご存知の方は少なくないと思います。この動脈解離という病名を目にする・耳にするのは、芸能人や有名人の方が「動脈解離で入院」「大動脈解離で死去」といったニュースがもっとも多いのではないでしょうか。

解離と動脈というワードですと「解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血」というのもよくありますね。

ついこの間まで元気だったのに・・・そんな突然の入院や訃報・・・そこで頻繁に出てくる「動脈解離」以外にも「脳梗塞」や「くも膜下出血」「脳内出血」もよくきく病名ですね。これらは、いわゆる脳卒中です。

脳卒中はなってしまったらどうしようもない、と思われていませんか?

実は、この脳卒中と動脈解離は深い関係にあります。

当記事は、脳卒中を防ぐための方法についてのブログではございませんが、身近にあるリスクを少しでも減らしてほしいのです。脳卒中は年配の方に限った病気ではございません。子供でも起こります。脳卒中に年齢は関係ございません。

誰もが正しい生活習慣が大切ということは分かっています。ですが、実際の所、正しい生活習慣って何でしょう?たとえば、食事の場合、朝昼晩と1日3食が正しいのでしょうか?正しい睡眠時間って何時間?

正解は人によって異なる、というよりも正解はない、のが正解なのではないでしょうか。

生活習慣に正解はなくても、してはいけないこと、気をつけないといけないこと、これは絶体にあります。

そこで今回お伝えしたいのは「首を大切にしよう」ということです。

スマホが生み出したストレートネック

スマホが子供の首に悪影響を及ぼす可能性via:ZDNet

ストレートネックは首の骨が真っ直ぐになってしまっている状態をさす言葉です。耳にしたことがある方も多いでしょう。これが一般的になってきたのはスマートフォンの普及による影響です。スマホ首、スマホッ首ともいうそうです。

海外ではテキストネックと呼ばれています。そう、勉強や読書をする際は、下を向いて長時間首が動かないことがしばしばです。下を向いたまま首を動かさない、これが問題なのです。仕事や勉強の場合、集中力の途切れたり眠くなったりと、合間合間で息抜きを自然といれますが、スマホの場合、楽しすぎたり熱中してしまったりで時間を忘れてしまうことが多いのと、片手で操作できてしまうが故に立っていても歩いていても横になっていても使えてしまうので、首を長時間動かさないリスクが非常に高いのです。

脳卒中は、首への高負荷と深い関係があります。

脳卒中ならびに動脈解離は、だれでにも起こりうることです。子供、大人関係ありません。当記事は、ぜひとも、知識としてあらゆる人に知っておいてほしい内容です。

椎骨動脈解離という病気をご存知ですか?

椎骨動脈解離(ついこつどうみゃくかいり)という病名を耳にしたことがあるという方は多くはないと思います。

2014年、国家資格を持っていない無資格者が免疫力を高めるためと称した独自の手技で乳幼児が死亡させるという大変痛ましい事件がありました。「ずんずん運動」という名前を記憶されている方はきっと多いと思います。

 

「ずんずん運動」は変わった名称なのでフォーカスされがちですが、上記の新聞の紙面にある通り「首ひねり」が一番の問題です。

乳幼児の首を無理に捻ることで、何が起こるか・・・乳幼児に限らず成人でも危険なことは誰にでも想像つくはずです。人間の関節は、個人差はありますが動かせる範囲(可動域)は大体決まっています。可動域をトレーニングで多少広げることは可能ですが、可動域を超えた動きをすれば怪我します。首の場合は、命に関わる危険があります。

人間は自分一人の力では無理な動き・可動域を逸脱した動きは普通はできません。ただ、人にやってもらうとなると話は変わってきます。

厚生労働省が禁止にしている首ポキ施術

身体に無理な負荷をかければ怪我するのは当然のこと。肩・肘・膝などを痛めれば日常生活に支障をきたしますが、生命に別状はないことがほとんどです。

ただし、首となると話は別です。

人間が生きていく上で最も大切な部位は、心臓と脳です。心臓と脳つまり頭と体をつないでいるのが首です。首は背骨の一部で、背骨の中に脊髄があります。そして脳は脊髄と繋がっています。脳が機能するために必要な血液は首にある動脈を通って送り込まれます。

首へのダメージが命取りになりやすいことはご理解いただけると思います。

では自分で首を捻る・首の骨をポキポキ鳴らすといった行為で簡単に首がダメージを受けるかと言いますと、そこまで人間の体はもろくは出来ておりません。ただし人にやってもらう場合は要注意です。自分自身ではできない動き、つまり人間本来の動作ではない、つまり、そのような行為に耐えれるように体はできていないためです。

整骨院・カイロプラクティックでは首ポキを施術することが多々ありますが・・・

一部の危険な手技の禁止

カイロプラクティック療法の手技には様々なものがあり、中には危険な手技が含まれているが、とりわけ頚椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいため、こうした危険の高い行為は禁止する必要があること。

出典:医業類似行為に対する取扱いについて 厚生労働省

国が禁止するよう通達しています。

当通知は平成3年、今から25年以上も前に、厚労省が当時の業界の氾濫状況を危惧し出されたものです。今と昔は違うから問題はない、という意見をネット上で散見しますが、厚労省サイト上にこの内容を撤回する新たな通知はありません。よって厚労省としては現在でもスラスト法などの首ポキ施術は危険なため自粛するようにという見解といえるでしょう。(スラスト法とはカイロプラクティックの用語です。アジャストメントの一種で関節をボキっとするときに瞬間的な圧を加える動作そのものの通称のことです。)

首に無理な負荷がかかることが大変危険とはいえ、具体的に首の中では何が起こるのでしょうか?きっと「首の筋肉を痛める」「首の骨が折れる」といったことを想像されることでしょう。

首には頸動脈があります。頸動脈が切れたら死んでしまう、というのは、映画・漫画などでも度々描写されてきました。

首の血管に着目しますと、椎骨動脈解離・脳動脈解離を引き起こす可能性があるのです。

椎骨(ついこつ)とは、首から腰までの背骨の構成パーツとなっている骨です。首の骨、いわゆる頚椎(けいつい)とは7つの椎骨で構成されています。

頚椎の椎骨は7つ

椎骨動脈は、頚椎の椎骨の中にある動脈です。後ほど詳しく解説しますが、椎骨動脈は首にある動脈の1つであるとだけ心に留めておいてください。

日本人の死因の代表「脳卒中」

脳卒中は、頭(脳)に異常が起こり、突然、倒れる(卒倒する)という意味で、昔から使われてきている言葉ですが実は医学用語ではありません。一般用語です。正式には脳血管障害と言います。脳血管疾患と表記されることもあります。脳血管障害は、病名ではなく、脳をとりまく病気の総称です。脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血が代表的で、もやもや病・慢性硬膜下血腫も脳血管障害に分類されます。

最新の平成25年の人口動態統計では、脳血管要害は日本人の死因第4位に入っています。長年トップ3に鎮座していましたので、脳卒中はガンと同じくらい知名度あることでしょう。

動脈解離を理解するために必要な血管についての基礎知識

血管は大きく3つの種類に分かれます。

まず、この病気を理解するために血管の構造を理解していただきたいと思います。

血管は動脈・静脈・毛細血管に大別されます。

心臓から血液を送り出すのが動脈。心臓に血液を戻すのが静脈。動脈・静脈ともに末端の細い血管は細動脈・細静脈と呼びますが、その細動脈と細静脈を結んでいるのが毛細血管です。

血管は3層構造

下図をご参照ください。血管は単なる管のように見えますが、実はその構造は複雑です。血管の壁は、内側から外側にかけて、内膜、中膜、外膜の三つの層から出来ています。これは動脈・静脈共通の仕様です。

このように血管は動脈と静脈共に3層構造です。同じ3層構造ではありますが、動脈と静脈では構成する組織が異なります。動脈は静脈に比べて、より強力な組織でできています。動脈は、万が一破れてしまうと内臓に栄養を送れなくなってしまい生命に関わる一大事になってしまうため、めったなことでは破れたりしないような強固な構造になっています。

動脈が静脈と比較してどれくらい強固かと言いますと、動脈にははりが通りません。静脈には鍼は通ります。鍼を経験されたことない方は、鍼を刺すと血管を突き破るのでは?と不安に思われることでしょう。ご安心ください。毛細血管をはじめとする細い血管には損傷を与えますが、すぐに回復する問題のないレベルです。鍼が動脈に刺さることはありません。

 

鍼は動脈に刺さらない

筆者は中国でおこなった人体解剖実習にて、動脈と静脈に鍼を刺して感触の違いを学びました。

もちろん生きている人間で試すことはできません。実習で使用させていただいたご献体はホルマリンで細胞が変性しているとはいえ、その感触の差は歴然!!

なんとか動脈に刺してみるぞと意気込んでみるものの、通常に鍼灸用の鍼では刺すどころか逆に鍼が曲がってしまい負けてしまいます。

静脈は鍼を刺すことはできますが、動脈は刺すことができないほどその壁は強固なものなのです。

血管に鍼を刺さることを心配される方はたくさんいらっしゃいます。今一度強調しておきたいこと、それは鍼灸用の鍼で、重大な問題が起こり得る動脈に鍼を刺すことはそもそも物理的に困難であるという事実です。そして、ある程度の経験を積んだ鍼灸師ならば筋肉とそれ以外の組織の感触の差を感知できます。仮に誤って動脈に刺そうとしてしまう可能性そのものが極めて低いということをご理解いただけたらと存じます。

動脈解離の「解離」とは何が解き離れるのでしょうか?

動脈の構造の次は、イマイチわかりにくい「解離」を説明します。

動脈の管の壁は3層構造です。この層と層との間で避けてしまった状態を医学用語で「解離」と言います。

何らかの理由で動脈の壁が内側から破れて、動脈内を流れる血液がこの壁の中に入り、動脈の壁が層と層との間で裂けてしまった状態を指します。内膜・中膜・外膜と重層構造になってくっついている血管の壁がはがれてしまうことですね。

これには二つのタイプがあります。

狭窄型

内膜と中膜との間が裂けて、その間に入った血液が、裂けた内膜を内腔側に向かって膨らませてしまうタイプ

すると、その部分の動脈の通路は狭くなって、ひどい時には狭くなった部分が詰まってしまうこともあります。その結果、血液が流れなくなって、脳梗塞を引き起こしてしまうこともあります。

 

動脈瘤(どうみゃくりゅう)型

中膜と外膜との間が裂けて、その間に血液が入った場合で、外膜が動脈の外側に向かって膨らんで血管のコブ(瘤)のようになるタイプ

このタイプで重症の場合はコブが破れてくも膜下出血が起こることがあります。

 

動脈解離が生じる原因

動脈解離というと大動脈解離が有名ですが、動脈解離は全身の動脈で起こります。

動脈解離が何故起きるのか?残念ながら原因は一つではありません。高血圧・糖尿病・高脂血症といった生活習慣病や、喫煙・動脈硬化・血管の病気・外傷など様々な原因があります。複数の要因が合わさっていることの方が多いでしょう。そして原因が特定できない原因不明なことも珍しくありません。

椎骨動脈解離は椎骨動脈の動脈解離です。椎骨動脈とは?

椎骨(ついこつ)は、首の骨の名前です。

首の動脈は2種類。左右で1本ずつで合計4本。

当院は首こりの専門院ですので首の動脈に焦点を当てます。首の動脈と言っても頚動脈と首の骨の中にある椎骨動脈の2つあります。首の動脈といえば頸動脈。当記事では頸動脈解離ではなく「椎骨動脈解離」について取り上げます。

椎骨動脈は右と左に一本ずつあります。「未破裂左椎骨動脈解離」という病名の場合、左側の椎骨動脈に解離が生じているが破裂まではしていないということです。

椎骨動脈解離は大変危険です。

「椎骨動脈解離」とは、何らかの理由で、椎骨動脈の壁が破れてしまい、血流が妨げられてしまう病気です。椎骨動脈は脳の深部へ血液を送る重要な血管なので、ここからの血流が閉ざされてしまうと生命に重大な影響を及ぼします。

特に、動脈解離が生じ②のタイプにように、動脈瘤(血管のコブ)ができることを医学用語で解離性動脈瘤と呼びます。

解離性動脈瘤は、脳に関連する動脈の中でも特に頚部の回転の影響を受けやすい椎骨動脈から脳底動脈(椎骨動脈の延長にあり脳の深部へ到達する血管)に多く、発病の年齢は年齢も40歳代最も多いですがそれに限らず20~60歳代と幅広いです。一般的な脳血管障害は中高年者に多いという認識がありますが、解離性動脈瘤を起点とした脳血管障害は比較的若年者、働き盛りの年代に多いといえます。脳神経外科領域では、年齢の若い世代に起こった脳梗塞(のうこうそく)やくも膜下出血などの脳卒中の場合、まずこの病気を疑うといわれるほどです。

椎骨動脈の解離性動脈瘤は、脳梗塞やくも膜下出血といった症状が出現する前に、突然に起こる片側の項部(うなじ)や後頭部の痛みが出現することが多いです。これは動脈の壁が裂かれて解離するときに感じる痛みであろうと考えられています。それに続いて脳梗塞やくも膜下出血が起こるのです。

そこで、急に起こったひどい項部痛や後頭部の痛みがあれば、この病気を疑う必要があり、その場合、頚部~頭蓋内の椎骨動脈のMRA検査を実施するのが普通です。(MRAとはMRI検査の技術を応用した血管造影検査のことです)

