はり師、きゅう師になるには?仕事内容や資格取得方法をご紹介

はり師、きゅう師になるには?仕事内容や資格取得方法をご紹介

肩こりや腰痛の改善方法にはり・きゅう(鍼灸)があります。こちらは「はり師」と「きゅう師」という資格を持っているプロのみが施術可能です。2つの資格を持っている方のことを鍼灸師と呼ぶこともあります。

はり・きゅうは人の体に鍼を刺したり灸を置いたりすることから、施術には正しい知識と技術が必要です。

ここでは、はり師・きゅう師の資格取得方法や仕事内容などをご紹介します。

 

はり師・きゅう師とは?

はり・きゅうを行う職業を一般的には鍼灸師と呼ぶケースも少なくありませんが、実は「鍼灸師」という資格はありません。

鍼専門を専門で行うことができる資格が「はり師」、灸を使い体調を整える資格が「きゅう師」です。この資格を共に所持している方が多いこともあって、鍼灸師と呼ばれるようになりました。

あわせて「あん摩マッサージ指圧師」をはじめとする関連資格を取得する方が多いのも特徴です。

関連ページ:あんまマッサージ指圧師の仕事や資格取得方法をご紹介

はり師・きゅう師はどちらも東洋医学を基にしており、鍼と灸を使って「ツボ」を刺激します。人の体にはりを刺したり、きゅうを置いたりと、人体に扱う職業に該当するためしっかりとした知識と技術が必要になります。

参考:あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師と無資格者との判別について|厚生労働省

 

はりときゅうの違い

はりときゅうの違いは鍼を扱うか灸を扱うかという点にあります。

まず、「はり(鍼)」ですが注射や裁縫で使用する針とは異なります。たとえば、注射で使用する針と鍼の太さで比べると注射針は0.4~1.6mmですが、鍼は0.14~0.3mmとかなり細いタイプです。さらに、注射針の先端は尖っていますが、鍼の先端は丸くなっているため体に刺しても痛みがほとんどない点が特徴です。そして、鍼の場合はツボに刺して使用します。

「きゅう(灸)」はヨモギといった薬草から作る「もぐさ」を使用することが特徴です。使用するときは適度な大きさの三角錐状にした団子をツボの上に置きます。方法は、三角錐状の団子の先端に火をつけて熱を発生させて、その熱でツボを刺激して治療します。ほんのり暖かいと感じる程度でゆっくりと燃えていくため、やけどする心配はありません。

このように、鍼灸師と1つの仕事で括られるはり・きゅうですが、全く異なる道具や方法を用いて治療します。そのため資格取得を目指し勉強する際に、どちらの仕事をしたいか、どちらの仕事もしたいのかなどをイメージしながら学ぶのも良いかもしれません。

 

あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師との違い

はり師ときゅう師と似たような資格で、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師があります。まず、柔道整復師は骨や関節を整復・固定し、じん帯・腱・筋などの損傷を改善するのが目的です。あん摩マッサージ指圧師はマッサージ・指圧・あん摩などで、筋肉を揉んだり摩ったりして、体の状態を整えます。このように、はり師・きゅう師とは全く異なる方法で体調を整えますが、どの資格を取得しても体調を整えるという目的は同じです。

 

はり師・きゅう師を名乗るには国家資格が必要

はり師やきゅう師を名乗って仕事をするためには、国家資格を取得する必要があります。そのためには、まず国家試験の受験資格を取得しなければいけません。ここからは、2021年現在、はり師・きゅう師の国家資格を取得する方法をご紹介します。

参考:あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律|厚生労働省

参考:はり師国家試験の施行|厚生労働省

参考:きゅう師国家試験の施行|厚生労働省

 

受験資格を得るには学校に行く必要がある

はり師・きゅう師の勉強を独学で行っても、国家資格の受験資格は取得できません。まずは、はり師・きゅう師の勉強ができる鍼灸系専門学校や鍼灸学科のある4年制大学または短期大学に入学しましょう。学校では知識だけではなく技術の勉強も単位に含まれています。

