投稿者「肩こりラボ」のアーカイブ

医道の日本 11月号の巻頭企画で当院の慢性肩こりの根本的な改善方法を紹介。

肩こりラボで行っている施術の紹介記事が「医道の日本 11月号」に掲載されました。

先月「医道の日本 10月号」では肩こりラボ開設にあたっての経緯や理念について取り上げていただきました。今号では具体的な施術の中身についてです。

施術の中身と聞くと「具体的にどんな方法?」「どんな特殊技術をやっているのだろう?」とお考えになるかもしれません。月刊「医道の日本」は鍼灸に携わる人・将来携わる人が読む専門誌です。一般の方向けの雑誌ではなく専門誌において特に私たち肩こりラボとして訴えたかったことは「治すために必要なこと」です。こんなすごいコトをしている!!といったテクニック自慢ではございません。

その理由は、鍼灸に携わっている方・将来携わるであろう方々に「肩こりラボというところは、本気で肩こり患者をなくすことを目指している鍼灸院なんだ」と認識していただき、そしてkatakori LABSの「志」を知っていただいて、そこから広がる可能性に期待しているからです。

有資格者も含めて一般的には、知識技術があり、特に特殊技術を持ち合わせたいわゆる「ゴッドハンド」が優れたセラピストであるという認識をされる場合があります。しかし当院はそのように考えておりません。

もちろん、施術を行うにあたり一定以上の知識や技術は必要なことですし、患者さんの苦痛を一刻も早く取り除くために極力即効性がある理学療法を追究することはセラピストとして当然の考えです。しかしそれがいき過ぎて、知識技術偏重の思考に偏ってしまうと、セラピストとして大切な包括的で客観的な視点が弱まり「患者さんを診る」ということを見失ってしまうことになりかねないと私どもは危惧しています。

katakori LABSは「一人でも多くの方を、より高い確率で、かつ最短で治すこと」を命題と掲げています。

肩こりラボには「ゴッドハンド」はいません。

当院の施術者はそれぞれ性格・タイプがバラバラなのですが、個々によって施術の方法、方針が異なることはなく、「治す」という共通の目的に向かって皆同じ方向を向き、共通の思考、技術・方針のもと患者さんと向き合います。神がかった特殊技術は用いずとも、基本を忠実に行い貫くことで一定の成果をあげることができています。

その理由は、

  1. 疾患ではなく患者さんを診るに徹すること
  2. 見立て(専門用語では評価という)と計画に注力していること
  3. 問診などの患者さんとの意志疎通、コミュニケーションを大切にしていること

であると解釈しています。

セラピストであれば、知識技術をアップデートし続けていくのは前提で、それ以外の部分に意識を向けています。

私たちが考えるセラピストとして大切なこと

現在の鍼灸業界は全てではないにせよ、その多くは「施術者が自ら考え、やりたいことをやる」という状況といえるでしょう。

セラピストも人間ですしそれを全否定するつもりはありませんが・・・あくまでも施術を受けるのは患者さんです。施術を受けるのは患者さん、評価するのも患者さんです。

特殊技術を行うことができた、できるようになった喜びというのは施術者本位のものです。それは患者さんにとっての喜びとはまったく異なります。

患者さんは、目的があって通院されるということ、そして治したいという気持ちがあります。受け手である患者さんの心情や、本当の意味で求めることを汲み取り、精査し、伝え、実行するのがセラピストの責務であり資質です。これはすなわち患者さんを診る力ともいえるでしょう。

知識技術偏重思考の結果、この部分がおろそかになってしまっている場合がとても多いのです。結果が求められるのはその後です。

私たちkatakori LABSが期待する可能性

鍼灸業界全体が「治す」という方向へ視点を一斉に向けることができれば、患者さんは多大なメリットを享受することができます。私どもはそれを本当に心から望んでいます。

成果を上げられないからこそ、一時をしのぐことやリラクセーションにはしるなど表面的な部分へ力を注ぐようになってしまい、知識技術偏重の方向へも進んでいってしまっているかもしれません。

それは、施術者の利己的な自己満足の域から出ることはないですし、本当の意味では誰のメリットにもなっていないと思います。

可能ならば、できるかぎり当院の理学療法のノウハウをシェアしたい。

他院との違いをアピールしている以上、矛盾しているように思われるかもしれませんが、可能ならば、できるかぎり当院の理学療法のノウハウをシェアしたいという考えはあります。ただ、どんなに知識技術があっても、そもそもの思考の方向性がずれてしまっていては素材があっても活かすことができません。

高名な大学教授が優れた臨床医かというと必ずしもそうではないように、どんなに知識技術があってもそれが治すということに直結しないことはなんとなくイメージができるのではないでしょうか。

患者さんを治せるようになりたいというモチベーションは高いものの、あらぬ方向へ力を注いでしまっている例が本当に多いため、まずはセラピストとして大切なことがあるのだということ、それが治すためには必要なのだということを強く主張させていただきたいのです。

セラピストとは「治すこと」を生業とする者。

治せなければ、、、セラピストとはいえません。 「治すために必要ないこと」を深く考えて追求していただきたいと願っています。

「治す」という信念のもと、いかなる時もぶれることなく自らの役割を全うすること、そして常に向上心をもって取り組むセラピストはゴッドハンドではなくプロフェッショナルです。

前述したように、業界全体の方向性が変わるということ、そして一人でも多くの「プロフェッショナル」が増えること、「志」あるセラピストが増えることを私どもは本気で望んでいます。これらは患者さんにとってのメリットになると確信しているからです。

「医道の日本」への掲載は、自らのぞんで叶うことではありません。たいへん貴重でありがたい機会をいただき、私たちの信念に基づいて強い想いをこめて取材にのぞませていただきました。
当記事からわずかでもインスピレーションを受けた方がいて、そのような方々からの意志が増え、やがて大きな流れとなること。個の力は小さくとも、それらが集まることで大きな力へと転じ、業界が変わる可能性ともなりうるでしょう。これが私たちの抱く期待です。

katakori LABSは開設3周年

おかげさまで2015年11月1日で開設3周年をむかえることができました。

マンションの一室ベッド一台で気持ちだけは一人前でスタートしましたが、個の力は実に小さく儚いものだと学びました。

多くの方々からの支え、ご指導があったからこそ今があると認識しています。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

しかしまだたった三年・・・目標・夢はまだまだ遠く、手が届いておりませんが、ぼんやりしていたものが、はっきりしてきた実感はあります。

緒先輩方が培ってきた歴史は大切に、しかしそれに甘んじることなく常に進化し続けるよう、信念をぶらさずに、温故知新の精神で努めてまいる所存です。

改めて、この大きな機会を与えてくださった「医道の日本」社には心より感謝申し上げます。

医道の日本

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


医道の日本 10月号の巻頭企画で取り上げられました。

鍼灸師の方・目指している方なら知らない人はいない「医道の日本」

鍼師・灸師・あん摩指圧マッサージ師になるためには国家試験に合格しなければなりません。そのために学校で3年間勉強が必要ですが、学校で使用する教科書は、おそらく全て「医道の日本」社刊行のものです。教科書以外にも鍼灸・マッサージに関する書籍・DVDも数多く世に出ています。書籍・DVDに限らず、治療現場で扱う鍼灸用品・治療の備品をはじめとしてあらゆるものを「医道の日本」社で取り扱っています。

その「医道の日本」社が毎月発行している月刊「医道の日本」という雑誌があるのですが、2015年10月号と11月号の2号にわたってkatakori LABSが取り上げられました。

肩こり患者をなくすために専門コース院を開業

月刊「医道の日本」の10月号の巻頭特集が専門コース院で、肩こりに特化した専門コース院として先日、取材を受けました。

肩こりラボには、肩こりは治るものという「非常識」を「常識」にするという大きな目標があります。

世の中の一般の方の考えの変化には、まず、セラピスト自身が変わることが必要です。なぜなら、改善する方法なんて教わっていない、教科書に載っていない、治るなんて信じられない、治す必要なんてあるの?という施術者が殆どです。

治らないものという認識のもと確信をもって緩和に徹しているリラクセーションのプロフェッショナルもいますが・・・肩こり改善をうたっておきながらそもそも施術者自身が治らないものという認識をもっていて、コリをほぐして一時的な緩和と快楽を提供し良い状態をキープするという名目で繰り返し通ってもらうことを促す・・・促さざるを得ない状況に、その中途半端さに矛盾と葛藤を抱えていらっしゃるセラピストの方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

筆者も修行時代にこの矛盾と葛藤に悩んでいた一人です。katakori LABSの起源はそこからでした。

月刊「医道の日本」は、鍼灸に携わる人・将来携わる人が読む専門誌です。一般の方が目にする雑誌ではございません。鍼灸に携わっている方・将来携わるであろう方々に「肩こりラボというところは、肩こり患者をなくすために専門コース院なんだ」と認識していただき、そしてkatakori LABSの「志」を知っていただいて、そこから広がる可能性に期待しています。

この大きな機会を与えてくださった「医道の日本」社には大変感謝しております。

肩こりラボは、東洋医学ではなく、西洋医学的根拠に基づいた治療院です。鍼灸は東洋医学がベースではありますが、西洋・東洋に関係なく「治す」というゴールは共通のはずです。

医道の日本

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


首の骨と椎骨動脈解離の正しい知識。自分の体は自分で守りましょう。

動脈解離という言葉は耳にしたことがある、ご存知の方は少なくないと思います。この動脈解離という病名を目にする・耳にするのは、芸能人や有名人の方が「動脈解離で入院」「大動脈解離で死去」といったニュースがもっとも多いのではないでしょうか。

解離と動脈というワードですと「解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血」というのもよくありますね。

ついこの間まで元気だったのに・・・そんな突然の入院や訃報・・・そこで頻繁に出てくる「動脈解離」以外にも「脳梗塞」や「くも膜下出血」「脳内出血」もよくきく病名ですね。これらは、いわゆる脳卒中です。

脳卒中はなってしまったらどうしようもない、と思われていませんか?