また、動脈解離が原因でなくとも、先天的に無症状で動脈瘤をもっているという方もいらっしゃいます。その場所が椎骨動脈である可能性も考あります。動脈瘤は症状が無ければ検査を受けることもありません。危険かどうかの判別は、たまたま検査して見つかった場合くらいしかできないのが現実でしょう。そもそも症状がない場合、精密な検査は保険がきかず高額であり、さらに中規模以上の病院で行う必要があるため、ハードルが高いのです。

ここまでを簡単にまとめると、椎骨動脈解離が生じると、脳への血流が閉ざされて脳血管障害の元となる可能性があります。脳出血やクモ膜下出血などの前段階となる場合があるので、馴染みが薄いとはいえ軽視はできない重い病気といえるでしょう。

 

椎骨動脈解離が生じる原因

椎骨動脈解離を発病する原因、すなわち首の動脈が内側から裂けてしまう主な原因は、頚椎の捻転を伴う動きやスポーツや運動などによって頚椎の中を走行する椎骨動脈に対する軽微な外傷と考えられています。動脈硬化が進行していたり、高血圧の場合には、確実にリスクは高まるでしょう。残念ながら、明らかな原因が不明の特発性(非外傷性)の場合もあります。

横突孔に沿って椎骨動脈は走行

頚椎は7つの椎骨で構成されていますが、椎骨の両サイドにある小さい穴があり、横突孔(おうとつこう)と言います。椎骨動脈は、その7つの横突孔のうち6つの横突孔から成る狭いトンネルを通って首から脳へむかって走行しています。つまり、頚椎の動きに連動して椎骨動脈も動きます。

このように解剖学的な面からも、首を普段自分で動かすことができる可動域を超えて他者の力で急に捻転させてポキっと鳴らす行為は、少なくとも椎骨動脈にとって良い影響は期待できないこととなります。

ストレートネックの人が首ポキ施術を受けるとリスク増大

首ポキ施術は、ほとんどの場合、首・肩こりやそれに伴う頭痛などの症状を解消する目的で行われます。そのような症状を抱えている方は高い確率でストレートネックの状態であることが多いです。

スマホ首いわゆるストレートネック急増の原因はスマートフォン

ストレートネックは一昔前まではパソコンを使ったデスクワークの方が訴える症状でしたが、今ではスマホ症候群の一つとして有名で「スマホ首」とも呼ばれています。スマートフォンの普及の結果、スマホ首・ストレートネックで悩むのは大人だけではありません。むしろスマートフォンを長時間使っているのは子供です。ということは、国民の多くが、首や肩のこり・痛みといった症状を抱えており、首の骨を鳴らす行為を癖にしている方が少なくない、首ポキ施術でスッキリしたいと思っている方が増え続けているとも言えます。

ストレートネックを引き起こす原因は筋肉。骨ではありません。これは肩こり・首こりにも言えます。

本来カーブあって然るべきものが、そのカーブがなくなってしまうと椎骨動脈の通るトンネルも不自然な形となってしまいます。すると中を通る椎骨動脈も不自然な走行となります。ストレートネックの状態で無理に首を動かそうとすると、頚椎に負担をかけ痛みにつながるだけでなく、椎骨動脈にも必要以上のストレスをかけてしまうことになるのは想像できると思います。

スマホ首という言葉が広まっているようで、ストレートネックは現代病の代表のひとつといえる状況になりつつあります。ですからストレートネックについては後日詳しく書きたいと思いますが・・・ストレートネックを引き起こす原因についてだけ押さえておいてください。ストレートネックは高齢者や一部の特殊な例を除いてほとんどが筋肉によって引き起こされます。骨ではなく「筋肉」です。骨の配列は筋バランス(アライメントと呼ばれることが多いです)や体の使い方によって生じます。長年、悪い姿勢が悪い状態が続くと筋肉がそれに合わせて変化していきます。ここはとても重要なポイントです。骨の配列が歪むのは、筋肉の変化による結果です。ですので、関節をボキボキ鳴らして矯正と呼ばれる施術を行っても一時的だったり、気分的によくなった感じがするだけで、配列そのものが根本的に改善されることは絶対にありえません。

脱臼してはずれてしまった関節を元に戻す「整復」というものがあります。これは柔道整復師の専門領域です。外れた関節を元に戻すわけですから、ボキっとやれば骨のゆがみが治るようなイメージをもたれる方は少なくないと思います。脱臼と骨の配列(アライメント)の矯正は根本的に異なるものです。脱臼は無理な力が関節に急激にかかったことで生じますが、アライメント異常は小さな力が持続的にかかり時間をかけて生じますので、発生の原因からして異なります。ですから、脱臼の整復と、ストレートネックなどのアライメント異常の矯正は、目的こそ骨も配列を整えるということで同じですが、内容としては全く別物です。

骨にアプローチしたところで歪みは一時的に矯正されるだけです。すぐに元に戻ります。

骨にアプローチするのではなく筋肉にアプローチすることで骨格を正す。これが正解です。姿勢という点では、納得していただけると思います。

とは言いましても、人は様々な不調を抱えています。関節の痛みや腰痛といった姿勢や動作と直接関係していると思われそうな症状以外で、最もポピュラーな悩みの代表は頭痛かもしれません。

業界の実状としましては「首から後頭部にかけての頭痛は椎骨動脈が原因であり、背骨のゆがみが椎骨動脈に負担をかけている・・・」という考え方があります。整体やカイロプラクティックの領域ではしばしば「〇〇矯正」「アジャストメント」といった施術によって関節をボキッと鳴らして「ゆがみ」を矯正することで頭痛が治るとされる行為が気軽に行われています。

ですが、ここで忘れてはいけない大事なことがあります。

頭痛は椎骨動脈解離の症状のひとつ!!

頭痛で病院にいって検査をして助かったという話はよくきくと思います。放置していたら手遅れになるところだったというのは割と身近な話であり、誰にでも起こりうることなのです。

頭痛は椎骨動脈解離の初期症状のひとつです。これが大事に至った結果、脳梗塞・クモ膜下出血といった脳卒中になる可能性が高いのです。脳動脈瘤・脳動脈かい離といった言葉が使われることが多いかもしれませんが、脳動脈は椎骨動脈と繋がっています。つまり椎骨動脈の上の部分からは脳動脈です。

頭痛の原因が椎骨動脈解離の症状かどうかを判断できるのは病院のMRIなどを使った検査のみです。頭痛の原因は、整体やカイロにいっても絶対にわかりません。

整体やカイロを体験したことがある方でしたら、一度くらいはボキっという施術を受けたことがあることでしょう。頭痛持ちの方でしたら自殺行為・ロシアンルーレットです。そして頭痛持ちでない場合でも、はっきりと申し上げますが、首ボキ施術はたいへん危険です。厚生労働省もとりわけスラスト法とよばれる首ポキ施術に関しては危険であり自粛するよう警笛をならしているということは首ポキ解消法の真相(首をポキポキ鳴らすのは本当に危険なのか?脳血管障害や死亡リスクとの関連性)でもお伝えさせていただきました。また、カイロプラクティックの本場であるアメリカにおいても、米国心臓協会と米国脳卒中学会は、スラスト法が脳卒中を引き起こす可能性があるとの声明を、2014年8月7日発行の米医学誌「Stroke」(電子版) に掲載しています。

首ポキ施術は受けないでください。そして、施術者も絶対に行わないでほしい。

自ら首を捻じってポキっと鳴らすのと、他者の力で動かして鳴らすのでは訳がちがいます。「首ポキ施術」は本当に危険なのです。スッキリ感が得られる以外のメリットはありません。一瞬の爽快感と引き換えに生命に関わる危険性を高めてしまうのはもはやデメリットの範疇を超えています。

アライメント異常は骨をボキボキしても治らない

前述しましたように、首肩周辺に症状をかかえている方はストレートネックなどの頚椎のアライメント異常をかかえている方が多いです。アライメント異常があると関節は正しく動くことができないため、そのような状態で急激に動かすことによってかえって傷めてしまうこともあります。

アライメントの異常はいくら骨をボキボキしても改善しません。それどころか骨の配列が正しくない状態で首を動かすことは椎骨動脈にも余分なストレスを与えてしまう可能性もあります。首ポキ施術は気軽に受けるべきではないですし、施術者は絶対に行うべきではないのです。

脳神経外科の医師も注意を呼びかけています

脳神経外科の第一人者である平山晃康教授は以下のように述べておられます。

痛みを主訴とする脳外科疾患の診断のポイント

椎骨動脈解離を診断する契機になる初発症状は、突発する片側の後頭部から後頚部にかけての痛みである。出血型では、解離による関連痛に加えて、くも膜下出血が頭痛の原因になっている。虚血型でも、同様の痛みが起きる。よって、中年の成人に片側の後頭部から後頚部にかけての頭痛が突発したときには、椎骨動脈解離を疑わなければならない。また、カイロプラクティックの頚部への施術や、美容院などでのシャンプー後(hairdresser’s salon syndrome or beauty parlor syndrome)にも起こる可能性があるので充分注意が必要である。

出典:痛みを主訴とする脳外科疾患の診断のポイント 日本大学病院脳神経外科 平山晃康教授

首ポキ施術は「一時的なスッキリ感」を得られます。そのスッキリ感とリスク・代償を天秤にかけたら・・・受けたいと思われる方は限りなく少ないのではないでしょうか。リスクを冒してまでの得られるメリットは無いため、首ポキ施術を受けるのだけは絶対にオススメしないと主張させていただきます。

誰にでもできる脳卒中予防方法

ここまで小難しい話・危険や不安を煽るような表現をしてしまいましたが、何ができる?どうすればいいの?とお思いでしょう。

首はデリケートだから大切にするという意識をもつ

コメカミや後頭部を強打したら死んでしまう可能性があることは多くの人がご存知のことですが、普段コメカミや後頭部を守ろうと意識されている方は少ないはずです。ですが、外部からの衝撃がありそうでしたら自然と守ろうとするはずです。

首に対しても同じような意識を持ちましょう。

女性なら見ず知らずの男性に髪の毛を触られるのはとっても嫌なことでしょう。首を勝手に触られるのを嫌!強い力で触らないで!くらいの意識でよいと思います。

首の骨を鳴らすのを目的としない

スマホが生活の一部になってしまい、首肩への負担は老若男女とわずどんどん増しています。

気づけば街中にストレッチ店がいっぱいあります。少し前までなかったと思いませんか?

首や肩が凝ったらストレッチするのは良いことです。が、首の骨を鳴らすことを目的になってしまっている人が結構います。

数年前に大橋未歩アナを襲った「若年性脳梗塞」・・・原因は首をボキボキ鳴らす癖だったそうです。

「若年性脳梗塞」でいう若年性とは45歳以下を指します。20代・30代・40代前半はみな若年として扱われます。

漫画「北斗の拳」のケンシロウのように拳をボキボキ鳴らしたりするのと同じ感覚で、首や肩の骨を鳴らしてしまうのはやめましょう。

首ポキ施術だけは受けない!

整体やカイロプラクティックに通っている方、通うことをご検討中の方に対して、整体やカイロプラクティックへ通わないで!!とは言いません。

首ポキ施術だけは遠慮する旨を、予めお伝えください!

脳卒中の100%予防するのは不可能です。

脳卒中になって、治って通常の生活に戻れる可能性は決して高くはありません。

脳卒中は年齢に関係ございません。リスクを避けることは簡単です。誰にでもできることです。知っているか、知らないか、だけです。

首ポキをしない・受けない・・・心よりお願い申し上げます。

カイロプラクティックや整体で救われた・救われている人がいるのも事実

ここまで首ポキ施術は危険だから受けるべきではない!!という一点ばりの主張でしたが、カイロプラクティックや整体を全否定しているわけではありません。当たり前のことですが否定はできません。これらの施術で救われた患者さんは実際にいらっしゃるわけです。

カイロや整体が果たす役割を明確にして民間療法としての責務をはたしている施術者がいないわけありません。現実には簡単な講習やセミナーを受けただけの整体師やカイロプラクターがほとんどかもしれません。カイロプラクターや整体師に関する法律自体が存在しないため、誰でも名乗りたければ名乗れます。

今、この記事をご覧のあなたも「カイロプラクターです」「整体師です」って自称できるのです。

ゴッドハンド多すぎる問題

それぞれがゴットハンドを自称しているという実状があります。ゴッドハンドと呼ばれている人、多すぎると思いませんか?真面目に堅実に標準医学に則っり信念を持って施術している施術者がいないわけでは決してないにせよ、それは極めて少ないのです。

医師でないのに医師であるかのごとくまたは医師や医療を連想させるような名称の表現を用いたり診断行為が実際行われていること、とにかく何回も通ってもらうことが第一に考えられているために利用者の混乱を招き、本当に困っている方が適切な処置を受けられない状況であったり、かえって難治性となってしまうということが実際に起こってしまっているという点です。

首や肩の調子が悪くてなんとかしたいと思っている方で、通りすがりのお店・整骨院になんとなく入ってみようとお思いになられる方は少なくないと思いますが、街中にはコンビニ以上に溢れています。ドラッグストアでも、薬剤師のいないところといるところがあるように(薬剤師がいなければ例えばロキソニンは買えません)、肩こり・腰痛に効きそうなお店・整骨院は、国家資格保持者が行っているところとそうでないところが混在しています。雰囲気・技術云々以前に、最低限国家資格者かどうかだけは確認しましょう。これは腕うんぬんの話ではなくトラブルにあう確率の話です。悪化してしまう・無駄なお金と時間を使ってしまう確率を下げたいのであれば、まず国家資格者を選びましょう。