いずれかの学校で必要な単位を取得し、卒業見込みまたは卒業した状態になると国家試験の受験資格が与えられます。ただし、はり師ときゅう師の資格を同時に取得する場合は、2つの単位が取得できる学校を選びましょう。そのため、学校を選択するときは取得できる国家試験の種類も忘れずに確認してください。

 

はり師ときゅう師の国家試験

他の医療系国家試験と同じように、はり師・きゅう師の国家試験も年1回2月に実施します。1問1点としそれぞれ合計170点満点分が出題され、102点以上で合格です。他の医療系国家試験によっては合格ラインが変動するのもありますが、はり師・きゅう師の国家試験は102点以上と決まっているため勉強しやすい国家試験とも言えます。

はり師の試験科目は医学史を除いた医療概論・臨床医学総論・リハビリテーション医学など12科目です。ただし、同時にきゅう師の国家試験を受ける場合、はり理論またはきゅう理論以外の共通する科目について本人から申請があれば一方を免除できます。

受験するためにはいくつか手続きが必要です。さらに、受験料も必要です。そのため、提出期限までに受験料を払ったり必要な手続きをしたりして受験票を受け取りましょう。

 

はり師ときゅう師の合格率

受験者にとって合格率は気になるポイントです。2021年に行われたはり師の合格率は70.0%、きゅう師の合格率は72.2%です。合格率は低いときは57%のときもありますが、過去問をしっかりと行い、苦手な部分を克服したり基礎を抑えたりと対策しておきましょう。

 

 

はり師・きゅう師の就業先と給料

資格を取得するなら、資格を活かせる就業先で働きたいですよね。また、生活をしていくためには給料は大切です。

ここでははり師・きゅう師の資格が活かせる就業先と給料を見ていきましょう。

 

就業先

はり師・きゅう師の就業先は、鍼灸院だけではありません。まず、鍼灸院の場合は治療院・訪問サービスだけではなく、経験を積んだあとに独立開業をするのも方法の1つです。また、医療の場合は病院・助産院・クリニック、福祉分野ではリハビリテーションセンター・介護施設・保健施設などがあります。少し変わった就業先では美容分野でリラクゼーションサロンや美容鍼灸院、スポーツ関連では企業チームやスポーツ関連施設も選択肢の1つです。

就業先の分野によって経験できる内容や対象となる患者さんが異なるため、どのような分野に興味があるのか、どのような経験を積みたいのかなどを基準に就業先を決めましょう。

 

給料

はり師・きゅう師の給料は、他の職業と同じように勤務形態や地域、就業先などで異なります。さまざまな条件で変動しますが就職1年目で見た場合、平均的な年収は350万円です。もちろん、経験によっても給料は変動します。特にはり師・きゅう師の場合、他の職業とは違い独立開業をするのも選択肢にあるため、経験と知識を積んでから独立開業をするとそれまでの給料よりも増える可能性もゼロではありません。さまざまな就業先や働き方があるため、そのときに可能な働き方や就業先を選ぶのが大切です。

 

 

まとめ

人の体調を整えるはり師・きゅう師についてご紹介しました。どちらも国家資格のため受験資格を取得できる学校に行く必要があります。また、2つの資格を同時にとるのか1つにするのか、どのようなところで働きたいかなど将来のビジョンを考えて、学校を選んだり、必要な資格取得を目指したりすることが大切です。

 

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記事監修
丸山太地

肩こりラボ鍼灸マッサージ院代表。日本大学文理学部体育学科にてスポーツ医学を学び、在学中よりトレーナーとして活動。東京医療専門学校にて国家資格を取得。上海中医薬大学へ留学、解剖学実習修了。人体の構造を理解するために、日本大学医学部、千葉大学医学部の解剖学教室にて人体解剖について学ぶ。 <資格>鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師/厚労省認定臨床実習指導者/NSCA-CSCS/日本体育協会認定 スポーツリーダー/中学・高校保健体育教員免許/パワープレート認定トレーナー