実は、この脳卒中と動脈解離は深い関係にあります。

当記事は、脳卒中を防ぐための方法についてのブログではございませんが、身近にあるリスクを少しでも減らしてほしいのです。脳卒中は年配の方に限った病気ではございません。子供でも起こります。脳卒中に年齢は関係ございません。

誰もが正しい生活習慣が大切ということは分かっています。ですが、実際の所、正しい生活習慣って何でしょう?たとえば、食事の場合、朝昼晩と1日3食が正しいのでしょうか?正しい睡眠時間って何時間?

正解は人によって異なる、というよりも正解はない、のが正解なのではないでしょうか。

生活習慣に正解はなくても、してはいけないこと、気をつけないといけないこと、これは絶体にあります。

そこで今回お伝えしたいのは「首を大切にしよう」ということです。

スマホが生み出したストレートネック

スマホが子供の首に悪影響を及ぼす可能性via:ZDNet

ストレートネックは首の骨が真っ直ぐになってしまっている状態をさす言葉です。耳にしたことがある方も多いでしょう。これが一般的になってきたのはスマートフォンの普及による影響です。スマホ首、スマホッ首ともいうそうです。

海外ではテキストネックと呼ばれています。そう、勉強や読書をする際は、下を向いて長時間首が動かないことがしばしばです。下を向いたまま首を動かさない、これが問題なのです。仕事や勉強の場合、集中力の途切れたり眠くなったりと、合間合間で息抜きを自然といれますが、スマホの場合、楽しすぎたり熱中してしまったりで時間を忘れてしまうことが多いのと、片手で操作できてしまうが故に立っていても歩いていても横になっていても使えてしまうので、首を長時間動かさないリスクが非常に高いのです。

脳卒中は、首への高負荷と深い関係があります。

脳卒中ならびに動脈解離は、だれでにも起こりうることです。子供、大人関係ありません。当記事は、ぜひとも、知識としてあらゆる人に知っておいてほしい内容です。

椎骨動脈解離という病気をご存知ですか?

椎骨動脈解離(ついこつどうみゃくかいり)という病名を耳にしたことがあるという方は多くはないと思います。

2014年、国家資格を持っていない無資格者が免疫力を高めるためと称した独自の手技で乳幼児が死亡させるという大変痛ましい事件がありました。「ずんずん運動」という名前を記憶されている方はきっと多いと思います。

 

「ずんずん運動」は変わった名称なのでフォーカスされがちですが、上記の新聞の紙面にある通り「首ひねり」が一番の問題です。

乳幼児の首を無理に捻ることで、何が起こるか・・・乳幼児に限らず成人でも危険なことは誰にでも想像つくはずです。人間の関節は、個人差はありますが動かせる範囲(可動域)は大体決まっています。可動域をトレーニングで多少広げることは可能ですが、可動域を超えた動きをすれば怪我します。首の場合は、命に関わる危険があります。

人間は自分一人の力では無理な動き・可動域を逸脱した動きは普通はできません。ただ、人にやってもらうとなると話は変わってきます。

厚生労働省が禁止にしている首ポキ施術

身体に無理な負荷をかければ怪我するのは当然のこと。肩・肘・膝などを痛めれば日常生活に支障をきたしますが、生命に別状はないことがほとんどです。

ただし、首となると話は別です。

人間が生きていく上で最も大切な部位は、心臓と脳です。心臓と脳つまり頭と体をつないでいるのが首です。首は背骨の一部で、背骨の中に脊髄があります。そして脳は脊髄と繋がっています。脳が機能するために必要な血液は首にある動脈を通って送り込まれます。

首へのダメージが命取りになりやすいことはご理解いただけると思います。

では自分で首を捻る・首の骨をポキポキ鳴らすといった行為で簡単に首がダメージを受けるかと言いますと、そこまで人間の体はもろくは出来ておりません。ただし人にやってもらう場合は要注意です。自分自身ではできない動き、つまり人間本来の動作ではない、つまり、そのような行為に耐えれるように体はできていないためです。

整骨院・カイロプラクティックでは首ポキを施術することが多々ありますが・・・

一部の危険な手技の禁止

カイロプラクティック療法の手技には様々なものがあり、中には危険な手技が含まれているが、とりわけ頚椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいため、こうした危険の高い行為は禁止する必要があること。

出典:医業類似行為に対する取扱いについて 厚生労働省

国が禁止するよう通達しています。

当通知は平成3年、今から25年以上も前に、厚労省が当時の業界の氾濫状況を危惧し出されたものです。今と昔は違うから問題はない、という意見をネット上で散見しますが、厚労省サイト上にこの内容を撤回する新たな通知はありません。よって厚労省としては現在でもスラスト法などの首ポキ施術は危険なため自粛するようにという見解といえるでしょう。(スラスト法とはカイロプラクティックの用語です。アジャストメントの一種で関節をボキっとするときに瞬間的な圧を加える動作そのものの通称のことです。)

首に無理な負荷がかかることが大変危険とはいえ、具体的に首の中では何が起こるのでしょうか?きっと「首の筋肉を痛める」「首の骨が折れる」といったことを想像されることでしょう。

首には頸動脈があります。頸動脈が切れたら死んでしまう、というのは、映画・漫画などでも度々描写されてきました。

首の血管に着目しますと、椎骨動脈解離・脳動脈解離を引き起こす可能性があるのです。

椎骨(ついこつ)とは、首から腰までの背骨の構成パーツとなっている骨です。首の骨、いわゆる頚椎(けいつい)とは7つの椎骨で構成されています。

頚椎の椎骨は7つ

椎骨動脈は、頚椎の椎骨の中にある動脈です。後ほど詳しく解説しますが、椎骨動脈は首にある動脈の1つであるとだけ心に留めておいてください。

日本人の死因の代表「脳卒中」

脳卒中は、頭(脳)に異常が起こり、突然、倒れる(卒倒する)という意味で、昔から使われてきている言葉ですが実は医学用語ではありません。一般用語です。正式には脳血管障害と言います。脳血管疾患と表記されることもあります。脳血管障害は、病名ではなく、脳をとりまく病気の総称です。脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血が代表的で、もやもや病・慢性硬膜下血腫も脳血管障害に分類されます。

最新の平成25年の人口動態統計では、脳血管要害は日本人の死因第4位に入っています。長年トップ3に鎮座していましたので、脳卒中はガンと同じくらい知名度あることでしょう。

動脈解離を理解するために必要な血管についての基礎知識

血管は大きく3つの種類に分かれます。

まず、この病気を理解するために血管の構造を理解していただきたいと思います。

血管は動脈・静脈・毛細血管に大別されます。

心臓から血液を送り出すのが動脈。心臓に血液を戻すのが静脈。動脈・静脈ともに末端の細い血管は細動脈・細静脈と呼びますが、その細動脈と細静脈を結んでいるのが毛細血管です。

血管は3層構造

下図をご参照ください。血管は単なる管のように見えますが、実はその構造は複雑です。血管の壁は、内側から外側にかけて、内膜、中膜、外膜の三つの層から出来ています。これは動脈・静脈共通の仕様です。

このように血管は動脈と静脈共に3層構造です。同じ3層構造ではありますが、動脈と静脈では構成する組織が異なります。動脈は静脈に比べて、より強力な組織でできています。動脈は、万が一破れてしまうと内臓に栄養を送れなくなってしまい生命に関わる一大事になってしまうため、めったなことでは破れたりしないような強固な構造になっています。

動脈が静脈と比較してどれくらい強固かと言いますと、動脈にははりが通りません。静脈には鍼は通ります。鍼を経験されたことない方は、鍼を刺すと血管を突き破るのでは?と不安に思われることでしょう。ご安心ください。毛細血管をはじめとする細い血管には損傷を与えますが、すぐに回復する問題のないレベルです。鍼が動脈に刺さることはありません。

 

鍼は動脈に刺さらない

筆者は中国でおこなった人体解剖実習にて、動脈と静脈に鍼を刺して感触の違いを学びました。

もちろん生きている人間で試すことはできません。実習で使用させていただいたご献体はホルマリンで細胞が変性しているとはいえ、その感触の差は歴然!!

なんとか動脈に刺してみるぞと意気込んでみるものの、通常に鍼灸用の鍼では刺すどころか逆に鍼が曲がってしまい負けてしまいます。

静脈は鍼を刺すことはできますが、動脈は刺すことができないほどその壁は強固なものなのです。

血管に鍼を刺さることを心配される方はたくさんいらっしゃいます。今一度強調しておきたいこと、それは鍼灸用の鍼で、重大な問題が起こり得る動脈に鍼を刺すことはそもそも物理的に困難であるという事実です。そして、ある程度の経験を積んだ鍼灸師ならば筋肉とそれ以外の組織の感触の差を感知できます。仮に誤って動脈に刺そうとしてしまう可能性そのものが極めて低いということをご理解いただけたらと存じます。

動脈解離の「解離」とは何が解き離れるのでしょうか?