首ポキは絶対に行わないでください。

筆者個人的には、医学的根拠として周知されるよう前向きな努力・研究を惜しまないということが前提であればの話ですが、現時点で厳格な統計学的処理をパスした医学的根拠に乏しくとも一定の規範や倫理観をもって受け手のメリットを追求した施術に徹することは、ある程度は許容されるものではないかと考えています。

 

海外では医療として認められている。WHOが・・・といったキャッチフレーズについて

カイロプラクティックを行っているところが日本では認められていないけど海外では医療として認められている・海外では医療である、と宣伝しているのを目にしたことある方は少なくないと思います。日本では認められていませんので、整体師・カイロプラクターは誰でも名乗れますし開業も可能です。国内で民間資格はありますが、国家資格ではありません。

「アメリカやヨーロッパ諸国では医者として認定されている。」や「カイロプラクティック医師」、「アメリカでは第一医療機関として認められている」等といった表現/主張は間違いである。これは先ず、アメリカにおいてのカイロプラクティックは、日本では医師のみが行うことが認められているX線撮影装置の使用による検査や診断・診察業務が法律により認められている事や、州によっては一部の外科的処置を行うことが法律により認められているという、我が国には前例のない専門職であることによるものだと考えられる。また、これはアメリカにおいてDoctor of Chiropracticという第一職業専門職学位が授与されることで、Doctorを医師と間違って訳しているまたは、広告のための誇張だと考えられる。アメリカにおいてはDoctor(Dr.)の敬称は医師にのみつかうものではなく、Doctorate degreesが授与される専門職、Ph.D.の学位をもつものを習慣的にDr.の敬称をつけて呼ぶ。

出典:カイロプラクティック wikipedia

ウィキペディアより引用しました。当然のことですが日本ではX線撮影装置の使用による検査や診断をカイロプラクターが行うことは出来ません。アメリカでいうドクターの呼び方と日本のドクターの意味が異なっているという事実。アメリカでドクターだから、日本では医師、とはなりません。これを恣意的に悪用しているケースが多いので、この点を踏まえてカイロに通うことを検討なさってください。

首ポキ施術行為の蔓延問題の本質

鍼灸・マッサージは一般的には「東洋医学」という認識されています。今では美容鍼ブームのおかげで美容にいいというイメージをお持ちの方が増えたかもしれませんが、まだまだ「気」や「ツボ」といったよくわからないけれど効くらしい・・・という得体のしれないイメージをお持ちの方が多いはずです。

鍼灸治療は今では多くの大学病院でも取り入れられておりますが、医療関係者の中には擬似科学、インチキだとお考えの方もいらっしゃいます。施術を行う側としても「曖昧さ」や「東洋医学」に甘んじて、「根拠のない見せかけの医学」を行ってしまっている施術者が少なくないのも事実。このようなことからも「鍼灸・マッサージは疑似科学・ニセ医学である」という考えを否定したくてもできない状況であるということが実際のところです。

首ポキ施術行為が蔓延していう本質的理由はこれらの業界の現状によるところが大きいと思います。

例えば、鍼ひとつとっても、ツボにうつという東洋医学的な手法が大半ですが、現代医学的に考えて的確に筋肉・筋膜にうつやり方もあります。世間一般では鍼=東洋医学ですが、西洋医学的に鍼を行っている人も、知らない人からみれば東洋医学やってる人と思われるわけです。一般の方ならそう思われても仕方ないのですが、医療関係者でも「はいはい、東洋医学ね」と理解しようとすらしてくれないことが割と普通です。

ですから、まして国家資格者でない人が、首の骨を鳴らす施術していても最初から眼中にすらないのです。医師が気にするのは眼の前の患者さんです。カイロや整体で首ポキをしている人たちではありません。だから好き勝手にやれてしまい、行政の指導も、結局は事件・事故で大きな社会問題にならない限り放置と一緒です。

あなた自身だけでなく、身の回りの人・大切な人に伝えてください

首ポキ施術蔓延の原因が業界自体の体質?にあるとはいえ、今は国民ひとりひとりが情報発信者のネット社会です。業界ではなく社会をつくっているのは私たちひとりひとりです。つまり誰にでも変えられる力があります。力の大きさは関係ありません。

脳卒中になると、意識が戻らずコミュニケーションとれないまま亡くなられるのはよくあることです。そして運良く生き残れたとしても障害を持ったまま生きていかないといけないケースも多いです。

一番大切な人が、寝たきりで意識が戻らない、そんな悲しい残酷な世界を想像してみてください。

知らなかった、そう言われたから・・・では後の祭りです。

「首の骨ならす癖やめなよ!死ぬかもしれないよ!!。」

たとえ、そう声かけたところで癖になっている人の癖を直すことなんて難しいのですが、少なくとも「え?死ぬ?」という意識を持ってもらうことは間違いなくできます。そんな小さな意識だけでも、全然ちがってきます。

 

 


執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


健康 2015年7月号で「耳たぶマッサージ」を紹介。

丸山太地 耳たぶほぐし

天気痛へのセルフケア方法について取材が、6月2日発売の雑誌「健康」に掲載されました。

肩こりラボブログでよく読まれている記事のひとつに「今すぐできる天気痛解消法の紹介。」があるのですが、そこで紹介している耳たぶマッサージについて、先日取材を受けました。

誌面上では、耳たぶほぐしという名前での紹介になっております。

誰でも、いつでもどこでもできる便利な方法ですが、あくまでセルフでできる「対症療法」にすぎません。詳しくは「今すぐできる天気痛解消法の紹介。」をお読みください。

 

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
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羽生結弦選手が筋筋膜性腰痛症でフィンランディア杯欠場!筋筋膜性腰痛は身近な腰痛です。

筋筋膜性腰痛きんきんまくせいようつうという言葉がニュースに出てきて驚きました。そのニュースとは男子フィギアスケートの羽生結弦選手が練習中に腰を痛めてフィンランディア杯を欠場するというものでした。

ソチ五輪の金メダリストである羽生選手は、先日の会見では「今季は全部勝ちたい!!」と強い意気込みを語っていただけに残念でなりません。私もプロ・アスリートのケアを行っておりますので、他人ごとに思えず、また、自分の専門分野のひとつですので記事を書いた次第でございます。

羽生選手を今季の初戦欠場にまで追いこんだ腰痛の名前が「筋筋膜性腰痛きんきんまくせいようつう症」。この腰痛は決してアスリートだけのものではなく、一般の方にもとても多い疾患です。いわゆる「ぎっくり腰」のひとつです。(ぎっくり腰は、急に腰を痛めた際の症状の総称ですので、ギックリ腰といっても、種類は様々です。)

筋筋膜性腰痛は実は身近な腰痛です。腰痛の種類と原因について解説します。

筋筋膜性きんきんまくせい腰痛は身近な腰痛です。そこで今回は「筋筋膜性腰痛になってしまったら、どうすればよいの?」という疑問にお答えします。

最初に筋筋膜という言葉ですが、これはずばり一般的な筋膜です。筋膜は、単語に筋とはいってはいますが、カラダの内臓をはじめあらゆる組織を包んでいます。その中でも筋肉を包んでいる筋膜が筋筋膜、英語ではmyofasciaといいます。

筋筋膜は、筋・筋膜と表記されることが多いのですが、肩こり ラボでは筋筋膜が正しいと考えています。筋筋膜は英語ではmyofasciaといいますが、これはmyo+fasciaで、myoは「筋肉の」、fasciaは「筋膜」です。つまり体全体に張り巡らされている筋膜という組織のうち筋肉を覆っているものはmyofasciaなのです。筋・筋膜は、筋肉と筋膜と解説されていることが多いのですが、筋膜は筋肉を構成する要素です。筋繊維を覆っているのは筋内膜という筋膜、筋繊維の束を覆っているのは筋周膜という筋膜、筋肉全体を覆っているのも筋膜(深筋膜・筋上膜ともいう)です。筋筋膜は、一般的な筋膜とお考え下さい。

慢性的な腰痛いわゆる「腰痛持ち」に心当たりがあるある方は是非ご一読ください。

腰痛は診断名がつくものとつかないものの2つに分類されます。

腰痛と一言でいいましても実際はいろいろな種類がございます。自分の腰痛は一体どんな腰痛なのか?腰痛は医療機関で診断名のつくかつかないかの2種類に大きく分けられます。

  1. 診断名がつく腰痛 特異的腰痛
  2. 診断名がつかない腰痛 非特異的腰痛

「特異的」というのは、これは特殊でレアなという意味ではなく、医療機関で診断がきちんとなされる腰痛です。肩こりでは症候性肩こりに相当します。

一方、非特異性腰痛は、原因がはっきりしない腰痛です。多くの人が悩む腰痛はこちらになります。一般的には、とりあえずの対症療法や「様子を見ましょう」という対応になります。肩こりでは本態性肩こりに相当します。つらい首・肩・腰の痛みに・・・効くとされる薬のCMを見ない日はないと思いますが、それだけ悩みを解決できない方がたくさんいらっしゃるということです。

医療機関で診断がなされるものが特異的というのは、それだけ治りにくい・治らない腰痛が多く、苦しんでいる方が非常に多いことを意味します。

ですから、諦めてしまう人も多いのです。

誤解のないよう繰り返し申し上げますが、非特異性腰痛は、医療機関において原因がはっきりしないとされる腰痛です。医療機関で原因がわからなくても、医学的に腰痛の原因は明確に3つあります。

原因がはっきりしている腰痛は3パターン

原因がはっきりしている腰痛は以下の3パターンに分けることができます。

腰痛を引き起こす原因

  1. 骨のトラブル 特異的腰痛
  2. 関節のトラブル 非特異的腰痛
  3. 筋肉のトラブル 非特異的腰痛

それぞれ詳しく解説します。

骨の問題による腰痛

骨の問題で起こる腰痛は、器質的な異常があることを指します。専門用語で分かりにくいですが、骨格の形態的異常があって、レントゲンやMRIなど画像検査として異常が見受けられるものです。代表的なものとしては、椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰椎すべり症、変形性腰椎症などがあげられます。

関節の問題による腰痛

背骨は頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨1個(5個とカウントする場合もありますが、ここでは便宜上1つとさせていただきます)、尾骨1個(3~4個とカウントする場合もありますが、ここでは便宜上1つとさせていただきます)の計26個が連結してできています。骨が連結して、可動するという事はそこに関節が存在することになります。背骨は、上下の骨が2ヶ所で接しており、左右一対の椎間関節があります。仙骨と尾骨は通常の関節の構造となっていないことから便宜上ここでは関節ではないとカウントします。また、第1頚椎と頭蓋骨も関節の関係にあり、背骨には、(後頭骨を含めて)25個の骨×2つの関節=50個もの椎間関節が存在することになります。

この背骨の関節が、何らかのダメージを受けて傷めてしまうのを椎間関節性腰痛といいます。例えば、中腰で重い物を持った時、不用意にくしゃみをした時、予想外に足を踏み外してしまった時などに急激に椎間関節に力が加わり傷めてしまいます。誰もがご存知のぎっくり腰、それも身動きがとれないほどの重度のぎっくり腰は椎間関節を傷めてしまっているケースが多いのです。(ぎっくり腰は「突然生じる腰痛」の総称なため、その病態は様々あり、椎間関節性以外のものもあります) この関節の問題の場合は、残念ながらレントゲンなどでは分かりません。つまり、レントゲンを撮っても「異常無し」となり、鎮痛薬と湿布の処置となります。

ぎっくり腰が癖になるのには理由があります。

病院(整形外科)での典型的な処置の場合、3~7日間の安静で日常生活が可能となるため、この時点で治ったと解釈されます。しかし、注意が必要です。関節を傷めると、関節が動くのを守るために周囲の筋肉が不必要に緊張します。これを筋スパズムと言います。インナーマッスルなど関節運動に関わる筋肉がスパズム状態に陥ると、関節を正しく動くかすことができません。具体的には、背骨は一つ一つの骨がしなるように動くのが正常ですが、動きにムラが生じて本来動くべき所か動かず、動いてはいけない部分が動くようになってしまいます。結果的に、不自然な動きとなります。厄介なことに、この不自然さを感じるのは一流アスリートのような一部の方だけなのです。一般の方が不自然さを自覚されることは稀です。そのため、一定期間が経つと痛みはなくなりますが、正確には治ったわけではなく、その後時間が経ってから慢性腰痛に移行したり、繰り返し傷めてしまう可能性が高いのが特徴です。これがぎっくり腰が癖になってしまう原因です。

関節の問題による腰痛を解決するためには・・・

椎間関節性の腰痛を根治させるためには、急性例であれば一定期間の安静の後、日常生活が可能なレベルまで痛みが引いたら、その後は余分な筋スパズムを深部の筋肉までくまなく取り除き、さらに体幹のインナーマッスルを中心とした筋力トレーニングを行います。そして背骨の関節に負担のかからない動作改善の練習を行います。ここまで行うことで慢性化・再発のリスクを限りなく軽減させることができます。

筋肉の問題による腰痛  筋筋膜性腰痛症

筋筋膜性腰痛症は筋肉の問題による腰痛です。筋肉は構造上、筋膜というその名の通り膜状の組織に覆われています。実は筋膜には筋肉そのものよりも痛覚を感じるセンサーなど、神経が密に分布されており、それ故に重要な組織です。医学的な信憑性・効果はさておき「筋膜リリース」「筋膜はがし」「筋膜の癒着をはがす」などの手技療法が流行っているのはそのためです。 話を戻しますね。 筋肉や筋膜が傷んでしまう事、または筋スパズム状態に陥ってしまうことで痛みを生じるものを筋筋膜性腰痛といいます。

筋膜リリースとは?

筋膜性腰痛には2パターンあります。

筋膜性腰痛はその発症メカニズムから2つに分類できます。

①急性の場合

ぎっくり腰の一つといえます。椎間関節性腰痛の所と繰り返しになりますが、腰に何らかの負荷が急激にかかることで発症します。急性腰痛(=ぎっくり腰)の場合、関節にダメージがいった場合は椎間関節性腰痛へ。筋膜や筋肉にダメージがある場合は筋筋膜性腰痛と考えられます。「考えられる」というのは、これら2つは画像所見によって鑑別することができないため、発症の状況と症状の所見によって推測される、という域に留まるからです。もしレントゲン・CT・MRIなどによって異常が発見されるようであれば別の診断名がつくこととなります。それ故に「(レントゲンを撮って)骨に異常がありませんね。痛み止と湿布を出しておくので、1週間安静にして様子をみてください。」という事となります。・・・しかしそれでは根本的に治ったといえない場合が多いというのは上述させていただきました。(椎間関節性腰痛の項で解説しましたが、急性の筋筋膜性腰痛でも長期的には同様の経過をたどることとなります)

②慢性の場合

日本人の抱える自覚症状のうち最も多いのが(慢性)腰痛です。その最たるものが、この慢性の筋筋膜性腰痛です。 こちらは、上述しましたように、ぎっくり腰の激痛がおさまった後に移行してしまうパターンと、きっかけがあるなど特に思い当たる節はないけれども常に腰が重く感じていて疲労によって痛みの程度が上下するといったパターンがあります。

今回の羽生選手の場合は、何が根本が原因かは存じませんが、フィギュアスケートは前屈・後屈・捻転を正常の可動範囲を越えて動かすなど、とにかく腰を酷使するスポーツ。それを幼少期からハードな練習を行ってきたということから推測すると、腰には長年の負荷が蓄積されていたものと思われます。

筋筋膜性腰痛になってしまったら、まずは徹底的にスパズム状態にある筋肉を弛める必要があります。一時の鋭い痛みは安静によって改善しますが、ある一定まで落ち着くとそれ以上は変化が生じなくなります。ですから、筋スパズムをしっかりと取り除かなければなりません。どうすればよいかといいますと、残念ながら安静だけでは異常な筋緊張状態は全て解除することはできません。電気療法、温熱療法、超音波療法(厳密にはマッサージ効果を出す用い方もありますが便宜上ここでは温熱療法の一貫と解釈します)、ストレッチなどの方法が一般的ではありますが、実は筋スパズムをくまなく解除するにはこれらでは不十分です。マッサージか鍼にて異常を起こしている筋肉へ直接アプローチする方法がとても効果的です。手前味噌となりますが、鍼・マッサージは筋肉を弛めるという点においては最適な方法です。薬剤を使って筋弛緩を生じさせると筋肉の収縮力まで低下させてしまうため、筋の正常な機能を維持したままでの方法では最も優れているといえます。 筋肉を弛めるという点で大切なのはアウターマッスルとインナーマッスルの概念です。 つまり、マッサージではアウターマッスルしか弛めることができないため、インナーマッスルが硬くなって問題が生じている場合はどうしても効果が甘くなります。鍼はこのあたりの問題を解決可能です。(インナーマッスルは関節を安定させるためのものだから弛めたらいけないんじゃないの?一部の方は考えるかもしれませんが、弛める=収縮力を低下させるわけではありませんので、それよりもスパズムであったり、硬くなって収縮できない状況にある筋をある程度弛める事は、反対に収縮力を復活させることができると考えて施術にあたっております)

鍼やマッサージにて筋肉を弛めれば、直後の痛みは軽減可能です。しかしこの状態では、高確率で数日~数週間経つと元の状態に戻ってしまいます。 そのため、しっかりと筋肉を弛めて、個々の背骨がスムーズに動くことができる環境を整えたら、体幹と呼ばれる胴体部分の筋力トレーニングを行い、いわゆる「腹筋と背筋のバランスが悪い」状態を改善します。(当院の実際の施術では基本、同時並行で行います)これが体幹トレーニングです。

腰痛を改善する方法http://matome.naver.jp/odai/2141146523977583101/2141146686679253803から引用させていただきました

体幹トレーニングで注意しなければならいポイント

体幹を鍛えるために行う体幹トレーニングは、仰向けで状態をおこすいわゆる腹筋運動や体を反らせる背筋運動ではございません。これは非常に重要です。つまり、HOW TO本に記載されている体幹トレーニングメニューを行っても改善する可能性は低いのです。本に書いてある事は確かに概ね正しいのですが、決定的なエラーがあります。「記載されているポーズをとることができれば良い」ということではないのです。「体幹」というそのポージングを連想するくらいブームとなっておりますので、おそらく今これを読んでくださっている方もご想像できると思います。 つまり、腰痛改善のための筋力トレーニングは型にはまったものではなく、個々の体の状況、身体能力レベルに最適化させなければなりません。自己流で行うにも限界があるのも事実なので、本当にお困りの方はNATA-ATC 、 NSCA-CSCS、理学療法士のライセンスを持った専門家にご相談いただくのが良いかもしれません。

筋筋膜性腰痛を根本的に改善する上での最重要ポイント

さて、筋肉を弛めて、筋肉を鍛えて終わりではありません。

最後の仕上げが肝です。

それは、ズバリ「身体動作の改善」です。

歩き方・立ち方・座り方・重量物の持ち上げ方・・・アスリートであれば走り方・跳び方・競技のフォームなど、腰に負担をかけている行動パターンを修正します。

これらはトレーニングの延長ともいえますが、現状多くのトレーナーはトレーニングルームでのエクササイズメニューにこだわるあまり、生活背景や行動パターンへ介入できていない・できないことが多く、これでは「木をみて森をみず」となってしまいます。

惜しい所までいってるのに、あと一歩!で足踏みしてしまう人が非常に多いのです。行動パターンの修正、これが肝心要なのです。

筋筋膜性腰痛を改善するために必要な手順

長くなりましたのでまとめます。筋筋膜性腰痛は

  1. 背骨がひとつひとつ滑らかに動くような環境づくり。そのために深部の筋肉までしっかりと弛める。
  2. 腰にかかる負担を減らすための筋肉をつける。
  3. 腰に負担をかける動作を改善する。

この3つの手順を踏む必要があります。

注意しなければならないのは、冒頭でご説明しましたように腰痛には特異的なものも存在するということ。非特異的腰痛である筋筋膜性腰痛や椎間関節性腰痛は、レントゲンを撮影しても現れません。ですので詳しいことはよく分からないから、筋筋膜性腰痛でしょう、椎間関節性腰痛でしょう、と病院で診断されることがあります。しかし、心理面が関与していたり、本当に原因がわからない特殊な特異的腰痛が、まざっていることはあります。そのため、どんなに体のハード面を完璧にしても治らない例もありますし、反対にあれやこれや腰にたいする処置を一切やめたら気がついたら痛くなくなっていた、などというケースも実際にあります。

鍼灸・マッサージの効果の検討も、単純に平均への回帰だったのか、本当に効果があったかまだ決着がついていません。(効果がなかったという結論の文献も実際にあります)

ただし、鍼・マッサージは筋肉を弛めるという点においては特化しているとお考えください。鍼灸・マッサージのみで、筋筋膜性腰痛が根本的に改善することは困難です。しかし、根本的解決する上で有効な手段であることは間違いありません。

非特異的腰痛を根本的に改善するにはどこにいけば良いのでしょうか?

まず整形外科を受診いただきまして骨格の形態的異常、内臓疾患が無いかチェックを受けてください。これは必須です。以前、病院に行って異常無しと言われたとしても、その時から半年以上経っている場合は、再度受診してください。

病院での診察・検査で、特に目立った異常が見当たらない、もしくは筋筋膜性腰痛と診断をもらうことがファーストステップです。

腰痛というと、整形外科のリハビリに通う、もしくは、整形外科以外の施術所を選択する、の2択です。

他の施術所を選択する場合は、基本的に腰痛は肩コリの根本的改善のための選び方と同じです。念のために補足いたしますと、整体やカイロプラクティックで行われている骨格矯正術では筋筋膜性腰痛はよくなることはありません。

骨格の問題は整形外科にてチェック済みですし骨が筋肉を動かすのではく、筋肉が骨を動かすものだからです。ストレッチをすれば大まかに筋肉を弛めることができますが、細かく背骨一つ一つのインナーマッスルへのアプローチはできません。つまり、腰痛を根本的に改善する場合ストレッチだけでは不十分です。 パーソナルトレーニングは大切ですが筋トレだけでは腰痛は治らないということは上述させていただきました。

では、鍼灸・マッサージ院であれば良いかのというと、そうではありません。方針によります。

筋筋膜性腰痛は、筋肉の細かい分析と対処ができるか否かにかかっています。

筋筋膜性腰痛で肝となるのは、とにかく筋肉を細かく分析して対処することです。例えば代表的ないわゆる背筋は正式には脊柱起立筋といいまして棘筋・最長筋・腸肋筋に分かれ、さらにそれぞれが三つのパートに分かれます。そらを一つ一つ個別に対処する必要があり、さらにはインナーマッスルである多裂筋・腸腰筋・腰方形筋は単なるツボへの施術ではアプローチが難しく、特殊な技術が必要です。具体的には角度と深度をピンポイントでアプローチしなればなりません。これを可能にするのは経絡やツボの知識ではなく、三次元での筋肉の人体解剖学です。そのため、鍼灸・マッサージを希望する場合は西洋医学的な理論のもと施術を行う鍼灸院を選択いただけたらと思います。

ただし、特異的腰痛の場合は東洋医学的な鍼灸が有効である可能性があるため、西洋医学的な理学療法が絶対というわけではない、ということも心の隅に留めておいてください。

 

 


執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


低気圧による体調不良の仕組みを知って気象病・天気痛・気圧痛を解消!!病院いくなら何科?という疑問にもお答えします!

爆弾低気圧・猛烈な台風・集中豪雨・大寒波・大雪・・・ここ数年、異常気象が当たり前のようになり発生しています。

天気が悪いと、なんか体調が悪い、気分が悪い、これって病気?そんな思いをきっとされたことがあるはずです。

雨の日頭痛」「天気痛」「気象病」「気圧痛」といった名称が一般的になりつつあります。

天気が悪いと体調がわるくなる女性を「低気圧女子」なんて呼ぶことも・・・

私たち人間は地球上で生きている生物ですから、天気という地球の環境に影響されるのは当然のことです。地球の環境が破壊されていると問題になってだいぶ経ちますが、天気も環境のひとつ。体調不良を天気のせいにしたところで何も解決しません。

ですので、低気圧や天気と体調について、首肩こりの専門院としての視点プラス患者さんの声を基に、医学的根拠を踏まえ「なぜ体調が悪くなるのか?」そして「天気が悪いときにできる対処方法」をマジメに考察してみました。

記事の後半で詳しく紹介します耳たぶマッサージは、首や後頭部がつらいといった体調不良の改善対策として、効果的かつ誰でも簡単に今すぐできるセルフケア方法です。

耳たぶマッサージはたったの20秒

この耳たぶマッサージは是非ともお試しください。

低気圧が原因に因る頭痛や目眩で、いざ病院に行ってみよう、と思っても何科に行けば分からない方は多いと思います。その点についても耳たぶマッサージの紹介の後に解説しました。参考になさってください。

台風・大雨といった天候により、肩こり・首こり・腰痛・偏頭痛などが悪化する「天気痛」や「気象病」は気のせいではない。

雨や雷、台風といった天気の悪い日に限って、頭が痛くなる、頭が重く感じる、肩が凝るといった体調不良または気分が悪くなる方は多いです。これらの症状は「天気痛」や「気象病」といった名前で呼ばれています。

冬の寒い日は、どんな人でも肩が痛い!!という経験があると思います。寒さによって血管が収縮するので肩にかぎった話ではないのですが、慢性的な肩こりを抱えていらっしゃる方は、より辛く感じることでしょう。そして、雨、雪の天気が加わりますと、より一層辛さが増すと思います。

天気が悪いと古傷が痛むという方もいらっしゃいますね。ですから、自らの体調で天候の変化がわかる、という方は少なくないはずです。

慢性的な肩こり・首こりを抱えていらっしゃる方は、同時に偏頭痛や目眩などの症状を抱えていらっしゃることが多いです。そして、天気(天候)により具合が変化するというお話をしばしば伺います。

数字でみる天候と体調不良の関係

天気が悪い時期といえば梅雨。夏前の梅雨の時期に体調をくずし、長引いてしまう方は少なくないようです。事実、(株)花王、(株)パナソニックが協賛している「血めぐり研究会」の調査によりますと、女性の約6割が梅雨の時期に体調の不調を感じ、約3割が梅雨の約2か月の間、常に体調が悪いと感じているとのこと。

tsuyudata20122月実施/20代~60代の女性930名を対象

出典:http://www.chimeguri.com/special/special_vol9.html

katakori LABSにいらっしゃる患者さんで低気圧や台風といった気象条件によって体調が左右される方はとても多いです。「天気予報よりも私の勘のほうが当たる」「体調で天気が悪くなる前ぶれがわかる」問診の際の会話でよく耳にします。