動脈の構造の次は、イマイチわかりにくい「解離」を説明します。

動脈の管の壁は3層構造です。この層と層との間で避けてしまった状態を医学用語で「解離」と言います。

何らかの理由で動脈の壁が内側から破れて、動脈内を流れる血液がこの壁の中に入り、動脈の壁が層と層との間で裂けてしまった状態を指します。内膜・中膜・外膜と重層構造になってくっついている血管の壁がはがれてしまうことですね。

これには二つのタイプがあります。

狭窄型

内膜と中膜との間が裂けて、その間に入った血液が、裂けた内膜を内腔側に向かって膨らませてしまうタイプ

すると、その部分の動脈の通路は狭くなって、ひどい時には狭くなった部分が詰まってしまうこともあります。その結果、血液が流れなくなって、脳梗塞を引き起こしてしまうこともあります。

 

動脈瘤(どうみゃくりゅう)型

中膜と外膜との間が裂けて、その間に血液が入った場合で、外膜が動脈の外側に向かって膨らんで血管のコブ(瘤)のようになるタイプ

このタイプで重症の場合はコブが破れてくも膜下出血が起こることがあります。

 

動脈解離が生じる原因

動脈解離というと大動脈解離が有名ですが、動脈解離は全身の動脈で起こります。

動脈解離が何故起きるのか?残念ながら原因は一つではありません。高血圧・糖尿病・高脂血症といった生活習慣病や、喫煙・動脈硬化・血管の病気・外傷など様々な原因があります。複数の要因が合わさっていることの方が多いでしょう。そして原因が特定できない原因不明なことも珍しくありません。

椎骨動脈解離は椎骨動脈の動脈解離です。椎骨動脈とは?

椎骨(ついこつ)は、首の骨の名前です。

首の動脈は2種類。左右で1本ずつで合計4本。

当院は首こりの専門院ですので首の動脈に焦点を当てます。首の動脈と言っても頚動脈と首の骨の中にある椎骨動脈の2つあります。首の動脈といえば頸動脈。当記事では頸動脈解離ではなく「椎骨動脈解離」について取り上げます。

椎骨動脈は右と左に一本ずつあります。「未破裂左椎骨動脈解離」という病名の場合、左側の椎骨動脈に解離が生じているが破裂まではしていないということです。

椎骨動脈解離は大変危険です。

「椎骨動脈解離」とは、何らかの理由で、椎骨動脈の壁が破れてしまい、血流が妨げられてしまう病気です。椎骨動脈は脳の深部へ血液を送る重要な血管なので、ここからの血流が閉ざされてしまうと生命に重大な影響を及ぼします。

特に、動脈解離が生じ②のタイプにように、動脈瘤(血管のコブ)ができることを医学用語で解離性動脈瘤と呼びます。

解離性動脈瘤は、脳に関連する動脈の中でも特に頚部の回転の影響を受けやすい椎骨動脈から脳底動脈(椎骨動脈の延長にあり脳の深部へ到達する血管)に多く、発病の年齢は年齢も40歳代最も多いですがそれに限らず20~60歳代と幅広いです。一般的な脳血管障害は中高年者に多いという認識がありますが、解離性動脈瘤を起点とした脳血管障害は比較的若年者、働き盛りの年代に多いといえます。脳神経外科領域では、年齢の若い世代に起こった脳梗塞(のうこうそく)やくも膜下出血などの脳卒中の場合、まずこの病気を疑うといわれるほどです。

椎骨動脈の解離性動脈瘤は、脳梗塞やくも膜下出血といった症状が出現する前に、突然に起こる片側の項部(うなじ)や後頭部の痛みが出現することが多いです。これは動脈の壁が裂かれて解離するときに感じる痛みであろうと考えられています。それに続いて脳梗塞やくも膜下出血が起こるのです。

そこで、急に起こったひどい項部痛や後頭部の痛みがあれば、この病気を疑う必要があり、その場合、頚部~頭蓋内の椎骨動脈のMRA検査を実施するのが普通です。(MRAとはMRI検査の技術を応用した血管造影検査のことです)

また、動脈解離が原因でなくとも、先天的に無症状で動脈瘤をもっているという方もいらっしゃいます。その場所が椎骨動脈である可能性も考あります。動脈瘤は症状が無ければ検査を受けることもありません。危険かどうかの判別は、たまたま検査して見つかった場合くらいしかできないのが現実でしょう。そもそも症状がない場合、精密な検査は保険がきかず高額であり、さらに中規模以上の病院で行う必要があるため、ハードルが高いのです。

ここまでを簡単にまとめると、椎骨動脈解離が生じると、脳への血流が閉ざされて脳血管障害の元となる可能性があります。脳出血やクモ膜下出血などの前段階となる場合があるので、馴染みが薄いとはいえ軽視はできない重い病気といえるでしょう。

 

椎骨動脈解離が生じる原因

椎骨動脈解離を発病する原因、すなわち首の動脈が内側から裂けてしまう主な原因は、頚椎の捻転を伴う動きやスポーツや運動などによって頚椎の中を走行する椎骨動脈に対する軽微な外傷と考えられています。動脈硬化が進行していたり、高血圧の場合には、確実にリスクは高まるでしょう。残念ながら、明らかな原因が不明の特発性(非外傷性)の場合もあります。

横突孔に沿って椎骨動脈は走行

頚椎は7つの椎骨で構成されていますが、椎骨の両サイドにある小さい穴があり、横突孔(おうとつこう)と言います。椎骨動脈は、その7つの横突孔のうち6つの横突孔から成る狭いトンネルを通って首から脳へむかって走行しています。つまり、頚椎の動きに連動して椎骨動脈も動きます。

このように解剖学的な面からも、首を普段自分で動かすことができる可動域を超えて他者の力で急に捻転させてポキっと鳴らす行為は、少なくとも椎骨動脈にとって良い影響は期待できないこととなります。

ストレートネックの人が首ポキ施術を受けるとリスク増大

首ポキ施術は、ほとんどの場合、首・肩こりやそれに伴う頭痛などの症状を解消する目的で行われます。そのような症状を抱えている方は高い確率でストレートネックの状態であることが多いです。

スマホ首いわゆるストレートネック急増の原因はスマートフォン

ストレートネックは一昔前まではパソコンを使ったデスクワークの方が訴える症状でしたが、今ではスマホ症候群の一つとして有名で「スマホ首」とも呼ばれています。スマートフォンの普及の結果、スマホ首・ストレートネックで悩むのは大人だけではありません。むしろスマートフォンを長時間使っているのは子供です。ということは、国民の多くが、首や肩のこり・痛みといった症状を抱えており、首の骨を鳴らす行為を癖にしている方が少なくない、首ポキ施術でスッキリしたいと思っている方が増え続けているとも言えます。

ストレートネックを引き起こす原因は筋肉。骨ではありません。これは肩こり・首こりにも言えます。

本来カーブあって然るべきものが、そのカーブがなくなってしまうと椎骨動脈の通るトンネルも不自然な形となってしまいます。すると中を通る椎骨動脈も不自然な走行となります。ストレートネックの状態で無理に首を動かそうとすると、頚椎に負担をかけ痛みにつながるだけでなく、椎骨動脈にも必要以上のストレスをかけてしまうことになるのは想像できると思います。

スマホ首という言葉が広まっているようで、ストレートネックは現代病の代表のひとつといえる状況になりつつあります。ですからストレートネックについては後日詳しく書きたいと思いますが・・・ストレートネックを引き起こす原因についてだけ押さえておいてください。ストレートネックは高齢者や一部の特殊な例を除いてほとんどが筋肉によって引き起こされます。骨ではなく「筋肉」です。骨の配列は筋バランス(アライメントと呼ばれることが多いです)や体の使い方によって生じます。長年、悪い姿勢が悪い状態が続くと筋肉がそれに合わせて変化していきます。ここはとても重要なポイントです。骨の配列が歪むのは、筋肉の変化による結果です。ですので、関節をボキボキ鳴らして矯正と呼ばれる施術を行っても一時的だったり、気分的によくなった感じがするだけで、配列そのものが根本的に改善されることは絶対にありえません。

脱臼してはずれてしまった関節を元に戻す「整復」というものがあります。これは柔道整復師の専門領域です。外れた関節を元に戻すわけですから、ボキっとやれば骨のゆがみが治るようなイメージをもたれる方は少なくないと思います。脱臼と骨の配列(アライメント)の矯正は根本的に異なるものです。脱臼は無理な力が関節に急激にかかったことで生じますが、アライメント異常は小さな力が持続的にかかり時間をかけて生じますので、発生の原因からして異なります。ですから、脱臼の整復と、ストレートネックなどのアライメント異常の矯正は、目的こそ骨も配列を整えるということで同じですが、内容としては全く別物です。

骨にアプローチしたところで歪みは一時的に矯正されるだけです。すぐに元に戻ります。

骨にアプローチするのではなく筋肉にアプローチすることで骨格を正す。これが正解です。姿勢という点では、納得していただけると思います。

とは言いましても、人は様々な不調を抱えています。関節の痛みや腰痛といった姿勢や動作と直接関係していると思われそうな症状以外で、最もポピュラーな悩みの代表は頭痛かもしれません。

業界の実状としましては「首から後頭部にかけての頭痛は椎骨動脈が原因であり、背骨のゆがみが椎骨動脈に負担をかけている・・・」という考え方があります。整体やカイロプラクティックの領域ではしばしば「〇〇矯正」「アジャストメント」といった施術によって関節をボキッと鳴らして「ゆがみ」を矯正することで頭痛が治るとされる行為が気軽に行われています。

ですが、ここで忘れてはいけない大事なことがあります。

頭痛は椎骨動脈解離の症状のひとつ!!

頭痛で病院にいって検査をして助かったという話はよくきくと思います。放置していたら手遅れになるところだったというのは割と身近な話であり、誰にでも起こりうることなのです。

頭痛は椎骨動脈解離の初期症状のひとつです。これが大事に至った結果、脳梗塞・クモ膜下出血といった脳卒中になる可能性が高いのです。脳動脈瘤・脳動脈かい離といった言葉が使われることが多いかもしれませんが、脳動脈は椎骨動脈と繋がっています。つまり椎骨動脈の上の部分からは脳動脈です。

頭痛の原因が椎骨動脈解離の症状かどうかを判断できるのは病院のMRIなどを使った検査のみです。頭痛の原因は、整体やカイロにいっても絶対にわかりません。

整体やカイロを体験したことがある方でしたら、一度くらいはボキっという施術を受けたことがあることでしょう。頭痛持ちの方でしたら自殺行為・ロシアンルーレットです。そして頭痛持ちでない場合でも、はっきりと申し上げますが、首ボキ施術はたいへん危険です。厚生労働省もとりわけスラスト法とよばれる首ポキ施術に関しては危険であり自粛するよう警笛をならしているということは首ポキ解消法の真相(首をポキポキ鳴らすのは本当に危険なのか?脳血管障害や死亡リスクとの関連性)でもお伝えさせていただきました。また、カイロプラクティックの本場であるアメリカにおいても、米国心臓協会と米国脳卒中学会は、スラスト法が脳卒中を引き起こす可能性があるとの声明を、2014年8月7日発行の米医学誌「Stroke」(電子版) に掲載しています。

首ポキ施術は受けないでください。そして、施術者も絶対に行わないでほしい。

自ら首を捻じってポキっと鳴らすのと、他者の力で動かして鳴らすのでは訳がちがいます。「首ポキ施術」は本当に危険なのです。スッキリ感が得られる以外のメリットはありません。一瞬の爽快感と引き換えに生命に関わる危険性を高めてしまうのはもはやデメリットの範疇を超えています。

アライメント異常は骨をボキボキしても治らない

前述しましたように、首肩周辺に症状をかかえている方はストレートネックなどの頚椎のアライメント異常をかかえている方が多いです。アライメント異常があると関節は正しく動くことができないため、そのような状態で急激に動かすことによってかえって傷めてしまうこともあります。

アライメントの異常はいくら骨をボキボキしても改善しません。それどころか骨の配列が正しくない状態で首を動かすことは椎骨動脈にも余分なストレスを与えてしまう可能性もあります。首ポキ施術は気軽に受けるべきではないですし、施術者は絶対に行うべきではないのです。

脳神経外科の医師も注意を呼びかけています

脳神経外科の第一人者である平山晃康教授は以下のように述べておられます。

痛みを主訴とする脳外科疾患の診断のポイント

椎骨動脈解離を診断する契機になる初発症状は、突発する片側の後頭部から後頚部にかけての痛みである。出血型では、解離による関連痛に加えて、くも膜下出血が頭痛の原因になっている。虚血型でも、同様の痛みが起きる。よって、中年の成人に片側の後頭部から後頚部にかけての頭痛が突発したときには、椎骨動脈解離を疑わなければならない。また、カイロプラクティックの頚部への施術や、美容院などでのシャンプー後(hairdresser’s salon syndrome or beauty parlor syndrome)にも起こる可能性があるので充分注意が必要である。

出典:痛みを主訴とする脳外科疾患の診断のポイント 日本大学病院脳神経外科 平山晃康教授

首ポキ施術は「一時的なスッキリ感」を得られます。そのスッキリ感とリスク・代償を天秤にかけたら・・・受けたいと思われる方は限りなく少ないのではないでしょうか。リスクを冒してまでの得られるメリットは無いため、首ポキ施術を受けるのだけは絶対にオススメしないと主張させていただきます。

誰にでもできる脳卒中予防方法

ここまで小難しい話・危険や不安を煽るような表現をしてしまいましたが、何ができる?どうすればいいの?とお思いでしょう。

首はデリケートだから大切にするという意識をもつ

コメカミや後頭部を強打したら死んでしまう可能性があることは多くの人がご存知のことですが、普段コメカミや後頭部を守ろうと意識されている方は少ないはずです。ですが、外部からの衝撃がありそうでしたら自然と守ろうとするはずです。

首に対しても同じような意識を持ちましょう。

女性なら見ず知らずの男性に髪の毛を触られるのはとっても嫌なことでしょう。首を勝手に触られるのを嫌!強い力で触らないで!くらいの意識でよいと思います。

首の骨を鳴らすのを目的としない

スマホが生活の一部になってしまい、首肩への負担は老若男女とわずどんどん増しています。

気づけば街中にストレッチ店がいっぱいあります。少し前までなかったと思いませんか?

首や肩が凝ったらストレッチするのは良いことです。が、首の骨を鳴らすことを目的になってしまっている人が結構います。

数年前に大橋未歩アナを襲った「若年性脳梗塞」・・・原因は首をボキボキ鳴らす癖だったそうです。

「若年性脳梗塞」でいう若年性とは45歳以下を指します。20代・30代・40代前半はみな若年として扱われます。

漫画「北斗の拳」のケンシロウのように拳をボキボキ鳴らしたりするのと同じ感覚で、首や肩の骨を鳴らしてしまうのはやめましょう。

首ポキ施術だけは受けない!

整体やカイロプラクティックに通っている方、通うことをご検討中の方に対して、整体やカイロプラクティックへ通わないで!!とは言いません。

首ポキ施術だけは遠慮する旨を、予めお伝えください!

脳卒中の100%予防するのは不可能です。

脳卒中になって、治って通常の生活に戻れる可能性は決して高くはありません。

脳卒中は年齢に関係ございません。リスクを避けることは簡単です。誰にでもできることです。知っているか、知らないか、だけです。

首ポキをしない・受けない・・・心よりお願い申し上げます。

カイロプラクティックや整体で救われた・救われている人がいるのも事実

ここまで首ポキ施術は危険だから受けるべきではない!!という一点ばりの主張でしたが、カイロプラクティックや整体を全否定しているわけではありません。当たり前のことですが否定はできません。これらの施術で救われた患者さんは実際にいらっしゃるわけです。

カイロや整体が果たす役割を明確にして民間療法としての責務をはたしている施術者がいないわけありません。現実には簡単な講習やセミナーを受けただけの整体師やカイロプラクターがほとんどかもしれません。カイロプラクターや整体師に関する法律自体が存在しないため、誰でも名乗りたければ名乗れます。

今、この記事をご覧のあなたも「カイロプラクターです」「整体師です」って自称できるのです。

ゴッドハンド多すぎる問題

それぞれがゴットハンドを自称しているという実状があります。ゴッドハンドと呼ばれている人、多すぎると思いませんか?真面目に堅実に標準医学に則っり信念を持って施術している施術者がいないわけでは決してないにせよ、それは極めて少ないのです。

医師でないのに医師であるかのごとくまたは医師や医療を連想させるような名称の表現を用いたり診断行為が実際行われていること、とにかく何回も通ってもらうことが第一に考えられているために利用者の混乱を招き、本当に困っている方が適切な処置を受けられない状況であったり、かえって難治性となってしまうということが実際に起こってしまっているという点です。

首や肩の調子が悪くてなんとかしたいと思っている方で、通りすがりのお店・整骨院になんとなく入ってみようとお思いになられる方は少なくないと思いますが、街中にはコンビニ以上に溢れています。ドラッグストアでも、薬剤師のいないところといるところがあるように(薬剤師がいなければ例えばロキソニンは買えません)、肩こり・腰痛に効きそうなお店・整骨院は、国家資格保持者が行っているところとそうでないところが混在しています。雰囲気・技術云々以前に、最低限国家資格者かどうかだけは確認しましょう。これは腕うんぬんの話ではなくトラブルにあう確率の話です。悪化してしまう・無駄なお金と時間を使ってしまう確率を下げたいのであれば、まず国家資格者を選びましょう。

首ポキは絶対に行わないでください。

筆者個人的には、医学的根拠として周知されるよう前向きな努力・研究を惜しまないということが前提であればの話ですが、現時点で厳格な統計学的処理をパスした医学的根拠に乏しくとも一定の規範や倫理観をもって受け手のメリットを追求した施術に徹することは、ある程度は許容されるものではないかと考えています。

 

海外では医療として認められている。WHOが・・・といったキャッチフレーズについて

カイロプラクティックを行っているところが日本では認められていないけど海外では医療として認められている・海外では医療である、と宣伝しているのを目にしたことある方は少なくないと思います。日本では認められていませんので、整体師・カイロプラクターは誰でも名乗れますし開業も可能です。国内で民間資格はありますが、国家資格ではありません。

「アメリカやヨーロッパ諸国では医者として認定されている。」や「カイロプラクティック医師」、「アメリカでは第一医療機関として認められている」等といった表現/主張は間違いである。これは先ず、アメリカにおいてのカイロプラクティックは、日本では医師のみが行うことが認められているX線撮影装置の使用による検査や診断・診察業務が法律により認められている事や、州によっては一部の外科的処置を行うことが法律により認められているという、我が国には前例のない専門職であることによるものだと考えられる。また、これはアメリカにおいてDoctor of Chiropracticという第一職業専門職学位が授与されることで、Doctorを医師と間違って訳しているまたは、広告のための誇張だと考えられる。アメリカにおいてはDoctor(Dr.)の敬称は医師にのみつかうものではなく、Doctorate degreesが授与される専門職、Ph.D.の学位をもつものを習慣的にDr.の敬称をつけて呼ぶ。

出典:カイロプラクティック wikipedia

ウィキペディアより引用しました。当然のことですが日本ではX線撮影装置の使用による検査や診断をカイロプラクターが行うことは出来ません。アメリカでいうドクターの呼び方と日本のドクターの意味が異なっているという事実。アメリカでドクターだから、日本では医師、とはなりません。これを恣意的に悪用しているケースが多いので、この点を踏まえてカイロに通うことを検討なさってください。