天気はそこまで悪くなくても、以下のような台風接近中の天気図のような状態でも不調を感じる方は多いのです。

天気痛3出典:http://blogs.yahoo.co.jp/kikitata3/31458699.html

通常の雨だけではなく、特に台風が接近すると強い症状を訴える患者さんが多いことに加え、標高が高い所に行くと喘息(ぜんそく)起こる飛行機に乗ると頭痛がするということを訴える方が決して少なくないということは、気圧が何かしら関与しているということが推測できます。(一般的には低気圧が関与しているという認識のようです)

必ずしも医学的に証明されたわけではありませんが、天気(天候)と体調との相関関係は統計的に明らかになっているデータはあります。

一例として、医学生を対象とした偏頭痛に対するアンケート調査では、偏頭痛の原因として考えられる項目を気象条件と回答する方が多かったことからも、その関連性が示唆されています。[文献3]

偏頭痛の誘発因子出典:http://www.annbalsofian.org/article.asp?issn=0972-2327;year=2013;volume=16;issue=2;spage=221;epage=225;aulast=Menon

これは、あくまでも経験論の域を出ることはなく、誰もが間違いなく天気(天候)と体調の関連性があることを認識していますが、その根拠は?と問われると苦しくなる処です。

通常の医学が人体内部の変化を分析・解明するのに対し、生気象学は外部環境(天気や気象条件等)が生体に及ぼす影響を研究する生気象学という分野も存在します。

体調不良を引き起こす原因の解明のキーワードは「気圧の変化」と「自律神経」

気圧の変化は、従来、天気予報で知る数値の情報でしかなかったのですが、現代人の生活との関わりは深くなりつつあります。例えばiPhone 6・6 Plusには、気圧をリアルタイムで計測するセンサーが内蔵されており、この機能を利用したアプリやウィジットを使われている方もいらっしゃることでしょう。普段の生活で気温を気にするのは普通ですが、気圧をチェックするのも容易になってきました。

iPhone6で気圧をリアルタイムチェック1気圧(1013.25hPa)と比べて低気圧ですね。

実際に気圧の変化が体調と関係があるのでしょうか?

天気痛研究・診療の第一人者で愛知医科大学の学際的痛みセンター客員教授である佐藤純先生が行った名古屋大学の環境医学研究所附属近未来環境シミュレーションセンターでの研究[文献1]によると、気圧の変化が自律神経に影響を及ぼし、交感神経の働きを活発にし、諸々の体調不良を招くということが示唆されています。

特殊な部屋で被験者に待機してもらい、気圧を下げていくと交感神経が活発に働きだし、同時に痛み等の諸症状が生じるという実験結果がでました。

天気痛出典:http://www.sasappa.co.jp/online/abstract/jsasem/1/050/html/1110500408.html

「低気圧」ではなく「気圧の変化」に注目しましょう。

「低気圧」そのものではなく気圧の変化という点に着目しなければいけません。

世間では、低気圧になると血行が悪くなったりやリンパの流れが悪くなるから、体調が悪くなる、という説明をする人が多く、もはや一般論と化しています。果たして、それは正しいのでしょうか?

一般的な低気圧が血流を悪くする説は、気圧[=空気による圧力]が身体へ与える物理的な負荷による影響で血管が圧迫や拡張して血流等が変調をきたし諸症状を誘発されるとしているのですが、当文献では異なった観点からのメカニズムが示されています。

例えば偏頭痛だと、従来ですと低気圧になると血管に対する外部からの圧力が減少し結果的に血管が拡張し、過剰な血流増加が起こり、頭痛症状に至ると考察されておりました。

しかし、愛知医科大学の佐藤純先生による研究では、人体には気圧の変化をキャッチするセンサーが備わっており、気圧が下がると自律神経のバランスが乱れ、体調を変化させるということがわかりました。

具体的に説明しますと、気圧が低下すると内耳(耳の最深部です)に存在するセンサーがそれをキャッチし、交感神経の興奮が高まり、血流や感覚閾値(感受性)を変化させ、痛みやコリ感などの諸症状を誘発する原因となる ということです。

交感神経が優位となると、痛覚閾値が下がる(痛みを感じやすくなる)ため、普段はなんともなくても、腰や膝など以前傷めたりした自身の弱点がシクシク疼くように感じてしまうわけです。

簡略化すると 気圧の変化 → 内耳のセンサー(三半規管の根元にある)がキャッチ → 交感神経の活動が活発化 → 痛覚閾値低下(痛みを感じやすい体へ)と末端の血流不全 → 様々な不定愁訴 → 交感神経が活発化・・・ といった負のサイクルが台風や前線がきっかけでできあがってしまい、局所症状から全身症状・精神症状へと拡散していき抜け出せなくなってしまう方も多いです

そのため、天気(天候)が変化しやすい時期、季節の変わり目や台風が生じている時、など目まぐるしく気圧が変化する時ほど具合が悪い方が続出してしまうのです。特に梅雨の時期は、雨の日と晴れの日が頻繁に入れ替わります。つまり、気圧の変化が激しい上に、太陽が顔を見せない日が多いので体調、自律神経の乱れやすくなるといえます。

また、本研究の着目すべき点は「気圧の変化をキャッチするセンサー」が内耳に存在することを示唆したことです。

内耳は、聴覚はもちろんのこと、平衡感覚や姿勢を維持するうえで重要な器官です。それ故、低気圧がやってきて体調不良となる時には、内耳のコンディションも低下して、痛みやコリ感などと同時にめまいや耳鳴りが頻発してしまうのが納得できます。

乗り物酔いしてしまう方が服用する「酔い止め」が、天気痛の諸症状に効果があるのは、この内耳のセンサーに働くためなのです。

タワーマンションに住んで大丈夫?

タワーマンションに憧れを持つ人は多いのですが、高層階症候群という言葉もあるように、実際に体調不良を訴える人は少なくない模様です。

頻繁に昇り降りしなければならない生活でしたら、間違いなく身体に大きな負担をかけることになるでしょう。大きな建物は空調設備で気圧のコントロールも行っていますので、昇り降りしなくても気圧の変化というのは共用部と部屋の移動だけでもあるかもしれません。

東日本大震災以降、徐々に免震構造のマンションも出てきましたが、免震構造自体は地震には強くても、台風などには弱く大きく揺れてしまいます。この「揺れ」も身体に影響があるといえるでしょう。東日本大震災時、長期にわたる余震もあり、いつも揺れている感じがして体調がおかしくなった方は多いはずです。揺れをキャッチするのは耳の中の三半規管です。気圧の変化をキャッチするセンサーも三半規管の一部です。

この「揺れ」については、免震構造のタワーマンションと制振や耐震構造のタワーマンションで話が変わってきます。共通してタワーマンションに住む上で意識しないといけないことは、気圧の変化に身体は反応してしまうという点です。これを意識するだけでも違うと思います。

男性よりも女性の方が気圧の変化の影響を受けやすい?

気圧の変化が自律神経の乱れを引き起こすのは、男性も女性も同じなのですが、女性は男性と違ってホルモンの分泌の問題があります。男性は思春期以降はホルモンの分泌はほぼ一定なのですが、女性は月経があるため常に変化しています。ホルモンの分泌をコントロールしているのは脳の下垂体(かすいたい)というところなのですが、ここは、自律神経をコントロールしている視床下部(ししょうかぶ)の支配下にあります。

視床下部と下垂体の位置

つまり自律神経とホルモンのバランスは密接な関係にあります。ホルモンのバランスが崩れたら自律神経にも影響が出るでしょうし、その逆もあります。そこに気圧の変化という要素が加わることを考えますと、男性よりも女性の方が気圧の影響を受けやすいといえると思います。

天気痛のような天気(天候)による体調不良への対策や解消方法はあるのでしょうか

気象病・天気痛に効果的とされる方法は、入浴(半身浴)や運動、呼吸法からはじまり漢方まで様々な解消方法が提唱されています。 実際それらが本当に効果があるのか?軽度の悩みの方には効果があるのかもしれません。実際に肩こりラボにお越しの方々の声をききますと、効果が感じられない、焼け石に水、といった声がほとんどです。いま、このページをご覧の方は、おそらく何をやっても効果がなくてお困りの方だと思います。

冒頭でも述べましたが、慢性的に肩こり・首こりをお持ちの方は天気によってその症状がひどくなったり軽くなったりします。

そして、天気(天候)により体調不良を訴える方は、ほぼ全員首肩の症状も抱えております。症状として自覚していなくても首の筋緊張と血流不良の所見はほぼ確実に見受けられます。

以前の記事でも書きましたが、肩こり・首こりは自律神経の失調が大きな原因のひとつです。

そして、肩こり・首こりが慢性化すると高確率で自律神経失調症の状態に陥ります。これは特に首こりに顕著です。肩こり解消は、体調を改善する上で大変大きなことなのです。

詳しくは以下記事をご参照ください↓↓

肩こりと首こりの決定的な違い(解剖学・生理学の視点から徹底解説)

体操・ストレッチ・温熱療法など血行改善により肩こり・首こりが解消されない理由 (医学的根拠に基づき神経生理学の観点から解説)

つまり、どちらが先か断定できませんが、肩こり・首こりと自律神経失調症は相互に依存しあって負の連鎖を生むことになります。

筆者の経験からの個人的見解ではありますが、首肩の状態と不定愁訴は関連性があると考えています。

台風が来るなど天気が崩れる前や、女性限定ですが生理(月経)が来る前にいつも偏頭痛に悩まされていた方が、肩こり・首こりに悩まされなくなったら、気づいたら頭痛の症状が減っていたとの声をしばしば頂きます。

女性の患者さんの例ですが、半年ほど2週間に1回程度の頻度で首肩の施術を続けたところ、毎月、月経前には必ず頭痛薬を飲まずにはいられなかったのに、いつのまにか飲まなくなっていたという状態まで持っていくことができました。

これを踏まえ、11名の首肩と同時に自律神経失調症をかかえている方へ同様のルーティーンで首肩の施術を行ったところ8名から良好な反応が得られました。首肩の症状を抑え、つらくない状態を一定期間維持することで、肩こり・首こりに悩まなくなった後、結果的に天気(天候)や月経の影響をあまり受けなくなり、薬を飲まなくなった、もしくは飲む回数が減少したとのことです。

これはプラシーボ効果の検討、ランダム化や盲検化もしていないので医学的根拠としての意味は持ちませんが、あくまで首肩の状態と不定愁訴は関連がある可能性は高いと考えている筆者の考えの根拠の一つとして記させていただきました。

6天気痛出典:http://cochiro.com/acupuncture/

天候による体調不良を解消する、予防するために効果的なセルフケア方法

天候による体調不良とは体が気圧の変化による影響を受けやすいために起こります。「自律神経を安定させる方法」は色々ございますが、普段から行うべきことと、不安定になったものを安定させる方法の2つに分けて解説します。

気圧の変化に負けないように、自律神経のバランスを保つために、普段から心がけるべきこと。

「気圧の変化」を内耳に存在するセンサーがキャッチし、そこから自律神経のバランスが乱れて数々の不調が現れることを上記にてご説明させていただきました。

台風や低気圧の接近など、天気(天候)によって体調不良となる理由の本質は、自律神経の乱れにあります。そのため、日頃から自律神経に負担をかけないこと、バランスを整えることは、その対策として有効的です。

体質的な部分はもちろんありますが、特に自律神経にとってもマイナス要素は「不規則な生活」と「ストレス」です。

誰もが知っている規則正しい生活の大切さ。

理想は規則正しい生活。生物には生まれながらにして持っている体内時計があります。しかし、それが出来ないのが現代社会。不規則な生活は、身体への負担が大きく、体の調子が不安定になります。睡眠不足による肌荒れ、徹夜すれば胃腸の調子が悪くなる、など誰もが規則正しい生活が大切なのは分かっています。不安定な体の調子を安定させるために働くのが自律神経です。自律神経を働かせすぎると、自律神経のバランス自体が崩れてしまいます。

生活リズムを変えるのは難しい!!でも、そのリズムを一定にすることなら、可能ではないでしょうか?