首ポキ施術行為の蔓延問題の本質

鍼灸・マッサージは一般的には「東洋医学」という認識されています。今では美容鍼ブームのおかげで美容にいいというイメージをお持ちの方が増えたかもしれませんが、まだまだ「気」や「ツボ」といったよくわからないけれど効くらしい・・・という得体のしれないイメージをお持ちの方が多いはずです。

鍼灸治療は今では多くの大学病院でも取り入れられておりますが、医療関係者の中には擬似科学、インチキだとお考えの方もいらっしゃいます。施術を行う側としても「曖昧さ」や「東洋医学」に甘んじて、「根拠のない見せかけの医学」を行ってしまっている施術者が少なくないのも事実。このようなことからも「鍼灸・マッサージは疑似科学・ニセ医学である」という考えを否定したくてもできない状況であるということが実際のところです。

首ポキ施術行為が蔓延していう本質的理由はこれらの業界の現状によるところが大きいと思います。

例えば、鍼ひとつとっても、ツボにうつという東洋医学的な手法が大半ですが、現代医学的に考えて的確に筋肉・筋膜にうつやり方もあります。世間一般では鍼=東洋医学ですが、西洋医学的に鍼を行っている人も、知らない人からみれば東洋医学やってる人と思われるわけです。一般の方ならそう思われても仕方ないのですが、医療関係者でも「はいはい、東洋医学ね」と理解しようとすらしてくれないことが割と普通です。

ですから、まして国家資格者でない人が、首の骨を鳴らす施術していても最初から眼中にすらないのです。医師が気にするのは眼の前の患者さんです。カイロや整体で首ポキをしている人たちではありません。だから好き勝手にやれてしまい、行政の指導も、結局は事件・事故で大きな社会問題にならない限り放置と一緒です。

あなた自身だけでなく、身の回りの人・大切な人に伝えてください

首ポキ施術蔓延の原因が業界自体の体質?にあるとはいえ、今は国民ひとりひとりが情報発信者のネット社会です。業界ではなく社会をつくっているのは私たちひとりひとりです。つまり誰にでも変えられる力があります。力の大きさは関係ありません。

脳卒中になると、意識が戻らずコミュニケーションとれないまま亡くなられるのはよくあることです。そして運良く生き残れたとしても障害を持ったまま生きていかないといけないケースも多いです。

一番大切な人が、寝たきりで意識が戻らない、そんな悲しい残酷な世界を想像してみてください。

知らなかった、そう言われたから・・・では後の祭りです。

「首の骨ならす癖やめなよ!死ぬかもしれないよ!!。」

たとえ、そう声かけたところで癖になっている人の癖を直すことなんて難しいのですが、少なくとも「え?死ぬ?」という意識を持ってもらうことは間違いなくできます。そんな小さな意識だけでも、全然ちがってきます。

 

 


執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


美ST 8月号「ビューティー覆面調査隊」でご紹介いただきました。

40代の女性向け雑誌「美スト」(光文社)に「行くよ!! ビューティ覆面調査隊!!」という人気コーナーがあります。名前の通り、覆面調査です。

当院にいらっしゃった患者さんの中に、覆面調査の方がいらっしゃったのですが、当然当院では把握できておりません。その覆面調査の方からの情報を元に取材を受け、今回掲載されることになりました。雑誌編集部も、どの覆面調査員なのかは分からないとのことで、覆面調査で本当にいいお店・サロンを紹介したいという本気度に驚きました。

当院では、一般の方も、知名度のある方も、いち患者さんとして、別け隔てることなく、真剣に向き合っております。ですので、今回の覆面調査で取材を受けたことは、誌面で紹介されるということよりも、スタッフが患者さんに対して本気で治療に臨んでいるということが確認できたという点で、大変うれしい出来事でした。

基本的に、当院は、有料での広告は行いませんので、このような形で、メディアで紹介されることは願ってもないことでございます。

肩こりの原因となる要素は複数あり、それらは複雑に絡み合っています。その中でもっとも大きな要因は筋肉です。骨ではありません!

姿勢が悪い、歪んでいる、と言われればなんとかしたいと思うことでしょう。ですが、人間の内臓は左右対称に配置されていないですし、手足の長さがぴったり左右同じ人なんて存在しません。骨盤矯正に代表される「ゆがみが諸悪の根源」説はもっともらしそうに聞こえますが、人間の体を支えているのは骨ではなく筋肉であるという点をまずご理解ください。

マンションやアパート、家といった建物を支えているのは柱です。人間の場合、柱にあたるものが骨ともいえますが、建物と人間は構造が根本的に違うのです。建物は動きませんが人間は動きます。

人間に限らず動物の骨格だけを組み立てても自立は不可能です。バラバラになります。骨だけの人体模型なんて実際にはありえません。ですが、建造物は、その骨格とも言える柱だけでも自立します。建設中のビルの鉄骨だけの状態はよく目にすることでしょう。

人間の体を支えているのは筋肉です。筋肉の外側に筋膜という結合組織があるのですが、この筋膜が全身を包み込むように複雑に連なっています。

katakori LABSは筋肉のプロです。

「筋肉が原因の肩こり」「筋肉の異常による肩こり」・・・といった症状の方に対して「肩こりは治るもの」と自信をもって言い切ります。治療方法自体は確立しました。しかし、現状に満足することなく、より短期間で、さらに効果的な治療を確立できるよう日々精進する、常に探求・研究する・・・katakori LABSは常に上を目指してまいります。

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


健康 2015年7月号で「耳たぶマッサージ」を紹介。

丸山太地 耳たぶほぐし

天気痛へのセルフケア方法について取材が、6月2日発売の雑誌「健康」に掲載されました。

肩こりラボブログでよく読まれている記事のひとつに「今すぐできる天気痛解消法の紹介。」があるのですが、そこで紹介している耳たぶマッサージについて、先日取材を受けました。

誌面上では、耳たぶほぐしという名前での紹介になっております。

誰でも、いつでもどこでもできる便利な方法ですが、あくまでセルフでできる「対症療法」にすぎません。詳しくは「今すぐできる天気痛解消法の紹介。」をお読みください。

 

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

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VOGUE JAPAN 7月号にご紹介いただきました。

VOGUE
vogue-201507

女性のお体の悩みNo.1は「肩こり」です。

女性の大半は、肩がこっているという自覚がおありだと思います。

働く女性の場合、デスクワークの方は特に顕著でしょう。

ヴォーグ・ジャパンの7月号の特別付録は「働く女の磨き方」という特集です。

当院はあくまで治療院。肩こり・首こり・腰痛といった症状の根治を患者さんとともに目指す場所です。女磨きという言葉の面でいいますと、姿勢や歩き方の面ではお力になれると思います。何よりも、悩みを抱えていては輝くものも鈍ってしまいます。その悩みの1つを解消を全力でサポートいたします。

当院では施術者から患者さんへの一方的な治療・指導ではなく、個々の患者さんのおかれている状況やお考えを最大限尊重し共に治していこう!というスタンスです。

当院は、雑誌への有料広告・有料の掲載依頼は一切行っておりません。

肩こりラボでは、施術者が患者さんお一人お一人へ寄り添い親身な対応を心がけています。その結果、患者さんが「大切な人には紹介したい」、そう思っていただけることを目指しています。

 

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執筆者:丸山 太地
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学芸大学駅前に移転しました。

201211月に開院して、2年半経ちました。

当研究所は治療環境の向上、より質の高い治療のご提供を目指す為に、移転・新装オープンいたしました。学芸大学駅より徒歩1分です。

これを機にスタッフ一同、一層の努力を致す所存でございます。

私どもは、あくまで「通ってもらうためではなく治すための治療院」という初志を貫徹し、常に治療の質向上に努めると共に、患者さんにとってメリットのある治療を追求し続けます。

何よりも患者さんありき、患者さん本位の治療を、常に患者さん目線を意識し、誠心誠意行ってまいります。

今後ともご指導を賜りますよう何卒お願い申し上げます。

肩コリ ラボ内

施術開始日

平成27年4月22日(水)

新住所

〒152-0004東京都目黒区鷹番3丁目6-8 学大Y・Sビル 3F

電話番号

0120-757-707 (変更ございません)

アクセスのご案内

東急東横線学芸大学駅西口を出て左へお進みください。線路沿いを徒歩1分程です。

三井住友銀行の並びです。銀行前から電柱2本目と3本目の間に背丈ほどの観葉植物が並んでおります4階建てのビルの3階です。

1階が美容室、2階は学習塾です。

分かりづらい場合は、お気軽にお電話にてご相談くださいませ。どうぞよろしくお願いいたします。

更なる高度な治療のために、最新機器を導入しました。

肩こりを治す、の本当の意味でのゴールは、肩こりにならない体をつくること、方が凝らない体に変えること。これは全身の筋肉・骨格の構造・機能を熟知していなければ不可能です。

当院は、全身の筋肉のプロフェッショナルだからこそ、肩こりを治すことができるのです。

カラダ作りというと、ツラいトレーニング、継続が難しい日々の運動を連想されることでしょう。

そんな精神的負担、肉体的負担を大幅に軽減するのが、パワープレートというマシーンです。

powerplate6plus

パワープレートは、一部のトレーニングジム・治療院に導入されている大型マシーンで、プロ・アスリートでしたらご存知の方が大半かもしれませんが、一般的な認知度は低い機器です。今回の移転を機に、パワープレートの最新機種「PRO6プラス」をどこよりも早く導入いたしました。