規則正しい生活というのは生活のリズムが安定しているということ。睡眠のリズム、食事のリズムはじめ、日常生活のリズムを規則正しくすることは理想的で、良いことなのは当然です。今までの生活を変える、環境を変える、なんてことはそうそうできることではありません。

しかし、朝方寝て昼起きて夜活動するといった生活スタイルの方は、それを日々続けることは可能でしょう。体内時計とはズレた生活ではありますが、それを毎日続けるということは規則正しく行うということですね。これがポイントです。

睡眠に関しては「長時間寝れば良い」「〇時間寝れば良い」というのではなく、できるだけ就寝時間と起床時間を一定にすることが自律神経にとって負担が少なくなります。極端なムラを無くすことです。久しぶりの休みだから、寝れるだけ寝よう、は気持ちはよくわかりますが、これが良くないのです。休みの日でも、決まった時間に起きる、食ことをする、でも休日だから昼寝をするなどして、バランスを取ることが大切です。

食事においても、一日三食きっちり食べることが重要なのではなく、なるべく同時刻にムラなく食べることが自律神経には良い影響を与えます。毎日2食しか食べない人はそれを続けましょう。ただし、食べる時間はいつも同じにしてください。栄養素や食材にこだわることも大切ですが、こだわるなら楽しんで拘りましょう。そして義務的に食べるのではなく、食ことを楽しむということがとても大切です。

ストレスを無くすことは不可能ですから、溜め込まずに発散しましょう。

生きている以上、ストレスを無くすことは不可能です。ですから、なるべくそれをため込まないようにすること、吐き出す、発散が大切なのはいうまでもありません。独自のストレス解消方法をお持ちの方はそれを実行していただくことが良いのですが、慢性的な不調を抱えていらっしゃる方は、その方法を持ち合わせていらっしゃらない場合が多いです。

最適な方法は人それぞれです。ひとつの手段として、適度な運動は効果的です。ここでのポイントは少しでも良いので「汗」をかくことです。汗をかくことによりストレス解消や自律神経を安定させる効果が期待でます。

どんな運動・メニューを行えば良いか?というよりは、この場合は無理なく続けられる事なら何でも良いです。数回で終わるのではなく、あくまで習慣として細く長く続けられる、楽しく続けられることが一番肝心です。

例えば、好きな音楽を聴きながら20~30分早歩きするのも効果的です。

また、入浴等で汗をかくよりも、運動によって体を能動的に動かすことによる発汗のほうが効果的です。筋肉の収縮と弛緩が交互に起こるため、全身の循環も促されます。

適度な疲労を促すことにより、自律神経失調症の特徴である「寝つきが悪い」「眠りが浅い」などの睡眠に対する症状へも良い影響が期待できます。その他数々の対処方法があるとは思いますが、それらのほとんどは不調となってしまった後の対処法となります。

以上が「自律神経に負担の少ない」「できるだけ乱れにくい」生活を目指す上での日頃から行ったほうがよいと思われるセルフケア方法の解説です。

今すぐできる、どこでもできる「耳たぶマッサージ」で自律神経をバランスアップ

恐らく読者様は今まで様々な方法を試してきて、ことごとく効果を感じられなかったことでしょう。これまでの記事をお読みいただいて「規則正しい生活をしろって言われてもそれができないから困ってるの!!結局我慢するしかないんでしょ!!」と思われた方も多いと思います。

そこで、誰もが、いつでもどこでも今すぐできる簡単なセルフケア方法「耳たぶマッサージ」をご紹介します。これが不安定なものを安定させる方法です。

この耳たぶマッサージ、気圧の変化による首や後頭部がつらい、締め付けるような頭痛(緊張性頭痛)といった気圧痛でお悩み方にぴったりの解消方法です。そして「咬筋ほぐし」にもなります。咬筋ほぐしは小顔やフェイスラインの引き締めに効果あるとされてますので女性には嬉しい方法ですよね。耳鳴り、目眩、偏頭痛には効果は期待できませんのでご了承ください。

耳たぶマッサージは2ステップ

耳たぶを外側に引っ張ります。少し痛いと感じるくらいがベストです。 2〜3秒引っ張ったら離します。これを3〜5回繰り返します。
両耳行いましょう。片耳ずつでも構いません。

次に、耳たぶを回します。前回し3回、後ろ回し3回繰り返します。
たったこれだけでOKです。1分もかかりません。いつでもどこでも出来ます!!

耳たぶをマッサージ行う理由とマッサージ効果の解説

①なぜ耳たぶなのでしょうか?

気圧変化によって諸々の体調不良が生じるのは、交感神経が優位になり体が意図せず緊張状態となっていることが大きな原因です。そこで副交感神経優位にして緊張を解くことが大切です。

今現在、耳たぶに触れてみてください。温かいですか?それとも冷たいですか? 気温が低い環境にいるわけではないのに、耳たぶが冷たくなっているのは、末端まで血流がいってないということです。これは、交感神経が優位になっているといえます。

耳たぶのマッサージは、今回の場合は副交感神経を優位にする目的で行います。さらに「心地よい刺激」を与えることで、その「心地よさ」から副交感神経が優位になることも期待できます。
例えば背中の刺激は一時的には交感神経を優位にしますが、心地よい刺激を持続的に行うことで副交感神経を優位にします。

自律神経が乱れている状況とは、交感神経か副交感神経のどちらか一方に偏りすぎてしまっていることを意味しますので、どちらかを優位にするのではなく、本質的には外から刺激を与えてその均衡を取り戻すことが目的となります。

耳たぶに限らず耳への刺激は、実際のところ、交感神経を優位にする、副交感神経を優位にする、という2つの効果があるということで、意見が分かれているところでもあります。部位によって異なるようです。

②耳の後ろにある筋肉への刺激

マッサージの良さである「心地よい刺激」により副交感神経が優位になることが期待できること以外に筋肉を刺激する点が今回のマッサージの重要ポイントです。

耳の後ろには、胸鎖乳突筋、板状筋といった筋肉があるのですが、耳たぶを引っ張っる、耳たぶ回しをすることで、この筋肉を筋膜を介したストレッチになるのです。(筋膜とは筋肉を包む薄い膜で神経が密に分布している重要な組織です)

耳たぶマッサージその3

この耳たぶマッサージによる効果というのは、胸鎖乳突筋、板状筋の筋膜に刺激を与えることで、これらの筋肉が緩むことにより、首こりや肩こりの症状がスッキリするという効果です。(あくまでこれは応急処置であるため、あえて「スッキリ」という表現にしてあります)

体調悪くなりそうな予感がした時に「酔い止め」クスリの服用すると効果的とはいえ、そのような準備がない場合こそ、この耳たぶマッサージをお試しください。「酔い止め」が効果的とされているのは、内耳センサーに働くから、と思われます。そう、耳が大切なんですね。

なお、耳つぼダイエットは、食欲を抑えるツボによる効果を謳っていますが、医学的根拠は極めて曖昧なのでご注意くださいね。(治療院・お店選びの参考にもなると思います。)

残念ながらセルフケアには限界がございます。

正直に申し上げて、特に現代人の生活習慣においてセルフケアで全てを解決することに限界があるのもまた事実です。しかし根本を理解し、それに対する手立てを行うことは少なからず意味があると思います。

まずはセルフケアで対応し、それでダメなら病院へご相談ください。

肩や首、腰の「痛み」を緩和する効率的なセルフケア方法に関しましては、別途記事をご用意しましたので、こちらの記事を御覧ください。

首肩の痛みに効く!!肩こり解消ストレッチ〜正しいストレッチ方法を解説

セルフケアでも改善しない場合は、病院で診察を受けてください!!

体調がすぐれなければ病院へというのはどなたでも分かってはいることですが、具体的に何科の病院にいけばいいの?という疑問があると思います。低気圧などによる体調不良の場合は、とくにそうでしょう。次の表を参考にしてみてください。

 

耳鳴り・めまい 耳鼻咽喉科
頭痛・めまい 神経内科

別に頭痛や耳鳴りはないけど、目眩がするという方は、次の表を参考にしてください。

目が回る目眩 耳鼻咽喉科
ふわふわ浮いている目眩 神経内科
フラフラする目眩 神経内科

上記の様に、目眩の症状として、回転性(目が回る)と浮動性(ふわふわ、フラフラ)の2種類に分かれます。病院へいく際の目安にしてみてください。

 

神経内科について

 神経内科は脳や脊髄、神経、筋肉の病気をみる内科です。体を動かしたり、感じたりする事や、考えたり覚えたりすることが上手にできなくなったときにこのような病気を疑います。症状としてはしびれやめまい、うまく力がはいらない、歩きにくい、ふらつく、つっぱる、ひきつけ、むせ、しゃべりにくい、ものが二重にみえる、頭痛、かってに手足や体が動いてしまう、ものわすれ、意識障害などたくさんあります。まず、全身をみれる神経内科でどこの病気であるかを見極めることが大切です。その上で骨や関節の病気がしびれや麻痺の原因なら整形外科に、手術などが必要なときは脳神経外科に、精神的なものは精神科にご紹介します。また、感じることの中には見たり聞いたりする能力も含まれますが、眼科や耳鼻科の病気の場合もあります。どの診療科に受診するのが一番ふさわしいかは、おかかりになる病院に前もって問い合わせるとよろしいでしょう。

神経内科と他の科はどのように違うでしょうか?

よく神経内科はわかりにくいといわれます。科の名称が紛らわしいためと思いますが、特に間違えられやすいのが精神科、精神神経科、神経科、心療内科などです。これらの科は精神科の仲間で、おもに気分の変化(うつ病や躁病)、精神的な問題を扱う科です。また、心療内科は精神的な問題がもとで体に異常をきたしたような病気を扱う科で、もともと内科のトレーニングを受けた先生が多いですが、一部精神科の先生方も心療内科として診療を行っています。

神経内科はこれらの科と異なり、精神的な問題からではなく、脳や脊髄、神経、筋肉に病気があり、体が不自由になる病気を扱います。まず、神経内科でどのような病気か診断し、手術が必要な病気の場合は脳神経外科にご紹介します。脳神経外科は外科ですので、基本的に手術などが必要な病気を扱います。脳腫瘍や脳動脈瘤などが脳神経外科でみる代表的な疾患です。

精神科の病気のほとんどが実際に病気の患者さまの脳を拝見しても異常を見つけられないのに対し、神経内科で扱う病気は脳をみるとなにかしら病気の証拠をみつけることができます。但し、中には精神科と神経内科どちらでも見る病気もあり、痴呆やてんかんなどはその代表的なものです。最近は痴呆も原因がわかりつつあり、脳の変化もよくわかってきています。

このようにいろいろな科が関係することもありますが、まずは全身をみれる神経内科にかかっていただき、必要であれば他の科に紹介していただくのが望ましいと思います。

また、大学によっては神経内科とよばず脳神経内科などほかの名称の場合もあります。

神経内科とは?|神経内科の主な病気 一般社団法人 日本神経学会

ただし、歩くこともできないといった立位保持不可・歩行不可な場合や、嘔吐を伴う場合は横になって安静を保ち、改善しなければ迷わず救急外来を受診してください。

症状自体は軽い場合ですが、もし横になってしばらく安静にしても治まらない、寝ている状態でも目眩が緩和されない場合には神経内科へ行くのが良いでしょう。

めまい・頭痛・耳鳴りがひどい場合は重篤な病気が隠れている場合があるので、まずは必ず医療機関を受診してください。鍼灸・マッサージはあくまで、それで異常がなかった場合に適応となりますので、その点を踏まえた上でご検討ください。

鍼灸・マッサージは病院で治せないものが治せるといった魔法のようなものではございません。

 

鍼灸・マッサージで可能なこと

  • 筋肉を弛める
  • 血流を改善させる
  • 自律神経のバランスを整える

以上の3点です。

私たち鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師が行うのはあくまで「肩こりという症状」に対してであり、この3点の改善で対処できる問題が生じている場合には、きっとお力になれるものと存じております。

では、どの鍼灸師でも結果は同じかと思われるかもしれませんが、不調の原因を見極めることが難しいのです。そしてたいてい不調の原因は1つではなく複数ございます。

自律神経を乱れにくくすることは容易ではありません!!

今このテキストをご覧のあなたは、天気による体調不良で悩まされ、様々な対処方法を試してきたことでしょう。でも、どれも期待通りの効果は得られなかったのではないでしょうか?偏頭痛や肩こりと同じように、どうせ治らないとどこか諦めてしまっているかもしれません。ひとつだけ確かなのは、肩こりは治る、という事実です。頭痛の原因が肩こりであれば、頭痛からも解放されます。

自律神経失調症からの不定愁訴に対する特効薬は現段階ではありません。

不調の根源には自律神経のみではなく脳・筋肉・血流・精神・・・など諸々の要素が複雑に絡み合い、体全体として負の連鎖が生じてしまっていることが大きく関与しています。

その負の連鎖を断ち切ることで、ある程度症状はコントロールできるものと考えております。

なかでも鍼灸・マッサージは自律神経や中枢神経にはたらきかける作用が科学的に証明されています。[文献2]

適切な部位に、適切な方法で、適切な処置を行うことで神経に影響を及ぼすことが可能です。

解剖学・生理学的に首と自律神経には密接な関係性があるのは紛れもない事実

当記事では、あくまで筆者の経験による見解が多く、いま現在、医学的根拠として有効なものではございません。医学的根拠として有効ではなくとも、解剖学・生理学的に首と自律神経には密接な関係性があることはまぎれもない事実です。頚部周辺の状態を良くすることは自律神経系の状態を良くすることにつながり、結果的に諸症状の改善につながることは、いまこのテキストをお読みの方でしたらきっと容易に予想できると思います。

肩こりラボでは、さらに症例と客観性のあるデータを蓄積して医学的根拠としての有効化と、より再現性のある理学療法を日々追求しています。

【参考文献】

[文献1] http://www.sasappa.co.jp/online/abstract/jsasem/1/050/html/1110500408.html

[文献2] http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0165183899000909

[文献3]http://www.annalsofian.org/article.asp?issn=0972-2327;year=2013;volume=16;issue=2;spage=221;epage=225;aulast=Menon

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


パフォーマンスアップを望むアスリート(ダンサー含む)に有効な鍼とマッサージ。客観的視点から再検討してみました。

 

鍼で秘孔をついてパワーアップ

アスリートの方から「鍼で秘孔(ツボ)をついてパフォーマンスアップできませんか?」というご質問をしばしば頂きます。

一般の方の感覚からすれば、冗談のように思えますが、ケガが治らないトレーニングを行っても一向に変化無しといった状況のアスリートにとっては藁をもつかむ心情なのです。

どうも鍼(ハリ)はツボを刺激すると思われていますし「北斗の拳」といった国民的人気コミックの影響で秘孔という言葉だけは広く知られ、中国四千年の歴史というイメージ(中国が建国されたのは1949年です。)・・・といったイメージがあるようで“不可能が可能になる“1発で劇的な変化が起こる”といった期待を抱く方が多いようです。