最新のテクノロジーを使いこなすためには、最高の技術が求められます。当院は、治療技術を追求し続けます。そして、患者さんにとって負担のすくない、より効率的な治療で結果を出します。

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

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病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
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肩こりの概念を再定義する

「肩こりがひどいの?だったら早く治療受けたら?」このような会話が日常になる日のために

こんにちは。肩こりラボの丸山太地です。

私は、一般の方からアスリートや歌手といったプロフェッショナルの方まで、コリや体のバランスで悩みを抱える方を一人でも多く救うべく日々治療に励んでいます。

治すことはもちろんなのですが、とにかく“苦痛満ちた患者さんに笑顔になっていただく”ことを目的とし、できるかぎり治療の頻度・効率をよくする、患者さんご自身の治療に対するモチベーションが上がるよう、治療の本質を追求し続ける鍼灸・マッサージ院、それが肩こりラボです。

世にはこれだけ治療院が存在するなかで、国内では肩こりで約1,200万人、腰痛で約2,000万人もの方が苦しんでいます。(厚生労働省調べ) その他の慢性的な「痛み」「つらい症状」を含めるとその数は計り知れません。 この理由は次のようなことが考えられます。

整形外科にて骨に異常が無いと診断された場合、多くは痛み止めと湿布という処置で様子をみることとなり、改善しない場合は治療院や整体などといった施術所へ足を運ぶこととなります。 そこでは、原因は「骨のゆがみ」や「骨盤のずれ」であり、整形外科で骨に異常が無いと言われたのにも関わらず、再び骨の問題を指摘され、処置としてはつらい部分を刺激して一時の快楽を与え、結局はすぐ元に戻り、これを繰り返すといったサイクルとなります。

やがて刺激にも慣れ、どんどん慢性化してしまいますがが、つらいことには変わりなく、対症療法を続けざるを得ない(依存)状態となってしまいます。つまり、今までの治療は「患者さんの状態分析(評価)」「原因の追究」が不十分であり、処置は「その時気持ちが良くて楽になれば良い」「直後に楽になれば良い」という対症療法のみであり、根本治療に至らなかったからです。

当院は、あくまでも「根本治療」にこだわり、頻繁に通っていただくためではなく、あくまで「治す」ため、 心底お悩みの方を「痛み」「つらい状態」から解放するためだけに開設されました。

業界の現状として

  1. 施術内容(技術・知識)がリラクセーションや整体と大差がなくなってしまっている
  2. ビジネス上患者さんを多く施術した方が良いため「治すこと」ではなく「通ってもらうこと」が第一優先とされてしまっている
  3. 養成学校の乱立により、有資格者の知識技術レベルが著しく低下している
  4. セラピスト同士で協力することができず、仲間同士で足の引っ張り合いをしてしまっている
  5. 多くの例では「〇〇と言われている」「東洋医学的には・・・」「自らの経験的に・・・」といった不確かなことを拠り所とし、医学的根拠に基づく治療が行われていない

これでは絶対に患者さんは救えません。治すこともできません。

何よりも、医療とはチームプレーであり、セラピスト独りよがりではなく、医師を中心に医療従事者やトレーナーなどが密に連絡をとり、またセラピスト同士の情報共有とディスカッションによりそれぞれの長所を最大限発揮して一人の患者さんを包括的にサポートしていくことが大切だと考えております。このチームプレーが、従来、点と点でしかなかった治療(ケア)が線となり、慢性化して生活に支障が出てしまうほど苦しんでいらっしゃる患者さんのお力へとなるのではないかと信じています。肩こりラボでの治療は根本治療であり、チームプレーに重きをおいております。

 

 

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執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

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体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。


肩こりは日本人特有の症状である!という説の真偽の検証

外国人は肩こり知らず!?肩が凝るのは日本人だけ!!肩こりは日本人特有の国民病・・・これらは多くの方が一度は聞いたことがあるフレーズではないでしょうか。それらの説、実は間違っています。

誰しもスマートフォン操作の時間が長くなれば、首や肩が凝ってしまうという経験をしたことがあるはずです。これは海外でも同じことです。いわゆる「ストレートネック」と呼ばれる状態は、スマートフォンの普及が進むにつれ外国でも増加しており、海外ではText Neckとも呼ばれています。首を擡げ背中を丸める体勢をとることで、首の骨自体が曲がってしまい、体全体の悪い姿勢を助長するのみならず、子供の体の成長にも悪影響を及ぼす現代病のひとつと言われています。

このブログを今読んでくださっているそこのあなた、背中を丸めて画面を見てしまっていませんか?

本題に戻ります。

肩こりが海外の方も同様に起こりうるとはいえ、日本人は肩が凝りやすい、これは紛れもない事実でもあります。

肩こりという言葉は、夏目漱石の小説「門」で使ったのが最初、肩こりという言葉に該当する言葉が海外には無い、といった説についても、肩こり治療専門家として丁寧に説明いたします。

そして、人体の構造からみた本当の意味での正しい姿勢もお教えいたしますので、ぜひお読みください。

 

肩が凝るとはどういう症状なのでしょうか?

首から肩、背中、肩甲間部などの部分が、重い、だるい、動かすと痛いなどの症状があると「肩が凝っている」「肩こりがひどい」と表現されることが多いでしょう。

文豪・夏目漱石が「肩がこる」と表現をしたことが最初とされていますが、それ以前の江戸時代では、肩こりに該当する言葉として、けんぺき(痃癖/肩癖)と呼ばれていたようです。しかしこちらは一般的ではなかったようで、夏目漱石の作品が、肩こりという言葉を広めたという説は事実と思われます。

肩こりとは肩周辺の「筋肉」が凝ることにより現れる症状です。

肩こりは、肩周辺の凝りの症状全般の総称です。具体的に凝っている部分というのは、肩周辺の筋肉になります。

肩周辺には、「僧帽筋そうぼうきん」「肩甲拳筋けんこうきょきん」「板状筋ばんじょうきん」「半棘筋はんきょくきん」「後頭下筋群こうとうかきんぐん=深部に存在し首と頭を連結する四つの小さなインナーマッスルの総称」「胸鎖乳突筋きょうさにゅうとつきん」「斜角筋しゃかくきんしゃかくきん」「三角筋さんかくきん」「棘上筋きょくじょうきん」「棘下筋きょくかきん」など、大小さまざまな筋肉があるのです。一部だけですが、次の図をご覧ください。

肩周辺の筋肉

特に着目されることの多い僧帽筋や肩甲拳筋はご存じの方も多いことでしょう。しかし、実際はそれらだけでなく様々な筋肉が関与しており、肩まわりの筋肉は数も多く複雑がゆえに、肩こりを訴える方でも実際にどの筋肉が凝っているのかを認識できている人は、ごく一部の専門家を除けばほとんどいらっしゃらないでしょう。

肩こりと一言でいいましても、三者三様です。肩周辺全体を1つの部位として「肩」と捉えてしまいがちですが、どの筋肉が凝っているかも人によって異なります。肩の筋肉といいましても、何が原因でどこの筋肉が凝っているのかということは実際に細かくみていかなければわからないのです。

肩こりとは「結果」!!肩自体に問題が肩自体に問題はありません。

肩が凝っているという症状は、原因ではなくあくまでも結果です。肩こりを改善するにはコレが効果的!!この体操をするとラクになる、凝りがほぐれていく、といったフレーズは、結果を紛らわしているにすぎません。つまり原因はほったらかしということです。

今一度ご理解していただきたいことは、肩こりという症状は「結果」であるということです。凝りという症状だけを一生懸命ほぐしても、すぐにまた凝りは発生します。凝ってはほぐす・凝ってはほぐす・・・というゴールの無い繰り返しは、凝りをさらに強固なものにしてしまうのです。肩こり解消において重要なことは、肩こりの原因を見極め、その原因に対して個々にアプローチして解消していくことなのです。

肩こりという言葉に該当する英語がないという点について

日本語の「肩こり」に該当する単語が、英語には存在しない、という点ですが、日本語は、ひらがな、カタカナ、漢字を組み合わせて、本当に多彩かつ細かい表現が可能な言語であるということは重要なポイントです。日本語での繊細な表現、ニュアンスを英語で正確に伝えるのは不可能なことが少なくないでしょう。

肩こりと似たような症状を表す英語表現はあります。

たしかに「肩こり」という単語は英語にはありません。しかし、肩こりのような症状を「stiff neck」つまり「首こり」という言いまわしがされています。英語では肩をshoulder(=ショルダー)といいますが、これは肩の関節自体を指します。

肩こりとは、肩周辺の筋肉が凝ることを指します。海外では、首から腰までの筋肉全て「背中の筋肉」なのです。

例えば、腰痛を医学用語でlumbagoともいいますが、一般的にはpain in the lower back、もっと簡潔にlower back pain、またはbackacheと表現されます。backは背中です。背中の痛み、背中の低い部分の痛み、ということです。

ですから、肩周辺の筋肉は、背中の上の方の筋肉ですのでmuscles in upper backといいます。肩周辺の筋肉の凝りによる痛みはpain in the upper backupper back painと表現されます。

背中の筋肉

背中の筋肉

先程、肩周辺の筋肉は複雑でたくさんの種類があることをご説明しました。背中全体となると相当な種類の筋肉があります。

背中の筋肉とは、首〜肩〜腰まで全てを指します。この背中の筋肉の図では右半分が表の筋肉、左半分がその下にある深層部の筋肉の説明になっています。

この筋肉図をご覧いただければ、首の影響により肩の筋肉が凝る、腰の影響により肩の筋肉が凝る、といったことは容易に想像できるでしょう。

つまり「肩が凝る」「首が凝る」を解決させるには、症状が出ている部分をみるのだけではなく、広い範囲で筋肉の構造を捉える必要があります。

冒頭で肩こりを訴える方で「具体的にどの筋肉が凝っているのかを把握できている人はほとんどいない」と申し上げました。凝った筋肉を特定するためにメスを入れるわけにはいきません。

体の動かし方、動作による痛み、症状から、問題のある筋肉を特定するには、解剖学的な専門知識はもちろんのこと多くの経験が必要なのです。

羽生結弦選手が筋筋膜性腰痛症でフィンランディア杯欠場!筋筋膜性腰痛は身近な腰痛です。

筋筋膜性腰痛きんきんまくせいようつうという言葉がニュースに出てきて驚きました。そのニュースとは男子フィギアスケートの羽生結弦選手が練習中に腰を痛めてフィンランディア杯を欠場するというものでした。

ソチ五輪の金メダリストである羽生選手は、先日の会見では「今季は全部勝ちたい!!」と強い意気込みを語っていただけに残念でなりません。私もプロ・アスリートのケアを行っておりますので、他人ごとに思えず、また、自分の専門分野のひとつですので記事を書いた次第でございます。

羽生選手を今季の初戦欠場にまで追いこんだ腰痛の名前が「筋筋膜性腰痛きんきんまくせいようつう症」。この腰痛は決してアスリートだけのものではなく、一般の方にもとても多い疾患です。いわゆる「ぎっくり腰」のひとつです。(ぎっくり腰は、急に腰を痛めた際の症状の総称ですので、ギックリ腰といっても、種類は様々です。)

筋筋膜性腰痛は実は身近な腰痛です。腰痛の種類と原因について解説します。

筋筋膜性きんきんまくせい腰痛は身近な腰痛です。そこで今回は「筋筋膜性腰痛になってしまったら、どうすればよいの?」という疑問にお答えします。

最初に筋筋膜という言葉ですが、これはずばり一般的な筋膜です。筋膜は、単語に筋とはいってはいますが、カラダの内臓をはじめあらゆる組織を包んでいます。その中でも筋肉を包んでいる筋膜が筋筋膜、英語ではmyofasciaといいます。

筋筋膜は、筋・筋膜と表記されることが多いのですが、肩こり ラボでは筋筋膜が正しいと考えています。筋筋膜は英語ではmyofasciaといいますが、これはmyo+fasciaで、myoは「筋肉の」、fasciaは「筋膜」です。つまり体全体に張り巡らされている筋膜という組織のうち筋肉を覆っているものはmyofasciaなのです。筋・筋膜は、筋肉と筋膜と解説されていることが多いのですが、筋膜は筋肉を構成する要素です。筋繊維を覆っているのは筋内膜という筋膜、筋繊維の束を覆っているのは筋周膜という筋膜、筋肉全体を覆っているのも筋膜(深筋膜・筋上膜ともいう)です。筋筋膜は、一般的な筋膜とお考え下さい。

慢性的な腰痛いわゆる「腰痛持ち」に心当たりがあるある方は是非ご一読ください。

腰痛は診断名がつくものとつかないものの2つに分類されます。

腰痛と一言でいいましても実際はいろいろな種類がございます。自分の腰痛は一体どんな腰痛なのか?腰痛は医療機関で診断名のつくかつかないかの2種類に大きく分けられます。

  1. 診断名がつく腰痛 特異的腰痛
  2. 診断名がつかない腰痛 非特異的腰痛

「特異的」というのは、これは特殊でレアなという意味ではなく、医療機関で診断がきちんとなされる腰痛です。肩こりでは症候性肩こりに相当します。

一方、非特異性腰痛は、原因がはっきりしない腰痛です。多くの人が悩む腰痛はこちらになります。一般的には、とりあえずの対症療法や「様子を見ましょう」という対応になります。肩こりでは本態性肩こりに相当します。つらい首・肩・腰の痛みに・・・効くとされる薬のCMを見ない日はないと思いますが、それだけ悩みを解決できない方がたくさんいらっしゃるということです。

医療機関で診断がなされるものが特異的というのは、それだけ治りにくい・治らない腰痛が多く、苦しんでいる方が非常に多いことを意味します。

ですから、諦めてしまう人も多いのです。

誤解のないよう繰り返し申し上げますが、非特異性腰痛は、医療機関において原因がはっきりしないとされる腰痛です。医療機関で原因がわからなくても、医学的に腰痛の原因は明確に3つあります。

原因がはっきりしている腰痛は3パターン

原因がはっきりしている腰痛は以下の3パターンに分けることができます。

腰痛を引き起こす原因

  1. 骨のトラブル 特異的腰痛
  2. 関節のトラブル 非特異的腰痛
  3. 筋肉のトラブル 非特異的腰痛

それぞれ詳しく解説します。

骨の問題による腰痛

骨の問題で起こる腰痛は、器質的な異常があることを指します。専門用語で分かりにくいですが、骨格の形態的異常があって、レントゲンやMRIなど画像検査として異常が見受けられるものです。代表的なものとしては、椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰椎すべり症、変形性腰椎症などがあげられます。

関節の問題による腰痛

背骨は頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨1個(5個とカウントする場合もありますが、ここでは便宜上1つとさせていただきます)、尾骨1個(3~4個とカウントする場合もありますが、ここでは便宜上1つとさせていただきます)の計26個が連結してできています。骨が連結して、可動するという事はそこに関節が存在することになります。背骨は、上下の骨が2ヶ所で接しており、左右一対の椎間関節があります。仙骨と尾骨は通常の関節の構造となっていないことから便宜上ここでは関節ではないとカウントします。また、第1頚椎と頭蓋骨も関節の関係にあり、背骨には、(後頭骨を含めて)25個の骨×2つの関節=50個もの椎間関節が存在することになります。

この背骨の関節が、何らかのダメージを受けて傷めてしまうのを椎間関節性腰痛といいます。例えば、中腰で重い物を持った時、不用意にくしゃみをした時、予想外に足を踏み外してしまった時などに急激に椎間関節に力が加わり傷めてしまいます。誰もがご存知のぎっくり腰、それも身動きがとれないほどの重度のぎっくり腰は椎間関節を傷めてしまっているケースが多いのです。(ぎっくり腰は「突然生じる腰痛」の総称なため、その病態は様々あり、椎間関節性以外のものもあります) この関節の問題の場合は、残念ながらレントゲンなどでは分かりません。つまり、レントゲンを撮っても「異常無し」となり、鎮痛薬と湿布の処置となります。

ぎっくり腰が癖になるのには理由があります。

病院(整形外科)での典型的な処置の場合、3~7日間の安静で日常生活が可能となるため、この時点で治ったと解釈されます。しかし、注意が必要です。関節を傷めると、関節が動くのを守るために周囲の筋肉が不必要に緊張します。これを筋スパズムと言います。インナーマッスルなど関節運動に関わる筋肉がスパズム状態に陥ると、関節を正しく動くかすことができません。具体的には、背骨は一つ一つの骨がしなるように動くのが正常ですが、動きにムラが生じて本来動くべき所か動かず、動いてはいけない部分が動くようになってしまいます。結果的に、不自然な動きとなります。厄介なことに、この不自然さを感じるのは一流アスリートのような一部の方だけなのです。一般の方が不自然さを自覚されることは稀です。そのため、一定期間が経つと痛みはなくなりますが、正確には治ったわけではなく、その後時間が経ってから慢性腰痛に移行したり、繰り返し傷めてしまう可能性が高いのが特徴です。これがぎっくり腰が癖になってしまう原因です。

関節の問題による腰痛を解決するためには・・・

椎間関節性の腰痛を根治させるためには、急性例であれば一定期間の安静の後、日常生活が可能なレベルまで痛みが引いたら、その後は余分な筋スパズムを深部の筋肉までくまなく取り除き、さらに体幹のインナーマッスルを中心とした筋力トレーニングを行います。そして背骨の関節に負担のかからない動作改善の練習を行います。ここまで行うことで慢性化・再発のリスクを限りなく軽減させることができます。

筋肉の問題による腰痛  筋筋膜性腰痛症

筋筋膜性腰痛症は筋肉の問題による腰痛です。筋肉は構造上、筋膜というその名の通り膜状の組織に覆われています。実は筋膜には筋肉そのものよりも痛覚を感じるセンサーなど、神経が密に分布されており、それ故に重要な組織です。医学的な信憑性・効果はさておき「筋膜リリース」「筋膜はがし」「筋膜の癒着をはがす」などの手技療法が流行っているのはそのためです。 話を戻しますね。 筋肉や筋膜が傷んでしまう事、または筋スパズム状態に陥ってしまうことで痛みを生じるものを筋筋膜性腰痛といいます。

筋膜リリースとは?