しかし鍼(ハリ)はあくまで機械的刺激を用いた物理療法のひとつです。(物理療法とは、電気・温熱・寒冷・触圧など物理的な方法で行う療法。)

人体に鍼を刺して起こる反応は限られています。これは以前の記事で解説いたしました。

→ 医学的根拠に基づく鍼灸・マッサージとは(通い続けても改善しない重症肩コリ・首こり患者さんにお読み頂きたい東洋医学と西洋医学の違い)

 

鍼はパワーアップではなくダウンさせるためのもの

鍼を打つことで筋力アップといった素晴らしい効果があるのか、ないのか?ずばり事実を申し上げます。

基本的に鍼(ハリ)は筋肉弛緩させ、血流を増加させると同時に張力(発揮する力)を低下させます。

[文献1] 肘関節屈曲伸展運動に伴う筋疲労に及す円皮鍼の効果 異なる施鍼部位でのパイロットスタディ 

そのため、鍼(ハリ)はアスリートにとっては体調を整えるコンディショニング・ケアという点では有効ですが、鍼を刺すことにより筋肉な弛緩するため筋収縮力は低下し、競技直前の鍼施術はパフォーマンスを低下させるであろうことが理論上通説とされています。

しかし、こちらの研究では競技前に鍼(ハリ)を行う事の有効性が示唆されています。↓↓↓

[文献2]トライアスロン競技後の筋肉痛に及ぼす円皮鍼の効果-プラセボを用いた比較試験- 

こちらを要約すると、腰の一定部に長さ0.6㎜の極短い置き鍼(円皮鍼)を行って運動を行った所、疲労感と運動後の筋肉痛(遅発性筋痛=DOMS=Delayed Onset Muscle Soreness)が軽減されたとのことです。

ここに置き鍼を行い運動を行ったところ効果があったとの報告です↓↓

円皮鍼

円皮鍼2

上記[文献2]より引用させていただきました

 

円皮鍼とはこのようなものです↓↓

円皮鍼5

http://www.jizo-s.jp/treatment.htmlから引用させていただきました

円皮鍼4

http://shibasaki.hmpg.org/index.php?FrontPageから引用させていただきました

 

遅発性筋痛=DOMS=Delayed Onset Muscle Soreness とは↓↓

遅発性筋痛 delayed onset muscle soreness

  • 運動後数時間から24時間程度経過して、筋肉を圧迫したり動かしたりした時に知覚され、運動1-3日後をピークとなり、7-10日以内には消失する痛み
  • DOMSが筋や結合組織の微細構造の損傷を引き起こす伸張性(エクセントリック)筋活動を含む運動にともなって起こることから、筋線維あるいは結合組織の損傷、およびその後の炎症反応が原因だとする(損傷・炎症説)が広く支持されている
  • DOMSと乳酸は無関係であるといっても過言でない
  • 筋のスパスムと筋の虚血の相互作用がDOMSを引き起こすという筋スパズム説も否定されている
  • 遅発性筋痛は、伸張性(エクセントリック)筋活動を含む運動で発現し、短縮性(コンセントリック)あるいは等尺性(アイソメトリック)筋活動のみでは、ほとんど発現しない
  • DOMSが発現するのは、運動に不慣れな場合や、運動時間が普段より長かったり、運動強度が激しかったりした場合
  • 筋の損傷・炎症は、筋力、関節可動域、筋周径囲、CPK、ミオグロビン、超音波、MRI画像変化から間接的に把握される
  • DOMSの程度は筋損傷の程度を反映しておらず、筋肉痛が激しいことは必ずしも筋損傷の程度が激しいことを意味していないと結論づけられる
  • 加齢に伴ってDOMSの発現時期が遅延するという事実は必ずしも明確でない
  • 上腕屈筋群のエクセントリック運動を20歳代と50-60歳代の被験者に負荷して筋痛の出現時期を比較した結果、どちらの被験者群においても、一日後に筋痛が出現し、2日目にさらにひどくなり、3日目以降に回復していくという結果で差は求められなかった
  • 3-5才児筋痛なし 小学生になるとDOMSが生じる
  • DOMSの発現を完全に抑制する効果を有する手段はみつかっていない
  • NSAIDのDOMSに対する効果は認められていないか、認められたとする報告でもその効果はわずかである

遅発性筋痛の意味

  • 一般に痛みは危険信号だと考えられ、異常を知らせ、痛みがある部位を安静に保つことを促していることが多い。しかし、DOMSにおいては、痛みが生じるのは運動後であり、仮に運動が危険であることを知らせるには手遅れである。また、痛みがある筋を安静に保たせるための信号であるとすると、DOMSのある筋を無理して動かした後、痛みが軽減し、回復過程に対しても悪影響がないことと矛盾する。さらに、筋痛が発現する時期は、組織学的な損傷・炎症の時間経過と一致せずまた、痛みの程度と損傷の程度は無関係である。これらのことは、DOMSの生理学的意義に対して疑問を投げかけるものである。なぜ運動後DOMSが出現するのであろうかDOMSにはどのような意味、意義があるのであろうか。これらの疑問に対する答えは、現在のところ得られていない。

出典:遅発性筋痛の病態生理学 理学療法 2001;18(5):476-484(野坂和則)

 

競技前に行う鍼(ハリ)によるパフォーマンスアップについて

先行研究と合わせて、競技前の鍼(ハリ)とパフォーマンス向上について考察をします。

①鍼をどこに刺すか

鍼を筋肉へ刺さると、その筋肉は弛緩します。 鍼を刺すと筋肉を弛緩させ収縮力を低下させるため、特殊なケースを除き、競技前にむやみに鍼を刺すと“発揮される力の低下”=“パフォーマンス低下”を招く可能性があります。 しばしば選手からの「筋肉の緊張がとれて可動域は広がるが、力が入りにくくなる」という訴えを耳にします。(過剰に力んでしまい可動域制限と意図する動きができない方には有効的ですが・・・)

また、その反応は神経支配比が密(神経がたくさん集中している)な体の末端部分で顕著に出る傾向があるため、足や腕など競技中に筋肉の収縮・弛緩が激しく繰り返される部分に施術を行うと返ってマイナスに作用してしまう可能性があります。

アスリートにとって、競技中に違和感として実感されるのはマイナスとなりかねないので”置き鍼をしているのかしていないのかわからない”状態とするのが好ましいです。

よって、末端部分ではなく体幹部分へ施術を行うことが推奨されます。 体幹の背骨の近隣に刺激を行うと、体性-自律神経反射により遠隔部の血流を改善させることが可能となります。

例えば腰へ施術を行うと足が、首へ施術を行うと手の血流が増加します。このため、足に鍼を行わなくても、腰へ施術を行うことで、重だるさが生じる可能性を限りなくゼロに近づけて足の状態を上向きにすることが可能です。

②鍼を刺す深さは

皮膚は表皮(約0.2㎜)、真皮(約2㎜)、皮下組織(主に脂肪で個人差有り)で構成され、その深部に筋膜で包まれた筋肉が存在します。鍼が筋膜を通過する際に鈍痛や重だるさを覚える場合が多いため、それらを生じさせないためには“筋膜を貫かない”ことが大切です。

そのため0~数㎜以下の深さで鍼を挿入することが推奨されます。その点、円皮鍼は長くても1.5㎜なので有効な手段といえます。

また、真皮層には痛みや違和感を感じる神経が密に分布するため、違和感を予防するという意味では実験で使用した0.6㎜のものか最も短い0.3㎜のものが有効的なのではないでしょうか。

ちなみに、0㎜~としたのは刺さず皮膚表面へ刺激を与えるだけでも反射を喚起することができるからです。

(しかし刺さないとなると鍼である必要がないのでは・・・という意見が出るはずです。私自身も刺さないならば鍼である必要はないと考えているので、極弱い刺激が適している場合にはマッサージにて対処を行っております。)

筋膜リリースとは?

③鍼のデメリットは

ウェイトリフティングや陸上の短距離・跳躍・投的など、瞬発的に高いパワーを発揮する競技には不向きかもしれません。

バイオメカニクス上、身体動作における発揮される力の源は体幹です。筋肉までは到底到達することがない極浅い円皮鍼という刺激であっても、刺した部分の筋肉が弛緩することは考えられます。(経験上は弛緩します。)

上記のような限界ギリギリの所で勝負をする競技においては、わずかでも筋収縮力が低下することは、パフォーマンス低下を招きまねきかねません。よって筋肉の収縮力次第でパフォーマンスが大きく左右する瞬発系の競技においては、競技前の鍼(ハリ)は避けた方が良いのではないでしょうか。

 

競技前の鍼(ハリ)が適しているスポーツとは?

多くのスポーツは筋肉の収縮力が第一の理由でパフォーマンスは決定しません。長・中距離や多くの球技等は筋力だけでなく、有酸素系代謝能力や多くの要因が絡み合いパフォーマンスが決定します。

すなわち、多くの競技は筋力とパフォーマンスは正の相関関係にありません。よって、体幹部分に多少の筋力低下が生じたとしても(円皮鍼を刺して筋力低下を実感できるのは国際レベルの極少数のトップアスリートぐらいですが・・・)、末端部の循環を良好な状態に保ち、疲労しにくい状態をつくることは結果として動作を円滑に、持続的に遂行することにつながるはずです。

そして、何よりも怪我や痛みを抱えずに、継続的・漸増的にトレーニングを積むことがアスリートのパフォーマンスアップには不可欠です。このようなことから、瞬発系競技以外のスポーツにおいて、競技前に鍼(ハリ)を行うことは、パフォーマンスアップの補助となるのではないでしょうか。

個人的には、長距離ランナーはじめ有酸素系のアスリートは、疲労のコントロールと障害予防という点で日常的に円皮鍼を使用し練習を行うと良いのではないかと考えております。

また、バスケットボール、サッカー、野球、バレーボール、ダンスなど部分部分では瞬発力の求められる競技も、トータルでとらえると持久力・協調性・スキルが高い次元で両立されることが求められるため、有効的なのではないでしょうか。

海外の選手と瞬発力含め身体能力勝負をしても、日本人に勝ち目はありません。身体能力勝負をすると越えられない壁はつきものですが、今後日本人が世界で活躍するためには、持久力・協調性・スキルで勝負をする必要があるのではないでしょうか。

鍼(ハリ)は筋力アップという点ではマイナスですが、持久力・協調性・スキルという点ではプラスに作用する可能性が高いです。

このようなことから、バスケットボールやサッカーなどといった一見瞬発力の求められる競技においても、競技前の円皮鍼による治療は有効的なのではないかと考えております。

スポーツと鍼(ハリ)についてのまとめ

鍼(ハリ)(東洋医学・ツボ)は魔法ではないため、漫画のイメージのように不可能を可能とすることはできません。

「長年悩んだ〇〇の痛みが劇的に・・・」「あきらめていた〇〇が1発で・・・」などの奇跡体験が美談として語られますが、ごく稀に奇跡のような事象はたしかに起こります。

しかしそもそも“その治療”が本当に効果あったのか、はたまた“その治療”に関係なく生じた現象なのか(単に平均への回帰だったのか)、その美談が公平な視点から検証された形跡はありません

残念ながら、アスリートのパフォーマンスアップに近道はありません。しかし“寄り道”をしないことは可能です

アスリートが進化し続けるためには、第一に漸増的・持続的にトレーニングを行うことができるかどうかが求められます。寄り道とは、スポーツ障害や不適切なトレーニング計画・メニューによって無駄な時間を過ごしてしまい、トレーニングを漸増的・持続的に実行不可能となってしまうことです。

アスリートが鍼(ハリ)によってパフォーマンスアップ可能かどうか。

結論、鍼(ハリ)によって劇的にパフォーマンスアップを図ることは不可能ですが、パフォーマンスアップを阻害する“寄り道”の可能性を大いに低下させることは可能です。その手段として、今までは競技後のコンディショニング一辺倒だった施術が、競技前にも有効的な手段があるということが示唆されたのではないでしょうか。

円皮鍼を用いた施術は、低リスク・低費用で簡易的な施術になりますので、どこの治療院でも気軽に実施可能です。 そのためプロアスリートに限らず多くのアマチュアアスリートの方々にも実施していただくことが可能です。プロ・アマ問わず、日本のスポーツ発展にわずかでもプラスとなるのではないかと考えております。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございます。

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか?パフォーマンスアップについてお悩みの方、なんとかしたいとお思いの方、是非、一度ご相談ください。

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


継続してもパフォーマンス(競技力)が向上しない/故障が減らない/腰痛が治らない・・・共通する理由を知っておきましょう

体幹という言葉は、誰しもが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。 雑誌やインターネット上には、お決まりのエクササイズがいくらでも掲載されています。しかしそれを行っている方の中で、体幹とはいったい何なのか?体幹トレーニングとは何なのか?目的は何なのか?その効果は?といったことを正確に認識している方は極々少数だと思います。

体幹トレーニングの“体幹”の本当の意味

 

体幹という言葉は、誰しもが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。 雑誌やインターネット上には、お決まりのエクササイズがいくらでも掲載されています。しかしそれを行っている方の中で、体幹とはいったい何なのか?体幹トレーニングとは何なのか?目的は何なのか?その効果は?といったことを正確に認識している方は極々少数だと思います。