筋膜性腰痛には2パターンあります。

筋膜性腰痛はその発症メカニズムから2つに分類できます。

①急性の場合

ぎっくり腰の一つといえます。椎間関節性腰痛の所と繰り返しになりますが、腰に何らかの負荷が急激にかかることで発症します。急性腰痛(=ぎっくり腰)の場合、関節にダメージがいった場合は椎間関節性腰痛へ。筋膜や筋肉にダメージがある場合は筋筋膜性腰痛と考えられます。「考えられる」というのは、これら2つは画像所見によって鑑別することができないため、発症の状況と症状の所見によって推測される、という域に留まるからです。もしレントゲン・CT・MRIなどによって異常が発見されるようであれば別の診断名がつくこととなります。それ故に「(レントゲンを撮って)骨に異常がありませんね。痛み止と湿布を出しておくので、1週間安静にして様子をみてください。」という事となります。・・・しかしそれでは根本的に治ったといえない場合が多いというのは上述させていただきました。(椎間関節性腰痛の項で解説しましたが、急性の筋筋膜性腰痛でも長期的には同様の経過をたどることとなります)

②慢性の場合

日本人の抱える自覚症状のうち最も多いのが(慢性)腰痛です。その最たるものが、この慢性の筋筋膜性腰痛です。 こちらは、上述しましたように、ぎっくり腰の激痛がおさまった後に移行してしまうパターンと、きっかけがあるなど特に思い当たる節はないけれども常に腰が重く感じていて疲労によって痛みの程度が上下するといったパターンがあります。

今回の羽生選手の場合は、何が根本が原因かは存じませんが、フィギュアスケートは前屈・後屈・捻転を正常の可動範囲を越えて動かすなど、とにかく腰を酷使するスポーツ。それを幼少期からハードな練習を行ってきたということから推測すると、腰には長年の負荷が蓄積されていたものと思われます。

筋筋膜性腰痛になってしまったら、まずは徹底的にスパズム状態にある筋肉を弛める必要があります。一時の鋭い痛みは安静によって改善しますが、ある一定まで落ち着くとそれ以上は変化が生じなくなります。ですから、筋スパズムをしっかりと取り除かなければなりません。どうすればよいかといいますと、残念ながら安静だけでは異常な筋緊張状態は全て解除することはできません。電気療法、温熱療法、超音波療法(厳密にはマッサージ効果を出す用い方もありますが便宜上ここでは温熱療法の一貫と解釈します)、ストレッチなどの方法が一般的ではありますが、実は筋スパズムをくまなく解除するにはこれらでは不十分です。マッサージか鍼にて異常を起こしている筋肉へ直接アプローチする方法がとても効果的です。手前味噌となりますが、鍼・マッサージは筋肉を弛めるという点においては最適な方法です。薬剤を使って筋弛緩を生じさせると筋肉の収縮力まで低下させてしまうため、筋の正常な機能を維持したままでの方法では最も優れているといえます。 筋肉を弛めるという点で大切なのはアウターマッスルとインナーマッスルの概念です。 つまり、マッサージではアウターマッスルしか弛めることができないため、インナーマッスルが硬くなって問題が生じている場合はどうしても効果が甘くなります。鍼はこのあたりの問題を解決可能です。(インナーマッスルは関節を安定させるためのものだから弛めたらいけないんじゃないの?一部の方は考えるかもしれませんが、弛める=収縮力を低下させるわけではありませんので、それよりもスパズムであったり、硬くなって収縮できない状況にある筋をある程度弛める事は、反対に収縮力を復活させることができると考えて施術にあたっております)

鍼やマッサージにて筋肉を弛めれば、直後の痛みは軽減可能です。しかしこの状態では、高確率で数日~数週間経つと元の状態に戻ってしまいます。 そのため、しっかりと筋肉を弛めて、個々の背骨がスムーズに動くことができる環境を整えたら、体幹と呼ばれる胴体部分の筋力トレーニングを行い、いわゆる「腹筋と背筋のバランスが悪い」状態を改善します。(当院の実際の施術では基本、同時並行で行います)これが体幹トレーニングです。

腰痛を改善する方法http://matome.naver.jp/odai/2141146523977583101/2141146686679253803から引用させていただきました

体幹トレーニングで注意しなければならいポイント

体幹を鍛えるために行う体幹トレーニングは、仰向けで状態をおこすいわゆる腹筋運動や体を反らせる背筋運動ではございません。これは非常に重要です。つまり、HOW TO本に記載されている体幹トレーニングメニューを行っても改善する可能性は低いのです。本に書いてある事は確かに概ね正しいのですが、決定的なエラーがあります。「記載されているポーズをとることができれば良い」ということではないのです。「体幹」というそのポージングを連想するくらいブームとなっておりますので、おそらく今これを読んでくださっている方もご想像できると思います。 つまり、腰痛改善のための筋力トレーニングは型にはまったものではなく、個々の体の状況、身体能力レベルに最適化させなければなりません。自己流で行うにも限界があるのも事実なので、本当にお困りの方はNATA-ATC 、 NSCA-CSCS、理学療法士のライセンスを持った専門家にご相談いただくのが良いかもしれません。

筋筋膜性腰痛を根本的に改善する上での最重要ポイント

さて、筋肉を弛めて、筋肉を鍛えて終わりではありません。

最後の仕上げが肝です。

それは、ズバリ「身体動作の改善」です。

歩き方・立ち方・座り方・重量物の持ち上げ方・・・アスリートであれば走り方・跳び方・競技のフォームなど、腰に負担をかけている行動パターンを修正します。

これらはトレーニングの延長ともいえますが、現状多くのトレーナーはトレーニングルームでのエクササイズメニューにこだわるあまり、生活背景や行動パターンへ介入できていない・できないことが多く、これでは「木をみて森をみず」となってしまいます。

惜しい所までいってるのに、あと一歩!で足踏みしてしまう人が非常に多いのです。行動パターンの修正、これが肝心要なのです。

筋筋膜性腰痛を改善するために必要な手順

長くなりましたのでまとめます。筋筋膜性腰痛は

  1. 背骨がひとつひとつ滑らかに動くような環境づくり。そのために深部の筋肉までしっかりと弛める。
  2. 腰にかかる負担を減らすための筋肉をつける。
  3. 腰に負担をかける動作を改善する。

この3つの手順を踏む必要があります。

注意しなければならないのは、冒頭でご説明しましたように腰痛には特異的なものも存在するということ。非特異的腰痛である筋筋膜性腰痛や椎間関節性腰痛は、レントゲンを撮影しても現れません。ですので詳しいことはよく分からないから、筋筋膜性腰痛でしょう、椎間関節性腰痛でしょう、と病院で診断されることがあります。しかし、心理面が関与していたり、本当に原因がわからない特殊な特異的腰痛が、まざっていることはあります。そのため、どんなに体のハード面を完璧にしても治らない例もありますし、反対にあれやこれや腰にたいする処置を一切やめたら気がついたら痛くなくなっていた、などというケースも実際にあります。

鍼灸・マッサージの効果の検討も、単純に平均への回帰だったのか、本当に効果があったかまだ決着がついていません。(効果がなかったという結論の文献も実際にあります)

ただし、鍼・マッサージは筋肉を弛めるという点においては特化しているとお考えください。鍼灸・マッサージのみで、筋筋膜性腰痛が根本的に改善することは困難です。しかし、根本的解決する上で有効な手段であることは間違いありません。

非特異的腰痛を根本的に改善するにはどこにいけば良いのでしょうか?

まず整形外科を受診いただきまして骨格の形態的異常、内臓疾患が無いかチェックを受けてください。これは必須です。以前、病院に行って異常無しと言われたとしても、その時から半年以上経っている場合は、再度受診してください。

病院での診察・検査で、特に目立った異常が見当たらない、もしくは筋筋膜性腰痛と診断をもらうことがファーストステップです。

腰痛というと、整形外科のリハビリに通う、もしくは、整形外科以外の施術所を選択する、の2択です。

他の施術所を選択する場合は、基本的に腰痛は肩コリの根本的改善のための選び方と同じです。念のために補足いたしますと、整体やカイロプラクティックで行われている骨格矯正術では筋筋膜性腰痛はよくなることはありません。

骨格の問題は整形外科にてチェック済みですし骨が筋肉を動かすのではく、筋肉が骨を動かすものだからです。ストレッチをすれば大まかに筋肉を弛めることができますが、細かく背骨一つ一つのインナーマッスルへのアプローチはできません。つまり、腰痛を根本的に改善する場合ストレッチだけでは不十分です。 パーソナルトレーニングは大切ですが筋トレだけでは腰痛は治らないということは上述させていただきました。

では、鍼灸・マッサージ院であれば良いかのというと、そうではありません。方針によります。

筋筋膜性腰痛は、筋肉の細かい分析と対処ができるか否かにかかっています。

筋筋膜性腰痛で肝となるのは、とにかく筋肉を細かく分析して対処することです。例えば代表的ないわゆる背筋は正式には脊柱起立筋といいまして棘筋・最長筋・腸肋筋に分かれ、さらにそれぞれが三つのパートに分かれます。そらを一つ一つ個別に対処する必要があり、さらにはインナーマッスルである多裂筋・腸腰筋・腰方形筋は単なるツボへの施術ではアプローチが難しく、特殊な技術が必要です。具体的には角度と深度をピンポイントでアプローチしなればなりません。これを可能にするのは経絡やツボの知識ではなく、三次元での筋肉の人体解剖学です。そのため、鍼灸・マッサージを希望する場合は西洋医学的な理論のもと施術を行う鍼灸院を選択いただけたらと思います。

ただし、特異的腰痛の場合は東洋医学的な鍼灸が有効である可能性があるため、西洋医学的な理学療法が絶対というわけではない、ということも心の隅に留めておいてください。

 

 


執筆者:丸山 太地
Taichi Maruyama

日本大学文理学部
体育学科卒業 東京医療専門学校 鍼灸マッサージ科卒業
上海中医薬大学医学部 解剖学実習履修
日本大学医学部/千葉大学医学部 解剖学実習履修

鍼師/灸師/按摩マッサージ指圧師
厚生労働省認定 臨床実習指導者
中学高校保健体育教員免許

病院で「異常がない」といわれても「痛み」や「不調」にお悩みの方は少なくありません。
何事にも理由があります。
「なぜ」をひとつひとつ掘り下げて、探り、慢性的な痛み・不調からの解放、そして負のスパイラルから脱するためのお手伝いができたらと考えております。