なんとなく、体幹を鍛えると良いらしいから、みんなやっているから、雑誌に書いてあるから、決められたメニューだから・・・といった方が多いのではないでしょうか。では体幹トレーニングとはいったい何のために行うのでしょうか。

体幹トレーニングを日々行っている方は、少なくとも何かしらの目的意識をもっていると思います。しかしそれを行い十分な効果の実感と目的を達成した方はいないのではないでしょうか。

世には体幹トレーニングの方法論は溢れています。しかし、突き詰めた本質的部分は解説されてはいません。その本質的部分がしっかりと理解されていないからこそ、結果の出ないことを行い続けてしまっているのです。トレーニングは、正しく行えば必ず目的への距離は縮まります。その距離が変化しないということはどこかにエラーが生じている証拠です。

そこで今回は、多くの方々がなんとなく行っている体幹トレーニングの技術やメニューといった表面的な部分ではなく、不透明な本質的な部分を解説します。

行い続けても先に進まずお悩みの方へ、少しでも参考になれれば幸いです。

そもそも体幹とは何を意味するのかご説明いたします。

 

体幹という言葉は、実は部位を示す正確な解剖学用語ではありません。解剖学書を隅々までくまなく探しても詳細な記述はありませんでした。体幹とは人体の特定の部位をさす名称ではなく、あくまで「おおまかなエリア」を指す用語でしかありません。ですから、どの骨・どの筋肉と詳細に断定することができないのです。具体的にどこを示すかは諸説あり、定まっておりません。

また、以下で解説しておりますが、体幹トレーニングを考える上で骨や筋肉など個々の部分に着目するのは二の次です。そのため、解剖学的な解説はここでは割愛させていただきます。

当記事では、体幹=腕・大腿・頭以外の胴体部分とさせていただきます。

 

身体運動と体幹部分の関連性とは

 

故障せず高いパフォーマンスを発揮するためには単に筋力やパワー(この二つは違うもの)ではなく身体活動のベースとなる可動性(mobility)と安定性(stability)が必要です。

  • 身体活動のエネルギーは、胴体がしなることで生まれます。(誤解のないように補足します。体をしならせるためには筋力が必要です。しかし筋力だけでなく伸長反射などの反射機構も同時に行われる必要があります。)
  • 生まれたエネルギーは主要な関節を可動させ、末端方向へ伝わっていきます。
  • 最後に手や足を介して外部へ伝えられパフォーマンスとして発現します。
  • そして忘れてならないのは発生したエネルギーを制御する動きの制動能力です。
走り方の解説図

(https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/limedio/dlam/B23/B2366992/1.pdf内から引用させていただきました)

 

これらをふまえてアスリートが高いパフォーマンスを発揮するためには

  1. 上記一連の流れがスムーズであること
  2. 初動の大きなエネルギーを生むために背骨と大きな関節が十分にしなること(可動性=mobility)
  3. 末端に伝わったエネルギーが外部へ伝達される際に胴体や大きな関節がしっかりと固定されぶれないこと(安定性=stability)
  4. 末端に伝わったエネルギーは手や足を胴体から引き離そうとするためそれを制御し次の動きへ繋げるための制動能力(能力としたのは単純に筋力だけではないから。これが欠如すると故障へつながる。)

が求められます。つまり、体幹トレーニングの本来の目的とは「動くこと」と「静止すること」といった相反する作用を両立させることなのです。

 

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(http://www.re-studio.jpさんのHPからお借りしました)

体幹トレーニングの本質

 

多くの方が「体幹トレーニング」と認識しているフロントブリッヂやサイドブリッヂ、バランスボールを用いたメニューの目的は主に腹部の筋肉の強化です。腹部の筋肉強化は、体幹に求められる機能のほんの一部でしかありません。

そもそも、体幹の強化するために腹部の筋肉を強化すべきなのかどうか?人によって強化すべきポイントは様々です。たとえばフロントブリッヂなどのお決まりのポーズを30秒→1分→2分と長時間できるようになっても体幹が強化された・問題が解決した方はいないのではないでしょうか?そして、パフォーマンスが飛躍的に向上したということもないのではないでしょう。

自覚的に安定感が増したなどといった効果の実感はあったとしても、記録や結果として効果が反映されることは極めて少ないのです。

体幹トレーニングを行う本当の目的

技量不足のトレーナーが多く、そんなトレーナーがメディアに多く登場するによって、やたらに体幹という用語が使われるようになりました。体幹という言葉を耳にしたことがない方はいないでしょう。

体幹の本来の肝心な意味(本質)が置き去りにされてしまっているのが現状です。そればかりか、体幹=腹部、体幹トレーニング=腹部筋力強化、体幹トレーニング=一定のポーズを長時間維持すること、といった誤った認識をしている方が非常に多いです。

体幹トレーニングとは、上記①~④中の不具合を見つけ修正することです。 最も重要なので繰り返します。

トレーニングと聞くと筋力強化をイメージしがちですが、それはあくまでもほんの一部分です。肝心なのは体幹本来の機能のエラーを見つけ修正することです。

体幹トレーニングの間違った認識と内容の誤り、これがいくら行っても一向にパフォーマンスアップしない、腰痛が治らない、故障を繰り返す理由です。

事実、トレーニングを全てセルフで行うのは限界があります。ルーティンワークとしてお決まりのメニューを行い続けることによって返ってマイナスに作用する可能性があります。

トレーニングに何らかの効果を求めている方は、『体幹トレーニング』においては是非専門化に相談し、あなた様のエラーを見つけてもらうことを是非おすすめします。(もちろん私でなくてもかまいません。しっかりと本質を理解した専門家に診てもらうことが大切です。) 日々のトレーニングはご自身で行うにしても、定点ごとに現在の体の状態を把握し、それにあわせたトレーニング計画を修正していく必要性を強くお伝えしたいです。

[参考文献]

1、http://jn.physiology.org/content/95/6/3426.full

2、http://jap.physiology.org/content/97/6/2266.full

3、https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/limedio/dlam/B23/B2366992/1.pdf(デッドリンク)

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
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肩こり・首こりの根本解消に有効なエクササイズとは(運動学・バイオメカニクスの観点から)

【問題】以下4つの中から肩こり・首こり改善に最も効果的なエクササイズはどれでしょう?   答えは一つです。

  1. “力こぶ”の筋トレ [バイセップスカール、アームカール等]
  2. “腹筋”の筋トレ [一般的腹筋運動、シットアップ、ツイスト等]
  3. “お尻”の筋トレ [スクワット・デッドリフト等]
  4. “胸”の筋トレ [ベンチプレス・バタフライマシン等]
 

“力こぶ”の筋トレ

女性は二の腕の引き締めのために、男性はたくましい腕にするために  よくトレーニングが行われる部分です。力こぶの筋肉(=上腕二頭筋・烏口腕筋)を筋トレし続けると、肩甲骨が上・外方向に移動してきます。すると、いわゆるこる部分や首と肩甲骨をつなぐ部分の筋肉が引き伸ばされます。引き伸ばされた筋肉は縮まる性質があるため(=伸長反射)つらい部分の筋肉はどんどん固くなります。腕の筋トレを行うことによって首こり・肩こりはどんどん頑固になってしまいます。

“腹筋”の筋トレ

姿勢が悪いのは腹筋が無いからだと考え六つに割れた腹筋を目指していわゆる腹筋運動(仰向けになって膝を曲げて状態を引き起こす動作、仰向けに寝てツイストしながら状態や足を持ち上げる動作など)を繰り返し行うと腹直筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腸腰筋・大腿筋膜張筋・大腿直筋 が負荷を受け硬化していきます。すると・・・姿勢を良くするための筋トレなのに、どんどん丸まっていき猫背を悪化させます。姿勢が悪い方が足りない腹筋はお腹のインナーマッスルである”腹横筋”です。腹横筋はいわゆる腹筋運動では鍛えることができません。

“胸”の筋トレ

女性はバストアップ、男性は厚い胸板のために高い頻度でトレーニングされる部分です。しかしこの部分の筋トレをやり続けると大胸筋だけでなく小胸筋・前鋸筋が硬化します。この3つが硬くなると、肩甲骨がこれも上・外方向に移動し①と同様の状態となります。加えて背骨も丸まりますし、肋骨の動きが悪くなるので呼吸も浅くなり肩こり・首こりだけでなく疲れやすい体と化してしまします。

正解について

正解は③の“お尻”の筋トレです。

二足歩行をすることにおいて猿と人間の差、赤子と大人の差は臀部の筋力です。つまり臀部の筋肉(大臀筋・中臀筋・小殿筋)や股関節をとりまく6つのインナーマッスル(梨状筋・大腿方形筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・上双子筋・下双子筋)が発達し機能しているため二本足で立ち、安定した歩行が可能となります。

また、人間の重心は骨盤内に収まるため、いかに骨盤を安定させられるかどうかが重心を安定させることになり良い姿勢かどうかを決定づけます。

現代人はデスクワークによる座位姿勢を続けることが多いため、臀部の筋肉が衰えやすいです。立ち仕事の方は極端に立位時間が長いため臀部の筋肉は疲労しきってしまい、いつのまにかあまり使わないようになってしまいます。このような事から現代人は①臀筋が不足している ②臀筋はあるがうまく機能していない 状態の方が大多数です。

肩こり・首こりを根本的に改善するためには、局部をほぐしたり血行を良くするよりも、良好な姿勢を獲得すること何よりも重要です。多くの方は“良好な姿勢とはどのような姿勢なのか知らない”、または“とりたくてもとれない”状況にあります。それを打開するためのひとつの手段として臀部の筋力を活性化させることが有効です。

巷には様々な方法論が出回り体幹の重要性が示唆されておりますが、『体幹=腹筋』という間違った解釈が浸透してしまっています。筋トレにおいて最も肝心なのは「人体にとって“最少負荷となる姿勢”“合理的な動きができる姿勢”を維持するために不足している筋力を補う」ということです。前後・左右・上下で無理なく平衡がとれるようにすることが大切です。“体幹トレーニング”そのものが重要なわけではありませんし、腹筋が割れれば体幹の状態が良くなるわけではありません。アスリートは最低限これが充実した上で、パフォーマンスアップのためのトレーニングがありますが、大多数はこれに到達できていない状況です。だから、トレーニングをしてもいっこうにパフォーマンスが向上しない「見せかけの筋肉」となってしまうのです。

まとめると、①②④で対象となった筋肉と、相反する作用をする部分との相対的なバランスを整えることが成功する効果的な筋トレなのです。

【重要】   腕・胸・腹は自らの目に見える部分なのでつい強調したくなりますが、本当に大切なのは側面や後面からみたあなたの姿を美しくすることなのです。

肩こり・首こりとはどのようなものなのか、おおまかな全体像をとらえたい方はこちらをご覧ください。

ひどい肩こりを何とかしたい!病院いけば治る?そもそも病院で診てもらう必要は?

硬ければ重症なの?コリのメカニズムを神経生理学の観点より解説

 

 

 


執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


競技者のパフォーマンスコントロールに有効なバイオフィードバックとは

アスリートが最高のパフォーマンスを発揮していただくために

アスリートにとって「調子が良い」状態を維持することは非常に大切です。しかしながら様々な要因が絡み合い「調子の波」があることは避けられません。

そこで重要となるのが「調子が良い時をいかに長くして、悪い時をいかに減らすか」ということです。調子が落ち込むことを避けられないならば、その状態を極力短期間にすれば良いのです。

 

その手助けとなるのがバイオフィードバックです。

 

それは、様々な刺激や環境条件の元で自らの体がどのような反応を示すのかということを客観的に認識することです。

主には生体の反応を数値化して自分の現状を視覚的に認識できるようにします。

このようにして、ある一定の刺激に対して自分の体がどのように反応するか、それがプラスなのかマイナスなのか客観的なデータを元に知ることをバイオフィードバックといいます。

調子が悪い時にそれをいち早く回復させるために、調子が良くなる条件を客観的なデータを元に知ることです。

 

例えば、ある音楽や匂いを嗅ぐと血圧や心拍数が優位に減少したとします。この事実をデータとして自身が認識することで、試合直前で緊張してあがってしまいそうな時にそのような刺激を与えることで心身ともにコントロールすることができます。

また、スランプに陥ってしまい体の機能がうまく噛み合わなくなってしまった時にも、調子の良い時にのフォームや関節の動きをデータとして残しておくことで、いち早く軌道修正が可能となります。

国立科学スポーツセンターではトッププロのサポートとして、このように様々なデータ収集が常日頃から行われています。

 

 

バイオフィードバックと単なるジンクスとの違いは、客観性があるかないかです。とはいえ、正確なデータ収集はアマチュアアスリートにとって困難です。

しかし、自分が調子の良い時はどのような心拍数や血圧なのか、はたまたどのような音や匂いを嗅ぐと心身共に安定するのかを知っておくことは重要だと思います。調子の良い時の動きを動画で残し、それを視覚的に確認するだけでも十分効果的です。

人間の脳は視覚からの情報がかなり重要視されるので視覚として認識できる形として記録を残すことが大切です。これらによりパフォーマンスのムラを軽減することや、スランプの早期脱出ができるのではないでしょうか。

 

アスリートにとってのパフォーマンスのコントロール、しいては心身のコントロールは永遠の課題です。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございます。

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか?パフォーマンスアップについてお悩みの方、なんとかしたいとお思いの方、是非、一度ご相談ください。

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
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